みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。Jindyです。
数字は読めるのに、なぜ“勝てる投資家”になれないんだろう?
「スキルはあるのに、なぜか投資で勝てない…」その正体は“センス”かもしれません。
✔️ PERやROEの計算はできるのに、エントリーのタイミングがズレる
✔️ 財務はピカピカなのに、なぜか株価は冴えない
✔️ ファンダもテクニカルも学んだのに、自信を持って“買い”にいけない
そんな「投資の壁」にぶつかっていませんか?
それ、スキル不足じゃなくて、“センスの未発達”かもしれません。
本記事では、仕事のセンス論で知られる楠木建先生の視点をベースに、
「投資スキルと投資センスの違い」を明確にしながら、
センスは後天的にどう磨けるのか?
スキル偏重では勝てない理由とは?
数字の奥にある“物語”をどう読むか?
を、投資と会計の視点から深掘りしていきます。
🔍 このブログを読むことで得られるもの
- 投資スキルと投資センスの「本質的な違い」が分かる
- センスがなくても“今すぐ始められる”鍛え方が分かる
- ファンダ分析を「意味のある読み物」に変える視点が手に入る
- 自分だけの投資スタイルの“ヒント”が見つかる
数字を読むのはスキル。
でも、数字の“意味”を読み取るのがセンス。
ここに気づけたとき、あなたの投資はもう「他人の真似」ではなくなります。
それでは本題に入りましょう。
目次
投資スキルの正体──それは“正解のある世界”の武器

「できるか・できないか」で測れる“投資の基礎体力”
投資スキルとは、いわば“正解のある世界”の中で磨ける力です。財務三表の読み方、企業価値評価(バリュエーション)、割安株のスクリーニング、さらにはテクニカル指標の活用やマクロ経済の基本理解など。これらは教科書やYouTube、専門書、実務経験によって後天的に身につけることができます。
たとえば、PBRが1倍を割っている企業に着目し、直近のフリーキャッシュフローやROEをチェックし、「これは割安だ」と判断する。その判断プロセス自体は、ある意味で“マニュアル化”が可能です。スキルとは、繰り返しと練習で再現性を高められる力なのです。
「この企業は3年連続で営業利益が伸びている」
「自己資本比率が改善していて、財務健全性が増している」
これらの事実を把握するのは、まさに“投資スキル”の領域です。
数字を読めても“買えない”投資家のジレンマ
ところが、実際の投資の現場では「スキルだけで勝てるとは限らない」という壁に多くの人がぶつかります。
財務情報を正しく読める。理論株価を出せる。でも、“今このタイミングで買っていいのか”の判断で手が止まる──あるいは、「割安なのに株価が上がらない」という事態に直面して混乱する。まさに“数字に強いだけでは、投資では勝てない”という典型例です。
この壁は、受験勉強や資格試験で成果を出してきた人ほどぶつかりやすい。なぜなら、スキルとは「答えが用意された問題を正しく解く力」だからです。一方で、投資の世界には“答えが用意されていない”ことの方が圧倒的に多い。未来は不確実で、数字は常に文脈の中で揺らぎます。
「理屈は分かる。でも、自信が持てない」
「買った直後に下がったとき、“何が間違ってたのか”すら分からない」
こうしたジレンマは、スキルを完璧に磨いても避けられないものです。そしてここに、スキルではなく“センス”の出番があるのです。
スキルは必要条件、でも十分条件ではない
ここで誤解してほしくないのは、「スキルがいらない」という話ではないこと。投資センスを育てるうえでも、スキルは“土台”として必要不可欠です。
たとえば、企業の営業利益率が前年よりも改善している──それを数値で判断できるのはスキルです。でも「この改善が一時的なものか、構造的な変化か」を読み解くには、数字の背後にあるストーリーを見る“センス”が必要になる。
つまり、スキルは地図、センスはコンパス。
地図がなければ迷うけれど、コンパスがなければ進む方向が分からない。投資という旅において、両方が揃って初めて“勝ち続ける力”になります。
センスは曖昧で測定不可能なもの。だからこそ、多くの人がスキルに逃げたくなる。でも、センスを避けていては「市場を読む目」は育ちません。
次章では、その“投資センス”の正体に迫ります。
数字を超える直感──“投資センス”という見えない力

