みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
年収アップだけ追いかけて、本当に“自分の自由”は増えていますか?
自民党と日本維新の会の連立政権になってから、「ガソリン税どうなる?」「消費税下がるの?」みたいなニュースが目立っていますが、実は20〜40代の僕らにとってもっと重要かもしれないキーワードが静かに浮上しています。
それが「給付付き税額控除」と「勤労税額控除」というしくみです。連立合意や総理の所信表明の中で、これらの制度設計を本格的に進める方針が示されていて、「2026年度の税制改正に向けて議論が加速する」と見られています。
とはいえ、ニュースを見ても、
- 「控除とか給付とか似た言葉が多すぎて、正直よくわからん」
- 「結局、手取りって増えるの? 減るの?」
- 「節税とか興味あるけど、難しい話はちょっと…」
という感想になりがちですよね。
そこでこの記事では、税金の専門家じゃなくても理解できるレベルまでトーンを落として、
- 「控除」「給付」「税額控除」の違い
- 「給付付き税額控除」って、どんな仕組みで、どこが“おいしい”のか
- 独身・共働き・子育て世帯それぞれで、可処分所得(手取り)にどう効いてきそうか
- そして最重要テーマとして、「可処分“所得”だけでなく、可処分“時間”もセットで最大化する」という考え方
を、投資+会計の視点も交えながら整理していきます。
給付付き税額控除は、日本語だけ見るとすごく堅そうですが、ざっくり言えば
「たくさん税金を払っている人だけじゃなく、収入が少なくてそもそも税金をあまり払っていない人にも、“減税+現金給付”という形で手取りアップのチャンスを作る仕組み」
という制度イメージです。
海外では、イギリスやアメリカなどで勤労税額控除(働く人向けの給付付き税額控除)が導入されていて、「低〜中所得の働く世帯をピンポイントで支える」仕組みとして使われています。
ここでポイントなのは、「節税テクニックを覚えましょう」という話ではない、ということです。
- 今後の制度設計次第では、働き方・副業・結婚や子どもを持つタイミングにまでじわっと影響してくる
- これはつまり、あなたの“ライフ設計”そのものに関わる制度になりうる
という意味で、20〜40代にとっては完全に“自分ごとにしておいたほうがいいテーマ”なんですよね。
この記事では、あえて
「節税します!」ではなく
「可処分時間 × 可処分所得をどう最大化するか?」
という投資家っぽい視点で、この新しい税制議論を“自分の武器”として使う方法を考えます。
- 「仕事を詰め込みまくって収入は増えたけど、時間がゼロになった」
- 「逆に、時間はあるけど手取りが少なすぎて将来が不安」
という両極端の状態を避けつつ、
「ほどよく働いて、ほどよく稼いで、ちゃんと残る」状態をどう作るか——。
まだ制度の最終形はこれから決まっていく段階ですが、「給付付き税額控除」という考え方を理解しておけば、ニュースの見え方が一気にクリアになりますし、将来の制度がどう転んでも自分で“得しやすい選択”をとれる素地ができます。
これから本文では、
- まず、「控除」「給付」「税額控除」を中学生レベルの言葉で整理
- 次に、独身・子持ち・共働きの3つのモデル世帯で、手取りがどう変わりうるかをイメトレ
- 最後に、「可処分時間×可処分所得」を最大化する視点から、キャリア・働き方・お金の使い方をどう考えればいいか
という流れで、ゆっくり噛み砕いていきます。
難しい計算式も専門用語もほぼ使わずに進めるので、
「税金の話はいつも途中で挫折する…」という人こそ、気軽に読み進めてみてください。
目次
まずは超ざっくり。「控除」「給付」「税額控除」って何者?

