みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
あなたのポートフォリオは“どの歯車”で利益を生み出していますか?
「ソニーが通期の営業利益見通しを1.43兆円に上方修正」──ニュースでこの数字を見ても、「結局、なにがそんなに良くなったの?」と感じた人も多いはずです。しかも理由は、「米国の追加関税の影響が思ったより小さかったこと」と「アニメ・音楽などIP(知的財産)ビジネスが絶好調だったこと」。
数字だけ聞くと難しそうですが、ざっくり言えばこうです。
「関税コストの想定が下がった」+「儲かるアニメIPが走った」=ソニー全体の“粗利の質”がよくなった。
ソニーは当初、「米国の追加関税で今期は700億円くらい利益を削られそう…」とみていました。ところがフタを開けてみると、影響は500億円程度にとどまりそうだと見直したのです。
同時に、『鬼滅の刃 無限城編』などアニメ映画や音楽ビジネスが世界的ヒットとなり、高い粗利率のIPビジネスが全体を押し上げる形になりました。
この記事では、このニュースを
「どこで粗利が戻ったのか?」
という視点から、初心者向けにやさしく分解していきます。
このブログでわかること
- 関税で利益が削られるって、そもそもどういう仕組みなの?
難しい会計用語は飛ばして、「コストが想定より少なかったってどういうこと?」をイメージで理解できるように解説します。 - ソニーの“アニメ・映像・音楽”ビジネスが、なぜそんなに儲かるのか?
いわゆる「IPビジネス」の強さを、- グッズ
- 配信
- 映画館
など身近なところから紐解いて、「粗利率が高いってこういうことか」を感覚でつかんでもらいます。
- 個人投資家としてどう活かす?「1行会計メモ」のコツ
「関税の前提↓+高採算IP↑=粗利率のミックス改善」という1行会計の考え方をベースに、
「自分の保有銘柄でも、同じように“どの歯車で戻すのか”を1行メモにしよう」
という“今日から使えるテクニック”も紹介します。
要するにこの記事は、
「ソニーの決算ニュースをきっかけに、“企業のどこで粗利が戻るのか”を読み解く目を育てる」
ことをゴールにしています。会計や投資の専門知識がなくても大丈夫。
ニュースで見かけた「1.43兆円」「関税」「アニメ好調」といった断片的なワードが、読み終わる頃には一本のストーリーとしてつながるはずです。
目次
関税ショックの正体を「コンビニ弁当」で考える

ソニーのニュースでは「米国の追加関税の影響を見直し」という言い方をしていましたが、これだけだと何が起きているのかピンと来ませんよね。
まずは関税=コンビニ弁当が急に値上がりするイメージでとらえてみましょう。
ソニーの場合、ゲーム機や電子機器などを世界中で売っています。そこに「アメリカに入ってくるモノには追加で◯%の税金ね」というルール(関税)がかかると、そのぶんコストが増えて利益が削られることになります。
今回ソニーは、「この関税で今期はこれくらい利益が減りそう」とかなり保守的に見積もっていたのですが、ふたを開けてみたら想定ほどは痛くなかった。そのぶん、営業利益の見通しを上に修正できた、という流れです。
ここからは、
- 関税って企業にどう効いてくるの?
- 「想定より軽かった」ってどういう意味?
- 個人投資家は決算を見るとき、どこをチェックすればいい?
