みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その仕事、AIに渡せない“塊”のまま抱えてない?
「Coworkって何?」という話題、表面だけ見ると“またAIの新機能か”で終わりそう。でも、今回の本丸はそこじゃない。
Anthropicが発表したClaudeの新機能「Cowork」は、チャットで答えを返すだけじゃなく、指定したフォルダ内のファイルを読んで、作って、直して……まで“実作業”に踏み込む。しかも、開発者じゃなくても使える形に寄せてきた。研究プレビューとして、macOS版アプリ&Claude Max契約者向けに提供が始まっている。
で、ここからが面白い。Coworkが広がるほど、会社の「できる人」の定義がズレる。
これまでの“できる”は、手が速い・資料がうまい・残業で押し切れる、みたいな筋力勝負だった。ところがエージェントが同僚になると、勝負は「AIに投げる単位を切れるか」に移る。言い方を変えると、社内の仕事を“タスク会計”できるかどうか。
タスク会計って、要は「仕事の帳簿」だ。作業を“見積もれる形”にして、AIに任せる部分と、人が責任を持つ部分を分ける。ここで必要なのは“プロンプト職人芸”より、業務を解体する観察眼。Excelを触る人、資料を作る人、経理や総務みたいに“手順が積み上がる仕事”ほど、ここが効いてくる。
・この業務、成果物は何?
・入力はどこで、出力はどこ?
・判断が必要な箇所はどこで、人が見るのは何分?
・失敗しても致命傷にならない最小単位はどこ?
ここが切れないと、Coworkに頼みたくても頼めない。逆に切れた瞬間、月次の資料づくり、請求書の整理、議事録→要点→共有文面の作成みたいな“散らばった作業”が、一気に束ねられるかもしれない。
もちろん、ローカルファイルに触れる系はリスクも増える。たとえば「ファイル内の指示」に引っ張られて情報が漏れる可能性が議論されている、という指摘も出ている。 だからこそ、仕事を分解して「ここまでは任せる/ここからは人が確認する」を線引きするのが先。
この記事では、Coworkを“AIニュース”として追うんじゃなく、「タスクをどう割るか」「何を残すか」という社内設計の話として解体していく。読むと、明日からの仕事の投げ方が変わるはずだ。
目次
Coworkが刺さる人は「タスク会計」ができる人

Coworkみたいな“作業までやるAI”が入ってくると、個人のスキルより先に会社の仕事の形が問われる。
「この仕事、どう切って渡す?」が曖昧なままだと、AIが優秀でも空回りするんだよね。
ここでは、社内の仕事を“会計っぽく”分解して、任せられる単位に整えるやり方を置いておく。
タスク会計=「仕事の勘定科目」を作ること
タスク会計って、キラキラした言葉じゃなくて超地味。
でも効く。
- 何を成果物(アウトプット)として残す仕事か
- 何を材料(インプット)として使う仕事か
- 誰がOKを出す仕事か(承認・責任)
- ミスった時の損失がどれくらいか(リスク)
これ、会計で言うと「売上」「原価」「締め」「監査」みたいに役割が分かれてる状態。
分かれてない仕事は、だいたい“人の脳内”に埋まってる。
Coworkに投げられるのは、脳内じゃなくて台帳化された仕事。ここが境目になる。
“投げられる単位”は、成果物で決まる(作業で切ると事故る)
落とし穴はここ。
「資料作って」「経費整理して」みたいに作業名で投げると、AIはそれっぽいものを返してくる。でも“それっぽい”は社内だと事故の匂いがする。
切るべきは作業じゃなくて、成果物の形。
たとえば議事録。
- NG:議事録まとめて
- OK:この会議メモから「決定事項」「未決事項」「担当者と期限」を箇条書きにして、Slackに貼れる文面にして。固有名詞は原文ママ。推測で補完しない。
月次レポも同じ。
- NG:月次レポ作って
- OK:この数字表から「前年差が±10%超の項目だけ」を抜き出して、増減理由の“仮説”を3つ書いて。仮説は仮説と明記。最後に確認質問を5つ。
ここで急に、AIが“同僚”になる。
理由はシンプルで、人間がチェックできる形に変わるから。
