みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その“映え投資”、回収が終わる前に波が引いたら耐えられる?
角島って、写真で見るだけでも「勝ち確の観光地」感がある。海が青くて、橋がまっすぐ伸びてて、SNSに投げたら反応が返ってくるやつ。
だからこそ起きる落とし穴がある。
ニュースでは、角島でレストランや土産物店を運営していた「ゆめみさきグループ」が破産手続き開始決定、負債は約2億円と報じられた。原因として挙げられていたのは、店舗改装など設備投資の負担と、食材高による利益率の低下。この合わせ技で資金繰りが悪化し、継続を断念したという話だ。
ここ、めちゃくちゃ“教科書”っぽい。
でも教科書っぽいのに、現場だと普通にハマる。なぜなら「映える=売上が出る」に引っ張られて、投資回収のルールが別物なことを忘れがちだから。
売上が増えたタイミングって、気分が上がる。メディア露出もある。口コミも回る。行列もできる。
すると次に来るのが「席数を増やしたい」「厨房を強くしたい」「見栄えももっと良くしたい」。要は固定費(家賃・人件費・減価償却・借入返済)が積み上がる方向にアクセルを踏みやすい。
ところが観光って、需要がずっと右肩上がりで続くとは限らない。季節もあるし、流行も一巡する。しかも原価は上がることがある。今回の報道はまさにその形だった。
この記事では、「映えスポット周辺ビジネス」が死にやすいメカニズムを、会計と投資の目線でほどいていく。
ポイントは3つだけ。
- PLが黒字でも、キャッシュが死ぬ瞬間はある(ここが一番こわい)
- 設備投資は“正しさ”より“回収スピード”で決まる
- 需要が一巡した後に起きる減損・借入・資金繰りは、順番に来る
「観光地で商売したい」「地元の店を応援してる」「投資ニュースを見るのが好き」──どれでも刺さるように書く。
映えの裏側、ちょっと一緒に覗こう。落とし穴、ちゃんと形がある。
「バズ=追い風」なのに、固定費だけは“向かい風でも残る”

角島の件、ニュース本文の流れがそのまま“資金繰り事故”の王道ルートだった。
メディアで取り上げられて観光客が伸びる → 店を強くするために投資 → 需要が一巡して売上が落ちる → 原価上昇も重なって詰む、というやつ。
このセクションでは「なぜ“映える場所”ほど、資金繰りが急に死ぬのか」を、会計っぽい言葉をなるべく噛み砕いて整理する。
メディア露出の売上は、基本“波”で来る
ニュースでは、ゆめみさきグループは2016年1月設立で、当初はメディア露出などで観光客が伸びて業績を維持していた、とされてる。
ここまでは、観光地あるある。バズは正義。体感で数字が動く。
ただ、観光需要って「ずっと増え続ける前提」にしづらい。
季節・天気・トレンド・周辺競合・道路事情…いろんなものに揺れる。
そして厄介なのが、売上が伸びた瞬間ほど“未来も続く気がする”こと。
この錯覚、誰でも起きる。売上が出てるから。
改装・設備投資は“未来の固定費”を買う行為
記事では、近年は観光需要が一巡して集客が振るわず売上が減少、そこへ店舗改装など設備投資の負担が乗った、と説明されている。
ここ、ポイントは「投資=支払いが一回」じゃないこと。
設備投資って、ざっくり言うと
- 現金は先に出る(改装費、厨房機器、内装…)
- 会計上は、時間をかけて費用化される(減価償却)
- さらに借入なら、返済が毎月出ていく(しかも売上に関係なく)
つまり、バズでテンションが上がったときに踏むと、
“売上が落ちても消えない支出”が後からじわじわ効いてくる。
映えスポット周辺の商売って、ここでアクセル踏みやすい。
だって「行列が出た」から。席数増やしたくなる。
利益率が薄い業態ほど、最後はキャッシュで殴られる
ニュースはもう一段きつい話も載せていて、食材価格の上昇で利益率が低下し、資金繰りが悪化したという。
飲食+土産って、売上の割に「残るお金」が薄くなりがち。原価も人件費も上がると、さらに薄くなる。
ここで起きる地獄がこれ:
- 売上:落ちる(需要一巡)
- 粗利:圧迫される(食材高など)
- でも返済・家賃・固定費:落ちない(むしろ増えてることも)
この状態だと、PLが黒字っぽく見えてても(あるいは赤字でも)関係なく、口座残高が先に尽きる。
で、資金繰りが詰む。
実際、今回も破産手続き開始決定(2026年1月9日付)、負債は約2億円見込みと報じられている。
このクションの結びとして言うなら、
「映えは売上を連れてくる。でも投資回収は“別ゲーム”」ってこと。売上が波なら、返済はリズム隊でずっと鳴り続ける。ここ、ズレると一気にいく。
投資回収は“盛り上がり”で決まらない。数字のゲームだ

バズって客が増える。
その瞬間って、「今のうちに強くしないと」って気持ちになる。席数、厨房、駐車場、外観、導線、映え小物…やりたいことが山ほど出てくる。
でもここで一回、冷たく言う。
投資回収はテンションじゃなく、キャッシュの戻り方で決まる。
今回の報道でも、店舗改装などの設備投資負担に加えて、食材価格上昇で利益率低下→資金繰り悪化、という説明だった。まさに「売上があっても回収が追いつかない」パターン。
「回収できる投資」と「気分が上がる投資」は別物
改装って、やると見栄えが良くなる。客単価も上がる“かもしれない”。
ただ、投資として見るなら見る場所はシンプルで、
- その投資で、毎月いくらキャッシュが増える?(粗利ベースで)
- 借入なら、毎月いくら返済が増える?
