みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
実質賃金マイナスの時代に、あなたの家計“だけ”黒字にする方法考えてますか?
「ボーナス過去最高」「34年ぶりの高い賃上げ」「景気は持ち直し」──
ニュースを見ていると、日本経済ってちょっと良くなっているように聞こえますよね。
でも、現実のあなたの感覚はどうでしょう。
- スーパーに行くと、気づけばカゴの値段がじわっと高い
- 電気・ガス・スマホ代が地味に効いて、手取りは変わらないどころかキツい
- 「賃上げ5%」ってニュースは見るけど、自分の年収はそこまで増えた実感がない
厚労省のデータでは、2025年9月の実質賃金は前年比▲1.4%で、9カ月連続マイナス。名目の給料は増えているのに、物価の伸びのほうが速くて、実際に使える“生活レベルとしての給料”はむしろ目減りしている、という状態です。
一方で、2025年春闘の賃上げ率は5%台と、1991年以来34年ぶりの高水準。ボーナスも2001年以来の高さというデータが出ています。
ニュースだけ見ていると「いやいや、さすがに景気良くなってきたでしょ?」と思いたくなる数字です。
さらに追い打ちをかけるように、日銀は12月18〜19日の会合で利上げを検討していると示唆し、政府も「日銀との景気認識にズレはない」とコメント。
これ、住宅ローンを組んでいる人・これから家を買うか迷っている人には、かなり重要なイベントですよね。
じゃあ、
「給料はニュースでは上がってることになってるのに、なんで生活はラクにならないの?」
という、このモヤモヤの正体は何なのか。
このブログでは、その答えを「家計の三表」=会社が使う3つの決算書の“家計版”を使って、かなりシンプルに分解していきます。
- 家計のPL(損益計算書):毎月の「収入−支出」のストーリー
- 家計のBS(貸借対照表):貯金・投資・住宅ローンなど「資産と負債」のバランス
- 家計のCF(キャッシュフロー計算書):実際に今、手元に残るお金の動き
この記事でやりたいことは、「日本スゴイ or オワコン」という感情論ではなく、
“あなたの家計目線”で、ニュースの数字を翻訳し直すことです。
具体的には、こんな感じの“ゆるめのシミュレーション”を一緒にやっていきます:
- 年収が+5%上がったけど、物価が+3〜4%上がったケースだと、手取り感覚はどう変わる?
- 食費・光熱費・サブスクなどの固定費がじわじわ増えると、家計PLはどこから崩れ始めるのか
- 住宅ローンを変動金利で借りていて、これから金利がじわっと上がる前提だと、
- 返済額はいくら増えそうか
- そのとき、家計BS(資産と負債のバランス)はどう見えるのか
この記事を読み終わるころには、
- 「ニュースの景気」と「自分の生活」がなぜズレて見えるのか
- 自分の家計を“なんとなくの感覚”ではなく、簡単な数字でチェックする方法
- 利上げ局面で、住宅ローンや貯金・投資をどう考えたほうがいいかのヒント
が、スッと腑に落ちるはずです。
難しい数式や専門用語はほぼナシで、
「これ、自分の数字でも計算してみたいな」と思えるレベル感で一緒に整理していきます。
目次
実質賃金マイナスの正体を「家計PL」で見てみる

まずは、いちばん体感しやすいところ、
「毎月の収入−支出」=家計のPL(損益計算書)から整理してみましょう。
「実質賃金が下がっている」と言われても、ピンと来ないですよね。
ざっくり言うと、
- 給料そのもの(額面・名目賃金)はそこそこ増えている
- でも、物価も同じかそれ以上のペースで上がっている
- その結果、「使える実感の給料」はむしろ減っている
という状態です。
ここでは、1カ月の家計に絞って、
- 給料がちょっと上がった世界
- 物価もじわっと上がった世界
- その結果、手元に残るお金はどうなった?
を、イメージしやすい形にしていきます。
給料「上がったはずなのにラクじゃない」のはなぜ?