この3つを、日常の感覚に落とし込んで解説していきます。
関税は「レジで急に足される追加料金」
まず関税のイメージをハードル低めにしておきましょう。
関税というのは、国境をまたぐときにかかる“通行料”みたいな税金です。
たとえば、あなたが海外の高級お菓子を輸入して日本で売るとします。仕入れ値が1,000円だとしても、日本に入れるときに「関税10%」と言われたら、実質1,100円で仕入れているのと同じです。
企業側から見ると:
- 仕入れコストが上がる
- でも、売値に全部は転嫁しづらい(値上げすると売れないかもだから)
- 結果として「儲けが削られる」
という流れで効いてきます。
ソニーにとっても、アメリカ向けに売る製品に関税がかかると、
売上は同じでも、粗利(売上−原価)が目減りするイメージです。
「想定より関税が軽かった」=最初にかなり“悪め”に見積もっていた
では、「関税の影響を見直し」というのはどういうことか。
企業は通期の業績見通しを出すときに、
- 為替(ドル円は◯円ぐらいで動くだろう)
- 原材料費(半導体はこれくらいの価格だろう)
- 関税(このルールが続けば、これくらいコスト増だろう)
といった前提を置いて計算します。
ソニーはこの関税の前提をかなり保守的(=悪い方向に多め)に見積もっていました。
ところが実際には、
- 想定していたより関税負担が小さくなりそう
- あるいは、価格転嫁やコスト削減で吸収できた部分が大きかった
といった要因が重なって、
「思ってたほどは利益を削られなさそう」→見通しを上方修正
という流れになったと考えられます。
ここでのポイントは、
「売上が爆増したから」だけじゃなく
「想定していたコストが思ったより軽く済んだ」
という“前提条件の変化”も、利益を押し上げる要因になる
ということです。
個人投資家の“1行メモ”:「関税前提↓=コストの上振れリスクが剥がれた」
この話を投資にどうつなげるか。
おすすめなのが、ニュースを見たときに1行だけメモを残すことです。
今回のソニーなら、
「関税の前提↓=想定コストが軽くなり、粗利が戻った」
くらいの短いメモでOKです。
決算資料をガッツリ読み込まなくても、
- どのコスト要因が効いていたのか(為替? 原材料? 関税?)
- そのうち、どれが「思ったよりマシだった」のか
を1行で整理しておくと、
次の決算やニュースを見たときに「あ、前にここがリスクだったやつだ」とつながりやすくなります。
そして銘柄別に、
- A社:為替前提↓で粗利が戻った
- B社:原材料価格↓で粗利が戻った
- C社:関税前提↓で粗利が戻った
と並べて眺めると、
「自分のポートフォリオはどのリスク要因に依存しているか」が少しずつ見えてきます。
このセクションでは、ソニーの決算ニュースに出てきた「関税」というワードを、コンビニ弁当レベルの感覚に落としてみました。
次のセクションでは、もう一つのキーワードである「アニメ・音楽などのIPビジネスがなぜ粗利を押し上げたのか」を深掘りしていきます。
アニメと音楽が「粗利のエース」になる理由

ソニーの今回の決算で、もう一つ大きなポイントが「アニメ・音楽などIPビジネスの快走」です。
とくに『鬼滅の刃 無限城編(Infinity Castle)』が世界的ヒットしていて、ソニーの見通し上方修正の説明でも、アニメを含む音楽・映像ビジネスがしっかり名前を出されています。
ここでのキーワードが、
「IP(知的財産)=キャラクターや物語そのものが資産」
「高採算IP↑=粗利率のミックス改善」
という考え方です。
難しく聞こえますが、要するに
- いったん当たったIPは、「何度も、いろんな形で売れる」
- 追加コストがそれほど増えない割に、売上が積み上がる
- 結果として、全体の粗利率を引き上げる“エース商品”になる
という話です。
ここでは、
- IPってそもそも何がそんなにおいしいの?
- アニメ・音楽ビジネスは、どうやって「何度も売る」の?
- ソニーの場合、『鬼滅』がどうやって数字に効いているの?
