みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
8/2の雇用統計はまた歴史の扉を開きそうな勢いです。その中で、今回重要なキーワードが発信されました。
「サーム・ルール」
初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。今日はこの「サーム・ルール」について解説します!
目次
サーム・ルールとは?
サーム・ルールは、アメリカのエコノミストであるクラウディア・サーム(Claudia Sahm)氏が開発した景気後退の指標で、失業率の変動を元に景気後退(リセッション)の到来を判断する方法です。この指標は、直近3か月の失業率の平均が過去12か月間の最低平均失業率と比べて0.5%以上上昇した場合、景気後退が発生する可能性が高いことを示唆します。
サーム・ルールの基本的な仕組み
サーム・ルールの根底にあるのは、失業率が急激に上昇することは景気の低迷を示す強力なシグナルであるという考え方です。具体的には、次のステップでリセッションの可能性を評価します:
- データ収集: 直近3か月間の失業率を収集し、その移動平均を計算します。
- 比較基準: 過去12か月間の失業率の最低値を特定します。
- 差分の計算: 上記の移動平均と最低値の差を計算します。
- シグナルの判断: この差が0.5ポイント以上であれば、景気後退の可能性が高いと判断します。
2024年のサーム・ルール指標
最新の動向
2024年8月2日に発表された最新のデータによれば、サーム・ルールは発動し、景気後退の可能性が示されています。この時点での失業率の上昇は、直近の雇用統計に反映されており、サーム・ルールの基準を満たしていることが確認されました。
- 2024年7月の指標: 0.53ポイント
- 6月: 0.43ポイント
- 5月: 0.37ポイント
これらの数字は、景気後退の危機が現実的になっていることを示唆しています。
サーム・ルールの信頼性と過去の実績
サーム・ルールはそのシンプルな計算方法にもかかわらず、歴史的に高い信頼性を誇ります。この指標は過去に発生したすべての景気後退を的確に予測しており、特に以下のような時期においてもその正確性が証明されています:
- 2001年: ドットコムバブルの崩壊
- 2008年: 世界金融危機
- 2020年: COVID-19パンデミックによる不況
2024年の米国経済とサーム・ルールの関係
現在のアメリカの経済状況は、多くの専門家が注視する中でサーム・ルールによって警戒が強まっています。以下に、2024年の状況をより詳細に分析します。
失業率の動向
2024年に入ってから、失業率は徐々に上昇しており、特に以下のような動きが見られます:
- 1月から6月にかけて: 失業率が3.9%から4.1%へと上昇。
- 労働市場の変化: 一部の業種で雇用が減少し始めており、これが失業率の上昇に寄与しています。
経済指標の変化
失業率以外にも、いくつかの経済指標が景気後退を示唆しています:
- GDP成長率: 2024年第1四半期と第2四半期のGDP成長率はマイナスとなっており、-0.2%と-0.3%の縮小が報告されています。
- 個人消費支出: 消費支出は-1.5%から-1.7%の減少を示し、消費者の購買意欲が低下していることを示しています。
- 企業投資: 企業投資も縮小傾向にあり、-2.0%から-2.5%の減少が予測されています。
政策と市場の影響
政策面の動向
2024年の米国経済は、金融政策や財政政策の影響を受けやすい状況にあります。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げや量的緩和の調整は、金融市場や実体経済に直接的な影響を及ぼしています。
- FRBの政策: 金利の上昇により企業の借入コストが増加し、投資意欲が減退しています。
- 政府の財政政策: 政府支出の削減や税制の変更が消費者と企業の支出に影響を与えています。
市場の反応
サーム・ルールの発動は、投資家や企業に対する警告として機能し、株式市場や債券市場に影響を与える可能性があります。
- 株式市場: 景気後退の兆候が明らかになると、株式市場は不安定になり、株価が変動する可能性があります。
- 債券市場: 景気後退のリスクが高まると、債券利回りが変動し、投資家のリスク回避行動が加速する可能性があります。
日本経済とサーム・ルールの比較
日本でも、失業率の上昇やGDPの減少など、景気後退の兆候が見られています。以下に、日本の現状とサーム・ルールとの関連性を考察します。
日本の失業率
日本の失業率も2024年に入ってから上昇しています。具体的には:
- 1月:2.6%
- 2月:2.7%
- 3月:2.8%
- 4月:2.9%
- 5月:3.0%
- 6月:3.1%
この上昇トレンドは、日本の景気後退の可能性を示唆しており、特に個人消費や企業投資の減少が懸念されています。
日本経済の動向
- 個人消費: 日本の個人消費は少子高齢化の影響で弱含みであり、消費意欲の低下が続いています。
- 企業投資: 日本の企業投資も減少傾向にあり、特に製造業を中心に投資意欲が鈍化しています。
結論
サーム・ルールは、景気後退の初期段階を正確に予測する強力なツールとして評価されています。2024年のアメリカ経済において、この指標は警戒すべき重要なシグナルとして機能しており、日本を含む他国の経済にも影響を与える可能性があります。
失業率の上昇は、単なる統計的なデータではなく、実際の経済活動の変化を反映しています。企業や個人は、これらの指標をもとに戦略を見直し、経済の変動に対応する必要があります。特に投資家は、サーム・ルールを活用してリスク管理を強化し、景気後退に備えることが重要です。
それでは、またっ!!
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