みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その黄砂の“請求書”、今年も自分のPLで黙って払いますか?
12月に「黄砂が広範囲で予想」と聞いて、「え、春じゃないの?」と感じた人も多いはず。実際、12月1〜2日にかけて九州〜北海道(関東含む)まで広いエリアで黄砂の飛来が見込まれる、という予報が出ました。
このニュースの本当の怖さは、“空がかすむ”ことよりも、あなたの財布と会社の損益計算書(PL)に静かに請求書が届くこと。洗車代、空気清浄機の稼働・フィルター交換、マスク、目鼻の不調での通院、そして欠勤や生産性ダウン…。これって誰かが出した砂のコストなのに、支払うのは私たち側。こういう「出した人と払う人がズレる損」は経済学で外部不経済と呼ばれます。
家計では“ちょい出費”が毎年の恒例になって、いつの間にか固定費みたいに居座りがち。企業なら清掃・設備保全・備品・健康配慮(対策品や休業対応など)が販管費(販売費及び一般管理費)や人件費を押し上げます。たとえば店舗なら窓拭きや空調フィルターの交換回数が増え、製造業ならライン停止や不良率の上振れが起きることも。オフィスでも「体調不良で会議が飛ぶ」だけで、見えないコストは積み上がります。
でも悲観するだけだともったいない。黄砂は“完全には防げないけど、備えで損を小さくできる”タイプのリスクです。気象庁は黄砂の解析・予測図を数値モデルで提供していて、飛来はわりと「見える化」できます。さらに、黄砂の飛来で喘息などの症状悪化が報告されている点にも注意が必要です。
投資やキャリアの目線で見ると、これは「利益率を守る力」の話でもあります。同じ売上でも、黄砂シーズンに販管費が膨らむ会社と、事前の発注・運用ルールで膨らみを抑える会社では、最後に残る利益が変わる。家計も同じで、毎回その場しのぎで買うより、年間予算として“黄砂枠”を作っておく方がストレスも出費も減ります。ポイントは「全部やらない」。洗車はいつ、空気清浄はどの部屋を優先、外干しは何を避ける、体調が怪しい日は在宅に切り替える——こうした判断を先に決めておくと、突発の出費と欠勤が同時に減ります。
この記事では、①黄砂の“国境を越える請求書”がどこに計上されるのか(家計PL/会社PLの視点)、②「防御コスト」をムダに固定費化させないコツ(買い方・回し方・ルール化)、③個人と企業が今日からできる対策(チェックすべき予報、優先順位、予算の作り方)を、難しい言葉を避けて整理します。読み終わる頃には、黄砂を“ただの天気ネタ”ではなく、コスト管理と意思決定のテーマとして捉えられるようになります。
目次
黄砂はなぜ「外部不経済」なのか?—“請求書の行き先”を見える化する

黄砂って、見た目はただの「砂が飛んでくる現象」です。でもお金の視点で見ると、かなり厄介。理由はシンプルで、原因を作った側と、支払う側がズレるからです。黄砂が飛ぶことで発生する出費や手間は、結局、家計や企業が引き受けます。つまり“国境を越えて届く請求書”みたいなもの。ここを理解できると、「対策=気合い」から「対策=コスト設計」に変わります。
外部不経済って、超ざっくり言うと?
