みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その“安心のN-BOX”、本当にあなたの自由を増やしてますか?
ホンダのN-BOXが販売ランキングで再びトップに返り咲いた、というニュースをよく見かけます。でもその一方で、軽自動車市場そのものはジワジワ縮小しつつあり、「欲しい人はいるけど、さすがに高すぎない?」という空気も濃くなってきました。実際、軽自動車の平均価格はこの20年で約6割アップしていて、いまや平均160万円台。200万円を超えるグレードも当たり前になり、「総額300万円近い軽」も珍しくありません。
最近の記事では、「N-BOXは首位に返り咲き。でも軽市場全体は縮小、しかも消費者の6~7割が『300万円未満がいい』と考えていて、現実の価格とのギャップがどんどん広がっている」という指摘もありました。
かつての軽は「とりあえずこれ買っとけば安心」「地方の足」「維持費も安い」という“庶民の味方”ポジションでした。でも今はどうでしょう。頭金を入れて、残価設定ローンを組んで、ボーナス払いも乗せて……となると、もはや“貧乏くさい安心”どころか、完全に「ローン前提の小型ラグジュアリー」です。
それでも、私たちの頭の中にはまだ
「マイカー=資産」
「クルマがあると、なんとなく安心」
という昭和〜平成の価値観がかなり強く残っています。住宅ローンと同じで、「借金してでも持っておくのが正解っぽい」空気があるんですよね。でも、給料がそこまで増えていない中で、軽なのに300万円に近づく世界になってくると、この“安心”は本当に家計を守っているのか、それとも静かに締め上げているのか、一度フラットに見直した方が良さそうです。
そこでこの記事では、
- 昔の「低価格・維持費安い・地方の足」としての軽自動車
- 今の「ローン前提の小型ラグジュアリー」としての軽自動車
を、家計のBS(バランスシート=持ち物と借金の一覧)とCF(キャッシュフロー=お金の出入り)の視点でざっくり比較してみます。難しい会計の専門用語はなるべく噛み砕きながら、「投資クラ」が好きな数字のノリだけ、いいとこ取りするイメージです。
さらに、「マイカー1台持つ」という一択ではなく、
- マイカーを買う(ローン or 現金)
- カーシェア中心+必要な時だけレンタカー
- サブスク(KINTOみたいなサービス)
- 電動自転車+タクシーで割り切る
といった、家計の“乗り物ポートフォリオ”という考え方も紹介します。投資で「株だけじゃなくて、債券や現金も持とうね」というのと同じで、「移動手段も分散させた方が、トータルでコスパと自由度が上がるのでは?」という発想です。
中盤では、「マイカーは資産か負債か?」を、
- 車両価格
- 減価(価値の目減り)
- 残価設定
- ローン金利
などをざっくりまとめて、簡易IRR(利回りっぽいもの)の感覚でネタっぽく眺めてみます。数式をずらずら書くつもりはないので、「ざっくりこんなイメージなんだな」くらいで読めるはずです。
この記事を読み終わるころには、
「なんとなくで車を選ぶ」から
「家計のBSとCFに合った乗り物を選ぶ」
という視点がひとつ増えているはずです。「軽なのに300万円」が高いか安いか、その答えは人によって違いますが、自分なりの“ものさし”を持っておくと、ローンの契約ボタンを押す指がだいぶ冷静になりますよ。
目次
かつての「庶民の足」だった軽は、どんなBSだった?

