みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
国が借金で未来に賭けるなら、あなたの家計は“どこまで賭けていい”?
経済ニュースを見ていて「難しいな…」と感じたことはありませんか?本ブログでは、政府の経済政策を家計の視点に置き換えて解説します。特に今回は、日本政府が「成長促進」のために打ち出した投資減税策と、その影響を家計に置き換えて考えてみます。読むことで、国の財政とあなたの家計の意外な共通点に気づけるはずです。そして、政府が“賭け”に出た今、私たち個人がお金との向き合い方をどう考えるべきかヒントを得られます。難解な経済政策も、実は家計の意思決定に通じるもの。読み終える頃には、経済ニュースを自分ごととして捉える力が身につき、将来の資産形成やライフプランにも役立つ知見が得られるでしょう。さあ、一緒に経済政策の裏側をのぞいてみましょう!
国の「成長レバレッジ策」とは?

投資促進のための減税、その狙いと背景
2025年末、日本政府は「強い経済」を実現するべく、大胆な投資促進減税に踏み切る方向です。簡単に言えば、「企業が設備投資を増やすなら税金をまけてあげるよ!」という策です。これにより企業は工場やソフトウェアなどに投資しやすくなり、経済の活性化を図る狙いがあります。新たな税制では、企業が行った設備投資額の最大7%を法人税から差し引ける仕組みを導入する見通しです。例えば1億円の設備投資をしたら、その7%である700万円を法人税から控除できるイメージです。さらに、別案としては投資した設備の減価償却を初年度に全額計上(即時償却)し、当期の利益を圧縮して税負担を減らすことも検討されています。これらの措置は、設備投資意欲を高めることで将来の成長エンジンを起動しようという政府の大胆な挑戦なのです。
なぜ今、投資減税なのか?
背景には、日本経済が長年苦しんできた低成長とデフレからの脱却があります。過去30年ほど日本の企業は投資に慎重で、設備投資額も伸び悩んできました。しかし「投資なくして成長なし」。政府は民間の投資を後押しし、経済の生産力を高めたいと考えています。新首相となった高市総理は就任後、「責任ある積極財政」を掲げ、大型の経済刺激策を次々と打ち出しました。その一環がこの投資減税です。実際、政府は2040年までに年間の設備投資額を200兆円に倍増させる目標まで掲げています。投資が増えれば新技術や生産性向上につながり、やがて企業の稼ぐ力がアップ→賃金上昇→消費拡大→税収増加…という好循環を期待しているのです。つまり「いま種を蒔いて将来の収穫を増やす」のが狙いと言えます。
減税のインパクト – 税収は減るが元は取れる?
もちろん減税すれば短期的には税収が減るというジレンマがあります。今回検討されている投資減税策では、年間で約4000億円もの税収減少が見込まれています。4000億円といえば、国民一人あたりで約3,200円の減収に相当します。政府はこの穴埋めをどう考えているのでしょうか?実は同時に、これまで行われてきた賃上げ促進税制(企業が従業員の給料を上げた場合の減税措置)を大企業向けには廃止する調整も進めています。この賃上げ減税は物価高の中で企業の賃上げが当たり前になった現在、必要性が薄れたとの判断です。大企業向けの賃上げ減税をやめれば年間7000億円規模の税収減を削減できる見込みで、その一部が今回の投資減税の財源に充てられる計画です。また、政府は「無駄の削減」を掲げて歳出カットにも取り組むとしています。要するに「減税による収入減は成長と行財政改革でカバーする」というスタンスです。
それでも、「果たして元は取れるのか?」という疑問は残ります。投資減税で設備投資が増えても、その効果でどれだけ経済成長し、何年で税収がプラスに転じるかは未知数です。政府は将来の税収増に期待してこの“先行投資”をしていますが、その読みが甘ければただ借金が増えるだけになりかねません。まさに政府は成長にレバレッジ(てこ)をかけて賭けに出た状態なのです。
レバレッジの構図を家計に例えると