外部不経済は、むずかしい言葉に見えますが、意味は簡単。
「誰かの行動の“ツケ”を、関係ない人が払わされる状態」です。
たとえば、夜中に近所で大音量の工事をされたら、あなたは眠れず翌日しんどい。でも工事する側は、その“眠れないコスト”を払っていない。これが外部不経済。黄砂も同じで、発生源から遠い場所の人ほど「避けようがないのに、出費や体調リスクを負う」ことになります。ここが、ただの天気じゃなくて“経済の話”になるポイントです。
家計のPL:ちょい出費が「固定費っぽく」なっていく
家計で怖いのは、黄砂対策が一回きりの出費で終わらないこと。
最初は「マスク買おう」「空気清浄機つけよう」「洗車しよう」みたいに、その場の対応で済みます。でもそれが毎年起きると、だんだんこうなります。
- マスクや目薬が“常備品”になる
- 空気清浄機のフィルター交換が“毎年の行事”になる
- 外干しを避けて乾燥機や室内干しが“標準運用”になる
つまり、生活を守るための出費が習慣化して固定費みたいに居座る。固定費が増えると、給料が上がらない局面で家計は一気に苦しくなります。
だから家計のコツは「対策を頑張る」より、対策費を“見える化”して、増え方を止めること。ここは次のセクションで具体的にやります。
企業のPL:販管費に刺さるのは“モノ代”だけじゃない
企業側も同じで、黄砂は売上を直接減らすだけじゃなく、販管費をじわっと押し上げるのが厄介です。代表例はこんな感じ。
- 清掃回数の増加(店頭・窓・商品・床など)
- 空調フィルターの交換・点検が増える
- マスクや消耗品の追加手配
- 体調不良による欠勤・遅刻・集中力低下(これが一番見えにくい)
- クレーム対応やオペレーション変更の手間
ここで大事なのは、黄砂コストは「経費として請求書が来る分」だけじゃなく、人の時間としても発生すること。時間は会計上は見えにくいのに、利益を削る力は強い。だから現場で起きている負担を、経理・管理側が気づけないまま「なんか利益率が落ちた…」となりがちです。
——ここまでで言いたいのはひとつ。
黄砂は“自然現象だから仕方ない”で終わらず、誰のPLのどこに刺さっているかを見える化した瞬間に、打ち手が現実的になります。次は、その打ち手を「ムダな固定費」にしないための考え方を作っていきます。
「防御コスト」を固定費化させない—家計も会社も“ルール化”が最強

黄砂の厄介さは、「気づいたら毎年お金と手間が増えてる」こと。しかも、増えた出費って一度生活に入ると戻りにくい。だから重要なのは、対策を増やす前に、お金の出方を設計することです。ここでは“頑張りすぎないのに効く”考え方を3つにまとめます。
家計は「黄砂枠」を作って、突発を定期に変える
黄砂の出費って、実は「支出の種類」より「出方」がキツいんです。突然来て、焦って買う。すると割高になり、つい余計なものまで買う。これを止めるには、家計簿に難しい項目を増やす必要はなくて、超シンプルに——
- 月200〜500円でもいいから「黄砂・花粉・空気ケア」枠を作る
- そこから、マスク・フィルター・目薬・洗車などを出す
- 余ったら翌月へ(“使い切らない”のがコツ)
これだけで「急な出費でメンタル削られる」が激減します。黄砂はゼロにできないから、精神的なダメージを減らす設計が効く。あと、買い方のおすすめは「毎回コンビニで買う」より「予備を置く」。予備があるだけで、余計な出費が減ります。
対策は“全部盛り”じゃなく、優先順位で勝つ
黄砂対策って、やろうと思えばいくらでもできます。でも現実は、時間もお金も有限。だから優先順位の付け方が大事です。目安はこの順番。
- 室内の空気(自分の滞在時間が長い場所から)
- 外出の質(長時間の外作業・運動・外干し)
- 見た目(車・窓・外観)
たとえば「車が汚れる」はストレスだけど、健康や欠勤ほど家計に直撃しません。
空気清浄機も“家中フル稼働”より、寝室・作業部屋だけ強化で十分なことが多い。洗車も、毎回ガチ仕上げより「落とすタイミングを決める」ほうがコスパがいい。ポイントは、対策の目的を「気分」じゃなくダメージを減らすに寄せることです。