この3つを、できるだけ日常の感覚に近い形で整理していきます。
IPとは「キャラと世界観そのものが商品」
IP(Intellectual Property=知的財産)と聞くと一気に難易度が上がりますが、ざっくり言い換えると、
「ドラえもん」や「ポケモン」みたいに、キャラクターと世界観そのものがお金を生む仕組み
と思ってもらえばOKです。
たとえば『鬼滅の刃』なら、
- 物語(ストーリー)
- キャラクター(炭治郎・禰豆子たち)
- 世界観(大正×鬼×刀などの設定)
この一式がIP=“権利の塊”です。
このIPを持っている会社は、
- アニメ
- 映画
- グッズ
- ゲーム
- 音楽(主題歌やサントラ)
- 配信サービスでの視聴料
- イベント・ライブ
など、いろんな形に姿を変えてマネタイズ(お金に変える)できます。
ポイントは、
「一つのIPが当たると、“一発屋”で終わらず、何年にもわたってキャッシュを生み続ける」
という構造になりやすいことです。
アニメ・音楽ビジネスは「何度も使える原作」で粗利を稼ぐ
では、なぜアニメや音楽が粗利率の高いビジネスになりやすいのか。
ざっくりいうと、
- 最初にドカッと制作費がかかる
- いったんヒットすると、追加コストはそこまで増えずに「横展開」できる
- 同じIPで何回も売り上げのチャンスを作れる
からです。
実際、『鬼滅の刃』最新映画である「無限城編」は、
世界興行収入がすでに6億ドル超(約900億円規模)に達していると報じられています。
この1本の映画だけで終わりではなく、
- 映画をきっかけに原作コミックスやアニメシリーズの視聴が増える
- 主題歌やサウンドトラックのストリーミング再生が伸びる
- グッズやコラボ商品が売れる
- 次回作や続編への期待が高まり、また次の興行につながる
というふうに、一つのヒットが“連鎖”していきます。
コンビニでいうなら、
「原価の安い人気スイーツがバズって、
ついで買いも増え、全体の利益率が上がる」
ようなイメージです。
モノづくりの世界(工場で作るハードウェア)と比べると、
IPビジネスは「在庫や材料費」という意味でのコストは軽く、
“権利”をいかに広く展開するかが勝負になってきます。
ソニーの場合:『鬼滅』ヒットがどう粗利ミックスを変えるか
ここで、ソニーのケースに戻ります。
今回の決算でソニーは、
- 通期の営業利益見通しを1.43兆円に上方修正
- 理由として「米国関税の影響見直し」とともに
「アニメ・音楽などエンタメ事業の好調」を示している
と報じられています。
『鬼滅の刃 無限城編』を手掛けるアニプレックス(Aniplex)はソニー傘下であり、
このシリーズは映画興行だけでなく、音楽・配信・グッズなど幅広く収益を生んでいます。
ソニー全体で見ると、
- ゲーム&ネットワークサービス(PS5など):
競争も激しく、ハード側は利益率がそこまで高くない年もある - エンタテインメント(音楽・映画・アニメなど):
IPが当たると粗利率が高い“おいしいセグメント”になりやすい
という構造があります。
今回のストーリーを「1行会計」にすると、まさにユーザーさんが書いてくれた通り、
関税の前提↓+高採算IP↑=粗利率のミックス改善
となります。
- 関税:想定していたマイナス要因がちょっとマシだった
- IP:『鬼滅』をはじめとするアニメ・音楽が想定より強かった
この2つの歯車が同時に回った結果、
ソニー全体の「粗利の質」が良くなっている、という見方ができます。
ここまでで、
- 関税はコスト側の“逆風”だけど、今回は想定より弱かった
- アニメ・音楽のIPは、ヒットすれば粗利をぐいっと引き上げる“追い風”になる
という2つのピースがそろいました。
次のセクションでは、
これらを「自分の保有銘柄を見るとき、どう使うか?」という視点に落とし込んでいきます。
具体的には、「セグメント別粗利率×為替/関税前提を1行メモ化して、“どの歯車で戻すか”を見抜く方法」を、初心者向けにかみ砕いていきます。
「1行会計メモ」で“どの歯車で戻すか”を見抜く

ここまで、
- 関税=コストが想定より軽くなった
- アニメ・音楽などIP=粗利率の高い事業が走った
という2つの話をしてきました。
