脱Excelは宗教戦争:現場の魔法の杖 vs 情シスの時限爆弾

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。 

Excelを捨てた瞬間、あなたの仕事が止まるって…本当にそれでいい?

Excelに翻弄される現場担当者も、システム改革を急ぐ情シスも、この記事を読めば「Excelとの付き合い方」を再発明できるヒントを得られます。単なるツールの入れ替えではなく、業務設計の見直しで抜本的に効率化する考え方が理解できます。さらに、会計・投資の視点からエクセル依存が企業にもたらすリスクやコストを知ることで、内部統制強化と企業価値向上の道筋も描けるようになります。情報過多な現代でExcelに振り回されない、自信に満ちた仕事の進め方をお伝えします。近年ではDX(デジタルトランスフォーメーション)対応や国際会計基準の要求も重なり、Excel依存は社内外からの目が厳しくなっています。逆に言えば、Excelの強みを活かしつつ適材適所でDXを進めることは、企業価値向上にも直結するのです。加えてこの考え方は、IT担当者だけでなく現場リーダーや管理職としてのあなた自身の価値を高めるヒントにもなるでしょう。

現場にとっての「魔法の杖」

誰でも使える安心感

エクセルは特別な研修不要で、すぐに使いこなせます。たとえば「項目を1つ足す」「計算式を少し直す」という要望にも、その場で簡単に応えられます。このスピード感こそが、忙しい現場にとって最大の魅力です。一瞬でシートを作り替え、現状の分析や試算を繰り返す――こうした「思考の場」としてExcelを愛用してきた現場担当者は少なくありません。

  • ノート代わりの思考ツール: 想定ケースを瞬時に再計算したい場面で、Excelは最適です。
  • レポート作成: 管理職に提出するフォーマットも、Excelなら一瞬で生成できます。
  • 意思決定補助: 前期比や問題箇所をハイライトして説明するなど、表計算の枠を超えた使い方もできるのがExcelの強みです。

暗黙ルールも吸収する柔軟性

現場では人や部署ごとに暗黙ルールが異なることも多いですが、Excelは定型化されていない業務を「なんとなく」吸収してくれます。たとえば、複数の取引先や製造ラインごとに異なる計算ロジックがあっても、必要に応じて複雑な関数やマクロで対応できます。誰も明文化していない属人ルールでも、Excelのシート上でならそのまま形にできてしまう。これも現場で根強い信頼を得ている理由の一つです。

  • 即席の集計: 正式なシステムに落とし込めていない小規模プロジェクトでも、Excelなら即席で集計表を作れます。
  • 仕様変更の反映: 要件がコロコロ変わっても、その場で「ちょっと計算式だけ変える」といった修正がサクッと可能です。

長年培われた“Excel資産”

さらに、数年~十数年分の運用で培われた「自社流Excel」は紛れもない資産です。頻繁に改修を重ね、業務ごとのノウハウやコツが詰まったExcelファイル。それを捨てるのは、まるで自社の暗黙知を手放すようなものです。たとえ旧態依然な方法でも、「まずはこれで手を動かすしかない」という安心感は捨てがたいもの。

  • 属人化: 複雑すぎるファイルは作成者しか理解できないため、やむなく特定の人が手を動かし続けることになります。
  • 心理的バリア: 新ツール導入のたびに「また使い方を覚えないと…」と身構えてしまうのも、「まず慣れたExcelで」という現状維持志向につながります。

現場ではExcelが「魔法の杖」です。誰でも自在に使えて、日々の業務に深く溶け込んでいるExcelを、「面倒だからやめよう」と押し付けるのは自殺行為です。むしろ現場担当者は「便利なのに捨てさせられる」と嘆き、脱却プロジェクトはここで頓挫します。

情シス・経営から見た「時限爆弾」

進まぬ脱Excel、顕在化する経営リスク

一方、情報システム部門や経営サイドから見ると、Excel依存はまさに「時限爆弾」です。たとえば内部統制の現場では、評価・チェックから不備対応まで依然としてExcelとメールが中心という企業が多く見られます。一見「追加コストなしで合理的」に見えるこの手法も、改訂J-SOXをはじめとするガバナンス基準の下では明確なリスクに変わっています。Excelは証跡管理が弱く、いつ誰が何をしたかの記録が残らないため、不正発生時や監査対応で説明責任を果たせません。アクセス権は手作業、ファイルは簡単に複製・改ざんできる──ログも残らないExcel単体では、不備や不正リスクへの対応に大きな穴が開いてしまうのです。

