みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
本当に甘くしたい“実”は、どれですか?
果樹は、実を甘くするために枝を落とします。私たちの予定表、人間関係、そして小さな事業や副業も同じ。伸びない枝を情で残すと、栄養(時間・お金・集中力)が分散し、全体が痩せていきます。この記事は「園芸×資本配分×撤退戦略」という切り口で、あなたの生活とビジネスの“剪定(プルーニング)”を実務に落とし込みます。読み終える頃には、余白が増え、意思決定が速くなり、投下資本利益率(ROIC)と「人生の糖度(満足度)」がじわっと上がるはずです。
主張はシンプルです。
- 伸びない枝は情ではなく数字で判断する、
- 季節ごとに“刈り込み日”をカレンダー固定して機械的に見直す、
- 切る順番は「日数×気持ちの重さ×回収見込み」で決める。
この3点を徹底すれば、時間当たりの生産性は上がり、関係の摩耗は減り、限られた資本(時間・お金・気力)の再配分がうまく回り始めます。会計でいえば“減損の認識→除却→再投資”の流れを、あなたのスケジュールと人間関係と事業ポートフォリオに適用するイメージです。
まず、情で残しがちな「伸びない枝」を数字に置き換えます。本稿では枝打ちをスコア化します――枝打ち指数 = 日数 × 気持ちの重さ × 回収見込み。ここで「日数」はその対象にこの90日で払う見込みの実働日数、「気持ちの重さ」は負担感(1=軽い〜5=重い)、「回収見込み」はリターンの確度(1=高い〜5=薄い)です。指数が大きいほど“切る候補”に上がります。これにより「なんとなく嫌だけど…」を、機会原価という共通通貨で比較できるようになります。
次に、季節ごとの刈り込み日を固定します。四半期の区切り(3・6・9・12月)に“剪定デー”を置き、前週に候補リストを集め、当日は問答無用に判断する。園芸が季節と天候を読むように、私たちも自分の“繁忙期/閑散期”の循環に合わせてルーティン化します。感情が波立つ前に、カレンダーに意思決定を外部化するのがコツです。
最後に、切った資源の再配分です。やめた分の時間・お金・気力は、高ROIC領域(伸びる顧客、伸びるスキル、伸びる人間関係)へ集中投下します。これは単なる“断捨離”ではなく、“ポートフォリオ再構築”。撤退は敗北ではなく、勝ち筋に厚く貼るための前工程です。この記事では、予定・人間関係・事業それぞれにこのフレームを当て込み、実例・ワークシート・心理的ハードルの越え方まで立体的に解説します。
読むメリットをもう一度。
- カレンダーが急に軽くなり、集中の“糖度”が上がる。
- 人間関係の境界線が引けて、摩耗が減る。
- 事業・副業の撤退基準が明文化され、利益率が改善する。
数字と季節のリズムを味方につけて、あなたの来期をもっと甘く、濃くしていきましょう。
予定の枝打ち:カレンダーをROICで磨く

「時間」は最も貴重な投資資本です。にもかかわらず、私たちのカレンダーは“なんとなくの善意”や“昔の惰性”が入り込みやすい棚になっています。ここでは予定の棚卸しから、枝打ち指数でのスクリーニング、そして実行のオペレーション設計までを一気通貫で解説します。園芸でいえば、葉の枚数よりも光合成効率を重視し、限られた栄養(注意力・体力・感情の余白)を糖度の上がる実に集める工程です。
90日棚卸しと「枝打ち指数」の実務化
まずは現状把握が9割です。直近90日間の予定と、次の90日に入っている予定を一列に並べ、“投資台帳”として見える化します。Googleカレンダーでも手書きでも、形式は問いません。重要なのは①件名、②所要時間(準備・移動・復習も含めた総所要)、③気持ちの重さ、④回収見込み、⑤代替手段(自動化・委任・一括化の可能性)の5項目です。ここに枝打ち指数=日数(または総時間)×気持ちの重さ×回収見込みを掛け、指数が大きいものほど“切る候補”に上がるよう並べ替えます。
