あなたの会社、格差を“開示”します:2026年、給与がIRになる

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。 

その会社の“格差”、数字で見たことありますか?

「うちの会社って、なんとなく“女性が昇進しにくい”気がする」
「同じ仕事してるのに、給与の伸びが違う…?」
そんな“肌感”って、証拠がないとモヤっとしたまま終わりがちですよね。

でも、2026年4月1日から空気が変わります。常時雇用する労働者が101人以上の企業は、男女の賃金差(男女間賃金差異)と女性管理職比率の公表が義務になります。いままでは主に301人以上の企業が中心だった開示が、ぐっと広がる。つまり、今まで社内に埋もれていた“隠れ格差”が、数字として表に出てくる。転職市場ではこれがそのまま、会社選びの武器になります。

しかも面白いのはここからで、この話を「倫理」や「やさしさ」だけで終わらせないこと。この記事の尖らせポイントは、あなたの言う通り——
賃金差=経営の歪みとして、企業のIR(投資家向け情報)みたいに読むことです。

たとえば、男女の賃金差は単なる“仲良くしましょう”の話ではなく、

  • 配置(営業・企画・管理など)の偏り
  • 評価制度のクセ(昇給・昇格のスピード差)
  • 非正規比率や時短設計の弱さ

みたいな、会社の設計ミスが数字に出た可能性があります。つまりこれは、人材の使い方=経営の実力を映す鏡。

さらに実務的に重要なのが「いつの数字を、いつまでに出すの?」問題。初回の公表は、施行後に最初に終了する事業年度の実績を、次の事業年度開始後おおむね3か月以内に公表、という整理になっています。決算みたいに“締めて出す”イメージを持つと理解が早いです。

この記事では、初心者でも迷わないように、

  1. 制度変更の要点(どの会社が何を出す?どこで見れる?)
  2. IR視点の読み方(“良い会社”の数字、危ない数字)
  3. 転職・交渉への使い方(面接で刺さる質問テンプレ)
    この3つを、会計っぽい言葉は控えめにしつつ、わかりやすく解いていきます。

会社の“見えない差”は、知らない人から順に損をします。
でも逆に言えば、数字が出る時代は、知ってる人が勝てる時代
さあ、あなたの給与とキャリアを「運」じゃなく「情報」で守りにいきましょう。

101人以上が“開示企業”になる——まずは制度の全体像をつかもう

2026年4月からの変更って、ニュースで見ると「へぇ〜」で終わりがち。でも実際は、転職先選び・社内での評価の納得感・会社の将来性までつながる“土台のルール”が変わります。ここでは初心者向けに、「結局なにが、誰に、どう義務になるの?」をスッキリ整理します。

対象は「101人以上」——何を出さなきゃいけない?

ポイントはシンプルで、常時雇用する労働者が101人以上の企業は、次の2つが“必須で公表”になります。

  • 男女間賃金差異(ざっくり言うと、平均賃金が男女でどれだけ違うか)
  • 女性管理職比率(管理職のうち女性がどれくらいか)

そして「それだけ出せばOK」ではなく、企業規模によって追加で出す情報の数も決まっています。

  • 101〜300人:上の2つ+ さらに1項目以上
  • 301人以上:上の2つ+ さらに2項目以上

追加で選ぶ項目は、たとえば「採用した人の女性割合」「役員の女性割合」など、いくつか候補が用意されていて、その中から公表します。
※ちなみに100人以下は努力義務(やってね、がんばってね枠)です。

どこで見れる?——会社HPと“公式データベース”

公表の出し方は、基本は次のどちらか(または両方)です。

  • 自社のホームページ
  • 厚労省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」(企業の公表情報をまとめて見られる場所)

転職する側としては、ここがめちゃくちゃ大事で、今までは「口コミ」や「雰囲気」で推測してたことが、会社が公式に出した数字として拾えるようになります。
しかも数字は、採用広報みたいに“いい感じに盛る”のが難しい。だからこそ、企業の体質(人の使い方のクセ)がわりと正直ににじみます。

