みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
“なんとなく変動”で組んだ住宅ローン、金利が1〜2%動いたらあなたの家計はいくら耐えられますか?
ニュースで「日銀がまた利上げかも」「長期金利1.7%台」と聞いても、正直ピンとこない人が多いと思います。
でも、変動金利の住宅ローンを抱えている人にとっては、このニュースはほぼダイレクトに“毎月の支出”に効いてくる話です。
ロイターのエコノミスト調査では、「日銀は12月の会合で政策金利を0.75%に引き上げる」と見る専門家が5割強と、12月利上げ観測がわずかに優勢になっています。
一方で、市場では日本の10年国債利回り(JGB)が1.7〜1.75%前後と、約17年ぶりの高い水準で揺れています。
これは、「金利がじわじわ上る世界」が、ほぼ既定路線になりつつあるというシグナルです。
ここで効いてくるのが、この記事のテーマである
「住宅ローン=家計の固定費として再設計する」という発想です。
多くの人は、住宅ローンを「なんとなく毎月引き落とされる支払い」として扱っています。けれど会計の目線で見ると、
利息の支払い=家計の“固定費”そのものです。
会社の決算書で言えば「利息費用」というコスト行。その金額が1%ポイント動くだけで、企業の利益はがらっと変わる。
家計も、それとまったく同じです。
だからこそ、この記事ではあえて「1行会計」というシンプルな考え方を使います。
・「いま払っている利息はいくらか」
・「金利が+1%、+2%されたら、毎月と総支払額はいくら増えるか」
この2つだけを一枚の感応表(シミュレーション表)に落とすことで、将来じわじわ効いてくる“見えない特損”を見える化していきます。
そして、今日のゴールはとても具体的です。
変動金利の住宅ローンを持っている人が、
- 「金利が○%まで上がったら、繰上げ返済する」
- 「返済額が月○万円を超えたら、固定金利(またはミックス)に切り替える」
といったマイルールの“基準線”を、自分で決められる状態にすること。
そのためにこの記事では、
- 日銀の利上げと長期金利の今の状況を、ニュースをほとんど見ない人でも分かるように整理
- 「利息=固定費」として、住宅ローンを会計の目線でざっくりととらえ直す
- 変動ローンの人が今週中にやるべき、「金利+1%/+2%」の返済シミュレーションと、繰上げ・固定化の考え方
この3ステップで話を進めていきます。
難しい数式や専門用語は極力抜きにして、エクセルが苦手な人でも紙とペンで描けるレベルで解説していくので安心してください。
金利が本格的に上がってから慌てるのではなく、上がる前に「家計の固定費の設計図」を描き直せるのは今のうちかもしれません。
この記事を読み終えるころには、「なんとなく不安な住宅ローン」から、「数字で管理している住宅ローン」に、一歩踏み出せるはずです。
目次
いま起きている「金利の変化」をざっくり整理する

まずは、「そもそも何が起きているのか」を、ニュースをほとんど見ない人向けにざっくり整理します。
ここがふわっとしたままだと、「なんかみんな利上げって言ってるけど、結局自分に関係あるの?」で終わってしまうからです。
ニュースやマーケットでは、
- 「日銀、次の利上げタイミングは12月の可能性が高い」
- 「10年国債の金利が1.7〜1.75%台と、17年ぶりの水準」
- 「エコノミストの半分くらいが12月利上げを予想」
こんな言葉が飛び交っています。
ただ、ここで大事なのは細かい数字ではなく、
「日本の金利が、長く続いた“超低金利時代”から、じわじわ上向きにシフトしつつある」
という方向性です。
この方向転換が、変動金利の住宅ローンを持つ人にとっては、家賃の値上げ通知みたいなインパクトを持ち始めている——これが今の状況です。
日銀が利上げすると、何がどう変わるの?
