みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
雪が降った日、あなたの会社の“利益”はどこから崩れる?
「大雪なので気をつけてください」——ここまでは毎年の冬あるある。
でも今回、国交省×気象庁が合同で緊急会見を開いて、「警報級の大雪が5日間以上続く可能性」を前提に“不要不急の外出は控えて”と強めに注意喚起している。しかも期間は1月21日〜25日頃。長い。これはもう、天気というより社会の稼働を落とすイベントだ。
で、ここからが本題。
雪って、売上が落ちる前に稼働率が落ちる。出社できない、現場が回らない、配送が詰まる、部材が届かない、在庫が欠ける。結果、PL(損益計算書)にパンチが入るのは「売れなかった」より先に「回らなかった」のほうだったりする。物流各社が遅延の可能性を出し始めると、欠品や納期ズレは一気に現実味を帯びる。
だから今回は、日本全国がBCP(事業継続計画)の採点日。
立派な資料があるかじゃなくて、
- 誰が止める判断をするのか
- 物流が止まったとき、どの注文から守るのか
- 在庫と代替調達の“手順”が回るのか
- 給与・固定費・資金繰りの耐久力はどれくらいか
このへんが、実戦でバレる。ここ、落とし穴です。
この記事では、雪を「災害ニュース」ではなく、外部ショックの教材として扱う。会計と投資の目線で、稼働率・物流停止・在庫欠品がどうPLに伝わるかを、なるべくシンプルに分解していく。
読み終わる頃には、ニュースの“大雪注意”が、あなたの会社の「どこが詰まるか」「どこに手を打つべきか」に翻訳できるようになるはず。
目次
売上が落ちる前に“稼働率”が死ぬ。PLはそこから殴られる

雪の日に怖いのは「客が来ない」だけじゃない。
働けない・運べない・作れないが重なると、売上以前に“会社の回転”が止まる。で、会計の言葉に直すと、PLの痛み方がちょっと独特なんだよね。
固定費レバレッジで、利益が細くなるスピードが速い
稼働率が下がると、売上が同じだけ落ちてもダメージがデカく見える理由がある。
それが固定費。
家賃、減価償却、正社員の固定給、システム利用料。
雪でもこれ、止まらない。
たとえば工場や店舗が「半分しか回らない」日が数日続くと、
- 売上は減る
- でも固定費は居座る
- 結果、粗利が薄くなるのが早い
ここ、投資家が好きな“営業レバレッジ”の逆回転。
好景気のとき美味しいやつが、雪の日は牙をむく。
「売れない」じゃなく「計上できない」も起きる
地味に厄介なのが、売上の“消滅”じゃなくてズレ。
物流が詰まると、納品が遅れて検収が先送りになる。
すると「受注はあるのに、今月の売上に入らない」みたいな状態が出る。
現場感だと「売れてるのに数字が伸びない」って気持ち悪さ。
会計的には、
- 売上計上が翌月にズレる
- でも人件費や外注費は今月に出ていく
- 月次PLがいきなりブレる
経営会議が荒れるのは、だいたいこのタイプ。
雪は“数字の見え方”まで揺らす。
コストはむしろ増える。しかも気づきにくい形で
雪=節約イベント、ではない。むしろ逆。
- 代替ルートで輸送費が上がる
- 前倒し出荷・特急対応で外注費が増える
- 復旧後の巻き返しで残業が積み上がる
- 欠品でクレーム対応が増え、間接工数が溶ける
PLの科目で見ると、販管費や製造間接費がじわっと膨らむ。
しかも「一回の大きい支出」じゃなく、細かい出血が続くタイプ。
気づいたときには、利益が薄くなってる。
雪って、派手な赤字より「利益率の低下」で刺してくる。
ここを見誤ると、「売上戻ったのに、なんか儲かってない」が起きる。
稼働率が落ちると、PLは売上の減少+固定費の居座り+コストの増加で三方向から殴られる。
そして一番いやらしいのは、全部が“遅れて効いてくる”ところ。雪が止んだ翌月に数字が崩れるの、普通にある。
物流が止まると、在庫が“欠ける”。欠けた瞬間にPLの別ルートが開く

大雪の会見で繰り返し出るワードが「通行止め」「立ち往生」「公共交通の遅延・運休」。
これ、生活の話に見えて、企業側からするとサプライチェーンの詰まり予告なんだよね。
物流が止まると、在庫が欠ける。欠けると、売上が落ちる前に“別の損”が始まる。
「欠品」は売上減より先に、信用コストを連れてくる
欠品の怖さって、「今日売れなかった」で終わらないところ。
- 代替品に乗り換えられる(顧客の離脱)
- ECだとキャンセル率が跳ねる
- 法人だと納期遅延ペナルティが刺さる場合もある
- サポート窓口が炎上して、人件費が溶ける
PL上は“売上減”に見えるけど、体感は信用の毀損が一番痛い。
しかもこれ、雪が止んでも戻りにくい。ここがいやらしい。
在庫は「あるほど安全」でも「多いほど重い」—バランスの採点が来る
