みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
投資の利益まで保険料で奪われる――そんな未来、あなたは許せますか?
最近、「金融所得(株の配当や売却益など)にも社会保険料を課す」という政府の方針が話題になっています。これを聞いて「え、それってどういうこと?自分に関係あるの?」と疑問に思った20代・30代の方も多いのではないでしょうか。実はこれは私たちの将来の資産形成にも影響しかねない重要な問題です。
この記事では、この新しい提案の中身をわかりやすく解説し、それが経済的にどんな問題を抱えているのか、長期投資にどんな影響を及ぼすのか、そして公平性の観点からどんな矛盾があるのかを一緒に考えてみましょう。読み終えれば、この政策の何が問題なのかクリアになり、自分の金融リテラシーを高めつつ「それっておかしくない?」と論理的に指摘できる知識が手に入ります。それでは、さっそく本題に入っていきましょう!
経済の視点: なぜこの課税策は理にかなわないのか

まずは経済全体の観点から。この提案は、一見すると社会保障の財源を確保しようとするものです。しかし経済の視点で見ると、金融所得への課税強化(社会保険料を課すこと)はかえって逆効果になりかねません。なぜでしょうか?
第一に、投資意欲の減退と資金流出の懸念です。株式や投資信託の利益にまで追加の負担がかかれば、個人は「それならリスクをとって投資するのは割に合わない」と感じてしまいます。結果として投資マネーが萎縮し、新興企業への資金供給や市場の活性化が損なわれ、ひいては経済成長の足かせになり得ます。資産所得倍増プランなど「貯蓄から投資へ」を掲げてきた政府方針とも明らかに矛盾しています。実際、岸田政権は非課税保有期間の恒久化など新NISAで個人投資を後押ししてきたばかりです。庶民に「投資で資産形成を」と促しておきながら、「でも利益が出たら社会保険料も取りますね」では、政策の一貫性がなく投資者に冷や水を浴びせるようなものです。
第二に、所得の二重課税・三重課税の問題があります。金融所得にはすでに約20%の税金(譲渡益税・配当税)が課されています。企業利益には法人税も課せられており、その上で配当や株の売却益に税金を払っているわけです。ここにさらに社会保険料まで上乗せすれば、同じ利益に対して税と保険料で二重・三重に搾り取る形になります。これは経済合理性の観点からも疑問です。投資で得た利益は、新たな消費や再投資に回れば経済を回す原動力になります。しかし過度な課税はその循環を断ち切り、「せっかく利益を出しても持っていかれるだけ」と人々のモチベーションを下げてしまいます。
第三に、税収(保険料収入)の思ったほどの増加が見込めない可能性。投資家は合理的です。制度変更で不利になると分かれば、節税の策を講じたり資産の置き場所を変えたりします。極端な場合、日本市場から資金が流出する可能性だってあります。そうなれば期待したほど保険料収入が増えないばかりか、市場の活力低下で経済全体としての損失が大きくなるかもしれません。こうした点から、金融所得への社会保険料課税は経済政策として筋が悪いと言わざるを得ません。さらに言えば、社会保障財政の問題を安易に「見える所から取る」発想で埋めようとする点にも疑問があります。本当に持続可能な制度を目指すなら、支出の見直しや他の税制改革など抜本的な議論が必要なはずです。金融所得への課徴は一時しのぎに過ぎず、根本的な解決策とは言えないでしょう。
投資の視点: 長期投資を萎縮させるその影響