いつから?いつ出す?——“決算みたいに締めて出す”と覚える

施行日はズバリ、2026年4月1日
ただし、数字の公表って「今日から義務ね!はい明日出して!」ではなく、ふつうは事業年度(1年の区切り)で集計→公表という流れになります。

参考になるのが、すでに義務化されている「男女賃金差異」のルールで、法施行後に最初に終了する事業年度の実績を、次の事業年度開始後おおむね3か月以内に公表、という考え方が示されています。
今回の拡大分も、感覚としてはこれに近い動き(年度で締めて、一定期間内に出す)になる可能性が高いので、会社側は2025年度末〜2026年度にかけてバタつきやすいはずです。

ここまでを一言でまとめると、「101人以上の会社は、給与と昇進の“現実”を数字で説明する時代に入る」
そして、その数字は社員だけじゃなく、投資家や取引先にも読まれます。次のセクションでは、この数字を“IRっぽく”読むと何が見えるのか(良い会社・危ない会社の見分け方)に入っていきます。

賃金差は“やさしさ”じゃない——IR(投資家目線)で読むと会社の歪みが見える

ここからが本題です。今回の開示義務化を「女性活躍の良い話」で終わらせると、たぶん行動が変わりません。
でも、これをIR(投資家向け情報)っぽく読むと一気に解像度が上がります。なぜなら、投資家が見ているのは「気持ち」じゃなくて、会社が将来も稼げる仕組みになっているかだから。人的資本(人材の状況)が投資判断の材料として注目されている流れもあります。

男女賃金差=“人の使い方”の決算書みたいなもの

男女の賃金差って、単に「男女で基本給が違う」だけじゃないことが多いです。
よく起きるのは、もっと構造的な話。

  • 高い役職・高い職種に女性が少ない(営業の中核、企画、管理職など)
  • 昇進スピードが違う(同じ年次でも役割が上がりにくい)
  • キャリアが途切れやすい設計(育休復帰後の配置が弱い、時短が詰む)

こういう“会社の設計”が積み重なると、平均賃金の差として出ます。
投資家目線で言うと、これは「人材の最適配置ができていない」「育成が回っていない」サインになり得る。つまり賃金差は、経営の癖や歪みが数字になったものです。

さらに厚労省の資料でも、数値の大小だけを見るのではなく、要因・課題を分析して改善につなげることが重要で、公表時に説明欄などで補足情報を出すのが望ましい、という考え方が示されています。
ここ、まさにIRっぽいですよね。「数字+理由+改善策」のセット。

女性管理職比は“将来の稼ぐ力”の先行指標になりやすい

女性管理職比率は、会社の「今」を見るだけじゃなくて、未来の強さを読む材料になります。

  • 管理職が多様だと、意思決定が偏りにくい
  • 育成ルートが複線化して、優秀な人が残りやすい
  • 採用市場で「選ばれやすい会社」になりやすい

もちろん、比率が高ければ絶対良い、低ければ即アウト——ではありません。業界や職種で土台が違うので。
でもIR目線で見ると大事なのは、「低い・高い」より動きです。

  • 去年より上がっている?止まっている?
  • 採用(入口)と管理職(出口)がつながってる?
  • “候補者”の層(主任・係長あたり)が育ってる?

このあたりが、会社の成長力と地味にリンクします。投資家が人的資本開示の見方を整理している報告も出ています。

転職で使える“IR式チェック”——数字より「説明」を見ろ

転職者として一番おいしいのは、開示された数字そのものより、会社の説明の仕方です。厚労省も、説明欄などを活用して補足情報を出すことを推奨しています。

見るポイントは3つだけでOK。

  1. 原因をちゃんと認めているか
    「業界的に仕方ない」で終わってない?職種構成・等級構成など、具体的に言えてる?
  2. 手を打っているか(具体策があるか)
    育成、配置、評価、両立支援など、施策が“ふわっと”してない?
  3. 期限や目標があるか
    「頑張ります」より、「いつまでに何をどうする」がある会社は強い。