ニュースを見ていると、
- 所得控除
- 給付
- 税額控除
- 給付付き税額控除
みたいな似たワードがゴロゴロ出てきて、「もう全部いっしょじゃない?」と感じてしまいますよね。
でも中身をかなりラフに言い直すと、実はすごくシンプルで、
- 控除:計算上の“収入”を少なく見せて、税金を減らす仕組み
- 給付:国から“現金やポイント”がもらえる仕組み
- 税額控除:最後に出た“税金の金額そのもの”を直接マイナスする仕組み
という、役割の違う3つのツールだと思ってOKです。
この違いがわかると、
- 「自分はどの制度の恩恵を受けやすいのか」
- 「新しい“給付付き税額控除”が始まると、どこで手取りが増えそうなのか」
がイメージしやすくなります。
ここではいったん、新連立政権の細かい話はいったん置いておいて、土台となる3つの言葉だけを、中学生でもわかるレベルにまで分解してみます。
「控除」=「税金の計算に使う“年収”を小さくする魔法」
まずは一番よく聞く「控除」から。
● 給料は変わらない。でも、計算上の“年収”は小さくできる
給料明細をイメージしてみてください。
たとえば年収が「500万円」の人がいるとします。
本当は500万円もらっているんですが、税金を計算するときには
「いろいろ事情がある人は、その分は“なかったこと”にしてあげるよ」
という特別ルールがあります。これが控除です。
- 生命保険に入っている → その分は“なかったこと”に
- 医療費がたくさんかかった → その分は“なかったこと”に
- 子どもがいる/配偶者を養っている → その分は“なかったこと”に
みたいな感じで、「こういう事情の人の年収は、税金計算上はちょっと低く見てあげます」という仕組みですね。
● 結果として、“税金のもとになる金額”が減る
たとえばざっくりイメージですが、
- 本当の年収:500万円
- いろいろな控除の合計:80万円
- 税金計算に使う金額:500万円 − 80万円 = 420万円
となるので、420万円に対して税率をかけることになります。
つまり、
控除が増える → 税金のもとになる金額が減る → 結果として税金が下がる
という流れ。
給料そのものが変わるわけではないので、「見た目の年収は同じだけど、税金だけ軽くなる」というイメージが近いです。
「給付」=「国から“おこづかい”が直接振り込まれるイメージ」
次は「給付」。これはもう、本当にそのままです。
● 給付は「お金がもらえる」ほうの制度
- コロナのときの一律10万円給付
- 低所得世帯向けの臨時給付金
- 子どもがいる家庭への児童手当
など、「国からお金が振り込まれる/ポイントが配られる」タイプのものは、ざっくり全部「給付」と思ってOKです。
ポイントは、
税金の計算をどうこうするのではなく、銀行口座にお金が入ってくる
というところ。
さっきの「控除」は目に見えにくい(計算上の数字が変わるだけ)ですが、「給付」は通帳を見ればわかるタイプの支援です。
● 「税金を減らす」のではなく、「手取りを直接増やす」
控除と給付の違いを、超ざっくり一言でいうと、
- 控除:税金の請求額を小さくする
- 給付:口座にお金が増える
この違いです。
どちらも最終的には手取りが増える方向に働くのですが、
「控除は“請求書を小さくする”、給付は“財布にそのまま入ってくる”」と覚えておくと、頭の中が整理されます。
「税額控除」=「最後に出た“税金の金額”をドンと割り引く」
3つ目の「税額控除」は、少し聞き慣れないかもしれませんが、実はかなりパワーの強い制度です。
● 計算の一番最後で「その金額、まるっと引いていいよ」と言われる感じ
税金の計算は、