そのまま使える「分解テンプレ」:入力→処理→出力→検収
Cowork前提でタスクを切るなら、この4点セットが強い。
①入力(Input)
- 参照するファイル/URL/メモ
- 正のデータはどれ?(最新版、確定版、など)
②処理(Process)
- 何をどう変換する?(要約、分類、差分抽出、整形、文章化)
- 禁止事項:推測しない、数字を作らない、など
③出力(Output)
- 形式:箇条書き/表/メール文/スライド原稿
- トーン:社内向け、役員向け、顧客向け
- 文字数・粒度:1行20字×10行、みたいに決めると強い
④検収(Acceptance)
- 合格条件:誤字ゼロ、固有名詞保持、URL添付、など
- 人が確認するポイント:上位3つだけに絞る(全部チェックは破綻する)
これを1枚の「タスク会計シート」にすると運用が回る。列はこんな感じ。
- タスク名 / 成果物 / 入力元 / 出力先 / 禁止事項 / 合格条件 / チェック担当 / 期限 / リスク(低中高)
地味だけど、ここまで書けたタスクはAIに渡しても崩れにくい。
最後にひとこと。
タスク会計ができる人って、別に几帳面な人じゃない。むしろ逆で、「どこが雑でいいか」を決められる人だと思う。
次のセクションでは、この分解を“社内で回す”話に行く。
Coworkが入った瞬間に起きがちな、役割のねじれと責任の置き場所。ここ、放置すると揉める。
導入した瞬間に揉めるのは「責任・権限・確認」問題

Coworkみたいに“手を動かすAI”が入ると、便利さより先に社内で起きるのがコレ。
「で、ミスったら誰の責任?」ってやつ。
しかもCoworkは研究プレビュー段階で、ローカルのファイル操作やネット上の情報に触れながら動くタイプ。リスクとして「プロンプトインジェクション(外部の文面に誘導される)」が明確に注意喚起されてる。
だから、運用設計をサボると一発で空気が冷える。ここ、わりとリアル。
“AIがやりました”は通らない。責任は「指示を出した人」に戻る
Coworkが勝手にファイルを整理してくれた。最高。
…その直後に、必要なファイルも消した(あるいは上書きした)とする。
このとき社内は一瞬でこうなる。
- 「AIがやった」
- 「いや、使ったのあなたでしょ」
- 「そもそも触らせたフォルダがまずかったのでは」
Coworkはファイルを変更・削除し得るタイプなので、提供側も“明確に指示してね”と注意してる。
つまり運用上は、「AIの成果物=ドラフト」「人の承認=確定」にしないと揉める。
ここを曖昧にすると、AIが賢いほど事故のスピードも上がる。地獄。
責任設計はシンプルでいい。
- 指示者=成果物のオーナー(最終責任)
- 確認者=検収係(チェックポイントだけ見る)
- AI=作業者(ログと差分を出す)
“誰が何を持つか”を先に固定しておくのが、導入の最短ルート。
権限は「役職」じゃなく「フォルダ」で切る。最小権限が正義
Coworkの強みは、指定フォルダの中で仕事が進むこと。
逆に言えば、フォルダ設計がそのまま権限設計になる。
公式の安全ガイドでも「機密情報を含むローカルファイルへのアクセスは避ける」みたいな注意が出てる。
ここを社内向けに言い換えると、こう。
- Cowork用に“作業場フォルダ”を作る(原本は入れない)
- 原本は読み取り専用で別管理、Coworkはコピーだけ触る
- 触らせるサイト(ブラウザ拡張など)も信頼できる範囲に限定
「経理フォルダ全部OK」みたいなのは、攻めすぎ。
Coworkは研究プレビューで、業界全体としても“エージェントの安全”はまだ発展途上だと公式が言ってる。
だからこそ、最初は権限を小さく、成果を大きくが勝ち筋。
確認は“全部チェック”を捨てる。見るのは3点だけで回る
「AIが作ったものは全部確認しないと不安」
わかる。けど、それやると運用が死ぬ。
検収(チェック)は、3点セットにしてしまうと回りやすい。
- 差分:何を新規作成/変更/削除した?(ファイル名単位でOK)
- 禁止事項:推測で補完してない?数字作ってない?固有名詞を変えてない?
