「空気が読めない」は営業外損失──発言を仕訳して人格を可視化せよ

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。Jindyです。

あなたの発言、資産?負債?──今すぐ“人格仕訳”してみる?

あなたの何気ない一言が、実はあなた自身の「財務諸表」を形作っているとしたらどうでしょうか?

コミュニケーション下手だと嘆く人も、雑談上手と評判の人も、もし自分の発言を会計の視点で仕訳(分類)してみれば、自分の人格の資産と負債がクリアに見えてくるかもしれません。実は、日常の会話における振る舞いは、企業の経営と少し似ているのです。本記事では、「空気を読む」「空気が読めない」といったコミュニケーション特性を会計や投資の観点から分析し、あなた自身のコミュニケーション・スタイルを見える化してみます。

読む前に少しイメージしてみてください。たとえば、場の空気を読まずに自分の話ばかりしてしまう人は、企業で言えば在庫(棚卸資産)の価値を実態以上に計上しているようなもの。逆に、その場の雰囲気に合わせて発言のタイミングや内容を調整できる人は、利益や損失を出すタイミングを巧みにコントロールしている会社に似ています。さらに、「本音を飲み込めない」――つまり言いたいことを我慢できずつい言ってしまう人は、損失の先送りができず経営成績にすぐ反映してしまう企業のようです。本記事を読むことで、自分や周囲の人のコミュニケーション傾向を投資家目線で分析し、どのように改善や活用できるかが見えてきます。単なる自己分析に終わらず、ビジネスパーソンとして人間関係を円滑にするヒントも得られるでしょう。

堅苦しく感じるかもしれませんがご安心を。会計や投資の知識がなくても大丈夫です。面白いくらいピッタリな「たとえ話」を通じて、自分の言動パターンを客観視できる内容になっています。20代~30代の働く皆さんにとって、自分のコミュ力を見直すきっかけとなり、明日からのコミュニケーションがちょっと楽になる、そんなベネフィットが得られるはずです。では早速、あなたの「人格会計」を紐解いていきましょう。

自己満発言ばかりの人は「在庫資産の過大計上」タイプ

まず登場するのは、会話がいつも「自己満足」で終わってしまう人。周囲のテンションやニーズを無視して、自分が話したいことだけをベラベラと話すタイプです。本人はノリノリで饒舌ですが、聞き手からすれば「また自分の話ばっかり…」とうんざりされがち。実はこのタイプ、財務諸表に例えると「在庫資産の過大計上」をしている会社にそっくりなのです。

どういうことでしょうか?企業会計では、売れ残りの在庫など価値の下がった商品は適切に評価損を計上しなければなりません。しかし自己満足発言タイプの人は、自分の話(在庫)の評価額を下げようとしません。「これ絶対ウケる!俺って面白い!」と心の中で思い込み、実際には周囲が求めていないネタを次々投入します。まさに売れない在庫まで帳簿上は価値があるように見せかけているような状態です。企業で言えば、在庫を実際よりも多く計上し利益を水増ししているのに等しいでしょう。確かに一時的には自分だけ気分よくなれる(帳簿上は利益が増える)かもしれません。しかし、それは架空の利益。いずれ在庫を抱え過ぎたツケ(周囲の冷たい反応)が回ってきて、棚卸資産の評価損という形でドカンと損失計上する羽目になります。「なんかあの人と話すと疲れるよね…」と人が離れていくのは、まさに大量の不良在庫を抱えて評価損を出す瞬間です。

本人はなぜ気づけないのでしょう?それは「自分は空気を読めている」と思い込んでいるからかもしれません。漫才作家の本多正識氏も指摘していますが、空気が読めない人ほど「自分は面白いことを言えている」と勘違いして暴走し、結果として場の空気を壊してしまうことが多いそうです。自分のテンションと周りのテンションが噛み合っていなければ、どんなに喋ってもそれは単なる独りよがりのおしゃべりに終わってしまいます。