気持ちの重さは主観ですが、基準を言語化するとブレません。例:1=気分が軽くエネルギーが湧く/3=終えればスッキリするが着手が重い/5=前日から胃が痛い。回収見込みは、次のキャッシュフローやスキル蓄積にどれだけ寄与するかを1(高)〜5(薄)で評価。例えば「週例の進捗会」は総時間2h、重さ3、回収4なら指数=24。「新規クライアントとの要件定義」は総時間4h、重さ2、回収1なら指数=8。数字にするメリットは、“情と義理”を共通通貨(機会原価)に置き換えられること。
さらに、時間ROICの考え方も重ねます。投入時間=投下資本、得られる成果=NOPAT(税引後営業利益)と見立て、(成果/時間)で粗い見積りを置く。成果は売上・学習曲線・人脈の信頼残高など代理指標でOK。ここで指数が高いのにROICが低い予定は“今すぐ候補”。逆に指数は中くらいでもROICが高いものは残します。最後に、各予定へ「廃止」「縮小」「自動化」「委任」「集中」のタグを振る。タグは後段の実装で効いてきます。棚卸しのコツは“完璧にせずとも90分でやり切る”こと。園芸も同じで、一気に庭全体を理想形にするより、季節のサイクルで徐々に仕上げる方が健全です。
削る順番と“やめ方”のデザイン
切る順番にはルールが必要です。おすすめは(重さ×時間×低回収)の上位から順に撤去しつつ、サンセット条項(期限付き継続)でグレーゾーンを処理するやり方。指数が大きいもののうち、他者依存度が低い“自分完結タスク”から切ると摩擦が小さい。例えば通知チェックや形骸化した週報などは即日廃止できる典型。次に、相手がいるタスクは“縮小→再設計→サンセット”の順に進める。ミーティングなら①目的を「意思決定・合意形成・ブレスト」のいずれかに限定、②人数は“ピザ2枚ルール”で上限設定、③事前資料と望まれるアウトプットを明記、④30分上限(延長は能動的再招集)を宣言、で効果が出ます。
“やめ方”の設計は心理的負担を大きく下げます。テンプレを用意しましょう。例:
- 廃止(義理先):
「〇〇の会、ここ3ヶ月の学びと関係性に感謝しています。一方で私の第四四半期の資源配分を絞る必要があり、△月末をもって定例参加を終了します。資料共有が必要なら都度お声がけください。」 - 縮小(継続先):
「隔週→月1に変更したいです。目的は“意思決定の確認”に絞り、アジェンダ事前入力がなければ開催見送りにさせてください。」 - サンセット:
「次の90日間は試験的に継続し、KPI(例:問い合わせ数、意思決定数)未達なら終了で合意できますか?」
また、代替案の同梱が角を立てません。「録画+コメントで非同期化」「FAQドキュメント化」「1対nのオフィスアワーに統合」など、相手の成果を守りつつ自分の時間を守る。これは撤退ではなく、プロセスの再配分です。切ること自体が目的化しないよう、空いた時間の投資先(深い仕事・健康・家族・学習)をあらかじめ予約しておくと、揺れが少なくなります。
実装オペレーション—カレンダー設計・自動化・バッファ
枝打ちは“仕組み化”してこそ持続します。まずカレンダーを3層構造に作り替えます。上層は固定資産:睡眠・運動・家族時間・深い仕事ブロック(90〜120分)を最優先で週次に固定。中層は運転資本:定例・ステークホルダー対応など流動性の高い予定。下層は仕掛在庫:未処理のToDoや学習。固定資産の上にしか新規案件は載せないと決めることで、無限増殖を防げます。
次に“刈り込み日”を四半期の初月第1週に固定。前週に候補を集め、当日は枝打ち指数のソート表を前に黙々と意思決定。ここで“停止・縮小・再設計”を一気に反映します。週次ではミニ剪定(15分)。繰り返し発生する依頼は、Zapier/IFTTT/ショートカットで自動化、あるいはテンプレ・チェックリスト化。メールとチャットは一日2〜3回のバッチ処理に寄せ、通知は原則オフ。ミーティングは“主催なら議題なければキャンセル、参加なら事前資料なければ辞退”を共通ルールにします。