- 収入(年収)を決める
- そこから控除を引いて、「税金のもとになる金額」を出す
- その金額に税率をかける
- 「最終的な税額」が出る
という手順で進みます。
ここで登場するのが「税額控除」。
これはなんと、
ステップ4で出てきた“税金そのもの”から、直接マイナスしてOK
というルールです。
例として、
- 本来の税金:20万円
- 税額控除:3万円分
だとすると、20万円 − 3万円 = 17万円だけ払えばいい、となります。
かなりストレートでわかりやすい「値引き」ですよね。
● 控除よりわかりやすく、ターゲットも絞りやすい
「年収に控除をのせて…」「税率をかけて…」とやるより、
「 最後に出た税金から、3万円引いてあげるね」
としたほうが、制度を作る側からすると支援したい層をピンポイントで狙いやすい、というメリットがあります。
- 子どもがいる世帯だけに
- 一定以下の年収の人だけに
- しっかり働いている人だけに(ここから「勤労税額控除」につながる)
というように、「誰をどれくらい助けるか」を細かくデザインできるんですね。
新連立政権の議論で出てきている「給付付き税額控除」「勤労税額控除」は、まさにこの“税額控除”の仕組みをベースにしながら、足りない分は給付で補うという発想になっています。
ここまでを、あえて1本のストーリーとしてまとめてみると、こうなります。
- 「控除」は、
→ 税金の計算に使う“年収”を小さく見せてあげるルール - 「税額控除」は、
→ 最終的に出た“税金そのもの”から直接引いてあげるルール - 「給付」は、
→ 銀行口座にお金をチャリンと入れてあげるルール
どれも「手取りを増やす」方向に働くのですが、
- 控除は、じわっと効いてくる“間接的な支援”
- 給付は、ドンとわかりやすい“直接的な支援”
- 税額控除は、その中間で「制度をデザインしやすい便利ツール」
というイメージを持っておくと、ニュースを見るときにかなりラクになります。
この上に、「給付付き税額控除」という“ハイブリッド型”の仕組みが乗ってくることで、
「税金をあまり払っていない層にも、働いているなら“実質的な減税+現金給付”を届けよう」
という発想が生まれてきます。
次のセクションでは、
独身・子持ち・共働きという3つのモデル世帯で、「給付付き税額控除」が入ってきた場合にどんなふうに可処分所得(手取り)が変わりうるのかを、イメージしやすい形で追いかけていきます。
モデル世帯でみる「もし給付付き税額控除が入ったら?」

ここからは、よりイメージしやすいように、3つのモデル世帯でざっくりシミュレーションしてみます。
- モデル①:独身・都市部で1人暮らし
- モデル②:子ども1人・片働き世帯
- モデル③:共働き・子なし夫婦(DINKs)
大事なのは、「1円単位で正確に」というより、
「こういうタイプの世帯は、こういう方向で得しやすい/影響を受けやすい」
という感覚をつかむことです。
今のところ、給付付き税額控除の細かい中身(いくらまで給付、どんな線引きにするか)はこれから議論される段階で、確定した数字は出ていません。
なのでここでは、かなり単純化した“もしこうなったら”の世界として読んでください。
モデル①:独身会社員Aさん——「年収400万円・1人暮らし」
前提イメージ
- 年齢:30歳
- 年収:400万円(ボーナス含む)
- 都市部で賃貸1人暮らし
- 残業もそこそこ、休日はそこそこ自由
ざっくりですが、社会保険料や所得税・住民税を引くと、手取りは年ベースで約310〜320万円くらいのイメージです(毎月の手取りは25〜26万円台ぐらい)。
もし「働く独身向けの給付付き税額控除」が入ったら?