まずはタイムスリップして、「ちょっと前までの軽自動車ってどんなポジションだったの?」というところから整理してみます。ここを押さえておくと、「今の軽」がどれくらい変質しているかが、すごくわかりやすくなります。
ここで出てくるBS(バランスシート)という言葉は、めちゃくちゃざっくり言うと
自分の「持ち物リスト」と「借金リスト」
だと思ってください。
会社だけじゃなく、家計にも本当は存在しているものです。
昔の軽は、この“持ち物リスト”の中でもかなり優等生ポジションでした。では、その理由を3つに分けて見ていきます。
「安く買えて、安く維持できる」安心なスタメン
ちょっと前までの軽自動車って、
- 新車でも100万ちょっと〜120万円くらい
- 中古なら50万〜80万円台もゴロゴロ
- 税金も自動車税は普通車より全然安い
- 車検代も「まあこんなもんか」で済む
という感じで、とにかく「手に届く安心」でした。
家計のBSで見ても、
- 左側(持ち物):軽1台(価値はそこそこ)
- 右側(借金):ローンを組んでも金額はそこまで大きくない
という、わりと健全なバランス。
最悪、「ちょっと無理なら売ればいいか」と考えられるぐらいのサイズ感です。
ここがポイントで、
“いざとなったら売って現金にできる”
という感覚があると、持ち物としての車は「資産寄り」に感じられます。
もちろん、実際には中古で売るとガクッと値段は落ちますが、それでも「ローンがまだ200万円残ってるのに、下取り価格は80万円しかつかない…」みたいな悲劇までは行きづらい世界観でした。
地方の「インフラ代わり」=CF(毎月のお金)の守護神
次に、CF(キャッシュフロー)の話。
これは難しく言うと「お金の出入り表」ですが、ここでは
- 給料:毎月入ってくるお金
- 生活費:家賃・食費・水道光熱費・通信費など
- そこに「移動のための費用」がどう乗るか?
というイメージでOKです。
地方の場合、昔から電車やバスだけでは生活が回らないエリアが多く、軽はほぼ生活インフラの一部でした。
- 通勤
- 子どもの送り迎え
- 実家への帰省
- スーパー・ドラッグストアへの買い物
こういうものを全部セットで支えてくれる存在なので、
「車がないと、そもそも生活が組み立たない」
という人にとっては、家賃みたいな固定費にかなり近いポジションでした。
ただし、昔の軽は車両価格が安い分、
- ローンの毎月支払いはそこまで重くない
- ガソリン代も軽い(車重が軽く、燃費もそこそこ)
- 税金も安め
という意味で、「CFをギリギリ圧迫しないライン」にうまく収まっていたわけです。
つまり、
生活に必須のインフラだけど、
家計をぶっ壊すほどの重さではなかった
という絶妙バランスだったんですね。
「ちょっとした資産」としてのクルマ観
もうひとつ大きなポイントは、
「車=ちょっとした資産」という感覚です。
- 軽でも「自分の名義のモノを持っている」という満足感
- すぐにはゼロにならない価値(中古で売れば数十万円は返ってくる)
- 「働いて買った、自分の分かりやすい成果物」
こういう要素が混ざって、昔の軽はメンタル的にも“資産寄り”に見えていました。
BS的に整理すると、
- 持ち物(資産):軽自動車(価値は時間とともに減るけど、しばらくは残る)
- 借金(負債):そこまで大きくないオートローン、またはそもそも現金一括
という構図。
ここでポイントなのが、
「資産の減り方 < 借金の減り方」
になりやすかったことです。
ざっくりいうと、
- ローンを毎月返していくと、負債はどんどん減る
- 車の価値は落ちていくけど、一定ラインまでは残る
- 数年後に売却すれば、「ローン残高 ≒ 下取り価格」くらいで逃げられるケースもそれなりにあった
つまり、「ローンで身動きが取れなくなる」リスクが今ほど高くなかった、ということです。
昔の軽は、
- 安く買えて
- 安く維持できて
- 売ろうと思えばそれなりに現金化できて
- 地方のインフラとして、CFもそこまで圧迫しない
という、かなり“守備力の高い選手”でした。
だからこそ、親世代は
「とりあえず軽1台持っとけば安心だよ」
と、ほぼテンプレのように言ってきたわけです。
この感覚が、今の30代の価値観にもまだ強く残っている。
でも――