ここからは、それを「自分の投資ノートでどう使うか」に落としていきます。
いきなり決算短信を全部読もうとすると挫折するので、
このセクションでは“1行会計メモ”という超ゆるいやり方を紹介します。
イメージはこんな感じです:
- ソニー:
「エンタメ(アニメ・音楽)高採算↑ + 関税前提↓ = 粗利ミックス改善」
これくらいラフでOK。
大事なのは「この会社の利益は、どの歯車で戻る(or 崩れる)のか」を、自分の言葉で一言メモしておくことです。
まずは“ざっくりセグメントだけ”把握する
「セグメント別粗利率」と聞くと一気にプロっぽくなりますが、
最初はざっくり分けるだけで十分です。
たとえば、とある家電メーカーがあったとして:
- A社のセグメント例(ざっくり版)
- 家電本体(テレビ・冷蔵庫など)
- サービス(サブスク・保守)
- コンテンツ(音楽・動画・アプリなど)
で、だいたいのイメージとして、
- モノを作って売る「本体」は、原材料費や工場コストが重くなりやすい
- サービスやコンテンツは、いったん仕組みや作品を作ると、あとからの追加コストが軽い
ので、
本体セグメント:粗利率低めになりがち
コンテンツ系セグメント:粗利率高めになりやすい
くらいの“ざっくり地図”を持てればOKです。
ソニーでいえば、
- ゲーム&ハード(PS本体など)
- ネットワークサービス(PS Plusなど)
- 音楽
- 映画・アニメ
といったセグメントに分かれていて、
音楽・アニメなどは「粗利のエース」になりやすい、とイメージしておく感じです。
1行メモのテンプレは「セグメント × 追い風/向かい風」
次に、「1行会計メモ」のテンプレを決めてしまいましょう。
おすすめはこんな形です:
【会社名】 粗利エース=〇〇セグメント × 追い風/向かい風=△△
ソニーの今回の話なら、
ソニー:粗利エース=音楽・アニメIP × 追い風=ヒット作好調/関税前提↓
くらいで十分です。
別の例も挙げると:
- 輸出比率が高いメーカー
- 「A社:粗利エース=海外売上 × 追い風=円安、リスク=為替急騰」
- 原材料を大量に使うメーカー
- 「B社:粗利エース=高付加価値製品 × リスク=原材料価格↑」
- サブスクサービス中心のIT企業
- 「C社:粗利エース=サブスク会員数 × 追い風=解約率低下」
こんな感じで、
- どのセグメントが“粗利エース”か
- 今は「追い風」なのか「向かい風」なのか
- その要因は為替なのか、関税なのか、新作ヒットなのか
を一言だけ書いておきます。
決算記事や企業説明資料を読んだあとに、
「この会社はどこで稼いでるんだっけ?」を1行に圧縮するイメージです。
“どの歯車で戻すか”が見えると、ニュースの解像度が一気に上がる
この1行メモの良さは、ニュースが“つながり始める”ことです。
たとえば、ソニーでこんな感じのニュースが出たとします:
- 「新作アニメ映画が過去最高の興行収入」
- 「米国の関税ルールが見直されるかも」
- 「為替前提を1ドル=○○円に変更」
ここで、あなたのノートにこう書いてあれば:
ソニー:粗利エース=音楽・アニメIP × 追い風=ヒット作好調/関税前提↓
ニュースを見た瞬間、
- 「あ、これはエースセグメント(アニメIP)の追い風だな」
- 「これは関税リスクが剥がれる話だから、コスト側が楽になるな」
と、どの歯車に効くニュースなのかが、直感的にわかるようになります。
逆に、悪いニュースが出たときも同じです。
- 円高方向に急に振れた
- 原材料価格が高騰した
- 主要IPの新作がコケた
などが起きたときに、
「この会社はどの歯車で利益を出していて、
今のニュースはそのどこを直撃しているのか?」
を、1行メモを見ながら考えられるようになります。
投資初心者のうちは、
株価の上げ下げに気を取られがちですが、
「どのセグメントの粗利が、どの前提条件で左右されているか」を意識し始めると、
決算の見方が一気に“プロ視点寄り”に近づいていきます。
このセクションでは、
- まずはセグメントをざっくり把握する
- 「粗利エース × 追い風/向かい風」を1行にまとめる
- それによって、「どの歯車で戻す(or崩れる)のか」が見える