まずは、よくあるパターンから。
たとえば、
- 去年:手取り月25万円
- 今年:会社の昇給やベースアップで手取り月26万円
ニュース的には「手取り+1万円、4%アップ。やったね!」という世界です。
でも、ここに値上げラッシュがかぶさってきます。
- 食品:ちょっとずつ値上げ、内容量はこっそり減る
- 外食:ランチがいつの間にか+100〜200円
- 電気・ガス代:補助金が減ったり、料金そのものが上がる
- サブスク:値段据え置きでも、契約が増えてトータルが膨らむ
結果として、支出も+1万円くらい増えていたらどうでしょう?
- 給料:+1万円
- 支出:+1万円
数字上は「昇給した」のに、
家計目線では“トントン”か、むしろマイナスに感じるわけです。
ここが、「賃上げニュース」と「生活のキツさ」がズレる大元です。
家計PLを超ざっくり作ると“ボトルネック”が見える
じゃあ、どうやって自分の家計PLをチェックすればいいのか。
むずかしい家計簿アプリやエクセルは一旦置いておいて、
まずは3行だけの超ざっくりPLを紙かスマホメモに書いてみてください。
- 手取り月収:〇〇万円
- 固定費(家賃・住宅ローン、通信費、保険、サブスクなど):〇〇万円
- 変動費(食費・日用品・交際費・趣味など):〇〇万円
最後に、
「手取り − 固定費 − 変動費」=今月の“残り”
を計算します(ざっくりでOKです)。
ここでポイントになるのが、
- 固定費がじわじわ増えていないか
- 変動費が「なんとなく」で膨らんでいないか
この2つです。
給料が増えても、
- 新しいサブスクをどんどん追加
- なんとなく保険を増やした
- 家賃の高い部屋に引っ越した
みたいなことをしていると、
昇給分がそのまま“固定費の肥満”に吸い込まれてしまうんですよね。
「物価+固定費」コンボが、実質賃金をさらに削る
実質賃金という言葉だけ聞くと、「物価だけが悪者」に見えますが、
実は、固定費の増え方もめちゃくちゃ効いてきます。
イメージでいうと、
- 物価上昇:食費・光熱費など、毎月のベースがじわっと引き上げられる
- 固定費の増加:家賃・ローン・サブスクなど、毎月ほぼ必ず発生する支出が増える
この2つがセットになると、家計PLはこんな感じになります。
- 給料:+1万円
- 物価のせいで、食費・光熱費などが:+5,000円
- 固定費(サブスク追加や保険、家賃アップなど):+7,000円
トータルだと、
「実質的な使えるお金」は −1万円 ということもふつうに起こりえます。
ここまでくると、
- 昇給した
- ボーナスも去年より増えた
- でも、なぜか貯金は増えない
という、「見かけ好景気」の完成です。
ここでは、
「実質賃金マイナスって、要するに家計PLの“残り”が減っていることだよね」
というところまで整理しました。
次では、もう一歩踏み込んで、
住宅ローンや資産・負債をふくめた「家計BS(貸借対照表)」の視点で見ていきます。
特に、
- 変動金利の住宅ローンを組んでいる人
- これから家を買うか悩んでいる人
にとっては、かなり重要な話になってくるので、
自分ごとにしながら読んでみてください。
「家計BS(貸借対照表)」で“見かけ好景気”を丸裸にする

前セクションでは、
「毎月の収支(PL)」の目線で、
“実質賃金マイナス=残りのお金が目減りしている状態”
をざっくり見てきました。
ここからは一段レベルを上げて、
家計BS(貸借対照表)=資産と負債のバランス
という視点で、「見かけ好景気ニッポン」を分解していきます。
むずかしく聞こえますが、イメージはシンプルです。
- 「持っているもの」=資産(預金・株・iDeCo・家など)
- 「借りているもの」=負債(住宅ローン・奨学金・カードローンなど)
- この差分があなたの「純資産(じぶんの持ち分)」
これを一枚の紙に“見える化”すると、
「ニュースは景気いいって言うけど、自分の家計はどんな状態?」が、かなり冷静に見えてきます。
あなたの家計BSは「貯金型」?「ローン型」?