まず「日銀が利上げ」と聞いたときに、ざっくりイメージしてほしいのは、
「お金を借りる“標準的な値段”の底上げが起こる」
ということです。
日銀が動かしているのは「政策金利」と呼ばれる、いわば日本のお金の“基準金利”。
ここが上がると、
- 銀行同士がお金を貸し借りするときの金利
- 銀行が企業や個人に貸すときの“仕入れコスト”
もじわじわ上がっていきます。
すると銀行は、
- カードローンや事業ローンの金利
- 新規の住宅ローンの金利(特に変動部分)
を、少しずつ引き上げざるを得なくなっていきます。
もちろん、銀行はすぐにドカンと上げるわけではなく、
- 競合他社の動き
- 住宅ローンのシェア争い
- 既存顧客への配慮(優遇金利など)
を見ながら、じわじわ・こっそり上げていくイメージです。
ここでポイントなのは、
- 「政策金利」=日銀が決める金利(短期の土台)
- 「住宅ローン金利」=銀行が決める金利(政策金利+銀行の事情)
という関係でつながっている、ということ。
だからニュースで「日銀が利上げ」と聞いたら、
「あ、数か月〜数年かけて、住宅ローン金利も上がってくるコースに入ったかな」
と理解しておけばOKです。
ニュースで見る「10年国債1.7%」って、何の数字?
もうひとつ、よくニュースに出てくるのが
「10年国債の利回りが1.7%台に上昇」
といった表現です。
これは、ざっくり言うと
「国が10年間お金を借りるときに、投資家に約束する利息のパーセンテージ」
だと思ってください。
- 国が「1.7%で借りてくれますか?」と投資家に提案
- 投資家が「それなら買ってもいいかな」と思えば成立
- 「もっと利息がほしい」と思えば、国債の価格が下がり、利回りが上がる
という仕組みです。
ここで重要なのは、
- 10年国債の利回り ≒「長期金利」の代表選手
- 多くの固定金利型の住宅ローンは、この「長期金利」をベースに決まっていく
という点です。
つまり、
- 10年国債の金利が上がる
→ 長期金利が上がる
→ 新規の固定金利型住宅ローンの金利もじわじわ上がる
という伝わり方をします。
ニュースで「10年国債1.7%、17年ぶりの高水準」と聞いたら、
「固定金利ローンの“原価”が、じりじり上がってきている」
と受け取っておけば十分です。
なぜ「12月」がそんなに意識されているのか?
最近のニュースやレポートでは、
「次の利上げは12月会合では?」
という話がよく出てきます。これにはいくつか理由がありますが、家計目線で押さえておきたいのは2点です。
① 市場もプロも、“どこかで利上げ再開”はほぼ織り込みつつある
エコノミストへの調査では、
- 「10月会合での利上げ」予想は少数派
- 「12月会合までには利上げがある」と見る人が5割前後
と、“12月以降どこかで金利が動く”見方が広がっています。
これは、
「これまでの“超低金利前提”での人生設計は、そろそろ見直しフェーズに入りつつある」
というサインでもあります。
② 12月利上げがあると、2026〜2027年あたりのローン金利にも効いてくる
もし12月に政策金利が引き上げられると、その後の数年間で
- 銀行の短期調達コスト(変動ローンのベース)
- 長期金利(固定ローンのベース)
に、じわじわと影響が出てきます。
住宅ローンは何十年も続く契約なので、
「2025年〜2027年あたりに、変動も固定も、今より高めの金利が“普通”になる」
可能性がある、ということです。
ここで大事なのは、
- 「12月に利上げするかどうか」を当てることではなく
- 「利上げがあったとしても、家計として“耐えられる”設計になっているか?