という“1行会計メモ術”を紹介しました。
次はラストの結論パートとして、
ソニーの今回のケースをふり返りながら、
「ニュースを“数字の物語”として読む楽しさ」をまとめていきます。
結論:ニュースを「粗利の物語」として読むということ
ここまでソニーの決算を題材に、
- 関税という“見えにくいコスト”
- アニメ・音楽IPという“粗利のエース”
- それらをつなぐ「1行会計メモ」
という3つの視点を見てきました。
今回のソニーのストーリーを一言でまとめると、まさにこれでしたね。
関税の前提↓+高採算IP↑=粗利率のミックス改善
数字だけ見ると無機質ですが、
中身をほどいていくと、ちゃんと“物語”になっています。
- 当初は「関税でこれだけ削られそう」とビクビクしていた
- でも実際にはそこまでは痛くなかった(前提が少し楽になった)
- そこへ『鬼滅の刃 無限城編』などアニメ・音楽のヒットが重なり、
粗利率の高いビジネスが全体を引き上げた
この「逆風が少し弱まり、追い風が強まった」瞬間が、
通期営業益1.43兆円への上方修正という形で表に出てきたわけです。
そしてここから、個人投資家として一歩踏み込んだ視点を持つなら、
- この会社の“粗利エース”はどのセグメントか?
- そのエースにとって、いまのニュースは追い風か? 向かい風か?
- 為替や関税といった「前提条件」は、どこを揺らしうるのか?
を、自分の言葉で1行メモにしておくことが大きな武器になります。
今回でいえば、
- ソニー:
「粗利エース=音楽・アニメIP × 追い風=ヒット作好調/関税前提↓」
この1行がノートにあるだけで、
- アニメ映画の興行ニュース
- 米国の関税ルール変更の話
- 為替前提を見直したというリリース
こういったニュースが出るたびに、
「それはソニーのどの歯車に効く話なのか?」を、
一段クリアな目で見られるようになります。
投資はどうしても「株価が上がった・下がった」に意識を持っていかれがちですが、
本当の意味での“筋の良さ”は、
「どのビジネスが、どんな前提条件のもとで粗利を生んでいるのか」
を理解しようとするところから育っていきます。
決算書を全部読み込めなくても大丈夫です。
まずはあなたの保有銘柄について、今日の一手として書いてみてください。
- 【会社名】 粗利エース=〇〇セグメント × 追い風/向かい風=△△
たった1行でも、積み重ねていくと
ニュースの解像度がどんどん上がっていきます。
そしてある日ふと気づくはずです。
「同じ決算記事を読んでいるはずなのに、自分の見えている景色が前より一段深いぞ」と。
ソニーの「関税ショックをアニメIPでねじ伏せた」今回の決算は、
そんな“見方のアップデート”にぴったりの教材でした。
ここで身につけた「粗利で読む」「1行で要約する」という感覚は、
ソニー以外のどんな銘柄にも、そしてあなた自身のキャリアや仕事にもそのまま応用できます。
数字は冷たいように見えて、
実は企業がどんな戦略をとり、どの歯車を全力で回しているかを物語る“セリフ”のようなものです。
これからも、ニュースをただ消費するのではなく、
「この会社はどこで粗利を取りにいっているんだろう?」
という小さな問いを、自分の中で転がしてみてください。
きっと投資もニュースも、少しだけ面白く、少しだけ立体的に見えてくるはずです。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
オールカラー 知識ゼロから読めるようになる!決算書「超」入門
- 著者:大下 航
- 出版社:ナツメ社
「数字が苦手」「まず“決算書って何?”レベルから知りたい」という人向けの、完全にゼロから始める決算書入門書です。
オールカラー&図解中心なので、PL・BS・CFといった用語も、教科書というより“イラスト付きの解説ノート”を読む感覚でサクサク入ってきます。
このブログで出てきた「粗利」「セグメント」みたいなキーワードも、視覚的にイメージでつかめるのが強み。
「最初の1冊」で迷っているなら、ここから入っておくと、その後の投資本・会計本の理解スピードが一気に上がります。
決算書「分析」超入門2025 ― 100分でわかる!