まずは、ざっくりでいいので自分のBSをイメージしてみましょう。
資産の例
- 銀行預金:〇〇万円
- 証券口座(投資信託・株など):〇〇万円
- iDeCo・企業型DC:ざっくり評価額で〇〇万円
- 持ち家の評価額(買った値段ベースでOK):〇〇万円
負債の例
- 住宅ローン残高:〇〇万円
- 奨学金:〇〇万円
- 車のローン:〇〇万円
- リボ払いやカードローン:あれば〇〇万円
これをザックリ書き出して、
資産合計 − 負債合計 = 純資産(プラスかマイナスか)
を出してみます。きっちりじゃなくてOKです。
ここで大事なのは、
- 貯金はあるけどローンはほとんどない「貯金型」なのか
- 資産よりもローン残高が大きい「ローン型」なのか
自分がどっち寄りなのかを、
ぼんやりでもいいから把握することです。
ニュースで「ボーナス過去最高」「賃上げバブル」と聞いて、
もし自分がガッツリ“ローン型”だった場合、
その“景気の良さ”は、
ローン返済のリスクもセットでやってきていると見たほうが安全です。
利上げ局面で真っ先に効いてくるのは「住宅ローンBS」
今の日本は、長いゼロ金利から少しずつ抜け出そうとしているタイミングです。
日銀が利上げを意識し始めると、
住宅ローン金利(特に変動金利)にもジワジワ波及してくる可能性があります。
ここで家計BS的に考えたいのは、
- 「金利が上がる」と、BSの「負債側」で何が起きるか
です。
たとえば、
- 住宅ローン残高:3,500万円
- 返済期間:35年
- 変動金利:0.5% → 今後1.0%になるかも?
みたいなケースだと、
毎月の返済額が数千円〜1万円以上アップすることも十分ありえます(細かい数字はローンによります)。
すると、家計はこうなります。
- PL(毎月の収支):ローン返済が増えて、毎月の“残り”が減る
- BS(資産と負債):ローン残高はすぐには減らないのに、
家計に対する負担感だけ増える
つまり、
「景気が良くて金利が上がる」=「負債を多く抱えている家計ほど、しんどくなりやすい」
という側面があるんです。
ここを理解しておくと、
- 「景気がいいらしいけど、自分の家計にはどう効いてくる?」
- 「この負債の重さで、金利が上がるのは耐えられる?」
という視点でニュースを見られるようになります。
“家計BSチェック”で、これからの動きを決める
じゃあ具体的に、
今のうちにどんな「家計BSチェック」をしておけばいいのか。
ここは、初心者向けに3つのシンプルな問いにしておきます。
問い①:純資産はプラスか? もしマイナスなら、どれくらい?
- 資産合計 − 負債合計
をザックリでいいので計算してみてください。
もしマイナスだったとしても、
それ自体が「ダメ」という話ではありません。
住宅ローンを組んだばかりの人は、わりと普通にマイナスです。
大事なのは、
- 「今、自分は何万円のマイナス(またはプラス)なんだっけ?」
を把握しておくこと。
知らないまま進むのがいちばん危険です。
問い②:もし金利が+0.5%されたら、年間でいくら負担が増えそう?
これは細かい試算をしなくても、「ざっくり感覚」でOKです。
- 毎月のローン返済が+5,000円になるなら、年間で+6万円
- +1万円になるなら、年間で+12万円
こうやって数字にすると、
- 「ボーナスが増えた分、ほぼローンの金利上昇で消し飛ぶな…」
- 「今のうちに繰り上げ返済や、固定金利を検討したほうがいいかも」
みたいな“次の一手”が見えやすくなります。
問い③:資産側の“攻め”は、負債の“重さ”に見合っているか?