- 最終アウトプット:社内に出していい状態?(誤字より“誤解”を潰す)
この形にしておくと、確認者は5分で終わる。
Coworkは「日常業務を自動化」方向で広がってるぶん、セキュリティ面(ファイル流出の可能性など)を懸念する指摘も出ている。
だから、ログ(何を読んで何をしたか)を残す設計もセットで持っておきたい。揉めた時に“証拠”になるから。
このセクションの結論は、ひとつ。
Cowork導入はツール導入じゃなくて、責任・権限・確認の再配置。
次のセクション3では、ここまで整えたうえで「じゃあ、どの仕事から入れると勝ちやすい?」をやる。
タスク会計が効く“鉄板の業務”と、逆に触ると燃えやすい業務も分ける。
どの仕事から入れる?「勝ちやすい順」と、踏むと燃える地雷

Coworkは「会話」じゃなくて「作業」まで来る。
つまり導入の成否は、機能より入口の業務選びでほぼ決まる。
公式の説明でも、Coworkは“選んだフォルダ”にアクセスして、読み書き・作成までやれる。さらにタスクをキューに積んで並列で回す、いわば同僚ムーブが前提だ。
この前提で、勝ちやすい仕事を置いていく。
勝ちやすい業務ランキング:低リスク×反復×成果物が明確
A:初日から効果が出やすい(「やり直し」が効く系)
- ダウンロード整理:ファイル名のルールでリネーム、フォルダ仕分け(ミスっても戻せる)
- スクショ束→経費一覧:レシート画像から日付・金額・店舗を抜き出してスプレッドシート化
- 散らかったメモ→報告書ドラフト:箇条書きを「社内向け1枚」に整形(最終判断は人)
ここは“雑でも価値が出る”。
タスク会計がまだ荒くても回る。まずここで社内の空気を温めるのが強い。
B:次に効く(会計寄り:締め作業の前処理)
- 勘定科目の補助資料づくり:明細から「前年差が大きいものだけ抽出」→理由候補を並べる(候補と明記)
- 請求書・見積書の束の台帳化:番号・日付・取引先・金額を表に落とす(突合は人)
- 議事録→決定事項だけ抽出:やること・担当・期限に変換してSlack文面まで
この辺りは、スピードというより抜け漏れを減らす用途が刺さる。
“人間の集中力”が一番減る領域だから。
C:慣れてから(権限と責任の設計が要る)
- テンプレ作成の自動化:社内メール、稟議の下書き、手順書の叩き台
- ブラウザ絡みの作業:検索→比較→要約(ただし後述の地雷とセット)
Coworkはブラウザアクセスも組み合わせられる、と公式も触れてる。
地雷ランキング:燃えるのは「破壊」「対外」「金が動く」から
Coworkは、指示次第でローカルファイルを削除する可能性がある、と公式がはっきり言ってる。だから“破壊系”は一段重い。
踏むと揉めやすい地雷はこの3つ。
- ①原本の上書き・削除が起きる作業
→ 仕訳データ原本、契約書PDF、提出前の見積書…この辺を直に触らせると事故の匂いが濃い - ②対外コミュニケーションをそのまま送る
→ 営業メールや謝罪文を“自動送信”は、社内ルールが整うまで封印が無難 - ③支払いや意思決定に直結する作業
→ 振込、発注、承認フローを飛ばす…ここはAIが優秀でも「責任」が追いつかない
先にやるなら、全部“ドラフト”で止める。
確定は人。ここを崩すと、便利さが一瞬で敵になる。
Cowork向きに変換するコツ:「AIに丸投げ」じゃなく「AIに部品を作らせる」
Coworkが“同僚”っぽいのは、タスクを積んで並列で回せるところ。
だから投げ方は、丸投げより部品化が勝つ。
たとえば月次レポなら、
- ①差分抽出(前年比・前月比で閾値超えだけ拾う)
- ②要因の候補出し(候補と明記)
- ③確認質問の生成(部門に聞く5問)
- ④文章整形(役員向け300字版+部門向け詳細版)
…みたいに分けると、AIの“暴走”が起きにくいし、検収も速い。
しかも部品が残るから、翌月はそのまま回る。これがタスク会計の快感ポイント。
あと地味に大事なのが安全面。公式も「プロンプトインジェクション(外部コンテンツで誘導される)」リスクに触れていて、防御はしているが“エージェント安全は発展途上”と明言してる。
だから最初は、ブラウザ連携は限定的、フォルダも作業場だけ、が丸い。