たとえば、かなりラフな仮定として、
- 一定の年収までの「現役世代」は
→ 年間 3万〜5万円分の税額控除+足りない分は給付
みたいな制度ができたとします(※あくまでイメージの数字です)。
この場合、
- 今まで:
年間の所得税・住民税の合計が、例えば「25万円」だったとする - 新制度:
「税額控除」で3万円を直接マイナス
→ 実際に払う税金は22万円に
これだけでも、年間3万円=毎月2,500円くらい手取りアップです。
さらに、「税額控除で引き切れなかった分を給付で…」という設計になると、収入がもう少し低めの独身フリーター/非正規の人にも、現金給付という形で手取りアップのチャンスが広がります。
Aさんにとっての意味
独身の場合、
- 住居費・交際費・自己投資(ジム・資格・本など)を自分の判断でコントロールしやすい
- 1〜2万円/月の“自由になるお金”が増えるだけでも、生活の満足度はかなり変わる
ので、「数万円の税額控除+給付」でも、体感としてはそこそこ“効く”可能性があります。
モデル②:子ども1人・片働きBさん世帯——「年収450万円+専業パートナー」
前提イメージ
- 世帯:夫婦+子ども1人(保育園〜小学校くらい)
- 夫:フルタイム会社員・年収450万円
- 妻:いまは専業、もしくはごく短時間パート
- 家賃・教育費・食費などで毎月の固定費はかなり重たい
このパターンは、
「年収はそこそこだけど、支出が多くて全然ラクじゃない」
という典型ケースです。
現状イメージ
今でも、子どもがいると
- 児童手当(給付)
- 扶養控除や配偶者控除(控除)
などで一定の支援はありますが、それでも
- 「保育園料・学費・習い事で毎月きつい」
- 「ローン+教育費で、将来大丈夫か不安」
という声はよく聞きますよね。
ここに「給付付き税額控除」がどう乗るか
連立政権側の議論では、
- 現役世代の負担を軽くする
- 子育て世帯や低〜中所得の働く層をピンポイントで支援
という方向が意識されています。
仮に、
- 年収◯◯万円以下の子育て世帯には
- 年間 5〜10万円レベルの税額控除+必要に応じて給付
- 子どもの人数に応じて金額加算
という設計になったとすれば、
- 今まで:
所得税・住民税・社会保険料などで、ざっくり年130万円くらいが天引き - 新制度:
給付付き税額控除で、年5〜10万円分の負担が実質軽くなる
といったイメージになります。
Bさん世帯にとっての意味
「年間5〜10万円」というと、ぱっと見は小さく見えるかもしれませんが、
- 子どもの習い事を1つ増やせる
- 学資保険やつみたてNISAにまわせる
- 学用品・受験費用の“ドカッと出る支出”に備えられる
など、ライフイベントに直結するクッションになります。
また、「年収◯◯万円を超えると給付ゼロ」といった“線引き”が入ると、
「あまり残業すると、逆に手取りが減るライン」が生まれる
という副作用もありえます。
ここがまさに、「可処分時間×可処分所得」をどう最大化するかという発想が必要になってくるポイントです(この話はセクション3で深掘りします)。
モデル③:共働きDINKs Cさん夫婦——「年収400万+350万・子なし」
前提イメージ
- 世帯:夫婦2人、子どもなし
- 夫:年収400万円/妻:年収350万円
- 都市部で2人暮らし、家賃は高めだけど趣味や旅行も楽しみたい
このパターンは、
「世帯年収はそこそこあるけど、時間はわりと自由」
「老後と資産形成を意識したい」
という“20〜40代の典型パターン”の一つです。
共働きは「税額控除+給付」の恩恵を受けにくい?
給付付き税額控除の議論では、「低〜中所得の現役世代」を手厚くする方向が強く意識されています。
そのため、
- 世帯年収がある程度高い共働き夫婦は
- 対象から外れる
- もしくは、恩恵はあっても金額が小さめ
という設計になる可能性は高いです。
仮に、
- 単身者・片働き世帯:年5〜10万円程度の恩恵
- 共働きDINKs:年1〜3万円程度、もしくは対象外
というイメージだとすると、
「額面ベースの得/損だけで見ると、共働きDINKsはそこまで“トク”ではない」
という結論になりがちです。
それでも「可処分時間×可処分所得」で見ると武器になる
ただし、共働きDINKsの場合、
- 子育てコストがないぶん、自由に使えるお金と時間は多め
- 2人とも働いているので、将来の年金額もそれなり
という“土台の強さ”があります。
ここに、
- たとえ給付付き税額控除の恩恵が小さくても
- その分を「資産形成」や「自己投資」に全振りする
という戦略をとると、
「他の世帯が“生活を回す”ために使うお金を、
DINKsは“将来の自由時間を買う”ために使える」
という差が効いてきます。
つまり、共働きDINKsにとって給付付き税額控除は、
- 「生活防衛」よりも
- “FIREに近づくための加速装置”として使える可能性がある
という位置づけになりやすい、ということです。
ここまで、かなりざっくりした数字で
- 独身1人暮らし
- 子ども1人・片働き世帯
- 共働きDINKs
の3パターンを見てきました。
ポイントは、「どの世帯型が一番トクか?」という勝負ではないということです。
大事なのは、
- 自分はどの型に近いのか?