たとえば、
- 銀行預金:100万円
- 投資信託:50万円
- 住宅ローン:3,500万円
みたいなバランスだと、
- ローンという「重り」はかなり重い
- それに対して、資産の“クッション”はまだ薄い
という状態です。
この場合は、
- ローンの繰り上げ返済を少しずつ増やすのか
- まずは「生活防衛資金(半年〜1年分の生活費)」を貯めるのか
- そのうえで、投資割合をどうするのか
といった順番を考える必要があります。
ここまでのポイントを一言でまとめると、
「景気がいい」「ボーナス最高」というニュースは、“あなたの家計BSが健全なら”ようやく意味を持つ
ということです。
- ローンが重いのに、好景気ニュースに乗って消費を増やす
- 金利が上がりそうなのに、「なんとなく」の感覚で家を買う
こういう動き方をすると、
「ニュースでは好景気なのに、自分の家計はずっとしんどい」
というズレが、何年も続きかねません。
ここでは、
- 家計BS(資産と負債のバランス)という考え方
- 利上げ局面で、住宅ローンを中心に何が起こりやすいか
- ざっくり家計BSチェックの3つの問い
を通じて、
“見かけ好景気”の裏側で、あなたの家計がどれだけリスクを抱えているかを確認する視点をお伝えしました。
次では、
「家計CF(キャッシュフロー)」=実際にお金がどう流れていくかを見ながら、
- 年収アップ
- 物価上昇
- 住宅ローン(金利上昇前提)
を組み合わせた、簡単なシミュレーションをやっていきます。
「自分の数字で計算してみたい!」と思えるような形にしていきますね。
「家計CF(キャッシュフロー)」で“これからの自分”をシミュレーションしてみる

ここまでで、
- セクション1:毎月の収支(家計PL)
- セクション2:資産と負債のバランス(家計BS)
を見てきました。
ラストのセクション3では、いよいよ
「家計CF(キャッシュフロー)」=お金の流れの未来予想図
をざっくりシミュレーションしてみます。
難しく聞こえるかもしれませんが、やることはシンプルです。
- 「年収が少し上がった世界」
- 「物価も一緒に上がった世界」
- 「住宅ローンの金利も、もし少し上がった世界」
この3つを組み合わせて、自分の手元に残るお金がどう変わるかを、
スマホの電卓レベルでざっくり計算してみましょう。
まずは“自分バージョンの3つの数字”を用意しよう
いきなりシミュレーションと言われても、ピンと来ないですよね。
まずは、あなたの数字で考えるための3つの基本データを用意します。
紙でもメモアプリでもOKです。
① 今の手取り年収
- 毎月の手取り × 12カ月
例:手取り月25万円なら
→ 25万円 × 12カ月 = 手取り年収300万円
ボーナスがある人は、
- 「手取り月収 × 12 + ボーナスの手取り」
でざっくり書いてみてください。
② 1年間の生活費(ローン以外)
ここもざっくりで大丈夫です。
「毎月の生活費 × 12カ月」でOK。
- 食費
- 光熱費
- 通信費
- サブスク
- 日用品
- 交通費
- 趣味・交際費 など
たとえば、
- 毎月の生活費(ローン抜き):18万円くらいかな
→ 18万円 × 12カ月 = 年間216万円
といった感じで、ノリで良いので数字を置いてしまいましょう。
③ 1年間の住宅ローン返済額
- 毎月の返済額 × 12カ月
例:毎月の返済が9万円
→ 9万円 × 12カ月 = 年間108万円
ここまで出せたら、今のキャッシュフロー(お金の流れ)は
手取り年収 − 生活費 − 住宅ローン = 1年間の「本当に自由に使えるお金」
という形で見られます。
例:とある30代のケース(ざっくり)
- 手取り年収:300万円
- 生活費:216万円
- 住宅ローン:108万円
300 − 216 − 108 = −24万円
このままだと年間24万円マイナス(貯金を取り崩している)状態ですよね。
こうやって、プラスかマイナスかだけでも見える化することが大事です。
「賃上げ+物価上昇」の2つの世界を比べてみる
次は、ニュースでよく聞く
- 「賃上げ○%」
- 「物価上昇率○%」
を、ざっくり自分の数字に当てはめてみましょう。
ここでは例として、
- 賃上げ:+5%
- 物価上昇:+3%
という“ありがちなパターン”で考えてみます。
スマホ電卓を片手に、ぜひ自分の数字でやってみてください。
ステップ①:年収が+5%になった世界
さっきの例で、手取り年収300万円だった人が、