  • 証跡性の欠如: データ修正の履歴が消されやすく、最新版が誰のPCにあるかも不透明。何が起こったのか「後から証明できない」状況に陥ります。
  • 不正リスク: 誰でもExcelファイルを持ち出せるため、不正操作の痕跡が消えやすい。経営陣が投資家に「統制は万全」と説明しようにも、Excelでは心もとないのが実情です。
  • ガバナンスの盲点: グループ会社や支店ごとにバラバラのExcel運用では、全体のリスク状況が経営トップから見えづらくなります。

「ツール交換=解決」ではない罠

しかし、単に「システムを入れ替えれば脱Excel成功」というわけではありません。ツールを変えても、従来の業務設計のままでは現場はまたExcelに戻ってしまいます。「これを新しいシステムでやればいいんだ」と思い込んで導入しても、実際は「使いにくい」「結局Excelのほうが手早い」という声が上がり、定着しないケースが後を絶ちません。問題はツールではなく業務そのものにあります。Excelが引き受けていた「思考の場」や「報告」、「判断の補助」といったプロセスを組織側で再設計しない限り、どんな高機能ツールでも結局は新しい“高価なExcel”が量産されるだけです。

Excelを味方にする「活Excel」戦略

ではどうすればいいのか。ポイントは、Excelを敵視しないことです。Excelは小規模作業や個人用途で今後も活躍する「優れたツール」なのです。脱ExcelとはExcelをゼロにすることではなく、業務目的や規模に応じて最適なツールを選択し、生産性と安全性を両立させることにあります。実際、最近ではExcelの強みを生かしつつ他システムと連携する「活Excel」アプローチが注目されています。

  • 分けて考える: 全部まとめてExcelから外すのではなく、「Excelで回っている作業/Excelでは限界が来ている作業」を分けて検討します。
  • 得意/不得意を使い分け: たとえば複数人で同時編集が必要なデータ共有にはクラウド型ツールやBIを使い、一方で従来の帳票フォーマットや演算機能が活きる業務はあえてExcelで回す――こうした棲み分けが成功の鍵です。
  • 段階的導入: 小規模な部署やプロジェクトから新ツールを試し、現場の心理的安全性を確保しながら徐々に拡大する方法がおすすめです。

情シス側はExcelを「管理不能な時限爆弾」と見なしますが、勝つためには戦略的に味方に変えるしかありません。業務の目的に応じてツールを使い分け、Excelと他システムのいいとこ取りをする「活Excel」の発想こそが、現場も経営もWin-Winの未来をつくります。

会計・投資視点で見るExcel依存のコスト

内部統制強化と企業ガバナンス

投資家や経営層の立場から見ても、Excel依存は決して軽視できない経営課題です。改訂J-SOXが求めるように、内部統制では「いつ・誰が・何を・どのように承認したか」を説明できる証跡が不可欠。しかし経理部門から子会社管理まで、多くがExcelとメール中心で不備対応をしています。このままでは、株主や監査法人への説明責任が果たせず、監査意見に悪影響が及ぶ可能性さえあります。
また、大手監査法人も指摘するように、個別ファイルが乱立するExcel運用はグループガバナンスを弱めます。例えば、子会社のどこがリスク高なのか、是正状況がどうなっているのかが経営層の「目」に入りません。ESG経営や内部統制強化の流れが企業価値を高める時代に、この盲点は大きな機会損失になり得ます。要するに、Excel偏重は目に見えないガバナンスコストとなり、長期的に企業信頼や株主評価を下げかねないのです。

属人化・品質劣化リスク

加えて、属人化やヒューマンエラーのリスクは、経営コストに跳ね返ります。大量データの目視集計ミスや転記ミスは頻発し、人手での修正・再提出に膨大な時間を取られます。また、担当者が異動・退職すると、そのExcelファイルはブラックボックス化し、引継ぎに膨大な手間とコストがかかるのも周知の課題。これらは全て、企業に見えないコストとして積み重なり、意図せぬ在庫となって経営を圧迫します。
「Excelは無料」という幻想に騙されてはいけません。実際には、人件費コストとオペレーショナルリスクが水面下で膨らみ、経営判断の機会損失という形で企業業績を蝕むのです。