投資の視点で見ると、このタイプの人に対しては要注意シグナルが点灯します。投資家が企業を見るとき、棚卸資産の異常な増加や在庫評価の甘さは危険サインです。実際、東芝の不適切会計問題でも、本来処分すべき在庫を過大評価し続けて損失を繰り延べ、後で大きな問題になりました。同じように、自己満発言タイプの人は周囲から「信用リスク有り」と見なされてしまうかもしれません。会話上手になりたいなら、まず在庫を適正に評価すること、つまり「自分の話したいこと」と「相手が求めていること」のギャップを埋める努力が必要です。自慢話や内輪ネタが在庫の山と化していないか、一度棚卸ししてみると良いでしょう。

空気を読める人は「タイミング損益認識」タイプ

次に、空気を読むのが上手い人を見てみましょう。このタイプはまるで優秀な財務担当者のように、状況に応じて発言の内容やタイミングを巧みに調整します。場がシーンと静まり返っているときには聞き役に徹し、チャンスと見れば気の利いた一言で場を和ませる。その振る舞いは、企業が利益や損失を計上するタイミングを操作して業績を安定させているかのようです。

企業会計の世界では、利益調整のテクニックとして「タイミングのコントロール」があります。本来今期に計上できる収益をあえて次期に繰り延べしたり、逆に必要な費用計上を少し遅らせたりすることで、損益を滑らかに見せる手法です。悪いニュースは週末のマーケットが閉まった時間に発表する、といった話を聞いたことはありませんか?不調な企業ほど決算発表を先延ばしにし、「金曜日の夕方にこっそり悪材料を出す」傾向があると指摘されています。空気が読める人もこれと似ていて、たとえば上司の機嫌が悪い日は提案を見送り、機嫌の良いときを見計らって切り出す──まさに発言のタイミングをコントロールして、自分にとっての“損益”を最適化しているのです。

この「タイミング損益認識」タイプは、一見すると打算的にも思えますが、職場や人間関係では非常に有用なスキルです。ある調査によれば、新入社員が苦労するスキルの第1位はコミュニケーション力だったそうです。つまり、多くの人が「何を・いつ・どう言えばいいか」で悩んでいるということ。空気を読める人はまさにそこを上手にやってのけるので、どんな職場でも重宝されます。上司や同僚とのスムーズな関係づくりができれば、仕事だって進めやすくなるのは言うまでもありません。会社で言えば、余計なトラブル(損失)を回避しつつ好機にはしっかり利益を出せる安定経営企業といったところでしょうか。

ただし、投資家視点で見れば気を付けたい点もあります。それは、このタイプが「本音隠し」や「忖度過多」になってしまうリスクです。利益調整をし過ぎる会社は、いざというとき大きな損失を隠している可能性があって怖いですよね。人でも同じで、空気を読むあまり本当の意見を言わなかったり、イエスマンになってしまうと、信頼関係の上ではかえってマイナスかもしれません。「空気を読む=忖度しすぎ」にならないよう、バランス感覚が重要です。適切なタイミングで損も利益もオープンにできる人こそ、周囲から長期的な信頼を得られるでしょう。

本音を飲み込めない人は「損失の繰延処理が苦手」タイプ

最後に登場するのが、本音を飲み込めない人です。思ったことがすぐ口に出てしまい、「あっ、言わなくてもいいことまで言っちゃった…」と後で後悔するタイプですね。会議でも「それっておかしくないですか?」とズバッと言ってしまったり、相手を怒らせるリスクを省みず正直な物言いをしてしまう。言い換えれば、目の前の“小さな損失”を繰り延べできず、その場で全部計上してしまうような企業とも言えます。

企業が損失の繰延処理をするのは、「今期は悪材料を隠してでも業績をよく見せたい」という心理からです。例えば、本当は価値が下がってしまった在庫を評価減せずに抱え続ければ、帳簿上は損失(評価損)が出ないので当期の利益は減りません。しかし、適正に評価をせず損失を先送りすると、見かけ上利益が増えてしまうため経営者は在庫評価を甘く考えがちです。これは単なる問題の先送りで、いつかは処理せざるを得なくなります。一方、本音を飲み込めない人は損失の先送りが下手なので、ある意味常に帳簿をクリーンに保っているとも言えます。嫌なことや問題点を感じたらすぐ表明してしまうため、その場では波風が立つ(損失が表面化する)ものの、後に尾を引く隠れ損失は残さないのです。

