みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
あなたの推し活と旅行、決算書にしたらちゃんと“黒字”になってますか?
近年、実質賃金が伸び悩む中でも個人消費は意外と元気だというニュースが増えています。政府広報誌『ファイナンス』でもこの動きは「生活必需品では節約を徹底し、趣味・娯楽では積極的に消費する」スタイルとして紹介されており、実際に家計調査では旅行・レジャーへの支出が底堅いことが報告されています。生活費の負担増が消費の背景にあることは、日本でも変わりません。図にもあるように、日本では約6割の人が生活費高騰を懸念しており、これは米国や英国と同レベルの高さです。単身世帯でも外食を控える一方で娯楽支出を維持する傾向が確認されるなど、世帯形態を問わずメリハリ消費は広がりつつあります。若年層向け調査でも、若者の消費行動は単なる節約・浪費の二分法ではなく「主体的かつ戦略的なメリハリ消費」としてとらえられており、スマホのサブスクやイベントに支出する「好きなもの優先型」の傾向が読み取れます。まさに「自分が大切にしていることにはお金をかけ、それ以外は抑える」という消費スタイルは、日常のコスト意識から自分らしさ重視へとシフトしているのです。
特に20~30代では、日常生活では節約に励む一方で、好きなアイドルや趣味に惜しみなく支出する“推しに全ツッパ”型の行動が目立ちます。ここでは、そんなメリハリ消費をまるで企業の経営戦略になぞらえ、家計を投資案件のポートフォリオに見立てて解説します。家計の支出を企業の損益計算書(PL)や貸借対照表(BS)になぞらえて整理し直すことで、これまでの家計管理とはひと味違う視点が得られるでしょう。難しそうに聞こえるかもしれませんが、PL上の「売上=給与、経費=生活費、利益=貯蓄」と考えればイメージしやすいです。まるで自分が会社のCFOになった気分で家計簿を眺めてみてください。たとえば、家計簿の各支出に「旅行部門」「推し活部門」「光熱費部門」など名前を付け、部署ごとに予算を割り振る感覚で考えるとイメージしやすいですよ。
目次
家計版キャピタルアロケーション――節約と投資の二刀流

ミンテル・ジャパンの最新報告によれば、物価高の中で日本の消費者は日々の生活費を徹底的に切り詰め、浮いたお金を旅行や娯楽といった心の満足につながる「プレミアムな体験」に投じる傾向が強まっています。このミニマムな日常・プレミアムな非日常消費のスタイルは、企業の投資戦略でいうところのキャピタルアロケーションに近いものがあります。すなわち、家計でも「固定費を減らしてコアを守りつつ、得意分野や価値を感じる分野に大胆投資する」というメリハリをつけることで、限られた資源(収入)を最大限活用しようとするわけです。企業の財務諸表でいう売上高は家計では給与や副収入にあたり、経費は家賃や食費などの支出に対応します。この考え方で見ると、「売上-経費=利益」に相当するのが家計における貯蓄です。
家計の投資ポートフォリオ的な考え方では、日常の支出はコストカットすべき必須コスト、好きなことにはじっくり注ぎ込む支出は価値投資とみなせます。実際、家計調査のデータでも「生活必需品支出を抑えつつ旅行・娯楽支出は維持する」メリハリ消費の傾向が続いています。これに習って家計を見直すときには「節約すべき経費」と「優先度の高い投資領域」を仕分けし、それぞれのバランスを取ることが重要です。節約だけでなく自分らしさや幸福につながる支出も経営戦略の一環と捉え、予算配分を考えてみましょう。
固定費は「減価償却費」に相当
家計における固定費(家賃・通信費・保険料など継続的な支出)は、企業会計の減価償却費と役割が似ています。住宅ローンやサブスク代、光熱費などは生活の基盤への投資であり、企業が減価償却で設備投資を割り当てるのと同様に、長期的な視点でコスト配分を考えます。携帯プランや保険契約を見直して固定費を下げるのは、固定資産の効率化と同じ効果です。これによって生まれた“余剰資金”をほかに回せば、家計のキャッシュフロー全体が改善します。例えば、住宅ローンを繰り上げ返済すれば負債が減り、家計の純資産が増えます。企業で設備の減価償却を加速するように、返済で資本を増やすイメージです。
“推し活”は「のれん(ブランド価値)」への投資
