みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その1通、本当に“110円以上の価値”ありますか?
「手紙って、いつの間にこんなに高くなった?」――そう感じた人、たぶん正解です。日本郵便は郵便料金の改定を発表し、2024年10月1日から手紙・はがきなどの料金が変わりました。たとえば定形郵便は50gまで一律110円、通常はがきは85円。さらに新料金の普通切手なども発行されています。
背景にあるのは、郵便物数の長期的な減少(デジタル化で手紙が減る)と、人件費・燃料費などのコスト上昇。つまり「一時的に上がった」のではなく、構造的に“紙の配達”が高コスト化している、ということです。ここがポイントで、値上げは家計だけでなく、企業のオペレーションと会計をじわっと変えていきます。
ここで面白いのは、「郵便が高い」=生活の小さなニュース、で終わらないこと。企業の現場では、請求書・督促状・契約書・株主向けの通知(IR)・行政への提出物など、“紙で送る前提”の業務がまだまだ残っています。郵便料金が上がるほど、これらはじわじわ販管費を押し上げ、コスト構造そのものを変えます。そして会計的には、これは単なる値上げではなく「固定費っぽく見えていた事務が、変動費として増えていく」サインでもあります。
この記事では、郵便値上げを「紙コミュニケーションへの課税」みたいに捉え直して、次の3点をやさしく深掘りします。
- 料金改定で何が起きたのか(数字で把握)
- 企業の“請求・督促・通知”がどこから膨らむか(販管費の内訳と現場あるある)
- 紙が高いほど強くなる会社/溶ける会社(デジタル移行できる企業がなぜ有利か、逆に誰が儲かるのか)
読み終わるころには、「郵便の値上げ=不便」ではなく、「事務コストの上昇=ビジネスモデルの選別」だと見えるはず。自社の“紙仕事”の棚卸しや、DX投資の優先順位づけにも使えるように、ざっくり試算の考え方(1通あたりの総コスト=郵便+封筒+印刷+人件費)まで落とし込みます。肩の力を抜いて、一緒に整理していきましょう。
目次
郵便値上げ、結局「何が」「いくら」変わったのか

「値上げって言っても数円でしょ?」と思ってたら、今回わりとガツンと来ます。2024年6月の発表を経て、2024年10月1日から郵便料金が改定されました。まずは“会社の紙業務”に直撃しやすいところだけ、数字で押さえましょう。
いちばん効くのは「封書」と「はがき」
- 定形郵便(封書):
25g以下 84円 → 110円/25g超50g以下 94円 → 110円(50gまで一律に統合) - 通常はがき:
63円 → 85円
地味に大きいのが、封書の“軽い方”が一気に上がる点。たとえば「請求書1枚+返信用封筒」みたいな軽い封書が多い会社ほど、効いてきます。
「その他もだいたい30%」が地味にボディブロー
発表資料では、定形郵便以外も“30%程度”の改定率を基本にすると説明されています。
実際、定形外やレターパック、特定記録なども上がっています(用途によってはこっちの方が痛い会社もあります)。
ここで大事なのは、「郵便だけ上がった」ではなく、“紙で送る選択”全体が値上がりしたという感覚。これ、実務だとあとから効いてきます。
会計目線で見ると「通信費の増加」では終わらない
会社の経理処理では、郵送費はだいたい販管費(=売上を作るための管理・営業コスト)の中の「通信費」「荷造運賃」「発送費」あたりに入ります。ここがじわっと増えると、何が起きるか。
ポイントは2つ。
- “1通あたり”の単価が上がると、業務量が同じでもコストが自動で増える
- 郵便料金は氷山の一角で、実は「封筒・紙・印刷・人の手間」もセットで乗ってくる
試しに、めちゃ現実的な例。
- 毎月 5,000通、25g以下の封書(旧84円)で請求書を送っていた会社が、同じ運用のままだと
差額は1通あたり+26円 → 月+130,000円 → 年+1,560,000円。郵便代“だけ”でこれです。
ここに、印刷・封入の作業時間(人件費)や、封筒・用紙代まで足すと、「え、これ地味に固定費化してない?」って顔になります。
だから今回の値上げは、単なるコスト増じゃなくて、
“紙のままでいける会社”と“紙のせいで利益が削れる会社”を分けるテストになりやすい。
次のセクションでは、この郵送コストが特に刺さる 「請求・督促・通知」 を、販管費の構造変化としてもう一段具体的に見ていきます。
請求・督促・通知が“静かに太る”──販管費の構造変化が始まる

郵便料金の値上げって、ニュースとしては「手紙が高くなった」で終わりがちなんですが、企業会計の世界ではもう少しイヤな顔になります。理由はシンプルで、紙の郵送って「やらないと売上が止まる/回収できない」業務に根っこが刺さってるから。単価が上がっても、すぐゼロにできない。ここが“じわ増え”の正体です。
刺さるのは「請求」「督促」「重要通知」——逃げられない郵送