このタイプ、短期的には周囲と衝突しがちで「空気読めないなぁ」と敬遠されることもあります。しかし、長期的に見ればむしろ信頼を勝ち取るケースも少なくありません。心理学者やビジネスの現場でも、誠実な対話こそが信頼関係の基盤だと言われます。たとえ耳が痛いことでもあえて率直に伝える勇気が、結果的には相手との強い絆を生むのです。これは企業で言えば、一時的に巨額の損失を計上してでも不正をリセットし、以後の健全経営に舵を切る「大掃除(ビッグバス)」に似ています。過去にオリンパスという企業が巨額損失の隠蔽で問題になりましたが、発覚後に一気に損失処理を行い再出発しました。また、陰で不満を溜め込んで表面上は取り繕う行為は一時的にその場の和を保つかもしれませんが、結果として関係を悪化させるリスクがあります。人も同じように、言いにくいことから逃げず正直に向き合うことで、後々のトラブルを防ぎ健全な関係を築ける場合があります。

とはいえ、何でもかんでも本音をぶちまけていいかというと、それも考えもの。投資家が嫌がるのは、毎期特別損失ばかり計上するような経営です。人間関係でも、頻繁に衝突ばかりでは周囲も疲弊してしまいます。「損失の繰延処理」が苦手な人は、言葉の出し方を工夫することで損失のソフトランディングを図るとよいでしょう。例えば言いたいことがあるとき、ストレートに批判するのではなく建設的な提案に言い換えてみるとか、感情的になる前に一呼吸おいてみるなどです。それは言わば、減損処理をするときに一度に全てを書き落とすのではなく、段階的に処理していくようなもの。正直さと誠実さは大事にしながらも、伝え方次第で「損失計上」の衝撃を和らげることは可能です。

結論:あなたの人格決算書は健全か?

ここまで3つのタイプを見てきましたが、あなたはどの決算タイプに当てはまりましたか?「自分はこれだ!」とピンと来た人もいれば、「あるある、自分の同僚にこんな人いる!」と思った人もいるでしょう。実際、人の性格はそんなに単純に3分類できるものではありません。多くの人はこれらの要素をバランスよく、あるいは状況によって使い分けているものです。

大切なのは、自分のコミュニケーション傾向を客観的に知り、必要に応じて調整することです。もしあなたが自己満発言タイプ寄りだと感じたら、少し立ち止まって「それ、本当に相手が聞きたい話かな?」と在庫評価を見直してみましょう。空気を読みすぎて本音が言えていないなと思ったら、時には勇気を出して正直な対話に踏み込んでみてください。逆に正直すぎて衝突が多い人は、伝え方というスキルを身につけることであなたの誠実さがより活きてくるはずです。

最後に、あなたという「人間企業」の価値は、財務諸表の一時的な数字では測れません。短期的な利益(人気取り)よりも、長期的な信頼という無形資産を積み上げていくことが大切です。自分の発言や行動を帳簿につけるように振り返り、時には修正しながら、より健全な人格決算書を作り上げていきましょう。そうすればきっと、あなたの周りに集まる「投資家」(仲間や同僚、上司、顧客)は、あなたという人間に安心して貴重な時間と信頼を預けてくれるようになるでしょう。自分のどの面も隠すことなく上手に示しながら、あなたという会社をグロース(成長)させてください。読んでくださったあなたのこれからのコミュニケーションが、今日よりもっと円滑で実り多いものになりますように。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『発達障害・グレーゾーンかもしれない人のための「コミュ力」』
“空気が読めない”背景を脳・認知特性から整理し、具体的な会話テンプレや場面別対処法を提示。自己理解と実践を両立した実用書。


『これならわかる決算書キホン50!〈2025年版〉』
決算書の読み方を見開き図解でサクッと理解。セイコーやサイバーエージェントなど実在企業の財務を例に、「数字→行動」のつながりを学べる。


『決算書「分析」超入門2025 100分でわかる!』
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それでは、またっ!!

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