雪の日に強いのは、在庫を厚めに持ってる会社。これは分かりやすい。
ただし在庫って、増やせば増やすほど良いわけでもない。
在庫が多いと起きるのは、
- 倉庫費用が増える
- 滞留して値下げ(評価損)を呼ぶ
- キャッシュが棚に刺さる(資金繰りが重くなる)
つまり、在庫は保険でもあり重りでもある。
ここでBCPの差が出るのは「何をどれだけ持つか」を、感覚じゃなくて“ルール化”できてるか。
たとえば
「止まったら売上が蒸発する主力SKU」だけ安全在庫を厚くする。
逆に「代替が効くもの」は薄くして、資金を温存。
この割り切りができてる会社、雪に強い。
物流停止は“運転資本”に直撃する。黒字でも息が苦しくなるやつ
物流が詰まると、会計で地味に効くのが運転資本。
- 納品できない → 売上計上・請求が遅れる → 入金が遅れる
- でも仕入れや人件費は普通に出ていく
- 結果、黒字でもキャッシュが細る
雪の合同発表でも「広範囲で通行止め」「遅延や運休」みたいな話が出ていて、これはまさに“入出金タイミングがズレる”前触れ。
ここで資金繰りが弱いと、利益じゃなく現金不足で苦しくなる。雪ってそういう刺し方もする。
物流停止→欠品→信用コスト→運転資本の悪化。
この連鎖を想像できるだけで、「大雪ニュース」の見え方が一段変わるはず。
これでいいですか? よければ次(セクション3:投資家目線で“雪ショックに強い会社”の見分け方)を作成します。
投資家目線で見る。「雪ショックに強い会社/弱い会社」は決算書に出る

国交省×気象庁が「1月21日〜25日頃にかけて、警報級の大雪が5日以上続くおそれ」「不要不急の外出を控えて」「通行止めや公共交通の遅延・運休に備えて」と強いトーンで言っている時点で、これは“現場の頑張り”だけじゃ吸収しにくい外部ショック。
じゃあ投資家は、どこで「耐性」を見抜くか。ざっくり言うと、①止まりやすさ ②止まった時の損の出方 ③復旧の速さが数字に滲む。
まず「止まりやすい地形」を疑う。売上構造より“物理”が先
雪は地域差がエグいし、物流は広域で巻き込まれる。さらに今回は「高速道路と並行する国道が同時に通行止めになり得る」まで想定されてる。ここ、サプライチェーンにとっては最悪の前提。
投資家目線で最初に見るのは、ビジネスモデルの綺麗さよりも拠点の置き方。
- 生産拠点や配送センターが一点集中か
- 代替ルート(別倉庫・別キャリア・別工場)があるか
- 顧客が「納期命」の比率が高いか(BtoBほど痛いことが多い)
これ、決算短信の一文で全部は分からないけど、セグメント情報や拠点の開示、統合報告書、採用情報(勤務地一覧とか)にヒントが落ちてることがある。
PLより先にCFを見る。“運転資本が詰まる会社”は雪で顔色が変わる
雪の日に「利益が出てるのに苦しい」が起きるのは、だいたいここ。
物流遅延で納品・検収・請求が遅れると、入金も後ろにズレる。一方で給料と支払いは待ってくれない。
見るポイントはシンプルで、キャッシュフローと運転資本の癖。
- 営業CFが弱い/ブレる
- 売上債権や棚卸資産が膨らみやすい
- 仕入債務に頼って回している(取引条件が厳しくなると脆い)
今回みたいに「大雪が長期化」「交通障害に警戒」まで言われる局面だと、“資金繰り耐性”がそのままBCP耐性になる。
「復旧が速い会社」は、平時から“決め事”がある。開示の癖で分かる
雪は止められない。差が出るのは止まった後の戻し方。
強い会社は、だいたいこのへんが決まってる。
- 休業判断の基準(誰が、いつ、止める)
- 受注の優先順位(全部守ろうとして全滅しない)
- 代替手段(テレワーク・迂回輸送・代替調達・代替メニュー)
- 顧客への告知テンプレ(遅延連絡が速い=解約が減りやすい)
今回の会見でも「テレワーク活用」まで呼びかけが出てるけど、テレワークって“やります”じゃ回らない。権限、システム、業務手順が揃って初めて武器になる。
投資家としてのチェックは、「BCPがあります」みたいな宣言より、
リスク情報の書き方と、過去の局面での業績ブレ。
- 毎年、雪や災害のたびに売上・利益が荒れる会社か
- 逆に、荒れても翌月〜翌四半期で戻す会社か
- “一過性費用”が頻発してないか(毎回出るなら一過性じゃない)
ここ、地味だけどめちゃくちゃ当たる。
雪は天気じゃなくて「稼働率と物流を落とす経済イベント」。
そして、イベントへの耐性は気合いじゃなくて、拠点・運転資本・意思決定で決まる。決算書はそこをわりと正直に映すんだよね。
結論:雪は“想定外”じゃない。想定して、静かに勝つ
「警報級の大雪が5日間以上」って聞くと、どうしても身構える。
でも、国交省と気象庁が合同で会見するレベルの注意喚起が出ているなら、これはもう“偶然の不運”じゃなくて、みんなに配られた試験問題に近い。