会社は「トリガー」を決めると販管費が暴れない
企業で黄砂が販管費に刺さる最大の理由は、現場がその場で頑張って、対応がバラバラになりがちなこと。すると、
「在庫が足りない→緊急購入で割高」
「掃除が増える→残業や外注が増える」
「体調不良が増える→欠勤・生産性低下」
が同時に起きます。これを止める一番効くやり方は、気合いじゃなくて**トリガー(発動条件)**を決めること。
- 予報で黄砂が出たら「外干し禁止」「換気は短時間」「入口マット強化」
- 予報が強めの日は「外回りの順番変更」「オンライン対応へ切り替え」
- マスク・フィルター・備品は“最低在庫”を決めておく(欠品=高くつく)
- 清掃は「いつ誰が何をやるか」を決めて、属人化をなくす
こうすると、黄砂のたびに販管費が跳ねるのではなく、一定の範囲に収まるようになります。会計的には「想定外のブレ」を減らす=利益率を守るってこと。つまり、黄砂対策は“守り”に見えて、実は会社の稼ぐ力の土台でもあります。
ここまでの結論はシンプル。
黄砂は避けられないけど、請求書の金額はコントロールできる。家計は「枠」と「優先順位」、会社は「トリガー」と「最低在庫」。これだけで、“いつの間にか固定費化”する流れを止められます。
“黄砂コスト”を最小化する実務—予報×行動×数字でブレを潰す

黄砂の対策って、気合いで頑張るほど「疲れる→続かない→結局ムダ買い」になりがちです。だから発想を変えて、予報を見て、やることを決めて、数字で振り返る。この3点セットにすると、外部不経済の“請求額”をちゃんと下げられます。
「いつ動くか」を決める:予報は“行動のスイッチ”
今回みたいに、12月でも広範囲で黄砂が予想されるケースがあります。12月1〜2日にかけて九州〜北海道(関東含む)に黄砂が飛来する可能性がある、という情報も出ていました。
ここで大事なのは、「黄砂が来るかも」で毎回ソワソワしないこと。見る場所を固定して、スイッチを入れる条件を決めるのがラクです。
- 情報源の例:気象庁の「黄砂解析予測図」(地表付近の濃度などを数値モデルで表示)
- スイッチ例:黄砂が出る予報の日は「外干ししない」「換気は短時間」「帰宅後すぐ洗顔・うがい」「車は乾拭きしない」
“やること”を先に決めておくと、当日は判断コストがゼロに近づきます。
会社は「見えない損」を数字にする:欠勤と手戻りが本丸
企業で怖いのは、黄砂によるコストが請求書(備品代・外注清掃代)だけじゃないことです。体調不良で休む/集中力が落ちる/作業が遅れる、みたいな“見えない損”が、販管費や生産性にしっかり刺さります。
さらに、黄砂は呼吸器系の症状悪化などが指摘されていて、もともと弱い人ほど影響が出やすい。
初心者でも会社でできる「数字の置き方」は簡単で、まずはこの3つだけ。
- 欠勤・遅刻・早退の件数(黄砂予報の日と比べる)
- 清掃・フィルター清掃の回数(増えた分だけ時間が消える)
- 追加購入(緊急発注)の金額(割高になりやすい)
この3つが見えるだけで、「黄砂の日は在庫を切らさない」「入口の動線を変える」「外回りをオンラインへ」みたいな打ち手が、現場任せから“仕組み”になります。
投資と会計の視点:勝負は“売上”より「販管費のブレ」
投資っぽい言い方をすると、黄砂は「売上を吹き飛ばす爆弾」より、**利益率をじわじわ削る“ノイズ”**です。
同じ業界でも、黄砂のたびに
- バタバタして緊急購入が増える会社
- ルール化して、必要な分だけ淡々と回す会社
で、販管費のブレが変わります。ブレが小さい会社は、数字が安定して見える。結果として、経営判断も早くなる。
家計でも同じで、「黄砂枠」と「優先順位」と「スイッチ」を作った人は、毎回の出費が小さくなるだけじゃなく、“突発で財布が痛む日”が減る。これが長期的に効きます。
黄砂は止められない。でも、請求書を満額で払う必要はない。予報をスイッチにして、やることを絞って、数字で振り返る。これだけで、家計も会社も“外部不経済に振り回されない側”に寄れます。