- 需要が落ちた月でも、その返済に耐えられる?
ここで“増えるキャッシュ”が曖昧なまま突っ込むと危ない。
映える場所ほど「やれば当たる気がする」空気が強いから、なおさら。
回収スピードが遅いと、需要が一巡した瞬間に詰む
観光需要は波。波が引いた瞬間、残るのは固定費と返済だけ。
報道でも「観光需要が一巡」「売上減少」という流れが書かれていたよね。
ここで刺さるのが、回収の“遅さ”。
たとえば(※仮の話)、改装に5,000万円かけて、月の粗利が+80万円増えたとしても、単純計算で回収に5年以上かかる。
その5年の間に天候不順が続いたり、トレンドが変わったり、原価が上がったらどうなる?
回収が終わる前に、前提が壊れる。観光ビジネスはこの確率が高め。
「利益率が薄い×借入返済」は、資金繰りを削るコンボ
飲食や土産って、売上が大きく見えても、残る分が薄いことがある。
そこに食材高が来ると、さらに薄くなる。今回の件も「食材価格の上昇による利益率低下」が追い打ちとされていた。
利益率が薄い状態で借入返済が乗ると、何が起きるか。
黒字っぽく見える月でも、口座残高が減る。これが地味に怖い。
しかもニュースでは、2026年1月9日付で破産手続き開始決定、負債は約2億円見込みと報じられている。規模が大きいほど「ちょっとズレた回収計画」が致命傷になりやすい。
ここまでの結論はこう。
“映えを強くする投資”は、回収の数字が固まってから打つ。逆だと危ない。
気持ちよく拡張したぶん、波が引いたときに一気に折れる。
需要が落ちた後に来る「減損・借入・資金繰り」の連鎖がいちばん痛い

バズってる時期は、だいたい楽しい。
問題はその後。需要が一巡して売上が落ち、原価が上がり、投資負担が残る——今回の報道もまさにこの流れだった。
ここから先は“気合い”ではどうにもならないことが多い。会計とキャッシュのルールが淡々と効いてくる。
減損は「失敗の証明」じゃなく、現実に合わせる作業
改装や設備投資って、会計的には資産(固定資産)として積み上がる。
で、需要が落ちるとどうなるか。
- 思ったほど売れない
- 利益(キャッシュ)が出ない
- その設備が生む価値が、帳簿の金額に追いつかない
こうなると減損(資産価値の切り下げ)が視野に入る。
減損を入れるとPLは一気に赤くなる。銀行や取引先が「ん?」ってなるのも、このタイミングになりやすい。
ただ、ここで大事なのは、減損そのものより減損が必要になる状況。
つまり「投資を回収する前に波が引いた」ってことなんだよね。
借入は“悪”じゃない。でも返済は売上に連動しない
報道では負債が約2億円見込み、設備投資負担も語られていた。
借入自体は別に悪者じゃない。攻めの手段でもある。
でも返済は、売上が落ちても容赦なく来る。
観光地の飲食・土産って、月ごとの波が大きいこともある。波の谷で耐えられる設計じゃないと、資金繰りが一気に苦しくなる。
ここでありがちな“詰み方”はこんな感じ:
- 客数が落ちる
- 値上げしたいが、怖くてできない(もしくは競合が強い)
- 原価は上がる(今回のケースでは食材高が言及)
- 返済と固定費が残る
- 支払いサイト(仕入れ)と入金サイト(売上)がズレて、口座が先に枯れる
これ、PLじゃなくて資金繰り表の世界。
黒字でも倒れる理由がここにある。
「映える場所」の経営は、ブレーキの上手さで差がつく
メディア露出→拡張→需要一巡→資金繰り悪化、という教科書ルートは、今回の報道で輪郭がはっきり出ていた。
じゃあ、何で分かれるのか。
鍵は、アクセルの踏み方よりブレーキの早さ。
具体的にはこんなイメージ。
- 固定費を“可変っぽく”する工夫(繁忙期だけ増やせる体制、重すぎる常設を避ける など)
- 投資を分割する(一発改装じゃなく、小さく試して当たったら次へ)
- 回収が遅い投資は、景気が良い時ほど疑う(一番やりたくなる時が危ない)
- 現金のクッションを切らさない(ここが尽きると選択肢が消える)
派手じゃないけど、こういう地味な設計が残る。
「映え」は強い。でも、映えだけで資金繰りは守ってくれない。ここ、冷静になった方が勝つ。