センスとは「状況を読む力」
投資センスとは何か?それは、「数字を超えて、今この瞬間に何が起きているのかを察知する力」です。スキルが“できるか/できないか”で測れるのに対し、センスは“気づけるか/気づけないか”で測られます。たとえば、売上が前年同期比で10%増えていても、前年が特需で膨らんでいた反動なら「実質的な成長」ではない。そうした背景に目が届くかどうかが、センスのある・なしを分けます。
あるいは、決算説明資料で「生成AI活用によるコスト効率化」と一文だけ書かれていても、その企業がこれまで全くデジタル活用をしてこなかった文脈を知っていれば、「これは表面だけの言葉かも」と判断できる。このように、センスとは“数字の裏側”にある温度や空気を読む力なのです。
つまり、センスはスキルの延長線上にはなく、むしろ「意味を問い直す力」と言ってもよいでしょう。企業の数字を読んで、その奥にある“物語”を読み解く。それができる投資家は、短期の値動きに一喜一憂せず、的確なポジションをとり続けることができます。
「なぜ今それが買われているのか?」を掘り下げる
投資センスがある人ほど、市場の流れに敏感です。たとえば、直近で金利が据え置かれたのに「ハイテク株が急騰した」という場面があったとします。表面上の解釈では「金利が安定しているからグロース株に資金が戻った」で終わるかもしれません。しかし、センスのある投資家は、「マーケットが“利上げが打ち止めになった”というメッセージを読み取ったから、バリュエーション拡大が容認された」と解釈します。
ここで重要なのは、「市場がどう動いたか」ではなく、「なぜ動いたか」です。しかも“いまこのタイミングで”という時間軸がセットで必要。センスとは、その瞬間の“市場の空気”にチューニングできるかどうかで決まるのです。
この力は、たとえば将棋で「この一手がなぜ今打たれたのか」を理解する感覚にも近いものがあります。教科書にない“時流とのフィット感”を掴める人ほど、投資の世界で長く勝ち続けます。
センスは“観察と仮説”の反復で育つ
では、この目に見えない力はどうやって育てるのか?答えはシンプルです。それは、「観察」と「仮説検証」を地道に積み上げること。たとえば、「この決算でなぜ株価は上がらなかったのか?」という問いを毎回必ず立てて、日々記録していく。あるいは、決算の数字が良かったのに失望売りされた銘柄を追いかけ、その理由をIR資料や過去の業績トレンド、SNS上の投資家の声から仮説として組み立てる。
ここで重要なのは、「当たること」よりも、「考えたこと」です。センスは正解を積み上げる力ではなく、“文脈を組み立てる回数”に比例して伸びていくからです。
さらに言えば、自分が「この銘柄は良い」と感じた理由を、数式ではなく言葉で説明できるようになると、その感覚はセンスとして定着し始めます。つまり、センスは磨くものではなく、“言語化できるようにするもの”とも言えるのです。
センスは、測れない。でも育つ。
その前提に立てるかどうかが、投資家としての成長を大きく左右します。次のセクションでは、そんなセンスを実際にどう育てていくのか、具体的な方法論を探っていきましょう。
センスは“磨ける”──観察、試行、そして“凝る”ことから始まる