結論:AIが同僚になった日、“できる人”は作業者から編集者へ
Coworkみたいなエージェントが社内に入ってくると、仕事の景色が変わる。
「速く打てる」「資料を綺麗に作れる」みたいな“手の速さ”は、もちろんまだ役に立つ。けど、それが主役の座を守る感じじゃない。
主役になるのは、仕事を分解して、任せ方を設計できる人だ。
たぶん、ここで少し嫌な空気も出る。
今までなら「がんばって夜に片付けた」が武勇伝になったのに、これからは「それ、AIに投げれば10分だよね?」が普通に飛んでくる。努力が評価されなくなる、というより、努力の置き場所が変わる。
しかもエージェントは、こちらが思っているより“仕事っぽいこと”をする。フォルダの中を読んで、ファイルを作って、直して、場合によっては消してしまうこともある。だからこそ、運用設計が甘いと一瞬で事故る。Coworkが注意している通り、外部コンテンツに誘導されるリスク(プロンプトインジェクション)もゼロじゃない。
便利さと同じ速度で、リスクも走る。ここ、現実。
でも逆に言えば、社内の仕事を「タスク会計」できるようになった瞬間、伸び方がえぐい。
- 成果物が何かを先に決めて
- 入力と出力を固定して
- 禁止事項と合格条件を置いて
- 最後に人間が3点だけ検収する
この型が回り始めると、Coworkは“AI”じゃなくて本当に同僚になる。
しかも、文句も言わないし、疲れないし、同時並行で動く。だから人間側の役割は、作業者じゃなくて編集者(エディター)に寄っていく。
雑に言うと、「作る人」から「整える人」「決める人」へ。
ここまで読むと、「結局、またスキル勝負じゃん」と思うかもしれない。
でも、求められるのは特殊な才能じゃない。社内の仕事って、もともと分解できるようにできてる。経費、稟議、議事録、月次、調査、手順書。全部、インプットとアウトプットがある。
ただ、それが“人の頭の中”に埋まってるだけ。
Coworkは、その埋まってるものを引っ張り出す装置だ。
便利な道具であると同時に、社内の仕事の棚卸しを強制する鏡でもある。ここが尖ってて面白い。
そして、たぶん一番大きい変化はここ。
「AIに仕事を奪われるか?」じゃない。
「仕事を“任せられる形”に直せるか?」だ。
同じ業務でも、タスク会計ができるチームは、毎月どんどんラクになる。
できないチームは、毎月同じ地獄を繰り返す。
差がつくのは努力量じゃなくて、分解の精度。残酷だけど、もう始まってる。
AIが同僚になった日。
詰むのは、AIが怖い人じゃない。
“仕事が塊のまま”の人から、静かに詰む。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『実践AIエージェントの教科書 構築技術と豊富な活用事例で学ぶ』
「AIに何を任せる?」で止まらず、任せたあとに“どう回すか”まで踏み込める本。活用事例が多いタイプなので、読みながら自社の仕事に置き換えやすい。Cowork的な“同僚AI”に慣れる一冊として強い。
『生成AI最速仕事術』
「AIで速くする」を、現場の作業単位まで落としてくれる実務寄り。投げる粒度(タスクの切り方)の感覚が掴めるので、この記事の“タスク会計”をそのまま手癖にしやすい。
『構造化思考のレッスン』
タスク分解が苦手な人ほど刺さるやつ。頭の中のモヤモヤを、論点・要素・関係にほどいて“見える化”する練習本なので、AIに投げる前の整理が上手くなる。仕事が塊のままの人は、まずこれが近道。
『オペレーショナル・エクセレンス――業務改革(BPR)の理論と実践』
Cowork導入で揉めがちな「責任・権限・確認」を、気合じゃなく仕組みで整える視点が手に入る。業務フローの見直しや改善の型がまとまっていて、チーム導入の地ならしに向く。
『3訂版 少しのコツで不正・ミスを賢くチェック!「おかしな数字」をパッと見抜く会計術』
「タスク会計」をやるなら、最後は数字の検収が避けられない。これは会計の専門書というより、“変な数字の見つけ方”に寄せた実務本。AIが作った集計やレポートを、人が短時間でチェックするための武器になる。
それでは、またっ!!
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