- 制度が動くとき、その型は「手取りが増えやすい側」か「そうでもない側」か?
- それを踏まえて、「稼ぎ方」「働く時間」「お金の使い道」をどうカスタマイズするか?
という“戦略の取り方”です。
給付付き税額控除は、
たしかに金額だけを見れば「年数万円」レベルにとどまる可能性もあります。
でも、
その“年数万円”を、「可処分時間」と「可処分所得」のバランス調整にどう活かすか
までセットで考えられる人と、
「なんかよくわからないけど、勝手に税金変わってるんでしょ?」で済ませる人では、
10年後・20年後の差がじわじわついていきます。
次のセクション3では、いよいよ
- 「可処分所得」だけでなく
- 「可処分“時間”×可処分“所得”」をどう最大化するか
という視点から、働き方・副業・投資・ライフプランをどう組み合わせるかを一緒に整理していきます。
「可処分時間×可処分所得」をどう最大化する?

ここまで、
- 税金まわりの用語(控除・給付・税額控除)の整理
- モデル世帯ごとの「なんとなくこう効きそう」というイメージ
を見てきました。
ここからが本題で、この記事で一番伝えたいのは、
「年収」や「税金」だけを見ると、かえって損をすることもあるよ
という話です。
給付付き税額控除は、政府側のねらいとして「働くことを後押しする仕組み」「ワーキングプアを支える仕組み」として設計されようとしています。
でも、僕ら20〜40代がそこに自分の人生を乗せるときに大事なのは、
可処分所得(使えるお金) × 可処分時間(自由に使える時間)
という“掛け算”で考えることです。
ここでは、
- 「可処分時間」と「可処分所得」をざっくり定義し直す
- 働き方・残業・副業を、税制込みでどう組み合わせるか
- 制度がコロコロ変わってもブレない「自分側の設計図」を持つ
という流れで、できるだけ実生活に落として考えてみます。
「可処分時間」と「可処分所得」を、中学生レベルで定義してみる
まずは用語をぐっとくだけた言葉にしておきます。
● 可処分所得=「毎月、自由に使っていいお金」
可処分所得は、難しく聞こえますが、ざっくり言うと
税金や社会保険料を引いたあとに、実際に手元に残るお金(手取り)
です。
- 給料明細の「支給額」 → いわゆる額面・年収
- 「控除」欄で、税金や社会保険料がゴソッと引かれる
- 最後に残った振込額 → これが可処分所得のイメージ
給付付き税額控除は、この“控除欄で引かれる金額を減らす+場合によってはお金をもらう”というところに効いてきます。
● 可処分時間=「自分で予定を決められる時間」
一方で可処分時間は、
寝る・食べる・通勤・家事・育児など「やらなきゃいけないこと」を除いた、自由に予定を決められる時間
と考えてください。
- 残業が多くなる
→ 可処分時間は減るけど、可処分所得は増えやすい - 逆に、残業を減らしたり時短勤務にする
→ 可処分時間は増えるけど、可処分所得は減りやすい
ここを「片方だけで見る」と、
- 年収は上がったのに、気づいたら自由時間ゼロの社畜モード
- 時間はゆるいけど、いつまでもお金の不安から抜け出せない
という極端になりやすい、というわけです。
「税制のライン」を意識して、働き方をチューニングする
給付付き税額控除や勤労税額控除が入ってくると、制度設計次第では
- 「年収◯◯万円までは、手厚く控除+給付」
- 「そこを超えると、徐々に控除や給付が減っていく」
という“ライン”が引かれる可能性があります。
これを上手く使うと、「可処分時間×可処分所得」のバランス調整がかなりやりやすくなります。
● ケース1:あえて“ライン付近”で働き方を調整する
たとえば、
- 年収350万円までは、給付込みで実質の手取りが手厚い
- 350万円を大きく超えると、給付が減り始める
みたいな設計になったとしましょう(あくまでイメージです)。
このとき、
- 「がむしゃらに残業して年収380万円にする」
→ 給付が減って、思ったほど手取りが増えない - 「あえて残業を減らして年収340〜350万円におさえる」
→ 手取りはそこまで変わらないのに、可処分時間は増える
という状況も起こりえます。
ここで大事なのは、
「会社から言われたまま働く」のではなく、
「税制のラインも見ながら、どのくらい働くのが一番コスパいいか」を自分で考える
という視点です。
● ケース2:浮いた可処分時間を、「未来のお金」に変える
「残業を減らして、あえて年収を抑える」なんて言うと、
え、そんなのもったいなくない?
