みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
今日は、業績低迷から新しい戦略を目指している資生堂のニュースです。
資生堂が高級化粧品「クレ・ド・ポー ボーテ」を刷新し、若年層にアプローチする戦略を打ち出しました。同ブランドの売上を支える一方で、若年層を取り込むために価格を抑えた商品を展開し、自社サイトでのネット通販を強化します。業績低迷を脱するため、日用品事業の売却や早期退職を進めた中で、高級化粧品への集中投資を図りますが、ブランド力の毀損リスクも存在します。
日本経済新聞 7/17 朝刊から作成
資生堂の戦略は、高級ブランドの強みを活かしながら若年層を取り込む大胆な試みです。しかし、価格抑制によるブランド価値の低下が懸念されるため、慎重なバランスが求められます。業績回復の鍵となるこの挑戦が成功するか注目されます。
高級ブランドを低価格で販売すると、どのように毀損する可能性があるの?
資生堂が展開する高級化粧品ブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」は、その高い品質と独自の技術で長年にわたり多くの顧客に支持されてきました。しかし、近年の経済環境や競争の激化、新型コロナウイルスの影響により、新たな顧客層の開拓が急務となっています。本記事では、資生堂がどのようにしてブランド価値を維持しながら価格抑制によって新たな顧客を取り込む戦略を展開しているのかを、会計的観点から詳しく解説します。
目次
資生堂の現状と課題
資生堂は、世界的に知られる日本の化粧品ブランドであり、その中でも「クレ・ド・ポー ボーテ」は特に高級化粧品市場でのプレゼンスが高いです。1982年のブランド誕生以来、資生堂はこのブランドを通じて高品質な製品を提供し、顧客の信頼を築いてきました。しかし、近年の経済状況の変化や新型コロナウイルスの影響により、売上は減少傾向にあります。
経済環境の変化
資生堂は、グローバル市場での競争が激化する中、特に韓国の化粧品ブランドの台頭により国内外での市場シェアが脅かされています。低価格帯の商品で韓国ブランドに対抗する一方で、高価格帯の商品を通じてブランド価値を維持するという二重の戦略が求められています。
新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスのパンデミックにより、観光客需要(インバウンド需要)が激減し、国内外での売上が大きく減少しました。特に高級ブランドに依存する資生堂にとって、インバウンド需要の減少は深刻な打撃となりました。
ブランド価値維持の重要性
高級ブランドにとって、ブランド価値の維持は製品の品質と同様に重要です。ブランド価値は、価格設定やマーケティング戦略に直接影響を与え、顧客の信頼を築くための基盤となります。資生堂は、「クレ・ド・ポー ボーテ」のブランド価値を高めるために、以下のような独自技術を駆使しています。
プレイオブカラーテクノロジー
「クレ・ド・ポー ボーテ」は、プレイオブカラーテクノロジーという光技術を開発し、製品に高付加価値を持たせています。この技術は、肌に光を反射させ、360度どの角度から見ても輝くように設計されています。
ライトエンパワリングエンハンサー
ライトエンパワリングエンハンサーは、ダイヤモンドの光構造に着想を得た技術で、肌本来の美しさを最大限に引き出すことを目的としています。この技術により、製品は肌に自然な輝きを与え、長時間持続する効果を持たせています。
若年層取り込みの戦略
資生堂は、若年層の取り込みを目指して新たな戦略を展開しています。その一環として、「クレ・ド・ポー ボーテ」のエントリーモデルとして「ル・セラム2」を発売し、若年層にも手が届きやすい価格設定を行いました。この戦略は、まず低価格帯の商品からブランドへのエントリーを促し、徐々に高価格帯商品へのアップセルを狙うものです。
価格設定の工夫
「ル・セラム2」は、資生堂の高級化粧品ラインの中では比較的低価格に設定されていますが、それでも約2万円と高価格帯の商品であることに変わりはありません。この価格設定は、若年層に手の届く範囲でありながらも、ブランド価値を損なわないバランスを保っています。
マーケティング戦略
資生堂は、若年層に向けたマーケティング戦略として、SNSやインフルエンサーを活用したプロモーションを積極的に展開しています。これにより、若年層の認知度を高め、ブランドへの関心を引き寄せることを目指しています。また、自社サイトでのネット通販も強化し、百貨店の混雑を避けたい顧客やリピーターに対して利便性を提供しています。
会計的観点からの考察
収益認識とキャッシュフロー
高級化粧品市場におけるブランド価値の維持と価格抑制のバランスは、収益認識とキャッシュフロー管理に大きな影響を与えます。ブランド価値を維持しつつ低価格帯の商品を展開することで、初期投資回収期間が短縮される可能性がありますが、利益率は低下します。これに対して、高価格帯の商品は利益率が高いため、全体のキャッシュフローを安定させる役割を果たします。
例えば、「ル・セラム2」のような低価格帯の商品を発売することで、短期的には売上が増加する可能性がありますが、利益率が低下するため、全体のキャッシュフローには注意が必要です。このような戦略を展開する際には、長期的な視点での収益性を確保するための計画が不可欠です。
マーケティング費用と投資効率
若年層の取り込みには、マーケティング費用の増加が伴います。特にデジタルマーケティングやSNSを活用したプロモーション活動が必要となります。この費用は、短期的には利益を圧迫する可能性がありますが、長期的にはブランドの認知度向上と顧客基盤拡大に寄与します。
投資効率を測るためには、ROI(投資収益率)やLTV(顧客生涯価値)などの指標を活用することが重要です。これにより、マーケティング活動がどれだけの効果を生んでいるかを定量的に評価し、戦略の見直しや改善を行うことができます。
在庫管理と生産効率
低価格帯商品を新たに展開することで、在庫管理と生産効率も見直す必要があります。高価格帯商品とは異なる需要予測と在庫管理が求められるため、生産ラインの柔軟性と効率性を高めることが必要です。また、過剰在庫や売れ残りリスクを最小限に抑えるため、需要予測の精度向上と迅速な供給チェーンの構築が求められます。
資生堂は、これらの課題に対応するために、生産ラインの自動化やデジタル技術を活用した在庫管理システムの導入を進めています。これにより、生産効率を高め、顧客の需要に迅速に対応できる体制を整えています。
結論
資生堂が「クレ・ド・ポー ボーテ」を通じてブランド価値を守りながら、若年層の取り込みを図るためには、会計的な視点からのバランスが重要です。具体的には、ブランド価値の維持を図りつつ、収益認識やキャッシュフロー管理、マーケティング費用の効率化、在庫管理と生産効率の向上など、全体的な経営戦略の見直しが必要です。このバランスを保つことで、資生堂は持続的な成長を実現し、競争の激しい市場での地位を確立し続けることができるでしょう。
それでは、またっ!!
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