企業にとっては、BCPの採点日。個人にとっては、仕事の回し方をアップデートするチャンスでもある。
ここまでの話を、明日の自分が使える言葉に変えるなら、コツは3つだけ。
- 売上より先に、稼働率を見る
「今月いくら売るか」より、「今日どれだけ回るか」。雪の日は順番が逆になる。出社率、出荷率、稼働ライン数。見える化が弱い会社ほど、ダメージの理由が後から分からなくなる。 - 物流が止まる前提で、守る順番を決める
“全部守る”は、現場を燃やす呪文になりがち。守るべき顧客、守るべきSKU、守るべき納期を先に決めておくと、混乱が減る。逆に、決めてないと「声が大きい案件」から吸い込まれていく。ここ、ほんとにあるある。 - 利益より先に、キャッシュの呼吸を確認する
納品が遅れると売上計上も入金もズレる。雪が長引くほど、このズレが効いてくる。
黒字でも息が苦しくなる会社は、だいたい運転資本の癖が強い。投資家目線だと、ここは“耐性”そのもの。
で、最後にひとつだけ言うなら。
雪って、「準備してた人が得する」というより、「準備してなかった人が損する」イベントなんだよね。差が出るのは、頑張りじゃなくて段取り。
もしあなたが会社側の立場なら、
この5日間で“完璧なBCP”を作る必要はない。そんなの無理。
でも、たとえば
- 連絡網が生きているか(誰が止める判断を出す?)
- 代替手段が使えるか(テレワーク、迂回、代替調達)※机上じゃなく「実際に回してみる」
- お客さんへの連絡テンプレがあるか(遅延連絡が遅いと、信用の回復がいちばん高くつく)
この3つだけでも、現場の地獄度が変わる。
もしあなたが投資する側なら、
大雪のニュースを見たときに「うわ、災害だ」で止めずに、
“この会社は止まったとき、どこで詰まる?”
“詰まったとき、キャッシュはどれくらい耐える?”
そこまで想像できると、決算書がただの数字じゃなくなる。雪は、外部ショックの読み方を教えてくれる教材だ。
天気は選べない。
でも、止め方と戻し方は選べる。
大雪が過ぎたあと、何事もなかったように日常が戻るかもしれない。
そのときに「今回、うまく回ったな」と思える会社は、たぶん次のショックでも強い。
そしてその強さは、派手なスローガンじゃなく、静かな手順の積み重ねでできてる。
雪は天気じゃない。
会社の稼働率を削る、ちゃんとした経済イベント。
だからこそ——準備して、静かに勝とう。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『不測の時代におけるオールハザードBCP(事業継続計画)』
「地震・水害・感染症…」みたいに災害ごとにBCPを作り分けると、結局どれも中途半端になりがち。
この本は“全部まとめて受け止める設計”の考え方をくれるので、雪みたいな外部ショックを「教材」に変えるのに相性がいい。
読みどころは、BCPを“書類”じゃなく運用(BCM)まで含めて回す視点があるところ。
『これからの物流を読み解く!』湯浅 和夫 ほか
「物流が止まる=欠品」って分かってても、じゃあ次に何が起きる?が曖昧なままだと、社内の会話が根性論に寄りがち。
この本は、物流2024年問題からDX・GXの流れまで、いま物流で何が詰まりやすいかを“俯瞰で整理”してくれる。
雪の話を読む読者なら、ここを押さえるだけで「自社の弱点の場所当て」が速くなるはず。
『図解!製造業の「経営改善」に正しく使える「管理会計」――付加価値を稼ぐための75のタスク』吉川武文
雪の日に刺さるのは「売上が落ちた」より先に「稼働率が落ちた」問題。
この本は、そこで効く管理会計(固定費・原価・KPIの見直し)を、タスク形式で“現場に落とせる形”でまとめている。
「利益率がジワっと死ぬ」タイプの痛み方を、数字で説明できるようになりたい人に刺さる一冊。
『タイパ コスパがいっきに高まる決算書の読み方――外資系金融の「分析力」と「瞬発力」が身につく19の方法』齋藤 浩史
外部ショックが来たとき、決算書は“全部読む”より、先に見るべき場所だけ当てるほうが強い。
この本は「決算書を読み切る」じゃなく、短時間で重要ポイントを抜く読み方に寄っているのが良いところ。
「雪が来たとき、どの科目が痛む?」を自分でチェックできるようになる。
『エンジニアが学ぶ在庫管理システムの「知識」と「技術」』株式会社GeNEE DX/ITソリューション事業部
欠品って、気合で防げない。結局、在庫の見える化と、発注・生産・販売・会計のつなぎ方で決まる。
この本は、在庫管理を「現場の勘」じゃなく、システムと業務設計の言葉で理解できる。しかも会計連携の章まである。
物流停止→在庫欠品→PLが殴られる、の連鎖を“仕組み側”から止めたい読者向け。
それでは、またっ!!
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