を確認することです。
ここでは、「金利の世界」で今なにが起きているのかを、
- 日銀の利上げ
- 長期金利(10年国債)
- 12月というタイミング
という3つの切り口でざっくり整理しました。
ここまでで押さえておきたいのは、ただひとつです。
「超低金利が永遠に続く前提で住宅ローンを組んでいるなら、その前提はそろそろアップデートしたほうがいい」
ということ。
次では、
「利息=家計の固定費」という“1行会計”の考え方に踏み込みます。
ここから、あなたの住宅ローンを「なんとなく不安」から「数字でコントロール」に変えていきます。
「利息=家計の固定費」という“1行会計”でローンを見直す

ここからは、いよいよあなたの住宅ローンを家計の“固定費”として数字でとらえ直すパートに入ります。
難しい会計の専門知識は一切いりません。使うのは、たった1行だけのシンプルな考え方です。
1行会計:
住宅ローンの利息=家計の固定費
会社の決算書だと「支払利息」という項目があります。
企業はこの数字が少し増えるだけで、利益がガクッと減るので、めちゃくちゃ神経質に見ています。
同じように、私たちの家計でも
- 「いくら元金を返しているか」より
- 「毎月いくら“利息”に消えているか」
を意識するだけで、見える景色がかなり変わります。
まず「元金」と「利息」をざっくり分けて考える
住宅ローンの返済明細を見ると、毎月の支払いは
- 元金(借りたお金の返済)
- 利息(お金を借りるための“レンタル料”)
の2つに分かれています。
でも、多くの人は明細を見ても「ふ〜ん…」で終わっていて、内訳までは気にしていません。
家計の目線でいうと、
- 元金 → 将来の自分のための“貯金みたいなもの”
- 利息 → いまの生活から出ていく“固定費”
と考えるとスッキリします。
たとえば、毎月10万円の返済だとして、
- 元金:6万円
- 利息:4万円
なら、「毎月4万円は“家賃のように消えていくお金”なんだな」と理解できます。
この“消えていく4万円”が、金利上昇で5万円・6万円に膨らむかもしれない——これが金利リスクです。
だからこそ、
「私は今、毎月いくら利息を払っているのか?」
を、まず1行で書き出してみる。これが“1行会計”のスタートです。
「+1%」でいくら増える? 感応表を作る意味
次のステップが、「金利が+1%/+2%上がったら、利息はいくら増えるのか?」をざっくり見ることです。
ここで大事なのは、
- ピッタリの数字を出すことではなく
- 「どのくらいの幅で家計が揺れるのか」を感覚でつかむこと
です。
ノートに、こんな感じの表を書いてみてください(数字はイメージです):
- 現在の金利:0.5% → 利息部分:月4万円
- 金利+1.0%:1.5% → 利息部分:月6万円
- 金利+2.0%:2.5% → 利息部分:月8万円
この3行だけでも、
「あ、金利が2%上がると、利息だけで月+4万円なんだ…」
という感覚がつかめます。
これを「金利感応表」みたいなイメージで持っておくと、
- ニュースで「金利+0.25%」と聞いたとき
→ 「うちの家計だと利息がだいたい○千円〜○万円増えるな」と想像できる - 今後「金利+1%」が見えてきたとき
→ 「そろそろ繰上げ返済や固定化を考えよう」という“スイッチ”にできる
ようになります。
企業が投資の判断をするときも、
「売上が▲10%になったら利益はいくら減る?」
という“感応度”を必ず計算します。家計でも同じで、
「金利が+1%になったら、うちの固定費はいくら増える?」
という感応度を、一度でいいから数字にしてみる。
これだけで、住宅ローンが“なんとなくの不安”から“管理できるリスク”に変わります。
「将来特損」が見えると、今やるべきことがはっきりする
もうひとつ、投資や会計の目線で大事なのが、
「今は見えないけれど、将来まとまって効いてくる損失」をイメージすることです。
例えば、金利が+1〜2%上がった世界で30年払い続けると、