軽の価格が200万〜300万円に近づいてきた今、その「安心テンプレ」をそのまま信じていいのか? というのが、これからのテーマです。
次では、同じ“軽”なのに、なぜここまで「ローン前提の小型ラグジュアリー」になってしまったのかを、今のBS・CFの目線で見ていきます。
いまの軽は「小型ラグジュアリー」?BSとCFがこう変わった

ではここから、いまの軽自動車を見ていきます。
同じ「軽」という名前でも、中身はかなり別モノです。
ざっくりいうと、
- 昔:「安くて実用的な生活インフラ」
- 今:「ローン前提の小型ラグジュアリー」
このくらいモードが変わっています。
ここでも、むずかしい会計用語はナシでいきます。
BS=持ち物と借金の表、CF=毎月のお金の出入り、というイメージだけ頭の片すみに置いておいてください。
本体価格が「ちょっと背伸び」から「ガチ背伸び」へ
まず一番わかりやすいのが、車両本体価格のインフレです。
- かつて:新車で100万〜130万円くらいが多かった
- いま:N-BOXをはじめ、200万〜250万円台のグレードが普通
- オプション+諸費用で乗り出し250万〜300万円近くになるパターンも珍しくない
という世界になっています。
ここで家計のBS(持ち物&借金)をイメージしてみると、
- 左側(持ち物):
→ 立派な軽1台(でも価値は年々減っていくモノ) - 右側(借金):
→ 200万円〜以上のオートローン、しかも5〜7年の長期
という構図になりがちです。
昔は、
「ちょっと頑張れば買える“背伸び”」
くらいだったのが、今は
「ローンを組み切らないと手が出ない“ガチ背伸び”」
に変わってきています。
数字で見ると地味なんですが、メンタル的な重さがぜんぜん違うんですよね。
「いつでも売ればローン完済できそう」というサイズ感から、「途中で売るとむしろ赤字デカくなる」サイズ感になっている、という変化です。
毎月のCFをジワジワ圧迫する「ローン+維持費+燃料」
次に、毎月のお金(CF)にどう効いてくるかをざっくり見てみます。
たとえば、
- 車両本体+諸費用:270万円
- 頭金:30万円
- 借入額:240万円
- 7年ローン・金利2〜3%前後
みたいな条件だと、月々の支払いはざっくり 3万円台をイメージできます(ボーナス払いなしの場合)。
ここにさらに、
- 駐車場代(都市部なら1〜2万円台、地方でも0〜数千円)
- ガソリン代(月5,000〜1.5万円くらい)
- 自動車保険(月換算で5,000〜1万円前後)
- 税金・車検(年ベース or 数年ベースのまとまった出費)
などが乗ってきます。
すると、毎月換算すると、
「車のために固定で4〜7万円くらい出ていく」
というケースが普通にありえるわけです(地域差はかなりありますが、イメージとして)。
ここでポイントなのが、
- 給料はそこまで伸びていない
- 社会保険や税金で手取りは減りやすい
- 物価もジワジワ上がっている
という環境で、車だけがワンランク上の出費になっているということ。
昔は、
「クルマの固定費は、家計全体から見てもそこまで重くない」
だったのが、今は
「クルマを持つ前提で家計を組むと、
他の選択肢(旅行・投資・転職の自由度)が削られていく」
という、自由度を奪う固定費になりやすくなっています。
つまりCFの観点では、
- クルマの支出が
→ 「生活を支えてくれるコスパのいい必須コスト」から
→ 「他の選択肢を削ってまで守るべき“贅沢な固定費”」
に近づいている、という変化です。
残価設定と「実はあまり資産じゃない」現実
最近よくあるのが、残価設定ローンです。
- 5年後の想定下取り価格(残価)をあらかじめ決める
- その残価を差し引いた額だけローンを組む
- 期間が終わったら
① そのまま乗り続けて残価を一括or再ローンで払う
② 新しい車に乗り換えて、また残価設定ローンへ
③ 車を返して終わり
という仕組みですね。
一見すると、
「月々の支払いが安くなるからお得!」
に見えますが、BSの視点で見ると、
- 手元にある車は自分のもののようで、完全には自分のものではない
- ローンが終わるタイミングで「残価」という名のドーンとした支払いが再び登場
- そこでまた新車に乗り換えると、永久ローンループになりがち
という構造をしています。