次に、個人の投資という観点で考えてみましょう。20~30代の皆さんの中には、「これから資産形成のために投資を始めよう」と考えている人も多いでしょう。そんな将来の投資家層にとって、この政策はどんな影響を及ぼすでしょうか?
ここで「自分は会社員だから今のところ関係ないかな?」と思った方もいるかもしれません。確かに現状では、会社員の健康保険料や年金保険料は給与収入に対してのみ計算され、株の利益には影響しません。しかし人生は長く、今後転職や独立して国民健康保険に加入することもあるでしょうし、将来リタイアすれば年金生活と併せて国保や後期高齢者医療に入ります。その時に、若い頃からコツコツ投資して増やした資産に対してまで追加の保険料負担がのしかかったら…と考えると嫌ですよね。まじめに資産形成に励んだ人ほど後で損をするような仕組みになっては、本末転倒です。
長期投資のインセンティブが弱まることも大きな懸念です。株式投資や投資信託は、長い目で見てコツコツ積み立てていくことで将来の資産形成に繋がります。政府もそれを促すために新NISAを拡充し、「長期・分散投資でしっかり増やそう!」と呼びかけていました。しかし金融所得に社会保険料まで課されるとなると、「長期で持って配当をもらっても、その都度保険料が引かれるなら旨味が減るな…」と投資をためらう人が出てきかねません。また、投資には当然リスクもあり損をする年もあります。それなのに儲かったときだけきっちり保険料は取られるとなれば、「損した年は自己責任で放置なのに、得した年だけお上に持っていかれるの?」と不満に感じ、ますます投資する気が失せてしまいますよね。
特に若い世代にとって、投資による利益は将来の資産形成の柱になり得ます。例えば老後資金2000万円問題などもあり、年金以外の自助努力が必要だと言われています。だからこそ国もNISA拡充などを行ったわけですが、この課税強化はそうした若者の自助努力に逆行するメッセージになってしまいます。「投資してお金増やしてね、でも増えたらその分いただきます」というのでは、真面目にコツコツ投資するのがバカらしく感じてしまうでしょう。
また、政策への信頼を損ねることも無視できません。政府が「貯蓄から投資へ」と言うから勇気を出して投資を始めたのに、後から「やっぱりそこにも課金します」では、多くの人が「なんだ、それなら最初から言ってよ!」と思うはずです。実際、とある社労士の方も「税金はかけないと言って投資を誘導しておいて、後から社会保険料をかけるなんて後出しジャンケンだ」と痛烈に批判しています。一度こうした信頼を裏切れば、今後いくら制度を用意しても「どうせまた後から条件が変わるんでしょ?」と疑われ、国の施策への不信感が広がってしまいます。若者世代が安心して資産形成に取り組むためにも、ブレない政策と一貫したメッセージが何より大事ではないでしょうか。
会計・公平の視点: 水平的公平性は守られるのか?

最後に、会計処理や公平性の観点からこの問題を考えてみます。政府はこの措置を「所得の種類による不公平是正」のためだと説明しています。たしかに現行制度では、株の配当や売却益は確定申告しなければ社会保険料の計算に含まれず、申告すると含まれるという妙な仕組みになっています。そのため、「確定申告しない人の方が保険料が安くなって不公平だ」という指摘があるのは事実です。例えば厚労省の試算では、同じ収入でも確定申告しない方が年間約6.6万円も保険料が安くなるケースが示されました。確かにこれでは「ズルい!」と思われても仕方ありません。政府はここにメスを入れ、「同じ所得には同じ負担を」と水平的公平(同じ経済力なら同じ負担)の原則に沿って改革を進めようとしているのです。
しかし本当にそれで公平と言えるのでしょうか?いくつか見落とせない問題があります。
まず、社会保険料と給付の関係という視点です。本来、社会保険料は将来の年金給付や医療・介護給付とセットの「保険」です。給与から厚生年金や健康保険の保険料を払えば、将来それに見合った年金が受け取れたり、高額療養費制度などの恩恵を受けられます。一方、金融所得に課す保険料はどうでしょうか?おそらく保険料を多く払っても年金額が増えるわけではなく、追加の給付が得られるわけでもありません。負担と給付のバランスが崩れており、保険というより実質「増税」に近い形になってしまいます。これでは同じルールで保険料を払っているとは言えず、制度の整合性という面で疑問が残ります。
次に、対象範囲の恣意性です。今回議論されているのは、あくまで「確定申告しなくても済む金融所得」を捕捉して課金しようというものです。裏を返せば、それ以外の所得(例えば不動産収入やその他の雑所得)は元々申告すれば必ず反映されますし、申告しなければならない以上基本的に計算に入っています。なぜ金融所得だけが殊更に「狙い撃ち」されるのでしょうか?お金持ち優遇の是正と言いますが、本当に資産を持つ富裕層であれば金融所得以外にも様々な手段で資産運用していますし、海外に資産を移すことも可能です。金融所得ばかりに焦点を当てると、結果的に対策できない一般の個人投資家ばかりが負担増となり、富裕層は抜け道を見つけて逃げてしまうということにもなりかねません。公平を期すつもりが、むしろ不公平を生み出すリスクがあるのです。
さらに、事務手続きや実務上の課題も深刻です。金融所得を保険料算定に入れるには、誰がどれだけの金融収入を得たか行政が把握する必要があります。現在、株や投信の利益は証券会社等が税務署に年間取引報告書を提出していますが、それを保険料計算に使うとなるとマイナンバーで金融口座を紐付けするなど大掛かりな仕組みが必要になります。政府もマイナンバー記載やオンライン情報提出の課題、関係者の事務負担の問題に留意すると述べています。これらのシステム整備には時間もコストもかかり、現場の混乱やプライバシーへの不安も招きかねません。「やってみたけど運用コストばかりかかって大して徴収できませんでした」では本末転倒ですし、情報管理がずさんで漏洩でもしようものなら国民の信頼を失います。制度を設計する会計・実務面から見ても、越えるべきハードルは相当に高いと言わざるを得ないでしょう。