「センスある投資家」を観察せよ
センスを磨く第一歩は、自分が「この人は鋭いな」と思う投資家を一人決めて、徹底的に観察することです。SNSでもYouTubeでも構いません。彼らが「何を見て」「どう判断し」「いつ動いているか」に意識を集中させてみてください。決算発表をどう捉えているか、チャートを見るときどんな言葉を使っているか、情報の取捨選択に一貫性があるか――それらはすべて、投資センスのヒントになります。
特に注目すべきは、「なぜその投資家は“何かをやらなかった”のか」という“選択しなかった判断”です。たとえば、「この銘柄は良いけど今は買わない」と言う人の背景には、利確タイミング、ボラティリティ、地合いなど多くの要素を掛け合わせた直感的判断がある。その“やらない判断”こそ、センスの最も深い部分に触れる瞬間です。
観察とは、マネすることではありません。判断の背景にある「思考の癖」を知ること。そして、「あの人ならこの場面でどう判断するか?」という“他者の視点”を、自分の中に育てることです。
小さく張って、大きく学ぶ
センスは頭で考えても身につきません。必要なのは、仮説を立てて、実際にリスクを取ることです。小額でもいいから自分のお金を動かして、自分の読みが合っていたかどうかを肌で感じる。投資における“センスの土台”は、この「実際に試してみる」経験からしか生まれません。
重要なのは、結果そのものよりも、自分の読みが“なぜ当たったか/なぜ外れたか”を言語化することです。利益が出たから正解、損したから間違い――ではありません。たとえば、イベント投資で好決算にベットしたのに、株価が下がった。なぜ?織り込み済み?ガイダンスが弱かった?競合の決算が悪かった?自分なりの仮説を立てて、記録し、次につなげる。それがセンスの筋トレです。
このとき、日記やノートを活用して、「自分の判断の軌跡」を残す習慣があると、数ヶ月後に自分の成長が見えるようになります。これは単なる振り返りではなく、思考の“地層”を掘る作業なのです。
“凝る”ことは、センスの種を育てること
投資センスは、義務感では育ちません。必要なのは、「なぜか気になってしまう」「思わず掘りたくなる」分野に“凝る”ことです。たとえば、AI関連銘柄の成長戦略に惹かれて、決算資料を全部読み込んでしまう。中国市場の変化が気になって、現地ニュースを英語で調べてしまう。そういう「のめり込み」が、あなたにしか持てない“視点”を育てます。
センスとは、スキルのように教科書で学べるものではありません。けれど、“興味”に正直であることが、その唯一の学習ルートです。
なぜなら、センスとは“自分の視点”を通してしか鍛えられない筋肉だから。人の真似ではなく、自分の凝り方にこそ意味がある。だからこそ、「気になってしまうもの」は、見過ごさず深く掘ってみてください。
他人にとっては無意味に見える分析でも、自分にとって「確かに腑に落ちる」理由があるなら、それはもうあなたの投資センスの芽です。そしてその芽を、水や光のように“繰り返しの思考と観察”で育てていくこと。それが、誰にも真似できないスタイルへの第一歩になります。
センスは、“知識の量”ではなく“気づきの深さ”で育ちます。日々の投資判断の中で、「なぜそう思ったのか?」を問い続ける習慣こそが、未来の自分を助けてくれる最大の資産となるのです。


結論:センスは、あなたの中に眠っている──そして、育てていい
投資の世界では、華々しい成功や億単位の利益ばかりが目に映ります。でも、本当に大切なのは「どれだけ稼いだか」ではなく、「自分だけの“見方”を育てられたか」です。
スキルは誰でも身につけられます。けれど、“この瞬間に、この会社に賭けたい”と思える判断には、その人自身の経験・疑問・失敗・直感すべてが詰まっています。それがセンスであり、その人にしか持てない価値です。
最初は誰もが不安で、自信なんて持てません。でも、見ようとして、考えようとして、実際に動いた人だけが、少しずつ“自分だけの視点”を手に入れていきます。そしてある日ふと気づくのです――「これ、自分じゃなきゃ気づかなかったかもしれない」と。
そのとき、あなたはもう「他人の分析に依存する投資家」ではなく、「自分で判断できる投資家」になっています。たった一つの小さな気づきから、未来を変える力が育っていく。
センスは、磨いた人にしか訪れません。
でも確かに言えるのは、それは“選ばれた人のもの”ではなく、“育てる意思がある人のもの”だということです。
どうか今日から、小さな問いを大切にしてください。
それが、あなただけの投資センスへの第一歩です。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『財務諸表の見方<第14版>』
1960年の初版以来、65万部以上の販売実績を持つロングセラーの最新版です。株式や債券などの時価算定会計や会計監査に関する最新の情報が追加されており、財務諸表の読み方を基礎から学ぶことができます。
『超ざっくり分かるファイナンス – 「知識ゼロ」の人のための』
ファイナンス初心者向けに、わかりやすい言葉で解説された一冊です。読みやすさが特徴で、ファイナンスの基本的な概念を何度も読み返しながら学ぶことができます。
『株式投資で勝つための指標が1冊でわかる本』
会計関連の書籍で信頼のある小宮氏による投資本です。ファンダメンタル分析をベースに、景気指標や投資信託についても解説されており、財務諸表分析や企業価値評価の基礎を学ぶことができます。
『新版 大学4年間の会計学見るだけノート』
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投資初心者向けに、経済や政治のニュースをわかりやすく解説した書籍です。経済や政治の動向が投資にどのように影響するかを理解するのに役立ちます。
それでは、またっ!!

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