みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
今日の1,000円、いちばん幸せに使うならどこ?
「外食って、これからいくらになるの?」
結論からいくと——“じわっと高くなる”。でも、それは悪じゃない。理由はシンプル。人件費が上がる=働く人の暮らしが少し楽になるから。そのコストはメニューにのり、私たちは“満足/円(1円でどれだけ幸せになれるか)”で店を選び直すだけです。2025年度の最低賃金は全国加重平均で1,121円、前年度比+6.3%の過去最高更新。つまり、飲食店の「人に払うお金」が確実に増える土台ができました。
さらに来年の春闘では、連合(労組の連合体)が賃上げ5%以上を求める方針。中小企業向けには6%以上の水準も掲げ、非正規には約7%といった具体案が出ています。賃上げの波は一過性でなく“続く前提”で考えた方が自然です。
この記事でやることは3つ。
- いま何が起きていて、なぜ外食の値段に波及するのか——を、会計ドリル0本でかみ砕く。
- 「じゃあ私はどう選ぶ?」に答える超かんたん会計の視点(“人件費↑→値上げ=悪ではない”というメンタルモデル)。
- 今日から実践できるコスパ最適化の動き方——たとえば「平日昼は良店で1回、週末は家ご馳走」の二刀流で、幸福/円を最大化するコツ。
ポイントは2つだけ覚えればOK。
- 値上げの主犯は“悪い店”ではなく、賃金が上がる健全なコスト。だから「高い=損」ではなく「満足/円で比較」が正解。
- 未来の外食は二極化(“さっと満たす”か“ちゃんと感動”)。真ん中は薄くなる。その中で自分の“使いどころ”を決めておけば、出費は増やさず満足は上げられます。
読み終わる頃には、「高くなった…」のため息が「どう選べば元が取れるか、もう分かった」に変わります。財布も気持ちもブレずにいけるはず。では、さっそくいきましょう。
目次
今、起きていること——「人件費↑」は前提、値段は“ゆっくり上”が基本線

まず事実確認。2025年度の最低賃金は全国加重平均1,121円、前年比+66円(+6.3%)で過去最大の引き上げになりました。地域別の審議結果を踏まえて政府も同趣旨を公表しています。つまり“人に払う基本の時給”がそもそも上がった、ということ。これは一過性の物価ではなく構造コストです。
さらに2026年春闘に向け、連合(労組の連合体)は賃上げ5%以上(ベア3%以上を含む)を要請する方針。中小向けに6%以上や月額18,000円以上、非正規には約7%という目安も示しています。要は「賃上げは来年も続く」が標準シナリオ。
外食は人が動かす産業。時給が上がれば、原価の中の人件費がじわっと増えます。だから、メニュー価格は“急騰ではなく、段階的に上”が基本の見立てです。実際、飲食・食品でも人件費を含む国内要因による価格転嫁が広がっているデータが出ています。
外食の“お金の箱”を1分でつかむ
- お店のお金はざっくり売上 −(材料費+人件費+家賃や光熱費など)=利益。
- この中で最低賃金が上がると、人件費が底上げされます。アルバイトだけでなく、連動して社員の賃金レンジも見直されがち。
- さらに、物流費や電気代も上がりがち。つまり「材料費だけ上がった時代」から「材料費+人件費+その他が同時にじわっと増える時代」へ。価格を少しずつ見直すのは赤字回避の普通の動きです。
ポイント:ここまで全部“悪いこと”ではありません。お店が生き残る=好きなお店が続く確率が上がる、だから。
なぜ“+30円”“+50円”の小刻み改定が多いの?