一方、20代・30代の特徴的な支出である推し活には、企業が買収で生じる**のれん(無形資産)**への投資のような側面があります。推しにグッズやイベント参加費を投入する行為は、お金以上に「心の満足」や「コミュニティへの帰属意識」という価値を得ることです。強いブランドに価値を見出す企業と同じく、自分の好きなコンテンツにはプレミアムを払うわけです。実際、「推しがいる」と答えた人のうち約7割が推し活にお金を使っており、市場規模は年間約3.9兆円に達すると言われます。こうした愛の投資(推し活)は家計の無形資産を高めます。
旅行・娯楽は「R&D投資」
旅行や外食、趣味活動といった体験支出は、企業の研究開発(R&D)投資に例えられます。旅先での体験やスキル習得、思い出づくりは即金のリターンはないものの、人生のクオリティを高める将来のリターンとなります。語学留学や資格取得なども投資的支出と考えられ、得た語学力やスキルは将来の収益機会につながる可能性があります。実際、世界的にも「生活費」が懸念される中で娯楽や外食は優先されるとの調査結果があります。また海外旅行では円安後も需要が急回復しており、パックツアーの費用は前年比で+70%ほど伸びています。家計のPLでこれらを完全に切り詰めると、満足度や創造力といった「未来の利益」を逃すかもしれません。メリハリ世代のあなたは「旅行で得た学び」や「外食の幸福感」を未来への投資と捉え、適切に予算を配分しましょう。
このように家計をPL的に分析すると、支出は必須コストと自己投資に分かれていることがわかります。まずは家計簿で支出項目を洗い出し、何にお金が流れているかを可視化しましょう。例えば推し活は心の満足度を高める資産投資、旅行は人的資本への投資、固定費は基盤への償却投資と考えられます。家計版PLを作るイメージで支出をカテゴリ分けし、必須コストを抑えつつ価値のある領域にどれだけ投じているかをチェックしましょう。たとえば食費でも、高額な食材は買い控え、便利な冷凍食品や電子書籍などコストパフォーマンスの高い消費は続けるといったメリハリが見られます。こうしてPL視点で家計を見直せば、自分の消費がどれだけ「価値ある投資」になっているかがクリアになります。
家計のBSを見ながら資産をデザインする

次に、家計の貸借対照表(BS)にあたる考え方を見てみましょう。個人のBSでは、金融資産(貯金・株・年金など)と有形資産(住宅・車・貴金属など)、負債(ローン・借金など)が並びます。家計の資産サイドには現預金から不動産まで含まれますが、これらに自分の強みや可能性を加味すると面白くなります。
金融資産と負債の棚卸し
まずは現預金や投資残高などの金融資産と、住宅ローンや教育ローン、クレジット残高といった負債を棚卸ししましょう。企業と同じく、「純資産=資産−負債」を計算すると家計の正味の価値が見えてきます。若い世代は住宅ローンが重いかもしれませんが、これはマイホームという固定資産を獲得するための投資です。一方、借金やクレジットの利息負担は企業でいう資本コストにあたります。利子負担が大きいと将来の資産形成効率が下がるため、高金利の借金は早めに返済することを意識しましょう。固定費削減で生まれた余裕金は貯金や投資に回して金融資産を増やし、負債返済に振り向けて財務体質を改善する――企業のリバランスのように家計の資本構成比率を調整することで将来の安定につながります。
無形資産を認識する
さらに、自分自身が持つ無形の資産にも目を向けてください。健康や経験、スキル、人脈といった要素は、企業でいう人的資本やブランド資産に匹敵します。旅行で広がった交友関係や資格取得で高まった専門性は将来の収益機会を高める投資ですし、読書や勉強会で得た知識もあなたの資産になります。ちなみに健康も最大の無形資産です。健全な身体と精神は人生の基盤であり、逆に健康を損なえば医療費が負債に変わることを忘れずに。これらをBS上の資産と見なせば、日々の支出を「資産形成の一環」として考える意識に切り替わるはずです。
資産ポートフォリオの再構築
最後に、家計全体の資産配分をチェックしましょう。例えば、手元の現金比率や株式・投資信託への配分、貯金額が適切かどうか、自己投資への予算配分は十分かなど、企業の財務健全性チェックのような視点で見直します。手元に現金を置きすぎているなら投資で増やし、投資に偏りすぎているなら防衛的な貯蓄に振り向ける――これも家計リバランスです。特に、生活費の3~6か月分を手元資金として確保しておくことは企業でいう流動性対策にあたり、急な出費への備えになります。旅行や趣味に使いすぎて緊急資金が尽きてしまわないよう、収入と支出、そして資産・負債のバランスをとりましょう。こうしてBS視点で家計を見ると、収入や支出だけでは見えなかった「見えざる資産」やリスクの全体像が鮮明になります。
セルフ診断チェックリスト