- 著者:佐伯 良隆
- 出版社:朝日新聞出版
こちらは「決算書ってこう読むんだ」を、具体的な企業例で学べる“次の一歩”の本です。
トヨタやMeta(旧Facebook)、メルカリなど、ニュースでも見かける会社の数字を題材に、「どこを見れば、その会社の強み・弱みがわかるのか」を解説しています。
映画1本分=100分で読めるボリューム感なので、
- まず①のような超入門でざっくり構造を知る
- 次にこの本で「実際に数字を追う感覚」を身につける
という二段ロケット構成にすると、決算短信・IR資料への苦手意識がかなり薄れます。
「ソニーの粗利ミックスって、他社と比べてどうなんだろう?」と考え始めた人にちょうどいい1冊です。
結果を勝ち取る!実践の株式ファンダメンタルズ
- 著者:足立 武志/DAIBOUCHOU
- 出版社:スタンダーズ
「数字の読み方はなんとなくわかった。じゃあ、それをどう投資判断に落とすか教えてくれ」という段階の人向け。
財務諸表・四季報・IRなどの情報を実際の投資アイデアに落としていく、“実戦ファンダメンタルズ本”です。
- どんな決算が“買い”で
- どんな決算が“危険信号”なのか
- どこまで織り込まれていると考えるか
といった、机上の理屈ではなく「現場感のある判断軸」が丁寧に語られています。
このブログで紹介した「1行会計メモ」を、リアルな売買の意思決定にどうつなげていくかを深掘りしたい人におすすめです。
図解入門業界研究 最新アニメ業界の動向とカラクリがよ〜くわかる本[第4版]
- 著者:谷口 功/麻生 はじめ
- 出版社:秀和システム
アニメ・IPビジネス側を深掘りしたい人向けの業界解説本です。
制作委員会方式、製作会社と版権の関係、配信プラットフォームとの取り分、海外展開、クリエイターの待遇問題まで、
「アニメってなんでこんなに儲かる作品と、そうでもない作品があるの?」という疑問に答えてくれます。
ソニーのようにアニメ・音楽IPで粗利を稼いでいる企業を見るとき、
「お金がどこから入り、どこに流れていくのか」がわかっていると、決算の数字を見る目が一段シャープになります。
推し作品をただ消費する側から、「ビジネスとしてどう回っているか」を覗いてみたい人にも刺さる1冊です。
エンタメビジネス全史 「IP先進国ニッポン」の誕生と構造
- 著者:中山 淳雄
- 出版社:日経BP
任天堂、ポケモン、ジャンプ、コミケ、エヴァ、ジブリ、鬼滅、ソニー……
日本発のエンタメIPがどうやって“IP先進国ニッポン”を作り上げてきたのかを、通史としてまとめた本です。
一見バラバラに見えるコンテンツが、
- どんな時代背景の中で生まれ
- どんなビジネスモデルを築き
- どうやって世界市場を取りにいったのか
という“巨大なストーリー”が見えてきます。
このブログで触れた「高採算IPが粗利ミックスを押し上げる」という話を、日本全体のエンタメ産業レベルで俯瞰できるのが最大の魅力。
読み物として普通に面白いので、
「投資本ばかりだと疲れるから、でも学びは欲しい」という人のご褒美読書枠にもぴったりです。
それでは、またっ!!
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