カレー指数で見るインフレ—“身近な物価”の読み方

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

カレー一皿の値段、あなたの“営業利益”まで侵食していませんか?

カレーが高い——それ、ただの体感じゃなくて“景気の鏡”です。ファイナンシャル・タイムズは、カレーとごはんの材料費をまとめた私設指標「CRPI(Curry Rice Price Index)」で日本の物価動向を読む記事を掲載しました。直近では前年同月比で大幅高、2024〜2025年にかけての値上がりが続いたままという示唆です。家で作っても、外で食べても「前より高くつく」理由は、原材料の米・肉・香辛料に加え、電気・ガスなどエネルギーや物流、為替の影響が積み重なっているから。身近な一皿が、マクロ経済の変化をそのまま映しているわけです。

実際の統計でも、日本の物価はなおジワっと上向き。総務省の公表値では、2025年8月の消費者物価(総合)は前年比+2.7%。長年のデフレ感覚から「当たり前に少しずつ上がる」局面へ移りました。外食チェーンやレトルトも再三の値上げで、原材料の米高・エネルギー高・人件費増に耐えきれず、価格改定や品薄が相次いでいます。つまり“カレーが高い”という違和感は、統計と現場の両方で裏どりできるサインなのです。

この記事では、(1)カレー材料を例に“身近な物価”を読み解くコツ、(2)かんたん会計で家計の「営業利益(=自由に使えるお金)」を増やすやり方、(3)行動経済学でつまずきやすい“メニューコスト(変える手間)”をどう越えるか、の3本立てでいきます。難しい数式や専門用語はナシ。スーパーのカゴ、電気代の明細、スマホ料金の内訳——あなたの日常にある数字だけで、今日から判断できる視点を渡します。狙いはシンプル。手取りは増やせなくても、可処分を守る。固定費を削って、物価上昇に負けない余白をつくる。月末に残るお金が増えれば、それはあなたの小さな“営業利益”です。最後に、見直しは月初固定という“仕組み化”まで一緒に持っていきます。物価が上がる時代でも、意思と仕組みで手触りのある余裕は取り戻せる——その実感を、カレーから始めましょう。

カレー材料で“物価の今”を読む

まずは、家で作るカレーを材料ごとに分解してみます。米・肉・玉ねぎ・にんじん・じゃがいも・カレールウ、そして見落としがちな電気・ガス・水道。これらの合計がどれくらい動いたかを見ると、ニュースより早く生活実感でインフレを掴めます。民間の「カレーライス物価指数(CRPI)」は、2025年に入っても高止まり。たとえば2025年7月の1食あたりは前年342円→438円まで上がり、直近はわずかに下がっても水準はまだ高いまま、という見立てです。背景には米価の上昇、肉など輸入食材への円安、そしてエネルギーコストの積み上がりがあります。

「材料」を分けて見る——“どれが値上がりの主犯か”

カゴの中身を「国産」「輸入」「エネルギー」の3グループに分けると、値動きの理由がつかめます。米は国内要因が大きく、近年は不作・需給ひっ迫で価格が跳ねやすい。実際、政府が備蓄米の活用を検討するほど米価は話題になりました。肉やルウに使う油脂・香辛料は海外相場と為替の影響を受けやすく、円安が重しに。さらに調理に使う電気・ガスはエネルギー価格や政府支援策の入り切りで上下します。つまり「全部が同じ理由で高くなっているわけじゃない」。主犯を見つけるには、材料を分けて考えるのが近道です。

「指数」と「手元のレシート」をあわせて使う

統計は方向感を、レシートは実感のズレを教えてくれます。総務省のCPI(消費者物価指数)では2025年8月の総合が前年同月比+2.7%。数字だけ見ると「そこまで?」と思うかもしれませんが、カレーのような特定メニューは材料の組合せ次第でもっと大きく動きます。CRPIの推移や、各社の「カレー1食コスト」調査を見ると、2024〜25年は過去最高水準に達した月があり、家計の体感インフレが強かったのも頷けます。結論:ニュースの平均値に、あなたのレシートという“個別決算”を足して読む——これがブレない。

「トレンド」と「転機」を切り分ける

物価は一直線に上がり続けるわけではありません。たとえばカレーの指標も2025年夏にかけて“ピーク越えの兆し”が見え始めた月があります。前月比でわずかに下がる月が出ても、前年同月比ではまだ高い——この「方向は変わりつつあるが水準は高い」を見間違えると、買いだめや長期契約の判断で損をしがちです。材料ごとのトレンド(米価が落ち着くか、輸入材はどうか、光熱費の支援策は続くか)をつなげて、転機が「一時の揺れ」なのか「持続的な変化」なのかを見極めましょう。