ここが弱い会社は、数字が悪いこと以上に危ないです。なぜなら、問題が見えているのに経営が動けていない可能性があるから。逆に、数字がまだ途中でも、説明が筋が通っていて改善の道筋がある会社は、伸びしろがあります。

この開示は、会社の“性格診断”みたいなもの。次のセクションでは、いよいよ実戦編として、面接で刺さる質問テンプレと、開示情報を使った「転職・社内交渉」のやり方に落とし込みます。

転職で“勝てる質問”が作れる——開示データの使い方(面接・社内交渉の実戦編)

制度の全体像とIRっぽい読み方がわかったら、次は実戦です。
この開示がありがたいのは、会社の「雰囲気」を当てにしなくても、公式の数字を材料にして質問できること。面接でも、社内でも、“ふわっとした不満”を“話が通る相談”に変えられます。

まずは情報を拾う——基本は「データベース or 会社HP」

公表の場所は、会社のHPでもOKですが、厚労省のリーフレットでは、厚労省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」が最も適切として活用を勧めています。
つまり転職者は、(会社がちゃんとしていれば)同じフォーマットで比べやすい場所が手に入るってこと。

見るときのコツは、数字そのものよりも「注釈・説明」を探すこと。リーフレットでも、数値の大小だけに注目せず、要因や課題の分析、補足情報を説明欄で出すのが望ましいとされています。
ここが“会社の地頭”が出るところです。

数字の見方は3つだけ——「区分」「定義」「更新タイミング」

初心者がつまずきやすいのは、「同じ賃金差でも意味が違う」問題。なので、ここだけ押さえればOKです。

  1. 区分を見る(全体/正規/非正規)
    男女間賃金差異は、全労働者・正規雇用・非正規雇用の区分で公表が必要、と整理されています。
    たとえば「正規は差が小さいけど、非正規で差が大きい」なら、配置や雇用形態の設計にクセがあるかも…と読めます。
  2. 管理職の定義を見る(肩書きだけじゃない)
    女性管理職比率の「管理職」は、ざっくり言うと課長級+それより上(役員除く)。課長代理や課長補佐は原則含まれない、などの考え方も示されています。
    会社によって呼び名が違うので、ここがズレると比較を間違えます。
  3. いつの数字かを見る(“決算”みたいに締めて出る)
    初回の公表は、施行後に最初に終了する事業年度の実績を、次の事業年度開始後おおむね3か月以内に公表、という具体例まで書かれています。
    つまり2026年に入った瞬間、全社の数字が一斉に並ぶというより、会社ごとの決算期に合わせて順番に出てきます。

面接で刺さる“質問テンプレ”——攻めすぎず、でも深く聞く

ここからが一番おいしいところ。開示データを見たうえで、面接でこの3点セットを投げると強いです。

テンプレ①:原因(なぜそうなってる?)

  • 「賃金差の主な要因は、職種構成・等級構成・働き方のどこにありますか?」
    → ここで“ちゃんと説明できる会社”は、経営が数字を見ています。

テンプレ②:手当て(いま何を変えてる?)

  • 「昇進・配置・評価の仕組みで、具体的に見直した点はありますか?」
    → “研修やります”だけだと弱め。“制度に手を入れてるか”がポイント。

テンプレ③:期限(いつまでにどうする?)

