投資の勝者はスタイルを持つ──科学と会計で解き明かす、成功の法則

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

結局、投資で勝つ人と負ける人の違いは何なのか?

これは、多くの投資家が一度は考える疑問ではないでしょうか。

短期で成功する人は運が良かっただけなのか? それとも、何か「勝つためのルール」があるのか?

答えは明確です。投資で勝ち続ける人は、「自分に合ったスタイル」を確立し、それを一貫して守っています。

✔ 短期トレードが向いている人、向いていない人がいる
✔ バリュー投資が成功する人、グロース投資が成功する人がいる
✔ ハイリスク投資に耐えられる人、耐えられない人がいる

つまり、「投資のスタイル=自分に最適な戦い方を見つけること」なのです。

しかし、なぜ「投資スタイル」を持つことが勝ちやすさにつながるのか?
これは単なる経験則ではなく、科学的な視点と会計の知識を用いることで、その合理性を明確に説明できます。

本記事のポイント

本記事では、「投資スタイルの確立が成功につながる理由」を3つの視点から深掘りします。

投資家を惑わせる「認知バイアス」──心理学的視点
✔ 損失回避バイアス、過信バイアス…人間の脳は合理的に投資できない!?
✔ 投資スタイルを確立することで、心理的ストレスを軽減し、冷静な判断が可能に。

投資スタイルが生み出す「統計的優位性」──数学的視点
✔ 無計画な投資よりも、一貫した戦略の方がリターンが安定する科学的根拠とは?
✔ 期待値がプラスの戦略を繰り返せば、結果として勝ちやすくなる。

会計の視点から見る「投資スタイル」と銘柄選び──実務的視点
✔ バリュー投資家はPER・PBRを見るべき? グロース投資家が注目すべき財務指標とは?
✔ 「スタイル×会計分析」で、感情に左右されない合理的な投資ができる。

投資においては、「市場を読む能力」よりも「自分を知る能力」の方が重要です。

本記事を読むことで、「なぜ自分の投資スタイルを確立することが成功につながるのか?」を、科学的かつ実務的な視点から理解できるはずです。

投資の本質を学び、あなたにとって最適なスタイルを見つける旅に出ましょう。

投資家を惑わせる「認知バイアス」とスタイルの重要性

人間の脳は投資に向いていない?

投資は論理的に考えれば成功できると思われがちですが、実際には多くの投資家が「合理的に判断しているつもりで、非合理な行動を取ってしまう」ことが少なくありません。
これは、人間の脳が投資に適した意思決定をするように設計されていないためです。

例えば、投資家の多くが直面するのが「損失回避バイアス(Loss Aversion Bias)」です。
これは、「利益を得る喜び」よりも「損失を出す痛み」の方が強く感じられるという人間の心理傾向を指します。
ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンとエイモス・トヴェルスキーのプロスペクト理論によれば、人間は損失を被ることに対して極端に敏感で、同じ金額の損失と利益を比べると、損失の方が約2倍の重みを持つとされています。

このバイアスがあると、投資家は含み損を抱えた株を売ることを極端に嫌がり、「きっと回復するだろう」と希望的観測にすがってしまいます。
その結果、本来なら損切りすべき局面でも塩漬けしてしまい、さらに損失を拡大するリスクを高めてしまいます。

逆に、含み益が出ている株は「せっかくの利益を失いたくない」と考えて、早めに利益確定してしまう傾向があります。
これでは、損失は長引き、利益は短くなるという、投資で勝つためには最悪のパターンに陥ってしまいます。

こうした心理的な傾向は、投資初心者に限らず、ベテラン投資家でも影響を受けるものです。
しかし、「自分に合った投資スタイルを持つこと」で、このバイアスを制御しやすくなります。

スタイルを持つことで心理的ストレスが減る

投資スタイルを確立すると、「どのような状況でもブレない判断基準」が生まれるため、心理的ストレスが軽減されます。

例えば、デイトレードをする投資家と長期投資家では、投資に対する向き合い方が根本的に異なります。
デイトレーダーは一日の中で何度も売買を繰り返し、わずかな値動きから利益を狙います。
一方、長期投資家は、企業の成長を見据え、数年単位で保有することを前提に投資を行います。