- 毎月の利息増加:数万円
- 30年トータルの利息増加:数百万円〜1,000万円超
という“将来特損”が発生しうるケースもあります(借入額や期間によって大きく変わります)。
ここでポイントなのは、
「将来特損があるかもしれない」という曖昧な不安
→ 「金利が+○%になると、利息がトータルでだいたい△△万円増えそう」
と、ざっくりでも数字にしてしまうことです。
数字にしてしまうと、
- 「△△万円増えるくらいなら、今のうちに◯◯万円だけ繰上げして、リスクを減らそう」
- 「この増加分なら、共働きが続く前提でギリ許容できるな」
- 「子どもの進学と重なる時期にピークが来るのは怖いから、それまでに固定に切り替えよう」
と、“行動レベルの判断”に落ちてきます。
逆に、数字にしないままだと、
- なんとなく怖い
- でもどうしていいか分からない
- とりあえず様子見
になりがちです。これは企業でいうと、
「将来出るかもしれない損失について、シミュレーションもせず放置している」
のと同じ状態です。
だからこの記事では、
- 毎月の利息を1行で書き出す
- 金利+1%/+2%の感応表を作る
この2ステップを通じて、“将来特損”を見えるところまで引きずり出そう、というのが狙いです。
ここまでが、「利息=家計の固定費」という1行会計の考え方でした。
- 元金は「将来の自分のためのお金」
- 利息は「いまの生活から出ていく固定費」
- 金利が上がると、この固定費がじわじわ増えていく
- 感応表を作れば、その“増え方”が数字で見える
という構図さえつかめればOKです。
次では、
「じゃあ具体的に、どんな基準線で“繰上げ返済”や“固定化”を考えればいいのか?」
という実践編に入ります。
「今週中にやること」を具体的なアクションに落とす

ここまでで、
- 金利は「上がる方向」に世界がシフトしつつあること
- 住宅ローンの利息は「家計の固定費」そのものであること
- 金利+1%/+2%の感応表で、“将来の特損”がざっくり見えること
を整理してきました。
最後のセクションでは、これを「じゃあ今週、具体的に何をやればいいの?」というレベルまで落としていきます。
ゴールはシンプルで、
変動ローンの人が、
「うちは金利○%までなら許容、ここを超えたら繰上げ or 固定化」
という“マイルール”を自分で言える状態にすること。
難しいことはしません。
①ローンの棚卸し → ②感応表づくり → ③マイルール決め
この3ステップを、今週中にゆっくりやればOKです。
ステップ①:まずは「自分のローンの現状」を1枚にまとめる
最初にやることは、シンプルな棚卸しです。
多くの人は、契約書はあるけど「中身はよく覚えていない」状態なので、ここを一度リセットします。
ノートでもメモアプリでもいいので、以下を書き出してみてください:
- 借入残高(今いくら残っているか)
- 金利タイプ(変動/固定/ミックス)
- 現在の金利(優遇後)
- 残りの返済期間(あと何年か)
- 毎月返済額(ボーナス返済があればその金額も)
- 繰上げ返済のルール(最低金額・手数料の有無など)
ここまで整理すると、
- 「うちは残り〇〇年で、いま年0.5%の変動、残高は2,800万円」
- 「毎月の返済は9万5,000円、そのうちいくらくらいが利息か」
と、“自分の立ち位置”がハッキリ見えてきます。
もし明細に「元金」「利息」の内訳が書いてあれば、
- 今月の利息:○○円
も一緒にメモしておきましょう。これが家計の固定費としての“現在値”になります。
ここまでできれば、もう半分終わったようなものです。
ステップ②:「金利+1%/+2%」の月返済イメージを作る
次に、いよいよ感応表づくりです。
「エクセルは苦手…」という人も多いと思うので、ここでは一番カンタンなやり方を2つ紹介します。
方法A:ネットのローン計算サイトを使う
- 「住宅ローン 返済シミュレーション」などで検索