投資家から見た企業価値への影響

投資家目線では、こうした背景がオペレーショナルリスクとして見られます。データ管理の不備は「財務報告の信頼性」に直結し、最悪の場合は不正や誤った開示につながりかねません。実際、近年の不正事例では、多くにExcel管理の不備が関与しています。投資判断では、こうした内部統制リスクが企業評価に大きく影響することは言うまでもありません。
さらに、環境変化に迅速対応するにはデータドリブンな意思決定が不可欠です。しかしExcel中心の仕組みではデータがサイロ化しているため、意思決定のタイミングを逸しやすくなります。ビジネスチャンスを逃せば利益機会も失われ、結果的に企業価値は目減りしてしまいます。


Excel偏重は帳簿の隙間から内部統制を緩め、属人化で企業の体力を奪います。データ品質の悪化や説明責任の欠如は、投資家がもっとも嫌うリスクであり、企業価値を下げるオペレーショナルリスクです。ここを放置せず、ツールとプロセスを両輪で強化することが、投資家からの信頼を勝ち取る唯一の道です。

結論:Excelと共に勝つ道

脱Excelの戦いは、一方的な正義や悪役では語れません。Excelは敵でも味方でもなく「道具」です。むしろ 使い方次第で、現場と経営をつなぐ橋にも、企業価値を守る剣にもなり得ます。現場の直感と経営の戦略を対立させるのではなく、Excelを架け橋にして融合させること──それが勝利への近道です。失敗する組織は「Excelを排除すべき」と信じ込み、歩みを止めてしまいます。しかし真の成功者はExcelの価値を認め、必要なところにこそ賢く残し、他は刷新するバランスを取ります。
実際、脱Excelは単なるツール置き換えではなく、DXを推進して持続的成長を実現するための重要戦略であり、最終的には企業価値を向上させるとすら言われています。脱Excelに本気で取り組む企業は、内部統制を強化しながら従業員の生産性も向上できるため、長期的に見ると投資家から高い評価を得やすくなるのです。
読者のあなたが今いる企業も、おそらくExcelなしでは業務が回らないケースが多いはずです。だからこそ、このブログで示したように、脱Excelの本質はExcelを排除することではなく、Excel依存の業務から卒業して新たな未来をつくることなのです。最後に一言。Excelを毛嫌いしていた情シスも、時限爆弾だと恐れた経営者も、まずはそれを敵視しないでみてください。びっくりするほど粘り強い魔法の杖が、実はあなたの「次の武器」かもしれません。一歩踏み出せば、見える景色は驚くほど明るくなるはずです。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『実務でリアルに使える! りえなのExcel仕事術』
「Excel、結局みんな使ってるよね?」を“ちゃんと仕事が進む形”に寄せてくれる一冊。小手先テクより、現場で詰まりがちなポイントを潰すタイプなので、脱Excel論争の真ん中にいる人ほど刺さる。読むと、Excelが“泥臭いけど強い武器”に戻る。


『Microsoft Power BI入門 第2版』
Excelで集計→貼り付け→報告…の無限ループから抜けたい人向け。Power BIは「かっこいい可視化」ではなく、数字が毎回ズレる問題を終わらせる道具。Excelの延長で理解できる部分も多いので、“Excel脳”のまま移住しやすい。

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Microsoft Power BI入門 第2版 [ 清水 優吾 ]
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『さわって学べるPower Platform ローコードアプリ開発ガイド 全面改訂版』
脱Excelが潰れる理由の1つは「置き換え先がない」こと。この本はその“受け皿”を作る側の本。申請・台帳・チェックリストみたいな、Excelが抱え込みがちな業務を ローコードで“ちゃんとした仕組み”にするイメージが掴める。


『業務プロセスとつながる IT統制とIT監査 現場の教科書』
「情シスがExcelを嫌う本音」を、感情じゃなく統制・監査・リスクの言葉に翻訳してくれる本。現場が守るべきライン(証跡、権限、変更管理など)が見えてくるので、社内での“宗教戦争”が急に現実的になる。


『Excelパワークエリ実戦のための技術』
「Excelを捨てないで、爆速にする」側の決定版。Power Queryは、手作業の整形・結合・転記を 更新ボタン1発に変えられる。脱Excelじゃなく“活Excel”で勝つなら、この領域は避けて通れない。


それでは、またっ!!

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