みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
郵便局の棚が、あなたの街の“最後の1km”を塗り替えるって知ってた?
「郵便局って、手紙と切手の場所でしょ?」
この前提が、そろそろ崩れそうです。
日本郵便が関東エリアの郵便局で、ミニストップ取扱いの商品(食品・飲料・日用品など)を“局内で”試験販売し始めました。対象は37局、品目は約70種類。しかも冷蔵ケースまで置く。支払いはキャッシュレスのみで現金は不可という、わりと割り切った設計です。
これ、ニュースとしては「郵便局でコンビニ商品が買える」なんだけど、面白いのはそこじゃない。
尖ってるのは、郵便局が“売る場所”になり、さらに“運ぶ場所”でもあり続ける点。
つまり郵便局が、
仕入れ → 販売 → 配送(ついでに受取・再配達の受け皿にもなれる)
みたいな動線を、同じ拠点で回し始めたってこと。ここまでくると「地域の小型商社」っぽい匂いがしてきます。
そして会計・投資の目線で見ると、もっと生々しい。
郵便局って、店舗も人も“固定費”が分厚いビジネスです。人が減って郵便が減っても、ネットワークは簡単に畳めない。そこで物販を入れると、売上が立つだけじゃなく、粗利で固定費を少しでも回収できる。これ、収益構造の設計を変える動きです。
この記事では、郵便局の“コンビニ化”をネタにしつつ、
- なぜ今、郵便局が物販をやるのか(ラストワンマイルの現場目線)
- 「郵便局=地域インフラ」が“商社化”すると何が起きるか
- 固定費×粗利×拠点網という、事業ポートフォリオの組み替えの見方
この3本で掘っていきます。
「物流の話って難しそう…」って人でも、会社のPLをイメージできれば読めるように書きます。ここ、意外と身近です。
目次
コンビニ棚1台で、郵便局の役割が「売る・運ぶ・受け取る」に寄ってくる

郵便局ロビーにミニストップ商品を並べる。しかも冷蔵ケースまで置く。
一見ゆるい実験に見えるけど、設計がけっこう割り切ってます。
関東支社エリアの37郵便局で、2026年1月19日から試行。品目は約70種類で、支払いはキャッシュレスのみ(現金不可)。置き場所も「窓口の横」じゃなく、来た人が目にするロビーに棚+冷蔵ケース。ここ、意図が透ける。
狙いは「ついで買い」より、“来店理由”の再設計
郵便局って、用がないと行かない場所になりがち。郵便物が減ってるならなおさら。
そこで「毎日使う小物」を置くと、来店の理由がちょっとズレます。
しかもSKU(品目数)を約70に絞って、決済もキャッシュレスだけ。
これは“売上を最大化”というより、オペを重くしないまま物販を差し込む動きに見える。レジの現金管理や釣銭ミスの手間を最初から捨ててるのが象徴的。
棚の裏側にあるのは「ラストワンマイルの渋滞」
ラストワンマイルって、最後の配達区間のこと。ここが一番コストが高い。
配達員不足、再配達、置き配の受け皿…現場の詰まりが増えるほど“拠点”の価値が上がります。
日本郵政グループの資料でも、郵便物数の減少に合わせて集配拠点を再編し、都市部では「地域区分局で集中処理」+「お客さまに近い集配拠点を新設」など、走行距離を短くする発想が明記されています。
ここに物販を入れるとどうなるか。
「買うついでに受け取る」「受け取りついでに買う」が成立しやすくなる。
拠点が“配送のハブ”だけじゃなく、人が立ち寄る理由があるハブになるわけです。
会計目線で見ると、これは固定費の“回収ルート”を増やす話
郵便局ネットワークは固定費が分厚い。店舗も人も、急に減らせない。
決算説明資料を見ると、日本郵便の人件費は約7,057億円規模で、営業利益は231億円(2025年3月期)。固定費が重い産業で、利益が薄い感じが数字に出てます。