バッファも重要です。園芸でいえば徒長枝を見越して余白を残すこと。1日の25%を空白として確保し、炎上や創発のために開けておく。空白がないと、良い投資機会(突然の良縁・重要な学び)を拾えません。最後に撤退のトリガーKPIを設定。例:この予定は「意思決定数/30分」が0.5未満が2週連続なら終了、勉強会は「アウトプット(ブログ/ノート)1本/回」が未達なら休止、など。KPIはシンプルで測れるものを選ぶ。意思決定をルール化して感情から切り離すのがポイントです。ここまで整えると、カレンダーは“善意の倉庫”から“収益を生む農園”に変わります。
小さくても一歩進めるなら、今この場で次の90分を「深い仕事」にブロックし、今日の終わりに“ミニ剪定”を入れてください。数字で枝を選び、季節で見直す。これが予定の糖度を一段上げる最短ルートです。
人間関係の枝打ち:境界線と信頼残高を守る

人間関係は“社会資本”という最重要アセットです。だからこそ、情に流されて伸びない枝を残すと、最も希少な資本――注意力と感情エネルギー――がじわじわ流出します。ここでは関係を「信頼残高」「摩耗コスト」「学習リターン」という会計の目で見直し、無用な摩擦を減らしつつ濃い縁に集中する設計を行います。剪定は“切ること”ではなく“甘くすること”。あなたの半径5メートルの人間関係を、季節のリズムで育て直していきましょう。
関係の“台帳化”と感情の会計
まずは現状の見える化です。家族・親友・同僚・顧客・コミュニティ・SNSの6分類で関係台帳を作りましょう。各行に①接触頻度(直近90日の接点数/総時間)、②気持ちの重さ(1=会えば元気、3=前準備が要る、5=前夜に胃が重い)、③回収見込み(1=高:相互成長・安心・喜びが続く、5=薄い)、④摩耗コスト(移動・愚痴・時間の拘束)を記録します。ここに本稿の基準を転用した関係・枝打ち指数=接触日数(または総時間)×気持ちの重さ×回収見込みを計算。指数が高いほど、距離調整やオペレーション変更の候補です。
同時に、Net Energy Score(NES)を併記します。会った後の自分のエネルギー変化を-2(著しく消耗)〜+2(顕著に回復)で記録。四半期で平均をとると、情や義理を剥がした純度の高い指標になります。さらに、信頼残高の“入出金”も簡単にメモする(入金=支援・紹介・率直なフィードバック、出金=お願い・依頼・愚痴)。この2枚の帳票で、関係のキャッシュフローが見えるようになります。
評価は冷酷に見えますが、目的は切り捨てではなく再設計です。指数が高くNESがマイナスの関係は、まず接触設計を変える(同期→非同期、個別→グループ、無目的→目的限定)。逆にNESが高い相手は“定期リバランス”で時間を増やす。ここで効くのが季節の刈り込み日。3・6・9・12月の第1週に「関係棚卸し」を固定し、前週に台帳を更新、当日に“距離調整・頻度変更・感謝のメッセージ送付”を一気に実行します。園芸と同じで、季節に任せて定例化すると罪悪感が薄れ、判断が軽くなります。
境界線の設計図—ルールと台本で摩擦を減らす
人間関係の多くの摩耗は、「期待とルールが暗黙のまま」だから起きます。まずは境界線(Boundaries)を仕様書にしましょう。推奨の3点セットは、①連絡チャネル、②応答SLA、③テーマの適合条件です。
- 連絡チャネル:仕事はメール/意思決定はSlack/緊急は電話、私用は週末のみ等、チャネルごとに用途を明記。
- 応答SLA:「平日48時間以内に返信、週末はオフ」「DMでは意思決定しない」など、返答の“遅さ=拒絶ではない”ことを先に伝える。
- テーマ適合:「相談は事前フォーマット記入(現状・目標・試したこと・選択肢・希望する判断)」など、入口の要件を設ける。
この3点をプロフィール固定や初回のキックオフで共有しておくと、驚くほど摩擦が減ります。
そして“やめ方”や“断り方”は台本(スクリプト)にします。心理負担の大半は即興ゆえの逡巡です。以下、汎用テンプレを用意しました。 - 依頼の辞退:
「声をかけてくれてありがとう。今期の資源配分(時間・気力)を絞っているため、今回の件は私が受け持てません。代わりに、①この資料、②この人、③このイベントが役立つかもしれません。」 - 相談の枠組み化:
「うれしい! 次のオフィスアワー(隔週水曜18:00-19:00)で20分枠を取りましょう。事前にこのフォームへ現状と選択肢だけ書いてください。」 - 境界線の再設定:
「最近のやり取りで即時返信の期待が生まれていると感じました。私は深い仕事の時間を守るため、通知は昼と夕方の2回に限定しています。返信が遅いときも、意図的にそうしているだけなのでご安心ください。」 - “愚痴”の遮断(関係継続型):
「今の話題は私が価値を加えにくいと感じました。代わりに、意思決定や次の一手に話を寄せるのはどうでしょう?」
スクリプトは感謝→事情(資源配分)→代替案の順で組むのが鉄則。相手の成果を守りながら、自分の境界線を強化できます。最後に、“1対1の濃密さは、1対nの場で守る”という発想も役立ちます。オフィスアワー、月1のグループ相談、FAQノート。これらは“拒絶”ではなく“構造の変更”です。
別れと再配分—きれいな撤退戦略
どうしても合わない関係、努力しても改善しない関係は、サンセット条項で静かに閉じます。3ステップで設計しましょう。
- 事前合意(試験期間とKPI):「今後90日、やり取りの目的をAに限定し、月1回の接点で試してみませんか。お互いの満足度(NES)とアウトプット数が基準に届かない場合、一区切りにしましょう。」
- 感謝と功績の明文化:関係の中で得た学び・助け・成果を具体的に文章化して手渡す。園芸でいえば剪定後の“癒合剤”。傷を残さない投資です。
- 橋を残す:完全に閉じるのではなく、再会条件と代替の接点を添える。「今後は〇〇のテーマでご一緒できそうならぜひ。また〇〇さんを紹介します」。
別れは赤字の切り離しではありません。高ROICな縁への再配分です。空いた時間を、①メンター(長期で視野を広げる)、②仲間(互いの挑戦を見合う)、③顧客(価値が循環する)に厚く投下する。ここで関係ポートフォリオを設計します。コア(5名)/グロース(15名)/オプション(30名)に分け、コアには月次の1on1、グロースには四半期のワークアウト、オプションには季節の近況レター。濃度>数の原則を守ることで、糖度の高い実が育ちます。
なお、負債的関係(恐怖・支配・境界侵犯)は例外で、即時撤退が原則です。相手の感情の処理を自分が請け負う必要はありません。短い一文とブロック、必要なら第三者(上司・法務)を介入させる。園芸の病枝は、ためらわず除去するからこそ全体の健康が守られます。
人間関係の枝打ちは冷たさではありません。大切な人と過ごす密度を上げるための温かい設計です。季節ごとの見直しと台本化で摩擦を減らし、信頼残高の複利を回し始めましょう。あなたの半径が甘く、濃く、しなやかになります。
事業の枝打ち:資本を甘い畝(うね)へリサイクルする

事業の剪定は、売上の大小ではなく単位経済と資本効率で決めます。園芸で言えば、日当たりの悪い枝に栄養を吸われているなら、実の数を減らしてでも糖度を上げにいく判断。ここでは「数字で伸びない枝を見抜く→“サンセット設計図”で静かに閉じる→浮いた資源を高ROIC畝に再配分する」という三歩を、現場オペレーションまで落とし込みます。
単位経済で見抜く—“事業・枝打ち指数”の拡張
まず“伸びない枝”を情ではなく数字であぶり出します。基本は単位経済(Unit Economics)の3点測量:①LTV(顧客生涯価値)②CAC(獲得コスト)③回収期間(Payback)。ここに運転資本の滞留と固定費配賦を重ね、四半期ごとに“どこで糖度が落ちているか”を特定します。
この評価を迅速化するために、予定や関係で使った式を事業向けに拡張します。
事業・枝打ち指数 = 回収期間(月) × 組織疲弊度(1=軽〜5=重) × 逆ROIC期待(1=高〜5=低)
- 回収期間:広告・セールス・導入支援を含んだ現金ベースで算出。12か月を越え始めたら黄信号、18か月超で赤信号。