ここが、「マイカー=資産」というイメージとズレているポイントです。
本来、資産というのは、
- 時間がたっても価値がゼロにはならない
- いざという時に売って現金にできる
- 場合によっては値上がりすることもある(株や投資信託など)
という性質がありますが、現実のマイカー(しかも残価設定ローンつき)は、
- 年数がたつと価値はどんどん減る
- 途中で売ると、残りのローンと下取りのギャップが痛い
- 残価も「将来の時価」が確約されているわけではない(条件次第で変わる)
という意味で、かなり“負債寄りの資産”になってきています。
にもかかわらず、
「自分名義で軽の最上級グレードに乗ってる」
「オプションも全部盛りだから、ちょっとしたステータス」
という、小型ラグジュアリー的な満足感はちゃんと提供されている。
ここに、いまの軽の本質があります。
いまの軽自動車は、
- 本体価格は「ガチ背伸び」ゾーンに突入
- 毎月のCFをガッツリ持っていく固定費になりやすい
- 残価設定ローンによって「資産」というより「サブスクに近い負債」になっている
という意味で、昔の“庶民の足”とは完全に別キャラです。
それでも、私たちの頭の中にはまだ
「軽なら安いでしょ」
「とりあえず1台くらい持っておくのが安心」
という旧時代のイメージが住みついています。
ここで認識がズレたままローンを組むと、あとで家計にじわじわ効いてくるわけです。
次のセクションでは、いよいよ本題の
「マイカーは資産か負債か?」を、ざっくりIRR(利回りっぽいもの)で考えてみる
というところに入っていきます。
「投資クラ」がニヤッとしつつ、初心者でもついてこられるくらいの軽いノリで数字をいじってみましょう。
マイカーは“投資”か“固定費”か?乗り物ポートフォリオとIRRのざっくり感覚

ここまでで、
- 昔の軽:庶民の足、守備的でコスパ良し
- 今の軽:ローン前提の“小型ラグジュアリー”
という流れを見てきました。
じゃあここからが本題です。
「軽を1台、ローンで持つって、
投資っぽく“元が取れてる”の?
それとも、単なる高めの固定費?」
これを考えるために、“乗り物ポートフォリオ”とざっくりIRR(利回り的な感覚)という2つの道具を使ってみます。
とはいえ、数式は出しません。感覚でOKなレベルに噛み砕きます。
まずは「乗り物ポートフォリオ」という発想を持ってみる
投資の世界では、
- 株だけじゃなくて
- 債券や現金も混ぜて
- リスクとリターンのバランスを取ろう
という考え方をポートフォリオと言います。
これをそのまま「移動手段」に当てはめると、
- 毎日クルマが必須なのか?
- 週末だけ乗れればいいのか?
- 月に数回、遠出できればいいのか?
みたいな“使い方”に合わせて、移動手段を組み合わせるイメージになります。
選択肢はざっくりこんな感じです:
- マイカー(軽・普通車)を1台持つ
- カーシェア+たまにレンタカー
- サブスク(KINTOみたいな定額制)
- 電動自転車+タクシー+公共交通機関
- 必要なときだけ「全部レンタル/配車サービス」
ポイントは、
「マイカーを買うか、買わないか」ではなく、
「どの組み合わせが、自分の生活と財布に一番フィットするか?」
で考えることです。
投資クラ的に言うと、
- マイカー:ハイリスク・ハイコストだけど、自由度MAX
- カーシェア:固定費小さめの“コールオプション”
- 電動自転車+タクシー:日常のリターン高め、遠出は割り切る
みたいなイメージ。
ここに「軽300万円」が入ってきたとき、その枠をどう使うかがテーマになります。
ざっくりIRR:軽1台の“利回り感覚”をイメージしてみる
IRR(内部収益率)というのは、本来は投資プロジェクトの「利回り」を測る指標ですが、ここでは超ざっくり、
「払ったお金に対して、どれだけ“生活の便利さ”というリターンを回収してる感じがするか」
くらいのノリで使います。
たとえば、こんな前提を想像してみてください:
- 軽(総額):270万円
- 7年乗るとする → 年あたり約38万円
- 年間走行距離:8,000km(週末+通勤少し)
- ガソリン・保険・税金・車検など:ざっくり年20〜30万円
合計すると、
年あたり60〜70万円くらい、
「移動の自由」と引きかえに払っている