さらに同資料には「その他収益」の内訳として物販事業も出てくる。つまり物販は“ついで”じゃなく、すでにPL上の柱候補。
だから今回の試行は、
固定費(局・人)× 粗利(物販)× 既存導線(来局/受取/発送)
を組み直して、局の採算の取り方を変える一手に見えるんです。しかも拠点は全国にある。強い。
ロビーの棚は小さいけど、意味は大きい。
「郵便局=手紙」から、「郵便局=地域の小型商社(仕入れ+販売+配送)」へ。入口が見えた感じがします。
「地域の小型商社」化で、郵便局のPLだけじゃなく“BS”も動き出す

郵便局でコンビニ商品を売る。
この一手を、会計の言葉に置き換えると 「固定費ビジネスに、粗利ビジネスを混ぜる」 です。
関東5県の37局で、ロビーに棚と冷蔵ケースを置いて、食品・飲料・日用品など約70種類を試験販売。支払いはキャッシュレスのみ。ここまで仕様を削ってるのは、「まず回る形」を作りたいからに見える。
粗利の話に見せかけて、勝負は“回転”と“廃棄”
コンビニ商材って、粗利率だけで語ると転びます。
冷蔵・消費期限・欠品補充があるから。
郵便局側で見ると、怖いのはここ。
- 売れ残り=廃棄(その瞬間に粗利が溶ける)
- 欠品=「どうせ無い」が刷り込まれて来店理由が消える
- 冷蔵ケース=電気代+管理ルール+トラブル対応
だから品目を約70に絞り、決済をキャッシュレス限定にして、運用の摩擦を最初から減らしてるのが読みどころです。 “物販やってみた”ではなく、“事故りにくい形で回したい”って匂い。
郵便局は「店」じゃなく、在庫を持つ“拠点”になる
尖りポイントにあった通り、郵便局は「手紙の場所」からずれてきてる。
そしてずれ方が、かなり物流っぽい。
日本郵政グループは、郵便物数の減少に合わせて集配拠点の再編を進め、都市部では「地域区分局で集中処理」+「お客さまに近い集配拠点を新設」など、走行距離を短くする方針を資料で示しています。
ここに物販を重ねると、郵便局はこうなる。
- 仕入れ(ミニストップ商材)
- 保管(棚・冷蔵)
- 受け渡し(来局導線)
- 配送(本業のラストワンマイル)
「店」より、「拠点」。
だから“地域の小型商社”という表現がハマるんですよね。
投資家目線だと、見たいのは売上じゃなく“ポートフォリオの薄まり方”
日本郵便の事業は、郵便物が減ると痛い。実際、引受の郵便物は減少が続いている数字が出ています。
一方で荷物系は伸びやすい。ここに「物販」を足すのは、売上を増やすより、収益の波を薄める発想に近い。
たとえば、補足データでは「郵便・物流事業」の営業利益が前年から減っている一方で、セグメントごとの動きや物数の内訳が細かく出ていて、稼ぎ方の組み替えを意識しているのが見える。
投資家のチェックポイントはたぶんここです。
- 物販の粗利が、局網の固定費をどれだけ“薄める”か
- 在庫・廃棄・管理コストが増えて、逆に重くならないか
- 「拠点再編(走行距離短縮)」と物販が噛み合って、現場が回るか
「郵便局が売店を始めた」じゃなく、事業ポートフォリオの“混ぜ方”の実験。この見方にすると、ニュースが急に面白くなる。
うまく回れば“全国網の再評価”、転ぶと「現場が死ぬ」—コンビニ化の勝ち筋と落とし穴

郵便局のコンビニ化って、聞こえは軽い。
でも実際は「全国の拠点網をどう収益化し直すか」の実験です。
関東5県の37局で、ロビーに棚+冷蔵ショーケースを置き、約70種類をキャッシュレス限定で売る。設計が薄いぶん、結果がハッキリ出るタイプ。
勝ち筋は「品揃え」じゃなく、郵便局ならではの導線で決まる
コンビニと真正面から殴り合ったら負けます。
じゃあ郵便局の武器は何か。
- 荷物の受け取り・差し出しで“もともと人が来る”
- 配達網と拠点がすでにある(ラストワンマイル側の資産)