最後にコツをひとつ。カレーは“生活の縮図”です。材料を分け、統計とレシートを重ね、短期の下げに飛びつかない。この3点だけで、物価ニュースに振り回されにくくなります。ここまでの視点が腹落ちしたら、次は「家計の“営業利益”を増やす」固定費カイゼンに進みます。

家計の「営業利益」を増やす——固定費リセット術

家計を会社になぞらえると分かりやすいです。手取り=売上、変動費(食費など)=原価、固定費(電気・通信・サブスクなど)=販管費。手取り − 変動費 − 固定費 = あなたの“営業利益”。ここを増やす一番速い打ち手は、固定費の見直しです。材料費(食費)は今日すぐには下げづらい。でも、電気やスマホは“契約の選び方”で月に数千円、年で数万円の改善が現実的に出ます。以下、やることはシンプルに3つ。

電気代は「単価の部品」を分けて見る——燃調・再エネ賦課金・補助金

電気代は①基本料金+②使用量×(電力量単価+燃料費調整)+③再エネ賦課金で決まります。2025年度の再エネ賦課金は3.98円/kWh。月400kWhなら約1,592円がこの項目だけで乗ります。まずここを知っておくと、節電1kWhの“効き目”が腹落ちします。

一方、燃料費調整は原油や為替で毎月変動。東京電力の資料でも補助金適用後の調整単価が月ごとに示されており、政府の負担で数円/kWh押し下げられる期間があります。2025年7〜9月は電気最大2.4円/kWh、都市ガス最大10円/m³の補助が入り、1世帯あたり合計約3,000円負担軽減の目安。夏のエアコン期に効きます。補助は恒久でないので、今の単価を電力会社のお知らせや検針票で必ず確認。

やること:①マイページで今月の燃調単価賦課金をチェック、②ピーク時間帯(夕方〜夜)の使用量をアプリで見える化、③電力会社の時間帯別プランポイント還元が自分の生活パターンに合うか比較。ここまでで“どこを削ると何円効くか”が見えます。

通信費は「使い方別の定額」を選ぶ——大手オンライン専用 or 従量制

スマホ料金はデータ量のクセで最適解が変わります。

  • 月3〜10GB:LINEMOは3GBで990円/月、10GBで2,090円/月。ライトユーザーの“定額の安定”に向きます。
  • 月20〜30GB+たまに海外:ahamoが中容量の定番。30GBで2,970円/月、足りなければ1GBあたり550円で追加。海外ローミングも一定枠内で使いやすい。
  • 月0〜不定期:povo2.0基本料0円で、必要なときだけトッピングを買う方式。普段はWi-Fi中心の人に相性が良い(買わない月は128kbpsに制限)。

手順は3ステップ。①通信量の実績3か月平均を見る(設定→モバイルデータで確認)、②上の“型”に当てはめて候補を2つに絞る、③乗換(MNP)は手数料が基本オンラインで無料化されている流れなので、週末1時間で完了を狙う。迷ったらデュアルSIMで2週間試すのも手。

“営業利益”に直結させる——固定費→年額換算→自動積立

節約は“浮いた気がする”で終わると効果が消えます。下げた固定費は年額に換算して、自動積立に回すまでがワンセット。たとえば電気で月1,000円、通信で月1,500円カットできれば、合計2,500円×12=3万円/年の固定的な“利益改善”。ここを生活費口座とは分けて、生活防衛資金投資用の口座に自動で移す。インフレ期は“置き場所”まで含めて意思決定です。物価の実態として、2025年8月の消費者物価(総合)は前年同月比+2.7%。名目が増えても、現金の置きっぱなしは目減りします。


小さな手間で、毎月の固定費が静かに軽くなる。すると、翌月から営業利益(自由に使えるお金)が増えます。増えた分は“ご褒美”より先に“自動積立”へ。ここまでできれば、インフレに対して受け身ではなくなります。

行動経済学——“メニューコスト”を越える仕組み

値上げが続くのは分かった。固定費も下げられそう。…でも実際は、乗り換えや解約が「めんどい」で止まりがち。ここに効くのが行動経済学の知恵です。キーワードは3つ——メニューコスト現状維持バイアス/現在バイアス、そして仕組み化(デフォルト・If-Then)。難しく聞こえても、中身は“手間を減らし、迷いを減らし、勝手に進む形にする”だけ。今日から使える形に落とします。