と感じるかもしれません。
でも、その浮いた時間をどう使うかまでセットで考えると、話が変わります。
- 副業でスキルを磨く(ライティング・プログラミング・デザインなど)
- 資格勉強をして、将来の転職・昇給のタネを作る
- 投資や家計管理の勉強をして、「お金に働いてもらう」準備をする
こうすると、
「今の残業代」ではなく
「3〜5年後の年収アップ」「資産からの不労所得」
という形で、もっと大きな可処分所得アップを狙えるようになります。
給付付き税額控除は、その「残業を減らしても生活が成り立つライン」を少し下支えしてくれる可能性がある、という見方もできます。
制度は変わる前提、「自分のOS」をアップデートし続ける
最後に一番大事なのは、
「制度はこれからも変わり続ける」という前提で、自分側の“OS”をアップデートし続ける
ということです。
給付付き税額控除も、「入れる・入れない」「こういう形にする・しない」といった議論が続いていて、実際にスタートしても、数年ごとに見直されていくはずです。
でも、そのたびに
- 「またルール変わったの? もうわからん…」
- 「どうせ自分には関係ないでしょ」
とシャットアウトしてしまうと、せっかくの“武器”を捨てているのと同じになってしまいます。
● 「ニュースの見方」をちょっとだけ変える
やるべきことは、実はすごくシンプルで、
- ニュースで「給付」「控除」「税額控除」という言葉が出てきたら
→ 「あ、これは自分の可処分所得に関係するやつだ」と一旦立ち止まる - そのうえで、
- 「自分の年収ゾーン」
- 「自分の世帯タイプ(独身/子育て/共働き…)」
が、制度の“どのあたり”にいるのかイメージする
- 「増えた(or 減った)可処分所得/時間を、何に振り分けるか?」まで考える
この「3ステップ」が習慣になれば、制度が変わっても、自分で微調整できる人になれます。
● 投資と会計の視点で言うと…
投資の世界でよく言われるのは、
「コントロールできないもの(景気・相場)は追いかけない。
コントロールできるもの(リスクの取り方・コスト)は徹底的に管理する」
という考え方です。
税制や政権の方針は、僕ら個人ではコントロールできません。
でも、
- 自分の働き方(時間の使い方)
- 固定費の水準
- スキル・キャリアの方向性
- 投資の仕方(つみたて・リスクの取り方)
は、自分で決めることができます。
給付付き税額控除は、「コントロールできない側」にある制度ですが、
その影響を踏まえて「コントロールできる側」をどう調整するか——ここにこそ、20〜40代が差をつけられるポイントがあります。
結論:制度は“追いかけるもの”じゃなく、“使いこなす武器”にできる
ここまで、「給付付き税額控除ってそもそも何?」「自分の手取りにどう効きそう?」というところを、できるだけ専門用語を抜きながら見てきました。
- 控除=税金の計算に使う“年収”を小さくするルール
- 給付=口座にお金がチャリンと入る仕組み
- 税額控除=最後に出た税金そのものをガツンと割り引く仕組み
- 給付付き税額控除=そのいいとこ取りをして、低〜中所得の現役世代もちゃんと救おうという発想
そして今の自民+維新の連立政権のもとで、ガソリン税や消費税だけでなく、2026年度の税制改正に向けて、この給付付き税額控除や勤労税額控除の制度設計を本格化させていく、とされています。DIR+1
…と聞くと、
「なんか難しそうだし、結局どうせ政治家が決めるんでしょ?」
と感じるかもしれません。
たしかに、制度の細かい中身を決めるのは僕らではありません。でも、「自分には関係ない」と思ってしまうのは、正直かなりもったいないです。