結論
黄砂は、ただの「空がかすむ日」じゃありません。見えないところで、家計ならマスク・目薬・フィルター・洗車・通院、会社なら清掃・備品・欠勤対応といったコストが積み上がり、気づいたら毎年の“当たり前の出費”になっていきます。これが外部不経済の怖さで、言い換えるなら「原因は遠くにあるのに、請求書はこっちに届く」現象です。
しかも黄砂は春だけの話じゃない。tenki.jpでは、2025年12月1〜2日にかけて九州から北海道の広い範囲で黄砂が予想され、関東などにも影響する可能性があると伝えています。季節外れに見えるタイミングで来るからこそ、“その場しのぎ”は高くつくんですよね。予備がない、ルールがない、判断が遅れる——それだけで出費とストレスが膨らみます。
だから、結論は意外と優しい。黄砂を止める必要はなくて、「払う金額のほう」を小さくすればいい。家計は、月数百円でもいいから黄砂枠を作って、焦って買うのをやめる。対策は“全部盛り”じゃなく、まず寝室や作業部屋など滞在時間の長い場所を優先する。会社は、予報を見たら何をするか(換気のやり方、最低在庫、清掃の段取り、外回りの代替)を決めておき、緊急購入や属人対応を減らす。これだけで販管費のブレが小さくなり、利益率が守れます。
投資と会計の目線で言うなら、黄砂は「売上をゼロにする敵」というより、利益を薄く削る“摩擦”です。摩擦は小さく見えるけど、放置すると毎年積み上がって、ボーナスや自由に使えるお金を静かに奪っていきます。逆に、摩擦を減らせる人(会社)は、同じ売上でも手元に残る利益が増える。これが、地味だけど強い差です。
最新の状況は、tenki.jpの予報や、気象庁の「黄砂解析予測図」でサッと確認できます。予報を“行動のスイッチ”にして、①外干しを避ける、②帰宅後に顔と手を洗う、③室内の優先エリアだけ空気ケア、④予備と最低在庫を切らさない——この4つだけでも十分に効きます。黄砂は国境を越える請求書。でも、こちらの側にも「払う前に設計する力」があります。来た日に慌てない自分(自社)を作れたら、それだけで毎年の冬と春が、ちょっと軽くなります。そして何より、体調を崩して予定が崩れる日を減らせるのが最大のリターン。仕事もプライベートも、守れた時間はそのまま“未来への投資”になります。黄砂の日こそ、慌てず淡々と。小さなルールが、あなたのPLを守ります。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『原価計算と管理会計の概説』
「コストって結局なに?」を、会計の前提が薄くても追えるように整理してくれる一冊。黄砂みたいに“避けられない出費”が出たとき、どこが変動で、どこが固定化しやすいのかを見抜く目が育ちます。
『製造業の「経営改善」に正しく使える「管理会計」――付加価値を稼ぐための75のタスク』
「現場の手間=見えないコスト」を、タスク単位で潰していく実務寄りの本。黄砂の日に増える清掃・備品・段取り変更・欠勤対応みたいな“販管費のブレ”を、ルールと仕組みに落とし込むヒントが欲しい人に刺さります。
『次世代管理会計の進展』
“利益を残す会社”がやっているのは、節約というより意思決定の質の底上げ。この本は、管理会計がどうアップデートされているかを通して、コストを「削る」ではなく「設計する」感覚をつかませてくれます。
『新・環境経済学入門講義』
黄砂は「出した人と払う人がズレる」典型例。だからこそ、外部不経済の考え方を一回ちゃんと押さえると、ニュースの見え方が変わります。“国境を越える請求書”を言語化したい人におすすめ。
『入門 環境経済学 新版――脱炭素時代の課題と最適解』
外部不経済・政策・最適解、みたいな話を「難しそう」で終わらせないための入門書。黄砂をきっかけに、環境問題を“感情”ではなく社会のコスト設計として理解したい人の一冊です。
それでは、またっ!!
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