「メニューコスト」は家計にもある——手間は“隠れコスト”

企業が価格を変えるとき、印刷し直しやシステム更新などのメニューコストがかかります。実は家計も同じで、プラン比較、書類アップロード、パスワード探し…手間というコストが“あとでやろう”を生みます。ここを削ると、節約は一気に進みます。

やり方:

  • 15分×3セットに分解(比較→申込→解約)。“一気にやる”をやめる。
  • チェックリストを使い回す(例:身分証・MNP予約番号・支払いカード・検針票)。
  • 「解約は電話のみ」などの無駄な摩擦(スラッジ)は回避策から検討(“窓口を変えればオンライン完結できるか?”)。摩擦は意図的に作られていることもあります。

“月初固定+If-Then”で、自分を操作する

意思よりルール。おすすめは月初固定の見直し日と、If-Then(実行意図)のセットです。

  • If-Then「もし毎月1日の朝8時になったら、固定費シートを開いて電気と通信を確認する」のように、きっかけ(If)→行動(Then)を文にしておく。人はきっかけが決まると動きやすい。研究でも、If-Thenは“やるべき時にすぐ動ける”設計として効果が検証されています。
  • タイマー併用:各タスク15分でタイマーを鳴らす。終わらなくてOK、翌週に再開タスクとして回す。
  • テンプレ3枚:①固定費チェックリスト、②今月の単価メモ(燃調・再エネ・通信GB)、③“申込中/解約中”の進捗メモ。書式は毎月コピーで十分。

バイアスは“設計”で乗り越える——現状維持・現在・デフォルト

人は現状維持バイアスで、変えない方を選びがち。さらに現在バイアスで“今ちょいラク”を優先しがち。だからこそ、デフォルト(初期設定)を自分に有利にしておくのが近道です。

効く設計:

  • 自動積立をデフォルトに。固定費を下げたら、その金額ぶんが翌月から自動で別口座に動くよう先に設定しておく(やめるには“手間”が要る形に)。デフォルト効果は強力で、初期状態がそのまま選ばれやすいことは多くの実験で確かめられています。
  • 迷う回数を減らす。候補は最大2択まで。人は選択肢が多いと止まります。
  • 締切を前倒し。乗り換えやすい日(給与翌営業日など)を“儀式化”して、他の予定を入れない。
  • 「今やる」だけ報酬。申込を送ったら、その場で小さなご褒美(コーヒー1杯)。“今の快”を作ると現在バイアスに勝てます。

コツは、意志ではなく段取り。手間を刻み、きっかけを固定し、デフォルトで勝つ。ここまで回ると、「分かってるけど動けない」が「放っておいても進む」に変わります。月初の15分が、来年のあなたの“営業利益”を静かに底上げしていきます。

結論:カレーから始める、小さな勝ちグセ

カレーが高い——その違和感は、あなたの感覚が正しいという合図でした。材料を3つに分けて眺める(国産・輸入・エネルギー)。統計の平均と自分のレシートを重ねる。短期の下げに飛びつかず、トレンドと転機を切り分ける。ここまでで、「物価ニュースに振り回されない土台」はできました。

次に、家計を“ミニ会社”として扱う。手取り−変動費−固定費=営業利益。食費は一気に下げにくいから、まずは固定費。電気は単価の部品(燃調・再エネ・補助)を分解し、スマホはデータのクセで“型”を選ぶ。月に数千円の改善は、やる気の問題ではなく設計の問題です。年額に直して自動積立へ送れば、成果が消えません。これであなたの“営業利益”は、翌月から静かに増えます。

それでも人は止まります。だからメニューコストを刻み、月初固定+If-Thenで動き出しを自動化する。選択肢は2つまで、締切は前倒し、小さなご褒美で“今の快”を作る。意思に頼らず、段取りで勝つ。インフレの波はコントロールできないけれど、波の受け方は設計できます。

結局のところ、景気の大きな話も、台所の小さな手ざわりに落ちてくる。カレー一皿の値段から始めて、固定費を整え、仕組みを回し、余白を積み上げる。今日の15分が、来月の安心をつくる。気づけば“足りない”ではなく、“選べる”に変わっているはずです。物価が上がる時代に、私たちが持てるいちばん強い武器は、正しく観察し、静かに仕組むこと。台所から始まるささやかなマクロ対策を、あなたの生活に。

――この記事はここまで。読み終えた今この瞬間が、最初のIf-Thenです。「今、月初のリマインダーを入れる」。それだけで、もう半歩、前に出ています。

深掘り:本紹介

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それでは、またっ!!

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