  • 「女性管理職比率(または賃金差)の目標と、達成までの道筋はありますか?」
    → 目標がなくても即アウトではないけど、道筋の有無で本気度がわかります。

社内交渉に使うなら、言い方を変えてこうです。

  • 「開示が始まるので、社内の状況を“説明できる形”にしておきたいです」
  • 「採用や離職にも影響しそうなので、部署単位での課題整理だけでも先にやりませんか」
    リーフレットでも、説明欄を使って要因分析などを出すのが望ましいとされているので、“ただの不満”じゃなく“会社として必要な準備”に変換できます。

最後に一言。
この制度で強いのは、「格差がない会社」だけじゃありません。数字がまだ途中でも、理由が説明できて、改善の手が動いている会社です。開示は、会社の“未来への運転姿勢”を映すもの。あなたはそれを材料に、納得できる場所を選べるようになります。

結論:2026年、“格差”は隠せない。だからこそあなたは強くなれる

2026年4月1日から、101人以上の会社は「男女の賃金差」と「女性管理職比率」を公表する側に回ります。
これって、会社にとってはプレッシャー。でも働く私たちにとっては、正直かなり朗報です。なぜなら、今まで「たぶんそうだよね…」で終わっていた違和感が、公式の数字として表に出るから。

そして重要なのは、これを“いい話”だけで終わらせないこと。賃金差や管理職比率は、感情論じゃなくて、会社の設計図がちゃんと機能しているかを映します。
配置・育成・評価・両立支援。どれかが弱いと、人は辞めるし、採用は苦しくなるし、結局コストが増えていく。だから投資家目線で見ると、これは「人材の運用がうまい会社かどうか」を測る材料にもなる。つまりあなたが感じた通り、給与が“IR”になる時代なんです。

やることはシンプルです。
1つ目、気になる会社の開示を拾う(会社HP or 「女性の活躍推進企業データベース」)。
2つ目、数字だけじゃなく「理由」と「手当て」を読む(説明できる会社かを見る)。
3つ目、面接では“攻め”じゃなく“確認”として質問する(原因→施策→目標の順に聞く)。

格差がある会社が全部ダメ、ではありません。問題は「あること」よりも、見えているのに放置していること。逆に、まだ途中でも、要因を言語化して、制度に手を入れて、改善の道筋を出せる会社は強いです。
あなたのキャリアは、根性よりも情報で守れます。数字が開く時代は、ちゃんと見た人から報われる。2026年は、そのスタートラインです。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『男女賃金格差の経済学』大湾秀雄

「男女の平均賃金が違う」だけでは何も分からない——そこから一歩踏み込んで、“どこで差が生まれているのか”を測り直す視点をくれます。賃金差を“倫理”ではなく、経営の設計ミス/評価のクセ/配置の偏りとして読む、このブログのIR的切り口にドンピシャ。数字に強くなりたい読者ほど刺さります。

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『5000の事例から導き出した 日本企業最後の伸びしろ 人的資本経営大全』田中弦

「人的資本って結局なにをすればいいの?」を、大量の事例ベースで“現場に落ちる形”にしてくれる本。開示が始まると、会社は言い訳できなくなります。読者にとっては、転職先の見極めだけでなく、いまの職場で何を提案すると効くかまでイメージが湧くはず。


『人的資本経営ストーリーのつくりかた ——経営戦略と人材のつながりを可視化する』一守 靖

開示って、数字だけ出して終わりにすると“ただの晒し”になります。この本は、数字を「うちの会社はこう変わる」という筋の通った物語(ストーリー)にして、社内外へ伝える方法が主役。読者が面接で質問するときも、ここで言う“つながり”が見えると質問の質が一段上がります。


『企業価値に連動する人的資本経営戦略』保田隆明・佐々木聡

このブログの「賃金差=経営の歪み」説を、さらに強くしてくれる一冊。人的資本を“人事の話”で終わらせず、企業価値(市場からの評価)とつなげて考える構成です。投資家がどこを見るかを知ると、読者は開示データを「会社の将来性チェック」に転用できるようになります。

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『図解 人的資本経営 ——50の問いに答えるだけで「理想の組織」が実現できる』岡田幸士

初心者にいちばん優しいのがこれ。難しい言葉を最小限にして、「結局なにから始める?」を質問形式でほどいていくので、理解が早いです。人的資本・開示・社内改善を“ざっくり把握したい読者”の導入として、文末に置くと安心感が出ます。

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それでは、またっ!!

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