- 人件費は時給×シフト時間×人数で効いてきます。最低賃金が+66円なら、ランチ・ディナー通して合計何十時間×何人分で月の固定的な増加に。
- 外食は客単価1,000円前後のお店も多いので、+30〜+50円の値直しで“人件費の底上げ+他コスト”をゆっくり吸収しがち。
- 値上げ幅を小刻みにするのは需要を壊さないためのリスク管理。実際、値上げ局面でも外食需要は底堅いという報道もあります。
ポイント:小刻み改定は“様子見”ではなく計算の結果。お客にとっても支払い行動の調整がしやすい。
「値上げ=悪」から「満足/円で選ぶ」へ
- ここでメンタルモデル。“満足/円”=(得られる満足)÷(支払う金額)。
- 同じ1,000円でも、提供時間が短くて味も普通なら満足/円は中くらい。逆に接客が気持ちよく、混雑さばきがスムーズ、味に工夫があれば、たとえ1,050円でも満足/円は上がる。
- 人件費が上がると、お店は人に時間と手間をかけられる余地が増える(教育・シフト安定・離職低下)。結果、体験の質が上がりやすい。少し高くても“行く価値”に変わるわけです。
結論:これからの外食は「さっと満たす」か「ちゃんと感動」に寄っていきます。真ん中は薄くなる。あなたは使いどころを決めるだけ。
ここまでで、「値上げは何のため?」の霧は晴れたはず。最低賃金+春闘の継続で人件費は上向き前提。その分、価格は段階的に上。でも視点を「満足/円」に切り替えれば、損はしません。むしろ、良い店にお金が流れ、体験が底上げされる。次は、あなたの生活にそのまま差し込める“超かんたん会計の実践編”へ。平日と週末でお金の使い方を分けるだけで、幸福/円はガツンと上がります。
超かんたん会計——財布は「3つの箱」と「幸福/円」で回す

むずかしい表やアプリは不要。外食の判断は、お金の置き場所を3つに分ける→平日と週末で役割を分ける→満足/円で最後に決める。たったこれだけでブレにくくなります。ここでは数字に弱い人でも今日から使える型を用意しました。紙のメモでもOK。
「3つの箱」で迷いを消す
見える化の第一歩は、財布の中身を3つの箱に切ること。
- 固定費の箱:家賃・通信・サブスク。毎月同じ。
- 変動費の箱:食費・日用品・外食。ここを調整していく。
- 遊び枠の箱:ライブ・旅行・推し活。心のガソリン。
外食は変動費の箱に入れます。ポイントは月ではなく週で上限を決めること。月だと途中で感覚がにぶるから。
例)変動費60,000円/月 → 週あたり15,000円。このうち外食は5,000円までと決めておく。数字はあなたの生活に合わせてOK。「上限=ダメ」ではなく、配分の目安だと思ってください。
平日・週末の“二刀流”で幸福/円を最大化
外食の満足は「時間×体験」で決まります。ならば、平日と週末で役割を分けるのが合理的。
- 平日(効率担当):ランチ1回だけ良店に行く。他は家・社食・弁当で軽く。行く店は「速い・うまい・混まない」の3条件。
- 週末(ご褒美担当):家でちょい豪華自炊。外食は“カフェで長居”や“特別な店”など、時間を味わう使い方に厳選。
数で見ると腹落ちします。
例)外食5,000円/週の人
- 平日:1,200円の良店ランチ×1=1,200円
- 週末:自炊ご馳走(材料1,800円)+カフェ1回(800円)=2,600円
- 残り1,200円は“今週の余り”として繰り越し or 来週の特別枠へ。
これで回数は少なくても体験密度が上がる。衝動的な夜外食が減り、合計の満足/円が伸びます。
店選びは“満足/円スコア”でサクッと判定
最後の一押しは数値化。感覚を5分で点数にします。
- 評価軸(各0〜5点):味/速さ(待ち時間)/接客/居心地(席・音)/栄養バランス/アクセス
- 合計点を支払額(百円単位)で割る。
式:満足/円スコア=合計点 ÷(価格÷100)
※高い店でも体験が良ければスコアは伸びる
ざっくり例:
- 牛丼並500円:合計18点 → 18 ÷ 5=3.6
- 定食屋1,050円:合計28点 → 28 ÷ 10.5=2.67