- 賃上げ+5% → 315万円(300万円 × 1.05)
となります。
ニュースはここだけを切り取って
「年収アップ!」「34年ぶりの賃上げ!」
と言うわけです。
ステップ②:生活費が+3%になった世界
次に、物価上昇で生活費も上がるとします。
- 生活費:216万円 → 約222万円(216万円 × 1.03)
となります。
ステップ③:ローンはとりあえず今のまま、という前提でCFを見る
住宅ローン返済額は、まだ金利が動いていない前提でそのままとします(108万円)。
このときのキャッシュフローは、
- 手取り年収:315万円
- 生活費:222万円
- 住宅ローン:108万円
315 − 222 − 108 = −15万円
あれ? 賃上げで年収は増えているはずなのに、
- さっき:−24万円
- 今:−15万円
マイナス幅が少しマシにはなったものの、
まだ赤字のままですよね。
この例だと、
- ニュース的には「賃上げで景気よし!」
- 家計CF的には「赤字がちょっとマシになっただけ」
という状態になります。
ポイントは、
賃上げ率(年収の伸び) > 物価上昇率 + 固定費の増加
の関係にならないと、
体感として“ラクになった”とは感じにくいということです。
もしローン金利が上がったら?「最後の一押し」が家計CFを崩す
最後に、ここに「金利上昇」というイベントが乗っかってくるとどうなるか。
さきほどと同じ例で、
- 住宅ローンの金利が上がり、
- 毎月の返済が9万円 → 10万円になった
というケースを考えてみます。
ステップ①:年間のローン返済額を再計算
- 月10万円 × 12カ月 = 年間120万円
さっきは108万円だったので、
年間12万円の負担増です。
ステップ②:さっきのCFに当てはめる
- 手取り年収:315万円(賃上げ後)
- 生活費:222万円(物価上昇後)
- 住宅ローン:120万円(金利上昇後)
315 − 222 − 120 = −27万円
- 賃上げのおかげで年収は+15万円
- でも、物価で生活費が+6万円
- ローン返済が+12万円
差し引きすると、
「賃上げ分」どころか、むしろ家計の赤字幅が広がる
という結果になってしまいます。
ここで言いたいのは、
- 「利上げが悪い」「ローンが悪い」という話ではなくて、
- 賃上げだけを見て喜ぶと、CF全体で見ると逆にキツくなっていることに気づきにくい
という点です。
自分の数字でやってみるためのテンプレート
ぜひ、以下の3ステップをスクショ or メモ保存して、自分の数字で試してみてください。
①現在のCF
- 手取り年収:___万円
- 年間生活費(ローン以外):___万円
- 年間ローン返済額:___万円
→ ① − ② − ③ = 今のCF:___万円(プラス or マイナス)
②賃上げ+物価上昇後のCF
- 賃上げ想定:+__%(ニュースをそのまま入れてOK)
- 物価上昇想定:+__%(ざっくりでOK、2〜4%あたりなど)
- 手取り年収 ×(1+賃上げ率)= ___万円
- 生活費 ×(1+物価上昇率)= ___万円
- ローン返済はとりあえず現状維持:___万円
→ 新CF:___万円(プラス or マイナス)
③ローン金利上昇後のCF
- 「もし金利が上がって、毎月のローンが+__円になったら?」
- 年間の増加額:その金額 × 12カ月
- 新しいローン返済額(年間):___万円
- 手取り年収:②の賃上げ後の数字
- 生活費:②の物価上昇後の数字
→ “金利上昇後”のCF:___万円(プラス or マイナス)
ここまでやると、
- 「ニュースの賃上げ率だけでは、全然足りないな」
- 「金利が上がる前提で、生活費とローンのバランスを早めに見直したほうがいいかも」
- 「ボーナスは“ごほうび消費”だけじゃなくて、CFをフラットに戻すためのクッションにも使おう」
といった、自分なりの戦略が見えてきます。
ここで伝えたかったのは、ただひとつです。
“見かけ好景気”を信じる前に、あなたの家計CFでシミュレーションしてみよう
- 年収(賃上げ)
- 物価(生活費)
- 住宅ローン(金利)
この3つをセットで見ないかぎり、
ニュースと自分の生活のギャップは、いつまでもモヤモヤしたままです。
でも、スマホの電卓で10分くらい計算するだけで、
そのモヤモヤは「数字の問題」として、かなりスッキリ形になります。
結論:ニュースより「自分の家計決算」を信じていい
ここまで読んでみて、どんな感覚でしたか?