もし、長期投資に向いている人が無理にデイトレードをすれば、「短時間で判断しなければならない」というプレッシャーに押しつぶされ、冷静な判断ができなくなるでしょう。
逆に、デイトレード向きの人が長期投資をすると、株価の上下に一喜一憂し、「もっと早く売ればよかった」と後悔することが増えるかもしれません。

つまり、投資スタイルを確立することで、「自分に合わない投資手法」によるストレスを減らし、合理的な判断をしやすくなるのです。

また、自分のスタイルが確立されていれば、短期的な相場の動きに翻弄されにくくなります。
例えば、バリュー投資家であれば、一時的に株価が下がっても「本質的な企業価値が変わらないなら気にしない」という考え方ができます。
これにより、不安や焦りからくる不要な売買を減らし、長期的に安定したリターンを得やすくなります。

「過信」と「確証バイアス」の罠

投資においてもう一つ厄介なのが、「過信バイアス(Overconfidence Bias)」と「確証バイアス(Confirmation Bias)」です。

過信バイアスとは、「自分の能力を過大評価し、リスクを過小評価する傾向」のことです。
特に、過去に数回成功体験があると、「自分は投資の才能がある」と思い込んでしまい、冷静なリスク評価ができなくなるケースが多く見られます。

また、確証バイアスは、「自分の考えを裏付ける情報ばかりを集め、反対意見を無視してしまう」ことを指します。
例えば、「この銘柄は必ず上がる」と思い込んでいる投資家は、業績の悪化や市場環境の悪化といったマイナス情報を軽視し、「強気なアナリストのレポート」ばかりを参考にしてしまうことがあります。

これらのバイアスは、投資家の判断を歪め、大きな損失を招く原因となります。
しかし、自分の投資スタイルを確立することで、「投資判断の基準」を明確にできるため、これらのバイアスを抑制しやすくなるのです。

例えば、成長株投資をしている投資家なら、「売上成長率が鈍化したら売る」という明確なルールを持っていれば、過信せずに冷静な判断ができます。
同様に、バリュー投資家なら、「PBRが一定以上になったら売る」といったルールを決めることで、確証バイアスによる思い込みを防ぐことができます。

このように、認知バイアスはすべての投資家に影響を与えますが、「自分に合った投資スタイル」を持つことで、バイアスによる誤った判断を減らし、より合理的な投資ができるようになるのです。

投資スタイルがもたらす「統計的優位性」

「無計画な投資」は期待値が低い

投資において、「適当に売買を繰り返すだけでは勝てない」と言われます。
これは、数学的な視点からも明らかです。無計画な投資とは、言い換えれば「期待値を無視した投資」です。

期待値(Expected Value, EV)とは、投資の平均的なリターンを計算する概念です。
例えば、カジノのルーレットでは、すべての数に均等に賭けたとしても、控除率(ハウスエッジ)によって期待値はマイナスになります。
同じように、適当に株を売買するだけでは、手数料や税金を考慮すると期待値はほぼゼロかマイナスになってしまいます。

一方、統計的に期待値がプラスの戦略を繰り返せば、長期的にプラスのリターンが期待できるのです。
これは、カジノ側がプレイヤーに対して統計的に有利なルールを作ることで、長期的に利益を得るのと同じ原理です。

例えば、成長株投資を行う場合、過去のデータから「売上高が年10%以上成長する企業の株価は、平均して市場平均を上回るパフォーマンスを示す」ことが分かっています。
バリュー投資でも、「PBRが1倍以下の銘柄は、その後市場平均を上回る確率が高い」という統計データがあります。
つまり、これらの戦略には、統計的に期待値がプラスであるという裏付けがあるのです。

無計画な投資は「偶然の勝ち負け」に左右されるため、継続的に利益を出し続けることは困難です。
しかし、期待値の高い投資スタイルを確立し、それを繰り返せば、ランダムな投資よりも高い確率でリターンを得られるのです。

