虚栄の果てに待つもの──SNS“演出”と崩壊の経済学

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

あなたの“バズりたい”は、信用を削っていませんか?

「え、それ前と言ってたこと違くない?」と思ったあなたへ。

SNSを見ていると、時折こう感じる瞬間がありませんか?
ある人の投稿に目を通していると、ふと「ん?なんか話がつながらないな」「あれ?この前は家族円満って言ってなかったっけ…?」と違和感を抱くことがあります。
そんなとき、あなたの直感は案外、的を射ています。

それは──演出された“盛った人生”かもしれません。

現代のSNSは、自己演出の舞台。
しかし、その裏にあるのは「承認欲求の暴走」「信用の錯覚」「やがて訪れる経済的崩壊」です。
このブログでは、なぜ人はそこまでして自分を盛るのか“盛る”ことは経済的にどんな損失を生むのか、そしてその先に待っている破綻のリアルを投資と会計の視点から、鋭く解き明かしていきます。

本ブログのポイント(読みどころ)

  • 人はなぜSNSで嘘を盛ってしまうのか?
    └ 心理学と行動経済学の視点で「演出欲求の正体」を読み解きます。
  • “バズる”投稿は本当に資産になるのか?
    └ 会計的には信用は「のれん資産」。でも“嘘の信用”はどう計上されるのか?
  • 信用が崩壊するプロセスと、その経済的損失の構造
    └ バフェットやドラッカーの名言を交えて、「信用」の本当の価値を掘り下げます。

演出の世界に生きるのか、信頼という無形資産を丁寧に積み重ねていくのか。
このブログは、あなたの「SNSとの向き合い方」を根底から見直すきっかけになるはずです。

次章から、虚飾の経済学をじっくりひも解いていきましょう。

なぜ人は「盛る」のか?──SNSで虚構を演出する心理の正体

SNSは“鏡”ではなく“舞台”

SNSは、本来の自分を映す「鏡」ではなく、自分を魅せる「舞台」です。
本当の生活は地味で、退屈で、波も少ない──そんな現実を晒すより、「成功している」「愛されている」「優雅に暮らしている」自分を演じたほうが、他人の目には魅力的に映るからです。

人は無意識のうちに「自分がどう見られているか」を強く意識しています。心理学でいう“第三者の視点”は、行動の方向性を大きく左右します。
「こんなふうに見られたい」という願望が肥大化すると、“現実”と“演出”の間に距離が生まれ、やがてその差を埋めるために、誇張や嘘が入り込むのです。

承認欲求という“中毒性”

「いいねが欲しい」「注目されたい」「評価されたい」。
SNSは、この人間の本能的な欲望を、あまりにも簡単に刺激します。投稿がバズったときの興奮や、自分の意見が拡散される快感は、まるで麻薬のようにクセになるのです。

心理学では、こうした刺激により脳内でドーパミンが分泌され、「報酬系」が活性化されるとされています。
つまり、SNSで得られる“リアクション”は、脳が「報酬」と認識するため、ますます“映える投稿”をしたくなってしまう。
それが事実である必要は、だんだんなくなっていきます。重要なのは「数字」や「反応」だけになるのです。

有名な例で言えば、インフルエンサーが「実は借金まみれなのに、高級ホテルの写真だけは投稿し続けていた」と告白したケースがあります。
見栄と中毒が重なり、虚構をやめられなくなる──これはもう「依存症」と言っても過言ではありません。

自尊心の裏返しとしての虚栄

興味深いのは、「盛る人」の多くが、実は自尊心が低いという点です。
自分を肯定できないからこそ、「他人からの評価」を通じて自分の価値を補おうとする。
結果、「評価されるための自分」を作り上げてしまうのです。

しかし、ここに大きな落とし穴があります。
作り物の自分を評価されたとしても、それは“本当の自分”ではありません。
評価が増えるほど、本人の内面では「本当の私はこんなにすごくないのに…」という空虚感が増していきます。
まるで自転車のペダルを漕ぎ続けないと倒れてしまうように、「盛り続けないと、存在が崩れる」という強迫観念にすらつながるのです。

この状態が続けば、やがて精神は摩耗し、現実との乖離が耐え難いものになります。
そして最後には、自分自身を見失ってしまう。──それは“炎上”よりも、よほど深刻な破綻です。


このように、SNSで虚構を演出する心理は、単なる軽率な行動ではなく、社会的視線・報酬中毒・自己否定の複合的な現象であることが見えてきます。

次のセクションでは、こうして手に入れた“演出による影響力”が、会計的にどんなリスクを孕んでいるのか──企業の財務に例えて、深掘りしていきます。

虚構は資産になるのか?──“SNS信用”の会計的リスクを読む

フォロワーは資産?それとも幻想?