- 今月の収入(給与・副収入など)を洗い出し、家賃・光熱費などの必須支出と推し活・趣味など自己投資的支出に分類する。
- 現金・貯金・株式などの資産と住宅ローン・奨学金などの負債を整理し、純資産を計算する。
- 収入−支出=家計の利益(貯蓄)を確認し、黒字ならどの分野に回せるか、赤字なら何を見直すべきかを考える。
- 収入に対する貯蓄率を計算し、企業でいう利益率や貯蓄目標と比べてみる。
- 将来の夢や目標(マイホーム、留学、結婚式など)に必要な資金を定義し、逆算して貯蓄計画を立てる。
- 臨時収入(ボーナスや副業収入など)を臨時利益とみなし、余剰資金を投資に回せているか確認する。
- これらを実行すれば、あなたの家計版「決算書」が完成です。家計分析の楽しさに気づいたら、周りの友人にもこの考え方を共有してみましょう。
まとめ:自分の“会計”を極めて人生を豊かに
いかがだったでしょうか。家計を企業の財務諸表のように見直すことで、支出の意味がクリアになり、メリハリのつけ方がより戦略的に考えられるようになります。もちろん、推しへの情熱や旅行の楽しさは数字だけでは測れませんが、それらを会計の視点で捉え直すと、自分が本当に大切にしたいものに迷いなく投資できるようになります。これをきっかけに、あなたの家計にも新たな視点が加わることを願っています。このスタイルで家計簿と向き合えば、お金の不安が少しでも和らぐかもしれません。小さな工夫と視点の転換で、家計管理がもっと楽しくなるでしょう。さあ、今日からあなたも楽しく会計目線でお金と向き合ってみませんか?経営者視点は一生モノ。あなたのマネーライフに新しい風が吹くかもしれません。さあ、家計の冒険に出発しましょう!あなたもぜひ、家計のCFOになりきってみましょう!!がんばっていきましょう!
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学
新NISAなど最新制度に対応した“お金の教科書”決定版。
「貯める・稼ぐ・増やす・守る・使う」の5つの力を、図解と具体例で徹底的に解説してくれます。
メリハリ消費を「ちゃんと黒字にする」ための基本設計図としてぴったりで、家計のPL/BSを整えたい人の“ベースキャンプ”になる1冊です。これを読んでから推しに全ツッパすると、罪悪感より“戦略感”が勝つようになります。
これだけやれば大丈夫! お金の不安がなくなる資産形成1年生
タイトル通り、「とりあえずこれだけやればOK」という資産形成のスタメンだけを厳選して教えてくれる入門書です。
難しい専門用語を極力そぎ落として、固定費の見直し・貯金の作り方・投資デビューまでを1年の“ロードマップ”で示してくれるので、今回の記事で出てきた「家計版キャピタルアロケーション」を実行に移すのに最適。
ズボラでも三日坊主でも、「これなら私も…」と思わせてくれる、優しいけれど背中を押してくる系の一冊です。
貯金0円からの投資入門
「可処分所得が少ない若者でも、コンビニの数百円から投資は始められる」がテーマの本。
いきなり大金を動かすのではなく、「無駄遣いしていたお金を、未来の自分への配当金に振り替える」という発想が、まさにメリハリ消費と相性抜群です。
本書を読むと、推し活や旅行を削るのではなく、「日常のダラダラ支出」をカットしてキャッシュをひねり出す感覚がつかめます。投資版“推し活”を始めたい20〜30代におすすめ。
働く君に伝えたい「お金」の教養 ― 人生を変える5つの特別講義
若手社会人向けの“お金のリベラルアーツ”本。
仕事・結婚・子ども・老後まで、ライフイベントとお金の関係を一気に俯瞰させてくれます。「あと60年、不安に支配されたまま生きる?」という刺激的な問いかけから始まり、シンプルな投資戦略と“お金との健全な距離感”を教えてくれる一冊です。
メリハリ消費を「ただの浪費」ではなく「人生戦略の一部」に格上げしたい人は、この本で“人生トータルのPL/BS”をイメージできるようになります。
母が子に伝えたい大切なお金と社会の話
2025年発売の新しい一冊。親子で読めるやさしい筆致で、家計・おこづかい・貯金と投資・キャッシュレス・「働くって何?」までを物語的に解きほぐしてくれます。
今回の記事のように「家計を決算書っぽく見てみよう」という視点とも相性がよく、自分のメリハリ消費を次世代にどうバトンするか、考えるきっかけにもなります。
自分のためにも、子どもの金融リテラシーのためにも“ダブルで投資リターン”が狙える一冊です。
それでは、またっ!!
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