「投資スタイルの一貫性」が生み出す優位性

投資において、一貫性のある戦略を持つことは、心理的な安定だけでなく、リターンの安定にもつながります。
これは、統計的な「収束の法則」によるものです。

例えば、コイントスで表が出る確率は50%ですが、10回投げた場合、5回ずつ出るとは限りません。
しかし、1000回投げれば、ほぼ50%に近づきます。
これと同じで、期待値がプラスの投資戦略も、一度や二度の売買では結果がバラつきますが、長期間続けることで、期待値通りのリターンに収束していきます。

逆に、一貫性のない投資スタイルでは、収束の法則が働かず、短期的なランダムな値動きに左右されることになります。
例えば、ある時は成長株投資をし、次の瞬間に割安株を狙い、その次は短期トレードをするような投資家は、「何を基準にすればいいのか」が分からなくなり、結果として統計的に有利な戦略を続けることができません。

また、一貫した投資スタイルを持つことで、相場の変動にも動じにくくなります。
例えば、長期投資家は市場全体が下がったときに「これは一時的な調整だ」と考えられるため、冷静に追加投資ができます。
しかし、一貫した戦略を持たない投資家は、「これ以上下がるかもしれない」と恐れ、安値で売却してしまうことが多いのです。

つまり、「何を基準に投資をするのか」を明確にし、その基準を一貫して守ることで、心理的な安定と統計的な優位性を同時に得ることができるのです。

期待値を最大化するための「ルールの明確化」

投資スタイルを確立する上で重要なのは、「自分がどの条件で投資をし、どの条件で撤退するか」を明確にすることです。

例えば、成長株投資を行うのであれば、

  • 売上高が年10%以上成長している企業を選ぶ
  • 営業利益率が一定以上の水準を維持していること
  • 株価が一定のPERを超えたら売却する

というように、「買う基準」と「売る基準」を明確にすることで、感情に流されることなく、統計的に有利な投資を続けることができます。

バリュー投資であれば、

  • PBRが1倍以下の銘柄をスクリーニングする
  • 自己資本比率が一定以上の企業に限定する
  • 株価が適正水準に戻ったら利益確定する

といったルールを設けることで、ランダムな投資を避け、期待値の高い戦略を維持できます。

このように、投資スタイルに基づいた明確なルールを作り、それを一貫して守ることで、投資の期待値を最大化できるのです。

無計画な投資では、運に頼る部分が大きくなります。
しかし、統計的に優位性のある戦略を繰り返せば、運に左右される要素を減らし、安定したリターンを得る可能性が高くなります。

投資はギャンブルではありません。
短期的な勝ち負けではなく、長期的にリターンを安定させることこそが重要です。
投資スタイルを確立し、それを一貫して続けることで、「偶然の成功」ではなく、「必然の成功」へと近づくことができるのです。

会計の視点から見る「投資スタイル」と適した銘柄選び

投資スタイルと財務指標の相性

投資スタイルを確立する上で、「何を基準に銘柄を選ぶか」は極めて重要です。
特に、企業の財務指標を分析することは、投資家にとって武器になります。
企業の本質的な価値を理解し、自分の投資スタイルに合った銘柄を選ぶことで、より確実にリターンを得られるようになります。

例えば、成長株投資を行う投資家と、割安株(バリュー株)投資を行う投資家では、注目すべき財務指標が異なります。

グロース(成長株)投資家の着目ポイント

  • 売上高成長率(Revenue Growth Rate):過去5年間で年平均10%以上成長しているか?
  • 営業利益率(Operating Margin):競争優位性が高い企業は高利益率を維持しやすい。
  • ROE(自己資本利益率):資本を効率よく活用して成長できているかを判断。

バリュー(割安株)投資家の着目ポイント

  • PER(株価収益率):市場平均(約15倍)よりも低ければ割安の可能性。
  • PBR(株価純資産倍率):1倍以下の銘柄は、本来の価値よりも安く放置されている可能性。
  • 自己資本比率:財務の健全性をチェックし、倒産リスクが低い企業を選定。

このように、投資スタイルごとに見るべき財務指標が変わるため、「どんな指標を重視すべきか?」を明確にすることが、戦略の成功を左右します。

なぜ会計の知識が投資の成功確率を高めるのか?