- 自分の
・借入残高
・残り期間
・現在の金利
を入力して、「毎月の返済額」を確認 - 金利だけを
・+1.0%
・+2.0%
に変えて、同じように毎月返済額を確認
これをノートに3行でメモします:
- 現在の金利:0.5% → 毎月返済:9.5万円(例)
- 金利1.5%(+1%):→ 毎月返済:10.9万円
- 金利2.5%(+2%):→ 毎月返済:12.4万円
方法B:ざっくり「+1%で月▲▲円アップ」と見積もる
もしサイトを開くのも面倒であれば、
- 借入残高が大きいほど
- 返済期間が長いほど
「+1%」の影響は大きくなりますが、イメージとしては:
- 3,000万円を30年で返す変動ローンの場合、
+1%の金利上昇で、月1〜1.5万円くらい増えるイメージ
と考えることもできます(あくまでざっくりイメージです)。
どちらの方法でもいいので、
「うちの場合、金利+1%で毎月いくら増える?」
「+2%になったら、どこまで増える?」
を数字で書いてみる。ここがポイントです。
さらに余裕があれば、
- 現在の金利のまま最後まで返した場合の総支払額
- 金利+1%/+2%で最後まで返した場合の総支払額
も比べて、
「あ、30年トータルだと利息が△△百万円増えるのか…」
という“将来特損”の大きさもイメージしてみてください。
ステップ③:「繰上げ/固定化」のマイルールを決める
感応表までたどり着いたら、最後は「自分の基準線」を言語化するステップです。
おすすめは、次の3つの“ライン”を決めてしまうことです。
① 月返済の「これ以上はイヤだ」ライン
たとえば、
- 手取り月収の 25〜30% を超えたらNG
- 「毎月の返済が11万円を超えたら生活が苦しい」と感じるなら、その金額をラインにする
など、感覚的にイヤなラインを決めます。
感応表を見ながら、
「金利1.5%で11万円を超えるなら、その前に何か打ち手を考えよう」
といった感じで、“アラートライン”を設定します。
② 金利レベルのライン
次に、「金利がここまで上がったら動く」という金利ライン。
例としては、
- 「優遇後の金利が1.0%を超えたら、固定化を検討」
- 「1.5%を超えたら、必ず一度シミュレーションをやり直す」
など、自分がニュースを見てチェックしやすい数字にしておきます。
ニュースで「住宅ローン金利1.0%台へ」と聞いたときに、
「あ、それうちの“行動トリガー”のラインだ」
とすぐ分かるようにしておくイメージです。
③ 繰上げ返済に使っていい「キャッシュの上限」
最後が、繰上げ返済にどこまで手元資金を使ってよいかのルールです。
- 生活防衛資金として「生活費の6か月分〜1年分」は必ず残す
- 教育資金・車の買い替えなど、大きなイベントで使う予定のお金も別枠で確保
- それでも余った分のうち、たとえば「上限○○万円までは繰上げに回してOK」
というように、“使ってよいお金の範囲”を決めます。
この3つのラインが決まると、
- 「金利1.5%で返済11万円 → ラインを超えるから、部分繰上げして月返済を10万円台に落とそう」
- 「金利1.0%で固定化に乗り換えても、手元資金をあまり削らずに済むなら、選択肢としてアリ」
と、ニュースや金利の動きが、“具体的な行動”に変換しやすくなります。
まさに、
「変動ローンは“金利+1%/+2%”の月返済表を今週中に作成
→ 繰上げ/固定化の基準線を決める」
という、今日の一手そのものです。
ここまでで、
- 自分のローンの棚卸し
- 金利+1%/+2%の感応表づくり
- 繰上げ・固定化のマイルールを決める
という、「今週中にできる現実的なアクション」を一通り整理しました。
あとは、時間をとって実際に手を動かすだけです。
エクセルが苦手でも、ノートとペンさえあれば十分できます。
次のラストパート(結論)では、
- 金利上昇局面で、どう心構えを整えていけばいいか
- 「不安」ではなく「設計」に意識を向けるコツ