なぜかというと、この記事で見てきたとおり、
- 独身か、子どもがいるか、共働きか
- 年収がどのゾーンにいるか
- 残業をどこまでするか、副業をどう組み合わせるか
によって、同じ制度でも「得のしやすさ」がまったく変わってくるからです。
言い方を変えると、
制度そのものより、
「その制度の上で、自分がどう動くか」で差がつく
ということ。
たとえば、給付付き税額控除によって「この年収までは手厚い」「ここから先はそこまで増えない」という“ライン”ができたとします。
そのときに、
- 何も考えずに残業しまくって、「あれ、思ったより手取り増えてないな…」となる人
- あえてライン付近で残業を抑え、その分の時間を副業・勉強・投資に振って、3〜5年後の伸びしろを取りにいく人
では、同じ制度の中にいても、未来の姿がまったく変わってきます。
税制ニュースって、「今日から○○円減税です」「一人あたり○万円給付です」と、“今この瞬間の損得”で語られがちです。
でも、20〜40代の僕らにとって本当に大事なのは、
- 今日もらえる数万円よりも、10年後・20年後の「可処分時間×可処分所得」
- つまり、「自由に使えるお金」と「自由に使える時間」の掛け算を、どうやって最大化していくか
です。
そのための具体的な一歩として、この記事で提案したいのは、たったこれだけです。
- ニュースで「控除」「給付」「税額控除」「給付付き税額控除」という単語を見たら、スルーせずに1分だけ立ち止まる
- 「これ、自分の年収ゾーン・世帯タイプだと、だいたいどっち側(恩恵が大きい側/そうでもない側)かな?」とイメージしてみる
- そこで増えた/減った“年数万円の差”を、
- ただ生活費に溶かすのか
- 将来の自由を増やす投資(スキル・資産・人間関係)に変えるのか
まで考えてみる
これだけで、同じニュースを見ていても、あなたの人生にとっての“意味”がガラッと変わります。
給付付き税額控除も、勤労税額控除も、まだこれから議論と調整が続くテーマです。
「完璧な制度」にはならないかもしれないし、「思ったよりショボい…」という結果になるかもしれません。
それでも、「どうせ自分には関係ない」と思っている人と、
今回の記事みたいにざっくり構造をつかんだうえで、自分の働き方・お金の使い方を微調整できる人。
10年後、どちらが「ほどよく働いて、ほどよく稼いで、ちゃんと残る」生活に近づいているかは、想像がつきますよね。
制度は、勝手に変わります。
でも、「その制度の上でどう動くか」は、あなた次第です。
これからも政治や税制のニュースは、きっと増えていきます。
そのたびに、「また難しい話だ」とスマホを閉じるのか。
それとも、「これは自分の可処分時間と可処分所得に、どう効いてくるかな?」と、一歩踏み込んで考えてみるのか。
今日、「給付付き税額控除」というキーワードを理解したあなたは、すでに“後者側”のスタートラインに立っています。
あとは、少しずつでいいので、
自分のペースで「使える知識」を増やしていきましょう。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『税金入門 2025年度版』経済法令研究会(経済法令研究会)
所得税・住民税・相続税・贈与税など、主要な税金を「まず全体の地図を掴みたい」人向けにやさしく解説した定番入門書シリーズの最新版(2025年度版)です。
「控除とか税額控除って、仕組みとしてはどうなってるの?」という素朴な疑問を、図と例で整理してくれるので、今回のブログで触れた“税額控除=最後に税金から直接引く仕組み”をもう一段深く理解したい人にぴったり。