- 「あ、やっぱり“景気いいらしい”と“生活ラクじゃない”は別モノなんだな」
- 「なんとなく不安だったけど、ちゃんと数字で分解できそう」
そんなふうに感じてもらえていたらうれしいです。
このブログでやってきたことは、すごくシンプルに言うと、
「日本経済」より先に、まずは「自分株式会社」の決算を見よう
という話でした。
- 家計PL(損益計算書)
→ 毎月の「手取り − 固定費 − 変動費」で、
今の生活が黒字か赤字かをチェックする視点。 - 家計BS(貸借対照表)
→ 貯金・投資・家・ローンなどを並べて、
自分の資産と負債のバランスが健全かを見る視点。 - 家計CF(キャッシュフロー)
→ 年収アップ・物価上昇・金利上昇を一緒に入れて、
これから数年の「お金の流れ」がどうなりそうかをイメージする視点。
どれも、完璧にやる必要はありません。
ざっくりでいいから「書いて」「見て」「感じる」。
この3ステップだけで、だいぶ世界の見え方が変わります。
投資の世界では、
「決算も読まずにその会社の株は買わないほうがいい」とよく言われます。
同じように考えると、
自分の家計の決算(PL・BS・CF)を見ずに、
“今の生活レベル”や“これからの買い物”を決めるのはけっこう危険
なんですよね。
- 本当はずっと赤字なのに、「なんとなくやれてる気がする」だけで続けてしまう
- 実はローンの負担が重いのに、「周りも家買ってるし」で突っ込んでしまう
- 賃上げニュースを見て、油断して支出を増やしてしまう
こういうのは、
感覚の問題ではなくて、“情報不足”の問題です。
逆にいうと、今日お伝えしたような
- 3行PL(手取り・固定費・変動費)
- ざっくりBS(資産と負債のリスト)
- 簡易CFシミュレーション(年収・物価・ローン金利)
をちょっとやってみるだけで、
- 「ウチは思ったより安全ゾーンにいるな」
- 「うーん、今のペースだと3年後がしんどそうだな」
- 「だからこそ、ここから○万円だけ固定費を削ろう」
といった“次の一手”が、自然と見えてきます。
それはもう、
ニュースの見え方がガラッと変わる瞬間です。
もし今日の内容が少しでも刺さったら、ぜひ、
- 今日〜週末のどこかで10分だけ時間をとって、
- スマホのメモに「自分のPL・BS・CFのメモ版」を書き出してみてください。
数字はキレイじゃなくていいです。
「たぶんこんな感じ」が並んでいれば十分です。
そして一行だけ、最後にこう書いてみてください。
「この家計に投資する?」それとも「テコ入れが必要?」
自分の家計を、ひとつの“投資案件”として見てみる。
ちょっとドキッとするかもしれませんが、その視点が持てた時点で、
すでにあなたは「見かけ好景気」に流される側から、
自分で選んで動く側に立っています。
ボーナス過去最高、賃上げ34年ぶり、利上げのニュース…。
どれも大事な情報ですが、最後に決めるのはニュースではなく、あなたの家計三表です。
「日本がどうか」より先に、「自分の家計を黒字&健全にする」
そのための小さな一歩として、
今日のPL・BS・CFメモが、あなたのスタートになればうれしいです。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
【新NISA・iDeCo対応版】20代のいま、やっておくべきお金のこと 中村 芳子
こんな人に刺さる本
「20代のうちに何をしておけば“将来のお金の不安”が減るのか?」にド直球で答えてくれる1冊。