- 旬の良ランチ1,200円:合計34点 → 34 ÷ 12=2.83
- 静かなカフェ1,000円(作業1時間含む):合計30点 → 30 ÷ 10=3.0
数字は主観でOK。大事なのは比べ方が一定になること。あなたの“良い時間”に点が乗るなら、多少の値上げでも行く価値ありと判断できます。
まとめると、3つの箱→週上限→二刀流→スコア判定の順で決めれば、外食は“なんとなく”から卒業できます。値段が動いても、使う場面を決めて、良い体験に集中投資すればブレません。次は、実際にどのメニュー・どの組み合わせが効くのかを、もっと具体的に落とし込みます。買い方・作り方・頼み方の“コツ”まで一気にいきます。
実践レシピ——「頼み方・買い方・作り方」で、満足/円を底上げする

ここからは“どう動くか”の具体編。やることは3つだけです。
(1) 頼み方を整える(外食)/(2) 買い方を決める(週末自炊)/(3) 作り方をテンプレ化する(家ご馳走)。
むずかしいテクは不要。迷いを減らすルールを先に決めると、値段が動いても幸福/円は下がりません。以下は、数字が苦手でもそのまま使える“型”です。
外食の「頼み方」——小さく足して、大きく取る
1) 先に“満腹条件”を決める
「主食は並」「肉は小さめ」「野菜は一皿追加」——こう決めてからメニューを見ると、余計なトッピングに流されない。
例:ラーメン並+味玉(+120円)より、並+小鉢の野菜(+100〜150円)の方が、満足/円が上がりやすい(後半の重さが減り、午後のパフォーマンスが保てる=体験価値が長持ち)。
2) セットの“いらない”を切る
ドリンクは水、スープは省く、デザートは別日に回す。セットで**+250円を外すだけで、週1回なら月1,000円近く浮きます。浮いた分は良店ランチのグレードアップ**に回すのが正解。
3) 混雑の“谷”を狙う
11:30前か13:30以降。待ち時間が10分短いだけで、体験の総得点は上がります(席の余裕=居心地、店員さんの余裕=接客)。同じ1,000円でも静かな時間帯の方が満足/円は高い。
4) 「ハーフ&シェア」を標準装備に
揚げ物や甘いドリンクは半分で十分満足になりがち。2人なら「主菜を1つ豪華」にして、副菜やデザートはシェア。客単価は少し下げつつ体験は上げる動き方です。
週末“家ご馳走”の「買い方」——3点買えば勝ち筋が決まる
1) たんぱく質は“主役1+脇役1”
主役(鶏もも・鮭・厚切り豆腐など)を1つ、脇役(納豆・卵・ツナ缶など)を1つ。主役で満足、脇役でタンパク補強。
2) 香り担当を1つ
大葉・ねぎ・レモン・柚子こしょう・粒マスタードのどれか。同じ材料でも一段跳ねる。結果、外食と競れる楽しさが出ます。
3) 食感担当を1つ
ナッツ、揚げ玉、ザク切りキャベツ、韓国のり。「サク/フワ/シャキ」のどれかを足すと満足が2割増し。単価は小さく、体験は大きく。
買い方テンプレ(2人・2食分の目安)
- 鶏もも 300g(主役)
- 卵 2個 or 納豆2パック(脇役)
- きのこ+葉物(野菜)
- 炊いたごはん 2膳分 or パスタ200g(主食)
- レモン or 大葉(香り)/砕きナッツ(食感)
これで材料費1,600〜2,000円ほど。外食で同等の満足を狙うと2,500〜3,000円になりがちなので、差額は“良店ランチ資金”へ回す。二刀流が回り始めます。
「作り方」テンプレ——手間5分で“店っぽい”に到達する
テンプレ1:カリ旨チキン+レモンキャベツ(調理10分)
- 鶏ももを塩コショウ→薄く片栗粉。
- フライパンで焼く(油少なめ・強めの火で表面カリッ)。
- ちぎりキャベツに塩+レモン(またはポン酢)。
- 仕上げにナッツを砕いてパラリ。
→ 重くないのに満たされる。レモンとナッツの香り×食感で外食級。
テンプレ2:鮭きのこバター醤油(調理8分)
- 鮭に塩。
- きのこを先に炒めて水分を飛ばす。
- 鮭を入れて両面焼き、最後にちょいバター+醤油で香り付け。
→ ごはん1膳で十分満足。脇役の卵スープを足せば完成度UP。