- まずは税金の全体マップを頭に入れておきたい
- ニュースの「○○税が変わる」が、ちゃんと自分ごとで理解できるようになりたい
という人の“教科書枠”として1冊持っておくと安心です。
『マンガと図解 新・くらしの税金百科 2025→2026』公益財団法人 納税協会連合会 編
タイトル通り、マンガと図解で日常生活と税金のつながりを説明してくれる“税金の図鑑”のような一冊。2025〜2026年版なので、最新の制度もフォローされています。
会社員・個人事業主・フリーランスなど、立場別の税金の違いも載っていて、「自分がこの先どんな働き方をしても、最低限これを見ればイメージできる」安心感があります。
- 活字だけの税本がツラい人でも、マンガでさらっと読める
- 「結婚したら? 子どもができたら? 副業したら?」といった、ライフイベントごとの税の変化がイメージしやすい
ので、家に1冊置いて家族でパラパラ読む“税金の辞書”としてかなり優秀です。
『まさかの税金 騙されないための大人の知識』(ちくま新書1838)三木義一
2025年刊の新しい新書で、テーマは「減税」「年収の壁」「インボイス」「ふるさと納税」など、僕らがニュースでモヤッとしているポイントを一気に整理してくれる“大人の税金リテラシー本”です。
税法学者の著者が、制度のカラクリや権力の使われ方にツッコミを入れながら解説してくれるので、「なんでいつも“年収の壁”って話になるの?」といった疑問もスッキリします。給付付き税額控除や逆進性の問題にも触れていて、今回のブログの裏テーマ(再分配・現役世代の負担)をもっと深掘りしたい人にドンピシャ。
- 「ニュースの見出しレベルじゃなく、“裏側のロジック”まで知りたい」人向け
- 新書サイズでサクッと読めるのに、“あ、この制度はこういう思惑で動いてるのか”と目線が一段上がる1冊です。
『貯金0円からはじめる 一生お金に困らないための生活』ゆきこ
著者は、共働き&子ども3人で“ズボラ家計”から7年で1800万円貯めたワーママ。
この本では、
- ズボラでも続く家計管理
- 月1回の貯蓄チェックでモチベ維持
- 教育費・マイホーム・老後のお金を「投資メイン」で補っていく考え方
など、まさに「可処分時間が少ない人向け」のリアルなノウハウがぎゅっと詰まっています。
- 「忙しすぎて、ガチ家計簿は無理…」という人でも真似しやすい“ゆるい仕組み”が多い
- 夫婦でどうやって家計を共有するか、投資をどう組み込むかまでストーリーで書かれていて、ブログのテーマ「可処分時間×可処分所得」をそのまま実践したい人にちょうどいい実用書です。
『忙しい人ほどマネしてほしい お金が増える 暮らしのルール』えま
著者は、共働き+子どもありのごく普通の家庭で、夫の給料だけで生活を回し、妻の給料は丸ごと貯蓄&投資に回すという“攻めの家計術”を公開している人。
本書では、
- 忙しくてもできる家計のミニルール
- 投資のリアルな失敗談・実際に買った銘柄
- 教育費や老後資金への備え方
など、「時間がない人が、いかに仕組みでお金を増やすか」にフォーカスした内容になっています。
- 「残業や家事でヘトヘトだけど、投資もちゃんとやりたい」という人が、“考えなくても回る仕組み”の作り方を学べる
- このブログで話した「可処分時間を増やして、その分をお金に働かせる」というコンセプトを、実際の行動レベルに落としてくれる1冊です。
それでは、またっ!!
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