SNSでバズること、フォロワーが増えること──それは一見、資産形成のようにも思えます。企業で言えば「ブランド価値の向上」に近く、個人であっても「インフルエンサーとしての収益化」に繋がる可能性があるからです。実際にフォロワー数やエンゲージメント率が案件単価を決める指標になっている以上、これを“経済的価値”と捉えるのは自然なことです。

しかし、ここで会計の世界から見た視点を入れると、話は違ってきます。
企業がM&Aで買収された際、ブランド力や顧客基盤など、目に見えない価値を「のれん(Goodwill)」として会計処理しますが、こののれんは減損リスクを常に抱えています。つまり、価値が落ちると判断された瞬間に、帳簿上から一気に消え去るのです。

SNS上の信用も、これとまったく同じ。フォロワーが実体のある関係でなければ、炎上一つでその「のれん価値」は吹き飛びます。しかも厄介なのは、それが数字として残っていても、信用が残っていない状態が起こり得るという点です。見せかけのフォロワー数では、もう誰も仕事を依頼しないのです。

演出にかかる“見えないコスト”

SNSで虚構を保つためには、思った以上に多くの“コスト”がかかります。たとえば、写真のために高級ホテルへ行く、レンタルでブランド品を借りる、実際には無関係の誰かとの関係を誇張する──こうした行動は、一つひとつが現金支出であり、かつ将来の収益を生まない浪費です。

投資の世界では、支出には2種類あると考えます。
「将来にリターンを生む支出(投資)」と、「一過性で終わる支出(消費)」です。
SNSにおける過剰な演出は、その大半が後者であり、それどころか「信用毀損」というマイナスの副作用まで持っています。

見えないコストはもうひとつあります。それはメンタルコストです。虚像を保ち続けるストレス、矛盾がバレないように過去投稿を消す手間、人間関係を装う苦しさ。それらは無形であるがゆえに、会計上の数字には現れませんが、確実に“精神資本”をすり減らしていきます。

嘘は利益を生むのか?──短期収益と長期損失の構造

確かに「盛った投稿」が短期的に大きなインプレッションを呼び、案件やフォロワー増加に繋がるケースもあります。いわば、短期的な“キャッシュフロー”です。しかしそれが虚偽だった場合、将来その“収益”は修正損失として跳ね返ってきます。

企業の決算でいえば、粉飾が発覚した時に行う「過年度修正」のようなもので、帳簿の信頼性が根底から崩れる出来事です。そして市場は、それに対して非常に厳しく反応します。株価は暴落し、取引先は離れ、社員の士気も低下する──それはまさに、SNS上での“信用破綻”と重なります。

ウォーレン・バフェットはこう語っています。

「信用を築くには20年かかるが、壊れるのは5分だ。」

その“5分”は、たった1枚の投稿や1つの矛盾から始まります。
つまり、SNSで得た信用は“資産”であると同時に、“もっとも壊れやすい資産”なのです。


こうして見ると、SNS上で築かれた虚構の影響力は、見かけとは裏腹に会計的には極めて不安定なリスク資産であることが分かります。
次のセクションでは、こうした“虚構の資産”が崩壊していく過程と、破綻後に残るものについて掘り下げていきます。

崩れる“物語”、消える信用──SNSインフルエンスの破綻プロセス

小さな矛盾が導火線になる

SNSにおいて信用が崩れる瞬間は、意外にもドラマチックな事件ではなく、ささやかな矛盾から始まります。
たとえば、「いつも家族との時間を大切にしています」と語っていた人物が、過去の投稿で「離婚協議中」と漏らしていたことに気づいたユーザーのツッコミ。そこに火がつけば、ユーザーたちは次々と“検証”を始め、タイムラインは瞬く間に「おかしい」の声で埋まります。

このプロセスは、まるで粉飾決算が発覚した企業に対する投資家の動きと同じです。初めは小さな異変として市場に伝わり、やがてそれが全体の信頼性に疑問を持たせ、株価が崩れる。SNSでも一つの嘘が“過去の投稿”や“他人の証言”と照らされ、信用が連鎖的に失われていきます。