- 今日決めたマイルールを、これから数年どう活かしていくか
を、まとめていきます。
結論:不安を「数字」と「マイルール」に変えた人から、金利は怖くなくなる
ここまで読んで、「うわ、なんか怖くなってきた…」と思った人もいるかもしれません。
でも実は、それってすごく良いサインです。
なぜかというと、
「なんとなく大丈夫っしょ」より
「ちゃんと知って、ちゃんと備えよう」と思えた人のほうが、
お金の世界では圧倒的に強いから。
金利が上がるかどうかは、誰にも正確には分かりません。
プロのエコノミストでさえ予想を外します。
でも、将来どう動くか分からないからこそ、「今やっておけること」を丁寧にやった人が有利になります。
このブログでやってきたのは、まさにその準備です。
- 住宅ローンの利息は、家計にとってのがっつり固定費
- 金利が+1%/+2%になるだけで、毎月も、トータルも、数字が大きく動く
- だからこそ、
- 自分のローンの“現在地”を棚卸しして
- 金利が動いたときの感応表を作って
- 「ここまで来たら繰上げ/固定化する」というマイルールを決めておく
この3つをやっておけば、ニュースで「利上げ」という言葉を見ても、
感情だけで振り回されることは減っていきます。
住宅ローンって、一度契約すると30年とか35年という、めちゃくちゃ長い時間を一緒に過ごす相棒になります。
だからこそ、
- 「よく分からないまま銀行に言われるがまま」
- 「ネットで“とりあえず変動が得”と見たから」
で決めたまま放置してしまうと、
金利が動いたときに、“自分の意思ゼロ”のまま家計が振り回されることになります。
逆に、
- 利息=固定費
- 金利+1%で、うちはこうなる
- ここまで来たら、こう動く
という“設計図”を持っている人は、金利のニュースを「意思決定の材料」として冷静に受け止められます。
投資や会計の世界でよく言われるのは、
「リスクは、避けるより、管理できるようにするほうが強い」ということ。
住宅ローンの金利も同じです。
変動が悪で、固定が正義、というシンプルな話ではありません。
変動を選ぶなら、変動なりのリスク管理の型が必要で、
今日この記事で話した
- 感応表
- マイルール
- 将来特損のイメージ
は、その“型”の一つです。
最後に、すごく大事なことを一つだけ。
「今週中に、1時間だけ“自分のローンと向き合う時間”を取る。
この1時間を取れるかどうかで、
向こう5年〜10年の“お金の安心感”は本当に変わります。
- ローンの条件を書き出す
- ネットのシミュレーションで金利+1%/+2%を試す
- 「ここまで上がったら何をするか」を、ざっくりでいいので言葉にする
完璧じゃなくていいです。
むしろ、「ざっくりでも紙に書いてみた人」と「何もしていない人」の差が、いちばん大きい。
金利が本格的に上がってから、世の中がざわざわし始めてから、
ニュースに煽られて焦って動くよりも——
まだ「考える時間」がある今、
自分のペースで、家計の固定費を設計し直しておく。
それが、今のタイミングでできる、いちばん堅実で、いちばん“地味だけど効く”防御策です。
今日読んだ内容のうち、全部を一気にやらなくても大丈夫です。
まずは、「今月の返済のうち、利息はいくらか」だけでも確認する。
そこから一歩ずつ、あなたの家計を「数字でコントロールする側」に持っていきましょう。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
住宅ローンを賢く借りて無理なく返す32の方法 2024-25(淡河範明)
住宅購入を思い立った日から完済まで、「やるべきこと」を32ステップに分解してくれる定番バイブルの最新版です。過去版では、ローン選び・返済計画・繰上げ返済のコツなどを専門家が図解でやさしく解説しており、2024-25年版でも最新の金利・制度に合わせてアップデートされています。
このブログとの相性ポイント
