みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
あなたは子どもの夢を、利益か可能性か、どちらで判断していますか?
「うちの子、将来は芸人になりたいって言ってるんです。でも…食べていけるんでしょうか?」
そんな声をよく聞くようになりました。親として、子どもの将来を心配するのは当然のこと。でもその「職業=収益性」で評価する視点は、もしかすると知らぬ間に“夢のPL(損益計算書)化”をしてしまっているかもしれません。
子どもが抱く夢は、本来「長期的な資産」──つまりBS(バランスシート)で育てるべきもの。たとえ今は収益がマイナスでも、情熱や才能を積み上げていけば、未来には大きなリターンをもたらす“超優良銘柄”になる可能性だってあるんです。
このブログでは、夢をPLで測ってしまう現代の風潮に警鐘を鳴らしつつ、夢を長期投資として育てる教育的な視点をご紹介します。もしあなたが、子どもの将来を考える中で「現実とのバランス」に悩んでいるなら──この記事が新たな発想のヒントになるはずです。
目次
夢を“コスパ”で測る時代の落とし穴

「儲かるかどうか」で夢を分類する社会
「サッカー選手は一握りしか成功しない」「声優は収入が不安定」「YouTuberなんて浮き沈みが激しい」──こうした言葉は、子どもが夢を語ったときによく聞く“現実的なアドバイス”です。確かにその通り、収入面から見ると不確実性の高い職業にはリスクがあります。しかし、その視点はすでに「損益計算書」の思考に陥っていると言えるでしょう。
PL(Profit and Loss Statement)とは、企業の短期的な収益と費用のバランスを表すものであり、「今年は黒字か赤字か」を判断する指標です。これを子どもの夢に適用すると、「今後数年で食べていけるかどうか」「どのくらい年収が見込めるか」という目先の収支にばかり意識が向いてしまいます。まるで投資家が短期トレーダーになってしまうように。
しかし、教育とはそもそも“長期投資”のはずです。目先のリターンだけを見ていては、才能が開花する芽を摘んでしまう可能性もあるのです。
数字に強くなりすぎた私たち
現代の親世代は、かつての自分たちの親とは違い「数字に強い」傾向があります。SNSでは年収ランキングや職業別の生涯賃金グラフが簡単に手に入り、「どの職業が勝ち組か」が数値化されて可視化される時代です。
たとえば「医師は生涯年収が高い」「公務員は安定している」「芸術家は生活が厳しい」といったデータが、Google検索一発で出てきます。これにより、無意識のうちに「子どもが選ぶ職業=投資先」としての評価を下してしまう。
問題はここにあります。職業を株のように評価し、「将来有望」「成長鈍化」「破綻リスクあり」といったラベルをつけてしまうことで、本来は未知の可能性を秘めた夢に対して“市場原理”でのジャッジを下してしまうのです。
親が“短期決算”を望む理由
ではなぜ、親は夢をコスパで測ってしまうのでしょうか? それは、不安と焦燥の裏返しでもあります。
社会が不安定で、終身雇用も崩れ、副業や転職が当たり前になる中、「ちゃんと食べていけるか」「自立できるか」という不安は日に日に強まっています。そんな中で「芸人になりたい」「漫画家になりたい」と言われると、「じゃあどうやって生活するの?」「普通に就職するのが一番安全じゃない?」という言葉が出てしまうのも無理はありません。
しかし、その言葉が無意識に子どもの可能性を狭めてしまう危険性を、私たちはもっと自覚すべきです。親が求める「安全な未来」は、子どもにとっての「幸せな未来」とは限らないからです。
夢は“BS”で育てよ──バランスシート的教育のススメ