というイメージになります。
ここでIRRっぽく考えるなら、
- その60〜70万円で
- どれだけ通勤が楽になるか
- どれだけ時間を節約できるか
- どれだけストレスが減るか
- 家族との時間・趣味の幅がどれだけ広がるか
みたいな“見えないリターン”を、他の選択肢と比べるわけです。
たとえば、都市部で
- 通勤:電車+自転車でも行ける
- 週末:月に1〜2回くらい遠出する程度
という人なら、
- 「カーシェア+電動自転車+たまにタクシー」
- 固定費:かなり抑えられる
- 使うときだけお金を払う
- 「マイカー(軽)をローンで持つ」
- 固定費:毎月ガッツリ出ていく
- ただし、24時間いつでも乗れる自由はある
という比較になります。
このとき、投資クラ的な目線でいうと、
「年間60〜70万円の“移動投資”に対して、
自分の生活にどれだけリターンが返っているか?」
を一度冷静に見直してみるといい、という話です。
ざっくりIRRの感覚として、
- ほぼ毎日クルマを使う → 利用頻度が高く、元を取りやすい
- 週末ドライブが中心 → 1回あたりのコストがかなり高くつく
- ほぼ乗らない → 限りなく“マイナス利回り”に近い
という感じで、「使ってないのに固定費だけ払っている」状態が一番もったいない、とだけ押さえておけばOKです。
人生のフェーズ別に“正解のポートフォリオ”は変わる
最後に、乗り物ポートフォリオに“正解はない”という話です。
大事なのは、
「いまの自分の生活+収入+価値観」に、
そのクルマが本当にフィットしているか?
を定期的に見直すこと。
ざっくり例を挙げると:
▶ 地方・クルマ必須エリア
- 通勤も買い物もクルマ前提
- 子どもの送り迎えも発生する
こういうケースでは、正直マイカーはほぼインフラです。
この場合は、
- 車種:見栄よりも「燃費・信頼性・維持費」を優先
- グレード:最上級フルオプションより、必要最低限+安全装備
- ローン:7年フルローンより、できるだけ期間を短く・金額も抑えめに
といった形で、“ラグジュアリー”を避けて“生活インフラ”に寄せるのが、IRR的には賢い選択になりやすいです。
▶ 都市部・公共交通が強いエリア
- 通勤は電車+徒歩・自転車でOK
- 週末のお出かけは月数回
こういう人は、
- カーシェア中心+たまにレンタカー
- 電動自転車+タクシー
- 必要に応じて家族や友人とシェア
といった“軽いポートフォリオ”の方が、トータルの利回りが良くなることが多いです。
ここで軽を300万円近くでフルローンすると、「自由度の低い固定費」がドンと乗るので、IRR感覚的には厳しめになりがちです。
▶ 子育て期・親の介護期など、時間と距離がシビアなフェーズ
- 保育園の送り迎え
- 週末の習い事
- 親の病院通い
などが重なると、クルマのリターン(時間の節約・ストレス減)は一気に跳ね上がることもあります。
このフェーズでは、
- あえて数年間だけは「マイカー全振り」
- その代わり、旅行や趣味の出費は抑える
みたいに、期間限定の“乗り物ポートフォリオの集中投資”もアリです。
まとめると、マイカーのIRR(利回り感覚)は、
- 車の価格やローン条件だけでなく
- 「どれくらい使うか」「他の選択肢と比べてどうか」
- 「いまのライフステージで、本当に役立っているか」
をセットで見ないと、まったく評価できません。
「軽なのに300万円、高すぎ!」
とリアクションする前に、
「自分の家計のBSとCFを見たときに、
その300万円は“良い投資”なのか、
ただの“重い固定費”なのか?」
という問いを持っておくと、だいぶ視界がクリアになります。
次のラストの結論パートでは、
- 「マイカー=資産」神話が終わりつつある日本で
- 私たちはどう“乗り物とお金”の付き合い方を変えていけばいいのか
を、少しエモさも混ぜつつ締めていきます。
結論:軽なのに300万円時代、「安心」よりも自分のBSを信じよう
ここまで、
- 昔の軽は「庶民の足」で、BS的にもCF的にも守備的だった
- 今の軽は「ローン前提の小型ラグジュアリー」に変わりつつある
- マイカーは“なんとなくの資産”ではなく、“使い方次第の固定費”に近い
という話をしてきました。
じゃあ、私たちはこれからどうクルマと付き合えばいいか?
