みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その498円、あなたは“味”に払ってるつもりになってない?
コンビニでアイスを買う。フタを開ける。スプーンで――「パリッ」。
この“ひと手間”に、値段の理由が詰まってる。セブンが数量限定で1月20日から順次発売する韓国アイス「ハートティラミス」は、天面のチョコをスプーンで叩いて割る設計になっている。味の説明もちゃんとある。ココアパウダー、チョコ、チーズ風味アイス、クランチ入りコーヒーシロップの層で、ティラミスの再現を狙うタイプ。価格は498円(税込537.84円)で全国展開。ここまでは商品情報としてわかりやすい。
でも、今回いちばん尖ってるのは「味」より「割る体験」だと思う。
食べる前に、手が動く。音が鳴る。中身が“登場”する。これ、ただの演出じゃない。SNSで動画にしやすいし、見た人も真似したくなる。つまり、このアイスは原材料+製造コストだけで勝負してない。「話題になる確率」まで込みで売ってる。
会計っぽく言うと、消費者が買ってるのは“モノ”に見えるけど、実際は無形資産(拡散・話題・記憶)を、ほぼ原価で前払いしてるに近い。企業側から見ると、広告費でリーチを買う代わりに、商品設計でリーチを生む。しかも店頭の棚に並べるだけで、ユーザーが勝手に撮って配ってくれる。ここ、強い。
もちろん、全員が投稿するわけじゃない。バズは運もある。だけど「割る」「混ぜる」「開ける」みたいな“動作”が入った瞬間、スイーツは食べ物から体験コンテンツに寄っていく。そうなると粗利の作り方も変わる。値上げの説得材料が「濃厚だから」じゃなくて、「やってみたいから」になるんだ。
この記事では、このハートティラミスを題材に、
- なぜ“割る”だけで単価が立つのか
- 企業がどこで無形資産を積み上げているのか
- 投資・会計の目線で「話題」をどう見るか
このへんを、難しい言葉はなるべく避けつつ、でも薄くならないように掘っていく。コンビニの新作を眺める目が、ちょっと変わるはず。
498円の内訳は「味」より“割る瞬間”に寄ってる

ハートティラミスって、正直スペックだけ見ると「コンビニのカップアイスにしては強気」な値段。
でも、1月20日(火)から数量限定で全国のセブン‐イレブンに並ぶこの商品、勝負してる場所がちょっと違う。天面チョコをスプーンで叩いてパリッと割って、ティラミス層が“登場”する設計。ここが主役だ。
人は「味」じゃなく“イベント”にお金を払う
食べる前にやることがある。
割る。音が鳴る。中身が見える。
これ、アイスを「食品」から「小さなショー」に変えるスイッチになってる。
味の満足って、食べ終わった後にじわっと来るものだけど、割る体験は“開封直後”にピークが来る。つまり、買った瞬間から価値を感じやすい。財布が緩むポイントを最初に置いてるのが上手い。
しかも、このイベントは他人にも見せやすい。動画にしたら一発で伝わるから、味の説明より速い。ここ、地味にデカい。
会計っぽく見ると「無形資産」を商品設計で作ってる
会社が広告を打つと、広告費は基本“その期の費用”として消えていく。
でもハートティラミスは、商品そのものが拡散を生みやすい形になってる。パッケージがハート型で、動作があって、画がある。
このとき企業が積んでいるのは、工場や機械じゃなくて、
- 「次も見たい」と思わせる体験の型
- いつ撮ってもそれっぽく見える見た目
- “真似される確率”が上がる食べ方
みたいな無形の資産。貸借対照表には載りにくいけど、実際は売上の背中を押すやつ。
で、その無形資産づくりの原資を、消費者が498円で一部負担してる構図になる。
「割る体験」は粗利を守るための盾にもなる
原材料が上がった、物流が上がった…だけだと、値上げはどうしても苦しい。
でも「割る体験」は、値段の理由が“新しい楽しみ”にすり替わる。ここが強い。
ハートティラミスは層構造(ココアパウダー/チョコ/チーズ風味アイス/クランチ入りコーヒーシロップ)で味も作り込んでるけど、体験が先に立つ設計になってる。
だから、価格の納得が「濃厚だから高い」じゃなくて「やってみたいから買う」に寄る。
この状態だと、同じような味の競合が来ても、真似しにくいのは“体験の型”のほうだったりする。
……で、買った側はどうなるか。
食べた満足に加えて、「割った」という記憶が残る。これ、地味にクセになるやつ。
「割る=コンテンツ」になった瞬間、広告モデルがひっくり返る