情報の整合性が崩れた瞬間、それまで積み上げてきた「イメージ資産」は一気に瓦解します。それはまるで、帳簿の数字がすべて偽りだと判明したときの会計上のパニックと同じ構図です。

“信用の取り付け騒ぎ”が始まる

信用が崩れたとき、フォロワーたちはどのような行動を取るか。答えはシンプルです──一斉に離脱します。

銀行に預金者が殺到する取り付け騒ぎのように、SNSではフォロワーたちが「この人、信用できない」と判断した瞬間に、反応を止め、フォローを外し、過去の支持を撤回していきます。これは単なる数字の減少ではありません。SNSにおける“影響力”は他人の信頼を前提としたものであり、その前提が崩れることで、ビジネスチャンスも人間関係も消えていきます。

さらに恐ろしいのは、信用を失ったアカウントには“炎上”という二次災害が発生しやすいことです。
「嘘をついてた人」と認識された瞬間、SNSの“正義中毒”な人々は、過去の投稿を掘り返し、晒し、批判します。
企業で言えば、信用リスクが現実化し「風評被害」にまで発展する、いわば信用リスク→レピュテーションリスク→経済損失という連鎖が始まるわけです。

崩壊後に残るもの──資産と負債の再評価

嘘が明らかになり、炎上も収まり、タイムラインが沈黙を取り戻した後、そこに何が残るのでしょうか。
答えは、「信頼を失った自分」だけです。

いかに豪華な写真を投稿していようが、いかにフォロワーが10万人いようが、一度「この人、盛ってたよね」という評価がついた人に、再び仕事が回ることはありません。
これは投資の世界でいう「格付けの引き下げ」と同様で、一度市場が“危険資産”と見なした対象は、元の水準にはなかなか戻れません。

SNSにおける“信用”は無形資産であり、毎日の投稿や振る舞いによって形成されていきます。
しかしその資産は、崩れるときは「瞬時」であり、しかも回復が困難です。まるで、リーマン・ショック後のサブプライム債のように、「もはや価値がない」と見なされた瞬間に市場から排除されるのです。

このようにして、虚構で得た一時の栄光は、やがて「誰も見向きもしない数字のかたまり」へと姿を変えます。
かつての“栄光の証”は、ただの“重荷”となり、残るのは疲弊した自分と、信頼という資本を失ったアカウントだけ──それが、虚像を売った人々の末路です。


次の結論では、この崩壊の構造を超えて、どうすれば“本物の資産”を築けるのか、人間としての在り方とともに見つめていきましょう。

結論:「信頼」という、最も美しく壊れにくい資産を

SNSの世界は、光と影でできています。
脚色された幸福、盛られた成功、演出された人間関係──そうした“見せるための人生”が溢れる中で、私たちはときに、自分まで嘘をつきたくなることがあります。

けれど、忘れてはいけないのは、最も強く、最も美しい資産は「信頼」だということ。
それは一夜で手に入るものではなく、誰にも見られないところで、コツコツと積み上げるものです。
そして一度築いた信頼は、数字では測れない「本物の価値」となり、人生の危機や孤独をも救ってくれる支えになります。

バフェットが言うように、信頼を築くには20年かかるかもしれない。
でも、それを積み上げた人だけが、SNSという変わりやすい世界の中で、変わらない信用を持つことができるのです。

あなたが今日、盛ることをやめて、丁寧に言葉を選び、正直でいようと決めたなら──
それだけで、あなたは「信用を資産として積み立てる投資家」として、一歩を踏み出しています。

一時の注目より、長く続く信頼を。
あなたの言葉が、あなた自身の最大の“財産”になりますように。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『自分を探すな 世界を見よう 父が息子に伝えたい骨太な人生の歩き方』
SNS時代における自己表現や承認欲求に対し、外の世界を見ることで本当の自分を見つける方法を提案しています。


『ハーバード・ビジネス・レビュー[EIシリーズ] 自信』
自己肯定感や自信の形成について、エモーショナル・インテリジェンスの観点から解説しています。


『顧客視点の企業戦略』
ブランド戦略やインフルエンサーの活用について、顧客視点からのアプローチを解説しています。

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それでは、またっ!!

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