- 組織疲弊度:火消し工数、夜間対応、離職リスクなど見えないコストを定性→定量化(直近90日のアラート件数、残業時間、品質逸脱率など)。
- 逆ROIC期待:次四半期の ROIC を見積もって反転(低いほど係数が大きくなる)。価格改定・プロダクト改善・チャネル切替で改善余地が薄いなら数値を上げます。
指数が大きい順に“切る候補”。ただしコホート別に見るのがコツです。新規獲得は赤でも、リピートで黒字転換するモデルは回収期間が短縮中かを確認。逆に、売上は太いのに現金創出がマイナス(前受けがなく支払いサイトが長い等)なら、見かけの実の多さに騙されている状態です。
現場実務では、①チャネル別LTV/CAC(広告、紹介、フィールドセールス)、②セグメント別粗利率(業界/規模/地域)、③SKU別在庫回転日数を週次ダッシュボード化。枝打ち指数の上位3件に対しては、仮説メモ(改善余地/必要投資/回収シナリオ)を1ページで作成。“改善の芽があるか?ないか?”を2週間で判定し、ないなら剪定キューに乗せる――この速度が甘さを左右します。
静かな撤退—“サンセット設計図”で傷を残さない
切ると決めた後は、美しい撤退を設計します。園芸で切り口に癒合剤を塗るように、顧客・チーム・財務・評判の4点を保護する段取り表を用意しましょう。
- 顧客:価格据え置きの既存顧客保護期間(例:6か月)を宣言し、代替手段を3つ提示(同業の紹介、機能限定のライト版、FAQ+ベストプラクティス集)。移行ガイドは「現状→目標→操作→データ移管→サポート窓口」を1枚で。
- チーム:撤退プロジェクトは責任者1名+支援2名のスモールチームで4週間を上限に走らせる。役割は「契約整理」「資産移管」「ナレッジ整理」。稼働を限定して他ラインへの波及疲弊を遮断します。
- 財務:未回収債権・保守契約・仕入れの解約違約金を先に棚卸し、着地PLとキャッシュ影響を2パターン試算(今すぐ撤退/段階的撤退)。“撤退により創出されるキャッシュ”を再投資用プールとしてラベリングしておくと、社内の心理抵抗が下がります。
- 評判:公式アナウンスは感謝→背景(資源配分)→代替案→既存保護の順。ネガティブな言及は避け、学びの共有で締める。営業には“撤退を信頼に変える”トークトラックを準備(「約束した品質を守るため、勝ちに集中します」)。
運用の肝はチェックリスト化。契約台帳、法務レビュー、サポートテンプレ、FAQ、移行先比較表。これらを撤退プレイブックとしてNotion等に常備し、季節の刈り込み日に沿って起動する。撤退は恥ではなく、資本コストを下回るプロジェクトからの健全な離脱です。切り口をきれいに処理すれば、翌季の成長枝に光が当たります。
再配分の設計—高ROIC畝に厚く、探索は小さく速く
剪定の目的は空白を作ることではなく、勝ち筋に厚く貼ることです。浮いた時間・人・現金は、①高ROICの中核(Core)に集中、②小さな実験(Option)で将来の芽を育てる、のツートラックで配分します。
Coreには「顧客あたり粗利が厚い×回収期間が短い×組織疲弊が低い」ラインを選び、価格の再設計(値上げ/パッケージ化)とチャネルの集約で濃度を上げる。営業KPIは受注額ではなく“粗利創出/営業日”に置換。プロダクトは“少数機能に磨きをかける”ため、機能凍結リストを四半期で固定し、品質メトリクス(解約率・サポート発生率・NPS)に連動したボーナスを設ける。
Optionはスモールベットとして設計。1実験=6週間・3人・50万円など上限を決め、明確な殺し基準(KPI未達なら即終了)を契約に埋め込む。探索予算は売上の5〜10%で十分。実験は畝(うね)ごとにテーマを決め、「単価を上げる実験」「回収期間を縮める実験」「供給側コストを下げる実験」と分類。各実験は前提→計画→観察→学びを1枚メモに残し、四半期の刈り込み日に“畝間の資本移動”を行う。