ここまでの話、ちょっと家計に置き換えてみましょう。例えばあなたが収入アップのために資格取得を目指すとします。そのために一時的に残業を減らして勉強時間を確保(=収入減)し、さらに教育ローンを組んで専門学校に通う(=借金で投資)としたら…まさに今の政府の姿と重なります。収入を減らしてでも自己投資し、将来もっと大きく稼ぐ。これ自体は前向きな戦略ですが、うまくいかなければローンだけが残るリスクも背中合わせですよね。政府は今、国家規模でこの勝負に出ています。巨額の税収という“現在の収入”を犠牲にして、“未来の成長”という不確実なものに賭けているのです。
金利上昇局面で揺らぐ国の財務

金利上昇という新たな逆風
政府のレバレッジ戦略には想定外の向かい風も吹き始めました。それが「金利上昇」です。2020年代初めまで日本の金利はほぼゼロに張り付いていましたが、ここに来て状況が一変しました。2025年現在、10年物国債の利回り(長期金利)は約1.9%台まで上昇し、実に18年ぶりの高水準を記録しています。ついに日本でも“金利のある世界”が戻ってきたのです。この背景には、政府の積極財政による将来の国債増発懸念やインフレ加速の警戒があり、市場が国債を売って金利が上がる動きが出ています。また、日銀も超低金利政策を転換しつつあり、ついに政策金利の引き上げに踏み切る見通しです。今年12月の日銀会合では、1990年代以来となる政策金利0.75%への利上げが現実味を帯びています。金利が上がるとどうなるか――国にとっても私たちにとっても、お金の借り方・返し方のゲームルールが変わるのです。
国債の利払い費がじわり増加
まず国の財政への影響から見てみましょう。金利上昇によって、国が抱える莫大な借金の利払い費(借金の利息支払い)が増えてきています。これまで日本は超低金利に救われ、国債残高がGDPの2倍以上(※借金総額は1100兆円超!)という世界でも突出した借金国家でありながら、利息負担は小さく抑えられてきました。しかしその“神話”も終わりを迎えつつあります。実績ベースで見ると、国の利払い費は2015年度に8.3兆円をピークに減少を続け、2022年度には7.1兆円まで下がりました。ところが2023年度には7.4兆円へと増加に転じたのです。ついに国の“金利コスト”が上昇局面に入ったわけですね。この7.4兆円という数字、実は国家予算の中でも馬鹿にできません。防衛費(過去最大の約8.7兆円)に迫る規模であり、文教科学振興費(約5.5兆円)や公共事業費(約6.1兆円)よりも多い額です。つまり国は毎年、教育や社会インフラ以上の金額を借金の利息払いに充てている計算になります。「金利が低いから借金しても大丈夫」という考えは、もはや通用しなくなりつつあるのです。
では、今後さらに金利が上がったらどうなるでしょう?経済シミュレーションによれば、仮に10年国債金利が2%を超える水準まで上昇した場合、国の利払い費は年間で数兆円単位の増加が見込まれます。大和総研の試算では、2030年度に長期金利が1.4%程度なら利払い費は9兆円台半ばで済むものの、高成長シナリオで金利が2.7%に達すると利払い費は約13兆円に急増するとされています。13兆円ともなれば、今度は社会保障費(年金や医療など)の半分近くに匹敵する凄まじい負担です。要するに、金利上昇は国の財政にとって静かに進行する重圧なのです。
借金の借り換えコストと財政の綱渡り
日本政府の国債は、毎年かなりの額が償還(満期を迎えて返済)を迎えます。その償還分をまた新しい借金で穴埋め(借換債)しつつ、さらに不足する分は新規国債を発行して賄うのが今の姿です。ここでも金利上昇は見過ごせません。なぜなら古い低金利の借金が、順次高金利の借金に置き換わっていくからです。例えば、これまで0.1%の利率だった10年債が償還され、代わりに新規発行する10年債は利率1.5%になったとしたら、同じ借金額でも利息負担は15倍になります。すぐに全額が置き換わるわけではないものの、数年かけて政府の利息コストはじわじわ膨らむでしょう。財務省の試算によれば、金利が1%上昇すると3年後には国の利払い費が年約3.7兆円増えるといいます。こうした利払い費の増加は、そのまま財政赤字を拡大させる要因です。