子どもの夢=「長期資産」であるという発想
私たちが普段あまり意識しない“BS(バランスシート)”という考え方。これは企業が持つ資産や負債、純資産を示す指標であり、企業の「蓄積された価値」を見える化するものです。PLが1年単位の利益に着目するのに対して、BSはその企業が築いてきた長期的な力を表すもの。実はこの考え方、子育てや教育にこそ必要だと感じます。
たとえば、ピアノを毎日練習する子ども。今は収益を生まないし、むしろレッスン代が出ていくだけ。でも、継続すれば数年後には演奏技術という“資産”が築かれ、音楽大学への進学、プロの演奏家、指導者、作曲家などの選択肢につながります。これはまさに“バランスシート的な成長”です。
夢の実現には時間がかかります。だからこそ、すぐに利益が出ないからといって引き上げるのではなく、「この子は今、価値を積み上げている最中なんだ」と信じる目が必要です。
バランスシートの“資産”は、数字に表れない
BSにおいて最も重要なものの一つが「無形資産」です。これは、特許やブランド力、人材、信頼、ファンといった“数字では測れないけれど、非常に価値の高い資産”です。子どもの夢にも、これと似たような無形資産がたくさんあります。
たとえば、友達を笑わせるのが好きで、毎日ギャグを考えている子。人前で話すのが得意で、学級委員をやりたがる子。絵を描くのが好きで、ノートに漫画を描いている子。こうした日々の積み重ねは、どれも「見えない資産」として将来につながっていくのです。
そして重要なのは、こうした無形資産の価値を、誰よりも近くにいる親が信じてあげること。信頼は、資産価値を高める最高の“レバレッジ”です。大人が信じるからこそ、子どもはその夢に対して本気になれるのです。
投資家的視点で夢を育てる
教育を投資と捉えたとき、親はまさに“長期投資家”の立場になります。長期投資家は、短期的な値動きに一喜一憂せず、「将来的に大きく成長するポテンシャルがあるかどうか」を軸に判断します。
たとえば、アップルもテスラも、創業初期は赤字続きでした。でもその理念や技術、信念に未来の価値を見出した投資家がいたからこそ、現在のような企業に育ったのです。子どもが語る夢も同じ。「今の実力」ではなく、「どれだけ伸びしろがあるか」を見てあげてください。
もちろん、すべての夢が成功するとは限りません。でも、失敗したとしても、それまでに積み上げてきた経験や人脈、スキルは、別の人生の場面で必ず活きてきます。だからこそ、夢に対して“投資家的”であることが、子どもにとって最大の応援になるのです。
夢を応援する親”が手に入れるリターンとは?

親子の関係が「資本提携」になる瞬間
子どもの夢を本気で応援する──それは、単なる愛情以上に「信頼という資本を提供する行為」でもあります。たとえば、子どもが「ミュージカル俳優になりたい」と言ったとき、「無理だよ」「もっと現実的に」と言ってしまうのは簡単です。でも、そうではなく「それ、いいね! 一緒に応援するよ」と言えた瞬間、親子の関係は単なる家族を超えて、資本と志の“パートナーシップ”へと進化します。
これはまさに「人的資本の投資提携」とも言える状態。親が信じることで、子どもは自分を信じられるようになり、夢に対する覚悟も強まります。自分の背中を押してくれる存在がいる──それは、どんな高額なスクールやコンサルよりも価値のある支援です。
このような“資本提携”が成立すると、親子の関係そのものが長期的に安定し、将来的な信頼の利回りが高まります。子どもが大人になっても、親を人生のパートナーとして頼るようになり、良好な関係性が続いていくのです。
応援することで親も成長する
もうひとつ見逃せないのが、“夢を応援する親”自身が得られる成長です。
子どもが目指す道が、親にとって未知の領域であればあるほど、学び直しが求められます。「音楽の世界ってどうなってるんだろう」「声優ってどんな努力が必要なのか」といった具合に、子どもの夢に付き添うことで、親自身も情報収集をし、視野が広がっていきます。
また、夢を語る子どものエネルギーに触れることで、自分も「もう一度やってみたいことがあるかもしれない」と思えるようになる。つまり、子どもの夢に付き合うことは、親自身の内なる夢や感情を呼び起こす、いわば“人生の刺激剤”にもなるのです。
教育とは一方通行のものではなく、双方向の成長。子どもの未来を信じ、支えることで、親自身もまた変わっていく──これこそが、夢を応援する最大のリターンかもしれません。
感情的リターンは計り知れない
最後に強調したいのは、夢を応援した先に待っている“感情的リターン”の大きさです。たとえ目に見える成果がすぐには出なかったとしても、子どもが夢に向かって努力し、葛藤し、挑戦する姿を見守るという体験そのものが、親にとってかけがえのない財産になります。
発表会で震えながらも歌いきる姿、初めてオーディションに落ちて泣いた夜、書いた小説がネットで100人に読まれた喜び──そうした瞬間に立ち会えることは、まるで「夢のIPO(株式公開)」を目の前で見届けるような感動です。
そして、ある日、子どもが「お父さん、お母さん、あのとき応援してくれてありがとう」と言ってくれたなら──それこそが、親が得られる最高のリターンなのです。