投資を行う際、多くの人は「株価の上昇・下落」ばかりを気にしがちですが、株価はあくまで企業の価値を反映する一つの指標にすぎません。
より本質的な判断をするためには、企業の財務状況をしっかりと分析し、その銘柄が本当に「買う価値があるのか」を見極める力が必要です。

例えば、次のようなケースを考えてみましょう。

ケース1:売上高は増えているが、営業利益が減少している企業
一見、売上高が伸びているため「成長企業」のように見えますが、もし営業利益率が低下している場合、その成長は「利益を伴わない」ものである可能性があります。
こうした企業に投資すると、将来的に利益が出ず、株価も伸び悩むリスクが高くなります。

ケース2:PERが低いが、業績が悪化している企業
PERが10倍以下の銘柄を見つけ、「割安だから買いだ」と判断するのは危険です。
その企業の業績が低迷し、今後の成長が期待できないために株価が低い可能性があるからです。
割安株を狙うなら、「なぜ割安なのか?」を慎重に分析する必要があります。

このように、財務指標を表面的に見るのではなく、企業の本質的な価値を分析することで、リスクを抑えつつ、確実性の高い投資ができるようになります。

「投資スタイル × 会計分析」で合理的な投資を実現

会計の視点を活かすことで、「自分の投資スタイルに最適な銘柄」を選ぶことができます。
しかし、重要なのは「一貫性」です。財務指標を適当にチェックするのではなく、スタイルごとに見るべきポイントを明確にし、それを一貫して適用することが、成功の鍵になります。

例えば、バリュー投資家なら、

  • PBRが1倍以下の銘柄を探す
  • ROEが安定している企業を選ぶ
  • 株価が適正水準に戻るまでホールド

といったルールを守ることで、無駄な取引を減らし、統計的に有利な投資を行うことができます。

同様に、成長株投資家なら、

  • 売上成長率が高い企業に注目
  • 財務状況が健全であることを確認
  • 成長が鈍化したら撤退する基準を設ける

といったルールを定めることで、「期待値の高い投資」を一貫して実行できます。

最も避けるべきなのは、「今回はグロース株、次はバリュー株、今度は短期トレード」といったように、行き当たりばったりの投資を繰り返すことです。これでは、投資の期待値を最大化することはできません。

会計の視点を取り入れ、「自分に合った投資スタイルに最適な銘柄を選ぶ」ことで、合理的かつ長期的に成功しやすい投資が実現できるのです。

【結論】投資の勝者は「市場を読む」のではなく「自分を知る」

投資の世界では、「どの銘柄が上がるか?」「市場はどう動くか?」といった問いにばかり意識が向きがちです。
しかし、本当に大切なのは、「市場を読むこと」ではなく「自分を知ること」なのです。

自分がどんな性格で、どんな投資スタイルに向いているのかを理解し、そのスタイルに合った戦略を一貫して続けること。
これが、「偶然の勝ち」ではなく「必然の成功」へとつながります。

市場は時に荒れ狂う波のように、投資家の心を翻弄します。
しかし、強い船には必ず「羅針盤」があります。それが「自分の投資スタイル」です。
どれだけ波が高くても、どれだけ風が強くても、「自分の軸」が定まっていれば、目的地にたどり着くことができるのです。

投資とは、「自分を深く知る旅」でもあります。認知バイアスを理解し、統計的に優位な戦略を持ち、会計の知識を駆使して合理的な投資をする。
このすべてが、自分自身の確信を持った投資スタイルへとつながります。

最後に、この言葉を贈ります。

「投資の勝者とは、市場に勝つ者ではない。自分に勝つ者である。」

あなたが自分のスタイルを確立し、長く安定したリターンを手にすることを願っています。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『自分のマインドを自在に操る超投資法』
最新のメンタリズムを活用し、投資家が陥りやすい認知バイアスを解説しています。
エビデンスベースで人間のバイアスを中心に書かれており、雑学的な読み物としても楽しめます。


『会計の得する知識と株式投資の必勝法』
現役大学教授が教える「お金の増やし方」の教科書で、勝率99%の科学的投資法を紹介しています。
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それでは、またっ!!

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