結論
角島のニュースは、「観光地で当たった店が転ぶ」という単純な話じゃない。もっと冷たい、でも再現性の高い話だ。
帝国データバンク山口支店の情報として、ゆめみさきグループは2016年1月に設立。当初はメディアで取り上げられて観光客数が伸び、業績を維持していた。ところが近年は観光需要が一巡して集客が振るわず、売上が減少。そこへ店舗改装などの設備投資負担と、食材価格の上昇による利益率低下が重なって資金繰りが悪化し、事業継続を断念——そして地裁下関支部から破産手続き開始決定(1月9日付)、負債は約2億円見込み。記事はここまでを一本線で描いていた。
この一本線、他人事じゃない。観光地に限らず「バズった瞬間」に同じ構造が顔を出す。
映えは売上を運んでくる。これは本当。だけど売上は波で、波が引くのも早い。対して返済と固定費は、波に合わせて引いてくれない。ズレると、黒字っぽい月でも口座残高だけが削れていく。怖いのはコレだ。
じゃあ答えは「投資するな」かというと、違う。
むしろ、勝てる立地なら投資は武器になる。ただし“順番”がある。
- いきなり完成形にしない。投資は分割して「当たったら次」を徹底する
- 借入を使うなら、繁忙期じゃなく“谷の月”で返済できる設計から逆算する
- 売上より先に、残る粗利(原価と人件費を引いた後の余力)を見る
- 現金のクッションは削らない。ここが切れた瞬間、選択肢が消える
たぶん一番の敵は数字じゃなく、空気だ。
行列、SNS、取材、「今が旬」——その空気に押されると、投資回収の“別ゲーム”を忘れやすい。
映えで伸びたなら、なおさら。だからこそ、波が引いた日を前提に作る。静かだけど、それが一番強い。
最後に、ちょっとだけやさしい話。
観光地の店って、地元の雇用も、旅の思い出も背負ってる。だから倒れるニュースは、読み手も地味にしんどい。
でも構造が見えた今なら、「次に同じ波が来たとき、どう踏むか」は変えられる。バズは追い風。折れないのは、帆の張り方を知ってる側だ。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『改訂版 会社の運命を変える 究極の資金繰り』菅原由一
「黒字でも倒れる」って話、まさにこの本のど真ん中。資金繰りを“気合い”じゃなく、現金の設計図として扱うタイプで、観光地ビジネスみたいな波のある商売にも刺さる。改訂版は2025年時点の経済・物価情勢などを踏まえて加筆修正とされているので、古い前提のままになりにくいのもありがたい。
『改訂版 激レア 資金繰りテクニック50』菅原由一
「投資回収が遅いと死ぬ」みたいな話を読んだあとに、じゃあ手元資金をどう守る?へ落とし込むならこれ。倒産が赤字だけじゃない点や、現金確保の重要性に触れている。読み物っぽく進むのに、やってることはガチの“防御力アップ”。
『改訂新版 はじめて「資金繰りに悩む社長」を担当したときに読む本』藤井正徳
「資金繰りが苦しい」状態を、どこから手を付けて立て直すかの順番が欲しい読者向け。タイトル通り“社長を担当する側”視点だけど、経営側が読んでも「金融機関・計画・改善」の会話が通りやすくなるやつ。今回の角島みたいに、投資負担と利益率低下が重なる局面で、打ち手の整理に向く。
『60分でわかる! 財務3表 超入門』高良明
「売上はあるのに、なんで金が消えるの?」を説明するには、結局ここに戻る。B/S・P/L・C/S(財務3表)を“最初の1冊”として読めるように作られていて、初学者向けが明記されてる。記事の読後に「自分の会社(or 推しの店)の数字も見てみようかな」と思える入口になる。
『まるわかり!中小企業の事業再生 2024年版(日経ムック)』日本経済新聞出版
「詰んだ後の現実」を避けずに理解したい読者向け。資金繰りが悪化したときの打開策や支援策の解説がある、と紹介されている。倒産ニュースを“怖い話”で終わらせず、次に起きたとき何を知っておくべきかまで視界が広がる。
それでは、またっ!!
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