会社の郵送は、だいたいこの3つに集約されます。
- 請求書・利用明細・更新案内:毎月、定期的に発生。通数が多いほど影響が直撃。
- 督促状・再請求・未払い通知:件数は少なくても、1件あたりの手間が重い。しかも“確実に届く”が重要。
- 重要通知(契約・規約変更・行政対応・株主向け通知など):電子化しづらい/相手が紙前提のケースが残りやすい。
封書の基本料金が 84円→110円(25g以下)になったことで、これらの“逃げられない郵送”が、同じ作業量でも自動的に高くなる構図ができました。
会計的に怖いのは「郵便代」じゃなく“郵送コスト一式”
郵便代だけ見ていると、「まあ年に数十万か…」で終わります。でも実務で膨らむのは、郵送という行為が連れてくる“セット料金”。
1通あたりの総コストは、だいたいこうです。
- 郵便料金(ここが上がった)
- 封筒・用紙・トナー(物価上昇の影響も受けやすい)
- 印刷・封入・チェックの作業時間(人件費)
- 差し戻し対応(宛先不備・転居・再送)
- ミスの修正(請求金額違い、同封漏れ、個人情報の取り扱い…)
これを販管費で見ると、「通信費が増える」だけじゃなく、発送に関わる外注費・事務人件費・再送対応コストまで波及して、いわば“静かな肥満”になります。
しかも怖いのは、これが売上アップに直結しないタイプのコストだという点。利益率が薄いビジネスほど、じわじわ効きます。
“デジタル移行できる会社”が強い理由——弱い会社は事務コストで溶ける
ここで勝ち負けが分かれます。ポイントは「DXしてるかどうか」みたいな気合いの話じゃなく、構造的に移行できる条件が揃っているか。
強い会社はだいたいこう:
- そもそも顧客接点がアプリやWeb(電子明細に誘導しやすい)
- 請求〜入金までがオンラインで完結(紙の“最後の1km”が短い)
- 例外処理が少ない(住所変更や再送が減る設計)
- メールやアプリ通知で「見た/見てない」を把握でき、督促も段階設計できる
一方で弱い会社はこうなりがち:
- 顧客層に紙前提が多い(高齢層、法人の紙運用など)
- 取引先都合で紙が残る(請求書は紙指定、押印文化など)
- システムが古くて、電子化の初期投資が重い(移行までの期間も長い)
そしてここが会計っぽい刺し方なんですが、郵送コストが上がるほど、電子化の投資回収(元が取れるまで)が短く見えるようになります。
つまり、同じ電子化でも「便利そうだからやる」から、「やらないと利益が削れるからやる」にモードが変わる。郵便値上げは、そのスイッチを押しやすい出来事なんです。
この流れが進むと、次に起きるのは「紙を減らす側」と「紙を扱う側」の勢力図の変化。儲かるのは誰で、苦しくなるのは誰か。印刷・DM・請求書発行代行・行政通知まで含めて、投資と会計の両面で“勝ち筋”を整理していきます。
紙コストが上がる国で、儲かるのは誰?──「紙を減らす側」と「紙を回す側」の二極化

郵便値上げは、家計の話で終わらずに、企業の現場では「紙の意思決定」を強制してきます。しかも今回は定形郵便84円→110円、はがき63円→85円と、よく使う領域が太く上がった。さらに日本郵政グループの説明資料では、郵便料金改定に伴う全体値上げ率は+26.3%とも触れられていて、“気合いで吸収”はなかなか難しい水準です。
この圧力がかかると、儲かるプレイヤーは大きく3つに分かれます。
いちばん得するのは「紙を減らす仕組み」を売る会社(請求・督促・通知SaaS)
郵便が高くなるほど、「電子化の投資回収が短く見える」現象が起きます。たとえば毎月1万通の請求書を送っている会社なら、封書の値上げだけで月26万円増(年312万円増)みたいな世界が普通にあり得る。
こうなると、電子明細・オンライン請求・督促の自動化・顧客ポータルなど、“紙を減らす機能”に払う月額が、急に「安い」に見えてくるんですよね。
会計っぽく言うと、これは
- 販管費(通信・発送・事務)の変動費が膨らむ →
- 固定費(SaaS利用料)に置き換えてコントロールしたくなる
という流れ。
「請求〜回収」をデジタルで閉じられる会社ほど、利益率が守られていきます。
次に儲かるのは「紙をやめきれない会社の代わりに回す」アウトソーサー(ハイブリッド型)
一気に全廃できない会社も多いです。顧客が紙を希望したり、取引先の指定があったり、重要通知が残ったり。ここで伸びやすいのが、印刷・封入・発送をまとめて代行するタイプ(いわゆるハイブリッド運用)です。
これ、企業側のメリットはめちゃ現実的で、
- 住所データ整備や差し戻し対応を含めて外に出せる
- 繁忙期の人手不足を吸収できる
- “発送ミス”の事故(再送・信用毀損・個人情報リスク)を減らしやすい
つまり「郵便代が上がる」だけじゃなく、紙運用に付随する事務コストの凸凹まで平準化できる。セクション2で話した“郵送コスト一式”のうち、人の手間を削れるのが強いんです。
印刷・DM・行政通知は「量のビジネス」から「精度のビジネス」へ(勝ち残る紙、消える紙)