ここで怖いのは負のスパイラルです。金利上昇→利払い費増加→財政悪化→国債の信用低下→さらなる金利上昇…という循環に陥るリスクはゼロではありません。実際、昨今の長期金利上昇には「政府の財政悪化を市場が懸念している」という側面があります。2025年は追加の大型補正予算(総額18.3兆円)も編成され、その多くを新規国債で賄うことが決まりました。これに市場が敏感に反応し、「日本は借金を増やすばかりで大丈夫か?」との不安から国債が売られ、金利が上がる局面も見られたのです。政府は「経済成長で税収を伸ばし財政健全化も達成する」と説明しますが、その賭けが外れれば財政への信認が低下し、容赦なく金利という形で跳ね返ってきます。まさに綱渡りの財政運営と言えるでしょう。
それでも賭けに出る政府のジレンマ
では、政府はなぜこのようなリスクを承知で積極財政に踏み切るのでしょうか。そこにはジレンマがあります。デフレ脱却が最優先と考える政府にとって、今緊縮財政(増税や支出削減)に走れば景気を冷やし、元も子もないという判断があります。一方で債務残高は膨大で、将来的な増税や歳出見直しなしに永遠に持つわけではありません。その板挟みの中で、政府は「まず成長、その果実で財政再建」という順番に賭けたと言えます。「成長なくして財政再建なし」というスローガンのもと、高い経済成長による税収増に希望を託しているのです。しかし識者からは「成長で財政は黒字化できる」と高をくくるのは楽観的すぎるとの指摘もあります。経済は生き物であり、リーマンショックやパンデミックのように不意のショックが成長戦略を台無しにするリスクもあります。成長頼みの財政運営は、「うまくいけばみんなハッピー、失敗すればツケは将来世代へ」というハイリスク・ハイリターンの賭けなのです。
家計への影響 – 金利上昇は他人事じゃない
金利上昇局面は国だけでなく私たち家計にも直撃します。例えば住宅ローン金利。これまで変動金利型は0%台半ばという夢のような低利でしたが、最近は主要銀行の新規貸出金利が0.75%前後にじわり上昇しています。今後もし日銀が追加利上げを行えば、ローン金利が1%台に乗る可能性も現実味を帯びます。実際に試算すると、3,500万円を金利0.75%で借りた場合、毎月の返済額は約9万5千円・総返済額は約3,980万円ですが、金利1.0%に上昇すると月返済約9万9千円・総返済額約4,150万円に増えます。さらに金利1.25%まで上がれば総返済額は4,300万円超に膨らみます。金利が上がると住宅ローンでは数百万円単位で支払総額が増えるわけですから、家計に与えるインパクトは大きいですよね。住宅ローン以外にも、マイカーローンや教育ローンなど借入金の利息はじわじわ家計負担を増やします。また、企業の借入金利上昇は商品の価格転嫁や雇用にも影響を及ぼしかねず、巡り巡って私たちの生活コストや収入に波及します。
一方、預金金利もゆっくり上がっています。超低金利では0.001%だった普通預金金利が、最近はメガバンクでも0.02%程度に上がり、ネット銀行なら0.1%超も出てきました。「焼け石に水」とはいえ、金利上昇は借り手に厳しい反面、貸し手(預金者・投資家)には多少のメリットもあります。日銀による試算では、政策金利を0.5%から0.75%に上げた場合、日本全体の家計では利息収入増も相まって平均で年間+4千円程度のプラスになるそうです。ただし、これは借金のない高齢世帯なども含めた平均の話。現役世代で住宅ローン等の負債を抱える世帯に限れば年あたり約2万円の負担増となり、特に30代の持ち家世帯では年間4万円以上の負担増になるケースもあります。つまり、金利上昇は家計にも「得する人・損する人」を生みます。自分がどちら側かを見極め、マネープランを見直す必要があるでしょう。国の財政同様に、家計もまた金利という外部要因に晒されているのです。
家計はこの“賭け”に乗るべきか?

政府のギャンブルをあなたならどうする?