おわりに
金融所得への社会保険料課徴という今回の提案について、経済・投資・会計それぞれの角度から問題点を見てきました。一言で言えば、「若者の将来にツケを回しかねない、筋の悪い政策」ではないでしょうか。将来世代の負担を減らすと言いながら、肝心の若い世代が自ら資産形成する意欲を削いでしまっては本末転倒です。
私たち20代・30代の現役世代こそ、こうした政策に関心を持ち、声を上げていく必要があります。難しい専門用語が飛び交うテーマですが、仕組みを知れば「それっておかしくない?」と感じるポイントが見えてきます。お金や制度について学ぶことは、自分の身を守る武器になります。賢く合理的に考える若者が増えれば、政治も安易な思いつきではなく筋の通った政策を打ち出さざるを得なくなるでしょう。それこそが明るい日本の未来につながるはずです。感情的な批判だけでなく、論理的に問題点を指摘し、より良い代替策を考えることが大切です。
最後に、本記事が少しでも皆さんの金融リテラシー向上と、スマートな政策への関心につながれば幸いです。私たち若い世代が賢く行動すれば、きっと政治も社会も変えられるはず。自分たちの未来を守るために、これからもお金の知識と社会の動きにアンテナを張っていきましょう!一緒に、明るく豊かな未来を切り拓いていきたいですね。
自分たちの世代の手で、より良い社会を実現していきましょう!
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『2024年度版 投資家のための税金読本』
NISA拡充、金融所得課税の最新ルール、仮想通貨やデリバティブ取引までカバー。個人投資家が「どのタイミングで・いくら税と保険料を払うのか」をシミュレーション付きで解説します。
『FPが知りたかった! 改正事項の最短整理〔2024年度〕』
年金・医療・介護・税制の“毎年変わる”ポイントをFP目線で一冊に凝縮。社会保険料の計算ベースがどう動くかを俯瞰でき、今回の骨太方針を読み解く基礎体力がつきます。
『読んではいけない ─ 日本経済への不都合な遺言』
「金融所得には社会保険料が一切かからない」という現行制度の歪みを痛烈に指摘。“負担の水平公平”を掲げる政策がいかにズレているか、経済コメンテーターの辛口視点で学べます。
『2024-2025年版 みんなが欲しかった!FPの教科書1級 Vol.1』
ライフプラン・年金・社会保険・金融資産運用を横断的に学べる定番テキスト。制度改正の“背景ロジック”まで丁寧に解説しており、ブログの論拠を厚くできます。
『2024年度版 法人投資家のための証券投資の会計・税務』
会計仕訳・税務申告の実務に沿って、株式・債券・投信の損益計上と課税のタイミングを詳細に解説。個人にも応用できる“会計思考”で、金融所得課税の構造を深掘りするヒントが得られます。
それでは、またっ!!

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