新NISA・iDeCo対応で、「給料」と「制度」をどう組み合わせて資産を作るかが、かなり具体的に書かれています。
- 20代〜30代前半の「ここからちゃんと整えたい」人向け
- 貯金ゼロ〜少額からのスタートでもOKな設計
- 将来の“自分株式会社”のBSをどう増やすか、イメージしやすい内容
実質賃金マイナスのニュースにモヤモヤしている人ほど、
「だからこそ今、ここまではやっておこう」が分かるので、リンク先で目次だけでも見てほしい系の1冊です。
イラストと図解で丸わかり! 世界一やさしい新NISAの始め方 小林 亮平
「とにかくカンタンに知りたい」人向けの新NISA本
- 全ページほぼイラスト&図解ベース
- 「NISAって何?」レベルからやさしく説明
- どの商品をどう組み合わせればいいか、ほぼレシピ感覚で分かる
ブログ本文で出てきた、
「インフレや金利上昇にやられっぱなしじゃなくて、“自分のCF側”も強くしたい」
という人には、最初の1冊目としてかなり相性いいです。
NISAの枠をどう埋めるか迷っている方に、「まずはここを読んでから決めてみては?」が理解できる本。
超ど素人がはじめる資産運用 第2版 風呂内 亜矢
「お金のこと、何も分からない」前提で書かれた安心の1冊
- 「貯金しかしてこなかった人」向けの入門書
- 自分に合った資産運用プランの考え方を、図解たっぷりで解説
- 積立・分散・長期といった王道を、初心者目線で噛み砕いてくれる
このブログで紹介した家計PL・BS・CFの考え方を、
「じゃあ具体的に、どんな商品で運用すればいいの?」までつなげてくれるポジション。
- 銀行預金だけではインフレに負ける
- でも“怖い投資”はイヤ
という方に、「これ読んでから一歩踏み出そう」と思える内容です。
日本経済の死角 ーー収奪的システムを解き明かす(ちくま新書) 河野 龍太郎
「なんで実質賃金だけずっと上がらないの?」の“裏側”を知りたい人へ
- 実質賃金が伸びない日本の構造を、データベースで解説
- 「生産性は上がっているのに、なぜ労働者に分配されないのか」
- 雇用慣行・企業統治・労働法制など、“システム側の問題”に切り込む内容
ブログでは家計の三表(PL・BS・CF)から生活者目線で語りましたが、
この本は「マクロ側の決算書」を解き明かすイメージです。
- 「自分の生活がきついのは、自分の努力不足だけじゃないのでは…?」
- 「ニュースで言う“失われた◯年”の中身をちゃんと知りたい」
と思った方には、かなり刺さる1冊。
ちょっと硬めですが、背景を知ることで“戦い方”が変わるタイプの本です。
新型インフレ 日本経済を蝕む「デフレ後遺症」(朝日新書) 永濱 利廣
「インフレ+実質賃金マイナス+金利上昇」の今を整理するならコレ
- 物価は上がるのに、給料の伸びが追いつかない“歪んだインフレ”の正体
- なぜ日本だけ「デフレの後遺症」を引きずったままインフレになっているのか
- 今後の金利・為替・日本経済の行方について、エコノミスト目線で解説
ブログで扱った、
- 実質賃金9カ月マイナス
- それでもボーナスは過去最高水準
- 日銀は利上げ方向へ
といった「見かけ好景気×生活キツい」状況を、より本格的に理解したい人向けです。
- 「自分の家計三表は整えつつ、日本全体がどこへ向かうのかも知っておきたい」
- 「住宅ローン・投資・キャリアの長期戦略を考える材料が欲しい」
という読者の、“背景解説の決定版”です。
それでは、またっ!!
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