ここが一番おもしろい分岐です。紙が高くなると、まず“なんとなく紙”が死にます。つまり、
- 誰も読んでない大量DM
- ついでに同封してたチラシ
- 惰性で紙の通知を続けていた事務
みたいな「効果測定しづらい紙」が削られやすい。
一方で、紙が残る領域もあります。たとえば
- 高単価商材の案内(読む人が多い、単価が合う)
- 法的・手続き的に紙が絡む通知(完全にゼロになりにくい)
- どうしてもデジタルが届かない層への連絡
ここで勝ち残るのは、印刷そのものよりも“届け方の設計”ができる会社。DMでも「送った→反応→次の一手」まで追える仕組みがあると、紙の単価が上がっても採算が合うんですよね。逆に、紙を大量に刷って投げるだけだと、郵送コスト上昇で利益が薄くなりやすい。
そしてIR文脈で言うと、上場企業は株主総会資料の電子提供制度が進んでいて、資料をウェブ掲載しつつURL等を通知する運用が広がっています(制度自体は法務省も案内しています)。紙コストが上がるほど、こうした「紙を最小化する制度・運用」は追い風になります。
――結局のところ、郵便値上げは「紙が好きか嫌いか」じゃなく、紙を使うなら“理由”と“採算”を説明できるかのゲームに変えてしまった、という話です。次はいよいよ、ここまでの流れを受けて“感情ごと刺さる”形で結論に着地させます。
結論
郵便値上げは「不便なニュース」じゃなく、会社の利益を削る“紙の税”です。
定形郵便は25g以下が84円→110円、通常はがきは63円→85円。しかも「その他の料金も30%程度を基本に改定」という方針で、紙で送る前提の業務は、広く・じわっと高くなりました。
ここで起きるのは、派手な革命じゃなくて静かな選別です。請求書、督促、重要通知――やめられない紙がある会社ほど、郵便代だけじゃなく「封筒・印刷・封入・差し戻し・再送・確認」の総コストが積み上がって、販管費の体温が上がっていく。売上が伸びても利益がついてこない“もやもや”の正体が、実はここだったりします。
でも、救いもあります。郵便が高くなるほど、デジタル移行の価値が数字でハッキリ見えるからです。電子請求・電子明細・オンライン決済・通知の自動化は、便利なだけじゃなく「利益を守る防波堤」になります。株主総会資料の電子提供制度のように、制度面でも“紙を最小化する運用”は進んでいます。
じゃあ明日から何をすればいいか。難しいDX計画じゃなく、3つだけでOKです。
- ① 毎月何通出してるか棚卸し(部署別・用途別にざっくり)
- ② 電子化できる通数を切り分け(相手都合で残る紙を先に固定)
- ③ 1通あたり総コストで投資回収を見る(郵便+印刷+作業時間=意外と大きい)
そして「儲かるのは誰?」の答えも、だんだんクリアになります。紙を減らす仕組み(請求・督促・通知SaaS)を持つ会社、紙をやめきれない企業の代わりに“回す”アウトソーサー、紙を使うなら反応まで設計できるマーケ・印刷。逆に、惰性の紙と人海戦術に依存した事務は、コスト上昇でじわじわ溶けます。
手紙が贅沢になっていく時代、強い会社は「紙をやめる」じゃなく、紙を使う理由を“採算”で説明できる会社。あなたの会社の利益を守る武器は、派手なテクノロジーじゃなく、今日の“1通”を疑う視点です。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『株主総会資料電子提供の法務と実務〔第2版〕』塚本英巨・中川雅博
「紙で送る」が当たり前だった株主向け資料を、どうやって電子中心に切り替えるかを“実務の手順”で押さえられる一冊。IR担当・総務法務だけでなく、経理財務が巻き込まれる社内調整の勘所まで見えてきます。
『企業価値を「創造」する経理財務——バックオフィスからフロントオフィスへの変革』脇一郎
郵便値上げみたいな「地味なコスト増」を、ただ削るのではなく、利益体質そのものを作り替える視点に変えてくれる本。経理が“記録係”で終わらず、数字で現場を動かす感覚がつかめます。
『知識ゼロでも基礎からわかる デジタルインボイス 入門編』税務研究会
「請求書の電子化って、結局どこから手を付けるの?」に、やさしく答えてくれる入門。郵送コストの話を読んだあとだと、“請求業務から作業がなくなる”世界が現実味をもって入ってきます。
『これだけ知っておけばOK! 電子帳簿保存法がわかる本』中島典子
電子化は「便利」だけで進めると、最後に法対応で詰みがち。これは電帳法を図解・会話調でサクッと全体把握できて、社内の“紙派”を説得する材料にもなります。
『給料ゼロ円で24時間働く バックオフィスDX』劉 桂栄
総務・人事・経理の「めんどくさい」を、どう分解して、どう整理して、どう仕組みに落とすか。郵便値上げで痛いのは“郵便代”より手作業の連鎖なので、読後に「まずここから潰そう」が見えやすい本です。
それでは、またっ!!
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