ハートティラミスの“割る”って、ただの食感ギミックじゃない。
あれ、スマホのカメラを起動させるスイッチなんだよね。
セブンが「天面チョコをスプーンで叩くとパリッと割れてティラミスが現れる」と打ち出している時点で、食べ方そのものが売り文句になってる。発売は1/20から順次、数量限定、全国。ちゃんと「今、撮れ」って条件が揃ってる。
一口目の前に“投稿のネタ”が置かれている
SNSで拡散しやすい商品って、だいたい共通点がある。
- 動きがある(割る/混ぜる/伸びる)
- 音がある(パリッ、ザクッ)
- 見た目の変化がある(中身が出る、層が崩れる)
- 説明がいらない(見ればわかる)
ハートティラミスはこのセットを、開封直後に全部ぶち込んでくる。
味の感想って、言語化が要るし人によってズレる。でも「割れた瞬間」は万人に伝わる。ここが強い。
UGCが回り出すと、企業の“買う広告”が減っていく
ユーザーが作る投稿やレビュー、動画みたいな「ユーザー発のコンテンツ」はUGC(User-Generated Content)と呼ばれる。
で、UGCが増えると何が起きるかというと、雑に言えば広告の代替になる。
企業が広告費でリーチを買わなくても、商品が勝手に露出する。しかも「友だちの投稿」って広告より刺さりやすい瞬間がある(もちろん全員に効くわけじゃないけど)。
ここで面白いのが、ハートティラミスの価値が「味の満足」だけじゃなくて、
- 撮りたくなる設計(体験)
- 見せたくなる見た目(ハート型)
- 真似したくなる所作(割る)
こういう“無形”に乗ってる点。つまり、消費者はアイスを買いながら、結果的に「拡散装置」を買ってる。
「経験経済」のど真ん中。しかもコンビニ価格で降りてきた
「経験そのものに値段がつく」って話は、昔から概念としては語られてきた。Pine & Gilmoreの“Experience Economy”が有名で、1998年にHarvard Business Reviewで提示された流れがベースになってる。
ただ、ここがポイントなんだけど――
経験経済って、テーマパークとか旅行みたいな大きい話になりがちだった。
それが今は、コンビニのカップアイスで起きてる。
体験の単位がめちゃくちゃ小さくなって、レジ横の棚で回り始めた。これ、結構エグい変化。
そして投資・会計の目線で見ると、「体験設計が上手い企業」ほど
- 値引きで戦わなくて済む
- 新商品のたびに広告費をドカ積みしなくても回る
- “話題を作る型”が社内に残る(次作でも使える)
みたいな、じわっと効く強みを持ちやすい。数字に直で載りにくいけど、効いてくるやつ。
……ただし落とし穴もある。
体験が主役になると、期待値が上がりすぎて「思ったより割れない」「写真ほど映えない」みたいなガッカリが目立つこともある。体験課金って、ハマれば強いけど、滑ると目立つんだよね。
体験を売ると「売上」より先に“信頼”が試される

「割る体験で粗利を作る」って話、夢がある。
でもこれ、やり方を間違えると逆に痛い。体験って、味よりも期待値のコントロールが難しいから。
ハートティラミスは「天面チョコを叩いて割る」「割ったらティラミスが現れる」という体験を前面に出してる。価格は498円(税込537.84円)、1月20日から順次、数量限定で全国展開。条件がそろってる分、評価もシビアになる。
「体験の失敗」は味の不満より拡散しやすい
味が好みじゃない、は個人差で終わることが多い。
でも「割れない」「思ったよりパリッとしない」「中身が綺麗に出ない」みたいな体験の失敗は、動画にしやすいぶん拡散も速い。ここ、落とし穴。
つまり企業側は、レシピだけじゃなくて、
- チョコの割れやすさ(温度・厚み・輸送)
- スプーンで叩いたときの成功率
- 開封〜割るまでの“秒数の気持ちよさ”
このへんまで品質として守らないといけない。体験課金は、品質管理の守備範囲が広い。
数量限定は「回収の加速装置」でもある
数量限定って、単に希少性を演出してるだけじゃない。
会計っぽく見ると、これリスク管理でもある。
体験型は当たると強いけど、外れたときの在庫ダメージもでかい。だから最初は数量を絞って、
- 反応(SNS/店頭)を見て
- 次の発注・改良に反映して
- “当たり型”なら横展開する
みたいに、いわばテスト販売の速度を上げる。セブンも今回「数量限定」と明記してる。
「売り切れたら勝ち」だけじゃなく、「外したら早めに撤退できる」設計でもあるんだよね。