採用・教育も再配分のレバーです。Coreに合わせて“勝ち筋スキル”の育成ロードマップ(例:価格交渉、データ駆動のアカウントプラン、SRE的運用)を明文化。Option側には社外タレントやギグを活用して固定費化を避ける。キャッシュは運転資本を回す仕組み(請求前倒し、サブスク化、仕入サイト短縮)に先投資し、キャッシュコンバージョンサイクルを改善する。
最後に、勝ち筋の“甘さ”を守るKPIを3つだけ残す:①粗利率、②解約率、③現金創出(営業CF)。これらが季節ごとに改善していれば、剪定は成功。数字が語るストーリーに、現場の温度感(疲弊度)を掛け合わせ、次の枝を選ぶ。このリズムが資本配分の筋肉を鍛えます。
事業の枝打ちは“縮むための作業”ではありません。糖度を上げるための集中です。数字で見抜き、静かに閉じ、厚く再配分する。これを四半期の季節に乗せて繰り返せば、少ない実でも味は段違いになります。あなたの畑に、光が戻ります。


結論|切る勇気は、守りたいものを選ぶ勇気だ
畑は、放っておけば枝が増えます。仕事も、人間関係も、事業も同じ。善意と惰性が混ざって、気づけば光が差さないほど鬱蒼と茂る。その結果、どの実にも栄養が届かず、味が薄くなる――これが“忙しいのに成果が出ない”の正体です。だからこそ私たちは、季節ごとにハサミを入れる。情ではなく、日数×気持ちの重さ×回収見込みという共通通貨で切る順番を決め、刈り込み日をカレンダーに固定して、空いた資源を高ROICの畝へリサイクルする。これは冷酷な行為ではありません。守るべき実を甘くするための、温かい意思決定です。
あなたの来季を思い浮かべてください。朝の深い仕事ブロックに陽が射し、通知は昼と夕方の2回にまとまり、ミーティングは意思決定の場だけが残る。人間関係は境界線が明るく、エネルギーが回復する相手と対話が増える。事業は少数精鋭のラインに濃く投資され、回収が速く、チームの顔つきが変わっていく――剪定後の果樹のように、全体はすっきりしても、枝先の実は重く、香りが強くなるはずです。
切るのが怖いのは、未来の自分を信じきれないから。けれど、剪定は未来への“前払い”です。今日の枝打ちが、90日後の糖度を上げる。 捨てることで空くのは、空白ではなく、集中の器。そこに最も甘くなり得る実――伸びる顧客、磨かれるスキル、育てたい人――を入れていく。敗北ではなく、撤退は資本の再配分であり、あなたが何者であるかを決める表明です。
最後に、ハサミの入れどころを3つだけ。①今週、枝打ち指数の上位3つを「廃止・縮小・再設計」で処理する。②今月、関係台帳を更新して、NESがプラスの相手との時間を2倍にする。③今四半期、事業のサンセット候補に“美しい撤退”の設計図を作り、空いた資源の投資先を前もって予約する。これだけで景色は変わります。季節はいつも巡り、剪定は何度でもやり直せる。恐れずに、選び直しましょう。捨てるほど、実は甘くなるのだから。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『限りある時間の使い方』
“全部やる”を捨てて有限性を前提に設計する時間哲学。予定の枝打ち・四半期の剪定デーと親和性が高い入門書です。
『振り回されるのはやめるって決めた ─「わたし」を生きるための自他境界』
バウンダリー(境界線)の考え方を実生活の台本レベルに落とす一冊。人間関係の“やめ方・断り方”設計に直結します。
『ROIC経営 実践編 ─ 事業ポートフォリオの組換えと企業価値向上』
ROICを軸に、どの事業に資本を厚く配るか/薄くするかを実例で解説。事業の枝打ち指数づくりの参考に。
『レジリエンス時代の最適ポートフォリオ戦略』
変化の大きい環境下での事業ポートフォリオ再設計を扱う最新系の実務書。撤退と再配分のガバナンスづくりに。
『本当に賢い会社のたたみ方』
会社・事業の“美しい撤退”を法務・財務・人の段取りまで示す実用書。サンセット設計図の雛形として使えます。
それでは、またっ!!

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