最後にそこを、少しエモさ多めでまとめてみます。
まず一番伝えたいのは、
「軽なのに300万円」は“高いか安いか”じゃなくて、
「あなたの家計のBSとCFに合っているか」がすべて
ということです。
同じ270万円の軽でも、
- 地方で毎日ガチ使い → 通勤・子育て・介護までフル稼働
- 都市部で月2回のドライブ → ほぼ駐車場で眠っているアクセサリー
この2パターンでは、同じ支出でも意味がまったく違います。
前者にとっては、
- 時間を守ってくれる
- 生活を組み立てる土台
- 家族の安全と自由を広げてくれる
という、ある種の“投資”に近い存在になりえます。
一方、後者にとっては、
- 貯金を減らし
- 投資に回せるお金を奪い
- 転職や引っ越しの自由も少し削る
という、“がっつり重い固定費”になってしまうかもしれません。
同じN-BOXでも、持つ人によってIRR(利回り感覚)は全然違うんですよね。
もうひとつ大事なのは、
「マイカーを持っている=大人として一人前」
「とりあえず車は資産だから、あったほうが安心」
みたいな“昭和〜平成マインド”から、
少しずつ自由になってもいいのでは? という視点です。
もちろん、クルマが好きで、
- ドライブがなによりのストレス発散
- カスタムやメンテも含めて趣味の世界
という人にとっては、それはもう立派な“趣味への投資”です。
お金を使うこと自体が悪いわけではまったくありません。
でも、「なんとなくみんな持ってるから」「親に言われたから」「軽なら安いでしょ」でローンを組むと、
- 気づけば毎月の固定費がパンパン
- 投資を始める余裕がない
- 急なチャンス(留学・転職・引っ越しなど)で身動きが取りづらい
という、“見えないコスト”があとから効いてきます。
それって本当に、「安心」のためのクルマでしょうか。
むしろ「安心っぽい顔をした自由のブレーキ」になっていないか?
ここだけは、一度 BS と CF を見ながら冷静に考える価値があります。
とはいえ、「正解の乗り方」がひとつ決まっているわけではありません。
- クルマ必須の地方なら
→ 見栄よりも、燃費・維持費・ローン期間をシビアに設計する - 都市部であまり乗らないなら
→ カーシェア・電動自転車・タクシーを混ぜて“軽いポートフォリオ”にする - 今だけ子育て・介護がハードなら
→ 数年限定で「マイカー全振り」もアリ。その代わり他を絞る
こんなふうに、人生のフェーズごとに“乗り物ポートフォリオ”を組み替えるのが、これからの「賢いマイカーとの付き合い方」だと思います。
投資の世界でよく言われる、
「ポートフォリオは、人生の変化に合わせてリバランスする」
というやつを、そのままクルマにも適用するイメージですね。
最後に、ひとつだけ超シンプルな問いを置いておきます。
「いま検討している(もしくはもう乗っている)クルマ、
それがなかったら浮くお金で、
何ができる? どんな自由が増える?」
- もっと投資に回せるかもしれない
- 副業や勉強にお金を使えるかもしれない
- 年1回の海外旅行に行けるかもしれない
- いつでも引っ越せる身軽さが手に入るかもしれない
その“もしも”と、クルマがくれる便利さ・楽しさを天秤にかけたとき、
あなたの中で「それでも、この軽に300万円近く出す価値はある」と思えるなら、それはもう立派な“自分なりの投資判断”です。
逆に、「うーん…と言われてみると微妙かも」と感じたなら、
それは乗り物ポートフォリオを組み替えるサインかもしれません。
「軽なのに300万円時代」は、
たしかにお財布には厳しいニュースです。
でも見方を変えれば、
「クルマとお金と自由のバランスを、
自分の頭で考え直すきっかけをくれる時代」
でもあります。
“なんとなくの安心”のためにローンを組むのではなく、
自分のBSとCFをちゃんと見つめ直してから選ぶ。
それだけで、同じ1台の軽でも、
あなたの人生に返してくれる“リターン”は、かなり変わってくるはずです。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『新版 正しい家計管理』林 總