ここまで、政府が未来の成長に賭けて減税というレバレッジ策を取り、同時に金利上昇というリスクにさらされている姿を見てきました。では、私たち個人はこの政府と“同じ勝負”に出るべきなのでしょうか? 言い換えると、「将来収入を増やすために今お金を借りて積極投資する」という戦略は、私たち家計にとっても有効なのでしょうか。政府がレバレッジをかける姿を見ると、「自分も負けていられない、レバレッジをかけて資産運用しよう!」と刺激を受ける向きもあるかもしれません。例えば低金利のうちに住宅ローンを借りて家や不動産投資をする、あるいは教育ローンを組んでMBA留学する、カードローンで資金を調達して副業ビジネスを始める等々。しかし、ここで立ち止まって考えてみましょう。国と家計では決定的に違う点があります。
国と家計の違い – 破綻しない国vs破綻する家計
第一に、国は簡単には破産しないという点です。極論を言えば、日本政府は自国通貨を発行できますし、最悪増税という形で国民から徴収する権限も持っています。家計が銀行からお金を借りるのとは信用力が段違いです。国債はいざとなれば日銀が買い支えることも可能ですが、私たちの借金を肩代わりしてくれる中央銀行など存在しません。ですから家計がレバレッジをかける場合、返済不能=破綻のリスクを常に念頭に置く必要があります。政府の大胆な賭けは「国家という看板」があってこそ成り立つ面があることを覚えておきましょう。
第二に、時間の制約が違います。政府は極端な話、100年計画でも借金を返せればOKですが、個人の人生は限られています。住宅ローン一つ取っても、例えば35年ローンを組んでリタイアまでに返し切れるか、といった時間軸で考えねばなりません。無理なレバレッジ投資をしてしまうと、「将来収入が増える前に金利負担で家計がパンクする」リスクがあります。特に金利が上向いている今、借金のコストは以前より高いことを肝に銘じるべきです。変動金利ローンを抱えている方は、金利上昇局面では繰上返済や固定金利への借り換えなど防御策も検討した方がいいでしょう。政府は借金で苦しくなっても追加国債発行という延命策が可能ですが、家計はそうはいきません。いざというとき頼れるのは自分の貯蓄や保険だけです。
それでも必要な“良い借金”もある
とはいえ、「借金=悪」「レバレッジ=危険」と決めつけてしまうのも早計です。例えば先述のように自己投資のための教育ローンや、マイホーム購入のための住宅ローンは、人生の糧を得るための前向きなお金の使い方でしょう。問題はそのバランスと計画性です。国の投資減税になぞらえるなら、家計でもリターンの見込める投資に絞ってお金を借りることが重要です。具体的には、「この資格を取れば生涯賃金が〇〇万円増えそうだから△△万円借りてもペイする」や、「家賃と比較して妥当な範囲のローンでマイホームを持つ」など、冷静な試算が必要です。政府も一応は投資減税の適用条件として「投資案件の想定ROI(投資利益率)が15%以上」など厳しめの基準を設ける方向です。個人もレバレッジをかけるなら採算チェックは入念にすべきでしょう。言い換えれば、「自分の将来への投資」が本当に将来リターンを生むと確信できる場合のみ、レバレッジを活用する価値があります。
家計防衛の視点 – 最悪のシナリオを描いてみる
家計でレバレッジを使う際に忘れてはいけないのは、最悪のシナリオも想定しておくことです。政府は最悪の場合でも国債の元本カットや通貨発行によるインフレ誘導など荒業が可能ですが、家計はそうはいきません。だからこそ個人は、「もし収入が思ったように増えなくても、この借金は返していけるか?」を常に自問する必要があります。たとえば変動金利ローンなら金利があと2~3%上がったケースをシミュレーションしてみたり、事業投資なら売上が計画の半分でも資金繰りは持つかをチェックしたりと、ストレステストが有効です。政府も中長期の経済財政試算で悲観ケースを用意していますが、家計こそ悲観シナリオに備えることが大切です。レバレッジには「計画通りにいけば早く大きな成果が得られる」魅力がありますが、「計画が狂えば取り返しがつかない損失を招く」怖さも潜んでいます。筆者個人の意見としては、家計は政府以上に慎重すぎるくらいがちょうど良いと思います。なぜなら、家計にはセーフティーネットが限られているからです。最悪の場合でも家や教育だけは守れるよう、レバレッジのかけすぎには要注意です。
レバレッジとの賢い付き合い方