テンプレ3:豆腐ステーキのツナソース(調理7分)
- 木綿豆腐の水切り→片栗粉を薄く。
- 焼いて香ばしさを出したら、ツナ+マヨ+レモンでソース。
→ コスト低めでたんぱく質しっかり。満足/円が高い定番。
盛り付けのコツは“高低差”
同じ皿でも、主役は少し高く盛る、副菜は面を広く。視覚の満足が上がる=体験点が上がる。料理は“写真うつり”より“立体感”が効きます。
外食は頼み方を整える、家ご馳走は買い方と作り方をテンプレ化。この2本で、値上げの波でも満足/円は落ちないどころか、むしろ上がります。平日は良店1回で密度高く、週末は家でご馳走。余った分は次の“特別な一食”に積み立てる。お金の使い方が“意思ある選択”に変わると、味も時間も記憶に残ります。次はラスト、この先一年の“ぶれない指針”を、気持ちよく締めてお渡しします。
結論|“高くなる不安”は、“選べば報われる”に変えられる
外食の値段は、これからもしばらく“じわっと上がる”のが普通です。けれど、それは「悪い店に搾られる未来」じゃない。人にちゃんとお金が回る=体験の質が底上げされるチャンスでもあります。ここまでのポイントはシンプルでした。
- 値段はコントロールできない。でも選び方はコントロールできる。
- お金は3つの箱に分け、週上限で運転する。
- 平日は良店ランチ1回、週末は家ご馳走の二刀流で、幸福/円を底上げ。
- 迷ったら、味・速さ・接客・居心地などを点数化して、満足/円スコアで決める。
この型に沿うだけで、「なんとなく外食」や「つい散財」が消えます。値上げの波が来ても、“使う場面を選び、良い体験に集中投資”していれば満足は落ちない。むしろ、店と客の“いい関係”が続く。混まない時間に行く、小鉢で野菜を足す、セットの“いらない”を外す——そんな小技の積み重ねが、時間の質も身体の軽さも変えます。
そして何より、「今日は何にお金を託す?」と自分に聞けるようになる。値段を見る前に、体験の設計図を描く。その視点さえ持てば、メニューの+30円や+50円は、もう怖くない。あなたの“一食”は、気分と体調、予定と気候、誰と食べるかまで含めた小さなプロジェクトです。プロジェクトの成功条件はただ一つ——満足/円で納得できるか。
これからの一年、財布の向きを少しだけ変えていきましょう。数ではなく密度。節約ではなく選択。好きな店に“推し投資”しつつ、家でも自分にご馳走を。値上げのニュースが出るたびに、深呼吸してこう言えばいい。「大丈夫。私は選べる」。その選択が、ちゃんとあなたの毎日をおいしくしていきます。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『イラスト図解 知っているようで知らない 物価のしくみ』
物価ってそもそも何? なぜ上がる? 家計にはどう響く? を図解でやさしく整理。インフレ局面の“見方の土台”をつくれます。初心者が最初に読む一冊として鉄板。
『家計と世界情勢の関係がまるわかり! 暮らしと物価の地政学』
エネルギー・食料など21の重要物資を切り口に、世界の出来事が日本の物価や生活費にどう波及するかをビジュアルで解説。外食や食材コストの“背景”が腹落ちします。
『賃金とは何か 職務給の蹉跌と所属給の呪縛(朝日新書963)』
日本の賃金の成り立ちと最低賃金の位置づけを歴史と制度から読み解く本。なぜ“賃上げは続く”のか、外食の人件費がどう効くのかの長い目線が手に入ります。
『賃金・労使関係データ 2025/2026』
地域別最低賃金、モデル賃金、退職金など、実務データがまとまった年次資料。数字で現状を押さえたいときの“地図帳”として便利。記事の根拠固めにも。
『細野真宏のつけるだけで「節約力」がアップする家計ノート(最新版)』
“つけるだけ”の超シンプル家計簿。費目分けが苦手でも回せる設計で、本文の「3つの箱」や「週上限」の実践に相性バツグン。まず手を動かすならコレ。
それでは、またっ!!
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