- 記事で書いた「今週やる3ステップ」(棚卸し・感応表・マイルール)を、もっと細かい手順で追いかけたい人にぴったり
- 「結局どの順番で何をすればいいの?」という不安を、1〜32のチェックリストでつぶせます
一言でいうと:「この記事で火がついた“本気のローン見直し”を、実務レベルまで落とし込むための一冊」です。
住宅ローン&マイホームの税金がスラスラわかる本2025(西澤京子)
住宅ローンとマイホームに関わる税金(住宅ローン控除、贈与、売却時の税金など)を、2025年時点の制度に合わせて整理した最新版です。金利上昇を踏まえた住宅ローンの基本から、控除や優遇策をどう組み合わせればトクになるのかまで、「知っているかどうか」で数十万〜数百万円変わり得るポイントがぎゅっと詰まっています。
このブログとの相性ポイント
- 記事では「利息=固定費」の話をしましたが、この本はそこに「税金」というもう一つのレバーを足してくれます
- 「繰上げ返済したら控除はどうなる?」「固定に切り替えるタイミングと税制の相性は?」といった疑問も整理しやすくなります
一言でいうと:「金利だけじゃなく“税金まで含めた固定費設計”をしたくなった人のための、2025年対応版マスト本」です。
金利で損しない方法、教えてください! 人気FPが教える“金利上昇時代”のお金の新常識
日銀のマイナス金利解除で、日本に約30年ぶりの「金利のある世界」が戻ってきたことを前提に、「これからはどこで損をしやすいのか? 逆にどこでトクしやすいのか?」を人気ファイナンシャルプランナーが整理してくれる一冊です。預金金利の上がり方、ローン金利の動き方、保険や投資とのバランスなど、“金利が動く世界”の基本ルールをやさしく教えてくれます。
このブログとの相性ポイント
- ブログでは住宅ローンにフォーカスしましたが、この本は「家計全体で金利とどう付き合うか」という視点をくれます
- 「ローンの見直しと一緒に、預金・保険・投資も整理したい」というときに、ちょうどいい“地図”になってくれます
一言でいうと:「金利上昇時代を“怖がる側”から、“使いこなす側”に回りたい人のスターターキット」です。
「金利のある世界」の歩き方(石川智久)
実質金利の復活や、金利上昇が財政・企業・家計にどう影響していくかを、マクロな視点で解説している1冊です。金利のある世界では、金融リテラシーの差がそのまま将来の差になる可能性がある、と指摘しつつ、これから何を念頭に置いて動くべきかをわかりやすく整理してくれます。2024年秋発売の比較的新しい本なので、いまの環境にフィットした内容です。
このブログとの相性ポイント
- 記事で触れた「金利の世界が変わりつつある」という話を、日本経済全体のストーリーの中で理解できるようになります
- 「なんで今こんなに金利がニュースになるの?」という素朴な疑問を、背景からスッキリさせたい人向け
一言でいうと:「『金利って、結局なに?』を腹落ちさせて、腰を据えて家計戦略を考えたい人の“教養の1冊”」です。
改訂版 本当の自由を手に入れる お金の大学(両@リベ大学長)
累計100万部超えのベストセラー『お金の大学』を、新NISAなど最新制度に合わせて全面アップデートした改訂版(2024年11月発売)です。貯める・守る・増やす・使う・稼ぐの5分野を、漫画・図解たっぷりで解説していて、「お金のことは何から勉強すればいいの?」という人でもサクサク読めます。
このブログとの相性ポイント
- 住宅ローンは家計全体の一部なので、「固定費の見直し」から一歩進んで“お金の土台づくり”までやりたい人にぴったり
- 若手社会人が一冊持っておくと、「ローンだけでなく、保険・投資・副業まで含めた人生の設計図」が描きやすくなります
一言でいうと:「今回のブログで“お金スイッチ”が入った人が、次に手に取るべき“総合マニュアル”」です。
それでは、またっ!!
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