「家計を“会社の決算書”みたいに見る」感覚が身につく1冊。
- 家計をBS(資産・負債)とPL(収入・支出)で管理する方法を、一般家庭向けに落とし込んだ定番本の新版です。
- 「なんとなく節約」ではなく、数字で家計全体のバランスを見るので、今回のブログテーマと相性バツグン。
- 住宅・車・保険など、固定費をどう組み立てるかの考え方もしっかり書かれていて、「軽300万円って、うちのBS的にアリ?」を自分で判断できる軸ができます。
「家計を“感覚”じゃなくて“財務”で見てみたい人は、まずこの1冊を読んでみてください。」
『改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学』両@リベ大学長
「稼ぐ・貯める・増やす・守る・使う」を一気にさらえる“お金の教科書・最新改訂版”。
- 140万部超えのベストセラーが、内容をアップデートした最新の改訂版。
- 税金・保険・投資・住宅・車など、20〜30代が悩みがちなテーマをフルカバーしていて、図解も多く超読みやすいです。
- 「マイカーは資産か負債か?」みたいな問いに答えるための、**マクロな“お金の地図”**が手に入ります。
- これ1冊読んでおくと、今回のブログで書いた「乗り物ポートフォリオ」みたいな発想も、グッと腹落ちしやすくなります。
「お金まわり全体の“地図”を一気に手に入れたい人は、この改訂版を1冊だけ棚に置いておくと安心です。」
『お金を「貯める・増やす・守る」がマルっとわかる 知恵子の一生使えるお金の教科書』お金の知恵子 監修
Instagram発の人気アカウント「お金の知恵子」による、“固定費オール見直し本”。
- タイトル通り、「貯める・増やす・守る」を一冊でざっくり理解できる設計。
- 中でもポイントなのが第2章の固定費見直しパートで、住居費・車の維持費・水道光熱費・通信費・サブスクまで、今回のブログとド直球にかぶる内容が入っています。
- 本文はやさしい言葉+図解が多く、「初心者だけど、とにかく固定費を整理したい」という読者に刺さりやすい1冊です。
- 「車の維持費、うちの家計ではどこまでOK?」を数字ベースで考え直したい人にちょうどいいです。
「『車の固定費、ウチはどこまでが適量?』と思った人は、この本で“家計の健康診断”を一度やってみるとスッキリします。」
『ズボラでも増えるコツがわかる!マンガ お金の基本1年生』荻原博子 監修
4コマ漫画で読める、“超入門版マネーリテラシー本”。
- お金にまつわる基礎知識を、4コマ漫画+解説でサクサク読める入門書です。
- 固定費の見直し・預貯金・年金・クレカの使い方など、「とりあえずここだけ押さえとけ」がコンパクトにまとまっています。
- 活字が苦手な読者でも、マンガなのでサーッと読めて、要点はちゃんと頭に残るのが強み。
- 「車のローンも含めて、なんとなくお金に不安があるけど、まず何から勉強したらいい?」という層にハマりやすい1冊です。
「マネー本って難しそう…と感じる人は、まずこの“マンガ版お金の教科書”から始めるのがおすすめです。」
『貯金ゼロから「楽しく貯まる」すっきり暮らし』えま
元・浪費家ワーママが“年350万円貯めた”リアル家計再生ストーリー。
- 著者は、元浪費家→年間350万円貯めるようになった人気家計インフルエンサー・えまさん。
- 値上げラッシュ時代に、ムリなく・ストレス少なく・楽しく貯めるための家計の整え方が、ほぼ実録ベースで紹介されています。
- 「特別費」「固定費」をどう扱うか、という切り口が多く、“軽300万円時代”にどう優先順位をつけるかのヒントがかなり多いです。
- 写真やイラストも多く、ライフスタイル本としても眺めていて楽しいので、アフィリ的にも手に取ってもらいやすいテイスト。
「『正直、うちの家計けっこうカオスかも…』と思った人は、この本の“リアル家計 Before→After”がかなり刺さるはずです。」
それでは、またっ!!
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