結論
「夢なんて、食っていけなきゃ意味がない」。
そう言いたくなる気持ちはよくわかります。
けれど、それは本当に“子どものため”なのでしょうか?
私たちはいつの間にか、夢にすら「収益性」を求める社会に生きています。安全な道、安定した収入、効率のいいキャリア。もちろん、それらが悪いわけではありません。でも、夢とは本来、もっと自由で、もっと個人的で、もっとワクワクするもののはず。
子どもが何かを心から「やってみたい」と思った瞬間、それはたとえ未完成でも、すでに価値のある“芽”です。その芽を摘まず、光を当て、水をやり、信じて育てていく──それが親の役割なのかもしれません。
たとえば音楽家になりたい子どもがいたとして、今はまったく収益にならず、むしろコストばかりかかっているかもしれません。けれど、その子が何年も努力を続け、いつか人の心を動かす演奏をできるようになったとしたら? もしかするとそのとき、世界にとっても、そしてあなた自身にとってもかけがえのない“無形資産”になっているかもしれません。
夢とはPL(損益)ではなく、BS(資産)で見るべきもの。目に見える成果だけではなく、その子が積み重ねてきた情熱や努力、人間関係や経験こそが本当の価値です。
親である私たちができることは、夢の確実性を保証することではなく、不確実な未来に光を照らすこと。そして「あなたの夢は、信じるに値する」と、心から伝えてあげること。
子どもが夢を語るその瞬間に、「これはうちの人生最大の長期投資だな」と思えたら。
それはきっと、あなた自身の人生にも豊かさと意味をもたらしてくれるはずです。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
全米No.1バンカーが教える世界最新メソッドでお金に強い子どもに育てる方法
7歳から投資マインドを育む方法を、米国バンカーが提案。子どもがお金のしくみや資産形成を早期に理解する教育を通じ、夢や才能を「長期投資」の視点で育てるヒントが得られます。
僕が子どもに教えている 1億円のつくり方
「億り人」になった著者が、自身の経験をもとに、子どもに伝えたいお金と投資の教育法を伝授。資産形成を通じ、「夢=長期的資本育成」という視点を子どもにどう伝えるか参考になります。
わが子が成功するお金教育
家庭での金銭教育がテーマ。適正な小遣いの与え方や、お小遣いを通じた責任感と「自ら学ぶ力」を育む工夫が記載されており、自分で夢を育む土壌づくりに役立ちます。
お金に強い子どもの育て方
12人の運用のプロが家庭で実践している教育法をインタビュー形式で紹介。金融リテラシーと合わせて、夢を追うための「リスクの受け止め方」や「将来設計」の視点が得られます。
子どものお金IQ伸ばすのはどっち?
「稼ぐ・使う・貯める・増やす」の観点から、子どもへのファイナンシャルリテラシー教育を広く解説。夢を育てながら、お金との付き合い方を教えたい親にぴったりです。
それでは、またっ!!

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