投資目線だと、体験は“資産”というより「仕組み」になる
経験経済(Experience Economy)は、商品・サービスよりも“経験”が価値になる流れとして昔から語られてきた。Pine & Gilmoreの論考が有名で、Harvard Business Reviewの1998年記事が代表例。
ただ現実の会計では、この“経験の設計力”はそのまま資産計上されにくい。
だから投資目線では、数字よりも「仕組み」を見るのが早い。
- 次の商品でも再現できるか(一発芸で終わらないか)
- オペレーションに落ちてるか(現場が回る設計か)
- クレーム耐性があるか(失敗体験を潰せてるか)
ハートティラミスで言えば、「割る」という行為を、商品名・見た目(ハート型)・食べ方の説明まで含めてパッケージ化してる。これが“型”として社内に残れば、次の新作も作りやすい。
結局、体験課金がうまい会社って、「バズを狙う」のが上手いんじゃなくて、バズが起きても壊れない設計が上手い。そこまで行くと、値下げで戦わずに済む時間が増える。これが、粗利を守るいちばん現実的な効き方だと思う。
結論
ハートティラミスの面白さは、「ティラミス味のアイスが出た」じゃ終わらないところにある。天面のチョコをスプーンで叩いて割る。パリッと鳴って、層が出てくる。その一瞬が、味の前に“価値”として立ち上がってる。価格は498円(税込537.84円)、1月20日(火)から順次、全国で数量限定。条件まで含めて、体験を買わせにきてる感じがする。
ここで起きてるのは、スイーツの「課金ポイント」の移動だ。
おいしいかどうか、だけで勝負すると、最後は値引き合戦になりやすい。原材料が上がれば、きつい。だから企業は、味そのものを薄めずに別の価値を足す。今回はそれが「割る」という動作だった。食べる前の数秒にイベントを作って、記憶に残し、動画にもなる。結果として、広告費で買うはずだった露出を“商品設計”で引っ張ってくる。
会計っぽく言えば、私たちはアイスを買ってるつもりで、実は無形の資産(話題・拡散・記憶)を一緒に買ってる。企業側はその資産を貸借対照表にドンと載せられないけど、型として社内に残れば次のヒット確率が上がる。これ、積み上がる強さだ。経験を価値として扱う「経験経済」の話は昔からあるけど、いまはそれがコンビニの棚で起きてるのが現実。
もちろん、体験課金にはシビアさもある。割れない、映えない、期待ほど気持ちよくない——こういう“体験の失敗”は味の不満より目立つ。だからこそ、成功率を上げる設計や、数量限定でのリスク管理が効いてくる。
スイーツは、もう「食べ物」だけじゃない。
手が動いて、音が鳴って、誰かに見せたくなる。その設計が粗利を守って、次の新作への道を作る。コンビニで新商品を見るとき、値段より先に“どこで体験を売ってるか”を探すと、世界がちょっと楽しくなるはず。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『「顧客が増え続ける」科学 ― デジタル時代のマーケティング新定跡』
「施策を打って終わり」じゃなくて、“増え続ける状態”をどう作るかに焦点がある本。体験が拡散して売れる流れ(=商品が広告になる構造)を、勘じゃなく再現性のある形で考えたい人に刺さる。
『デジタル時代の基礎知識『ブランディング』「顧客体験」で差がつく時代の新しいルール』
「ブランド=ロゴ」みたいな古い話じゃなくて、顧客体験で選ばれるを前提に組み立てるタイプ。今回の“割る体験”みたいに、味以外で「理由」を作る発想を補強してくれる。
『エクスペリエンス・マインドセット』
“顧客体験(CX)だけ良くしても回らない”ってところまで踏み込む本。現場が回る設計=体験課金の「失敗率」を下げる視点が入るので、バズ狙いの一発芸で終わらせたくない人向け。
『SNSで宣伝するな 永続的に愛され、売れる「熱狂SNSマーケティング」の教科書』
「告知」を頑張るより、勝手に語られる状態を作るほうが強い——このブログの主張ど真ん中。体験がUGCを生む流れを、運じゃなく設計に寄せたい読者に合う。
『値決めの教科書 ― 勘と経験に頼らないプライシングの新常識』
「498円の理由」を“味”だけで説明できない時代に、最後に効くのが値決めのロジック。体験・ブランド・拡散みたいな無形の価値を、どう価格に乗せていくかの土台になる。
それでは、またっ!!
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