結局のところ、家計におけるレバレッジとの付き合い方は「攻め」と「守り」のバランスに尽きます。政府が自国の将来を信じてアクセルを踏み込んだように、私たちも自分の将来を信じてリスクを取る場面はあるでしょう。大事なのは、そのリスクが実現しなかったときに人生が破綻しないよう守りを固めておくことです。例えば、投資において借入を活用する場合でも、最悪元本を失っても生活を立て直せる範囲に留めておくこと。住宅ローンを組むなら、金利上昇や収入減少時にも返済が続けられる範囲の借入額にとどめること。政府の勝負に煽られて無理をする必要は全くありません。むしろ政府の状況を反面教師に、「自分は自分の財政を堅実に運営しよう」と心に決めるのも一つの賢明な選択です。
結論 – 希望とリスクを胸に進む
「成長に賭けたレバレッジ」――このフレーズには、私たち日本人の未来への希望と一抹の不安が同居しています。国は大胆にも、自らの歳入という安全網を一部手放し、成長という名の大海原へと船を漕ぎ出しました。それはまるで家族の将来のために全財産を投じて新事業を始める親のようでもあり、子供の教育のために多額のローンを組む覚悟にも似ています。私たち一人ひとりもまた、自身や家族の未来に対して小さなレバレッジを日々かけながら生きています。新しい仕事に挑戦したり、スキルアップに時間とお金を投資したり、時には失敗を恐れず前進したり…。
大切なのは、希望を捨てずに未来を信じることと同時に、足元のリスクを見据えて備えることです。国の挑戦から学べるのは、夢を見る心と万一に備える知恵、その両方の大事さでしょう。家計に話を移せば、私たちは自分の人生という航海の舵取り役です。追い風に帆を広げる勇気も、嵐に備えて鍛える強さも、どちらも求められます。
政府の賭けが吉と出るか凶と出るかは誰にも分かりません。しかし、私たちはそれを傍観者ではなく当事者として見届け、備えることができます。金利が上がろうと、経済環境が揺れようと、自分の家計を守りつつ未来を切り拓く知恵を持てば怖くありません。何度でも読み返したくなる経済の物語として、このブログが皆さんの指針になれば幸いです。
最後に一つ、胸に刻んでおきたい言葉があります。「レバレッジは人生を加速させるが、制御を失えば転倒する」。国も家計もハンドルを握る手は同じです。希望というエンジンに、冷静というハンドブレーキを。未来への航海に、幸多からんことを――。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『図説 日本の財政(令和6年度版)』渡邉和紀(編著)
「国のレバレッジ」を語るなら、まず“国のPL/BSの材料”を揃えないと始まらない。これは数字と図表の宝庫で、税収・歳出・国債・社会保障を「財務諸表っぽい目」で俯瞰できます。
セクション1の“政策の意図”に、一次データの手触りを足す。読者の「それ本当?」を黙らせるタイプの本。
『日本の財政──破綻回避への5つの提言』佐藤主光
減税=歳入減を「善悪」じゃなく、設計問題(制度設計・政治経済・世代間)として整理するのに強い。
セクション2で“国のレバレッジ”を語るとき、読者は必ず「で、破綻するの?しないの?」に寄ってきます。ここを 感情論から引き剥がして、議論を一段上に上げられる。
『財政規律とマクロ経済──規律の棚上げと遵守の対立をこえて』齊藤誠
「財政規律 vs 成長投資」の対立って、だいたい“言葉の殴り合い”で終わるんですが、この本は マクロの因果(景気・金利・インフレ・期待)として読み替える助けになります。
セクション3で「家計が同じ勝負をしていいのか?」に落とすときに、家計と国家の違い(通貨発行・徴税・期間の無限性)をフェアに整理できる。
『なぜ金利が上がると債券は下がるのか? 全訂版』角川総一
金利上昇局面での“国の財務”を語るなら、債券価格・利回り・デュレーションの直感が要る。ここが曖昧だと、記事全体がふわっとします。
日銀会合(金融政策)→長期金利→国債費→財政、の鎖を、読者の頭の中で1本の配線にするための教科書。
『マイナス金利解除でどう変わる(日経プレミアシリーズ)』清水功哉
日銀会合を“イベント消費”で終わらせず、金利のある世界に戻ることの意味(住宅ローン、資産価格、企業の資金調達、日銀の立ち位置)を一気通貫で掴めます。
「国がレバレッジを踏んだ」の“踏み方”が、まさに金利の世界観の変更なので、セクション2〜3の背骨になります。
それでは、またっ!!
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