- 地域によっては「最寄りの公的っぽい窓口」ポジション
日本郵政グループ自身も、郵便物数の減少に合わせて集配拠点を再編し、「地域区分局で集中処理」「お客さまに近い集配拠点を新設」など、ラストワンマイルを強くする方針を出しています。
ここに物販を乗せるなら、“売る”より先に、
受け取る→ついでに買う
買う→ついでに発送する
この往復が作れるかが勝負。棚の大きさじゃない。
落とし穴は「廃棄」より“現場の余力”
冷蔵商品を置くと、地味に増えるものがあります。仕事。
- 補充の頻度
- 温度管理や故障時の対応
- 問い合わせ・クレームの窓口
- 盗難・破損の処理
今回、決済をキャッシュレス限定(現金不可)にしてるのは、現金管理という重い仕事を最初から背負わないため。これは賢い。
ただ、それでも「物販の運用」が増えるのは確定です。
郵便局って、繁忙の波が大きい。年賀状シーズン、引越し時期、再配達が増える時期…。
その波の上に物販を積むと、現場が詰まりやすい。ここ、落とし穴です。
投資・会計の見どころは“利益の質”が変わるかどうか
この施策が効くなら、郵便局ネットワークは「固定費の塊」から、稼ぐ拠点に近づく。
決算資料では、日本郵便(郵便局窓口事業セグメント)の営業利益が231億円(2025年3月期)と示されていて、薄利であることが分かります。
ここに物販粗利が乗ると、利益が増えるだけじゃなく、利益の“作り方”が変わる。
投資家目線でのチェックは、たぶんこの3つ。
- 粗利が固定費をどれだけ吸えるか(局網の評価が変わる)
- 在庫・運用コストで利益が薄まらないか(数字が良くても中身が弱いパターン)
- 拠点再編(走行距離短縮)と一緒に回っているか(現場が詰まると全部止まる)
要するに、「売上が増えた」より、利益の質が変わったかが本丸です。
郵便局のコンビニ化は、派手な改革じゃない。
でも、うまくいけば“全国網”の意味が変わる。逆に詰まれば、現場が先に悲鳴を上げる。どっちに転ぶか、試行の数字が楽しみなやつです。
結論:郵便局は「郵便の延長」じゃなく、地域の“稼ぐ拠点”に変わる
郵便局のコンビニ化を、ただの話題づくりで終わらせるのはもったいない。
棚と冷蔵ショーケースが置かれた瞬間に、郵便局は「窓口」から一段ズレます。
手紙が減る。
それでも局は残る。人も配置される。
この“動かしにくい固定費”を、どうやって意味のある形に変えるか。そこが本題でした。
物販は分かりやすい入口です。
毎日買うものが置いてあるだけで、来る理由が増える。受け取りや発送の導線にも混ざっていく。
でも勝負は売上の数字じゃなくて、もっと地味なところ。
- 欠品が少なくて「ここに来ればある」が続くか
- 廃棄や管理コストが粗利を食い潰さないか
- 既存業務の波に飲まれず、現場が回るか
ここが揃うと、郵便局は“地域の小型商社”っぽくなっていきます。
仕入れて、置いて、売って、運んで、受け取らせる。
これが同じ拠点で回るの、地味に強い。
投資の目線で言うなら、見たいのは「新規事業が当たったか」より、固定費の回収の仕方が変わったか。
日本郵便(連結)は人件費が2兆円規模で、固定費が重い構造が数字にも出ています。
局網という重たい資産が、コストセンターからプロフィットセンター寄りに動くなら評価が変わる。逆に、現場が詰まってクレームが増えたら一発で止まる。シビアです。
もう一つ面白いのは、これが“コンビニと競う”より“組む”方向に寄っている点。
自前で仕入れ網をゼロから作るより、既存の流通を借りたほうが速い。郵便局は拠点と人があるから、そこに商品と補充の仕組みを差し込めばいい。
逆に言うと、パートナー次第で「何を売るか」「どう補充するか」が変わる。地域の特産品や行政サービス、受け取りロッカー、フードロス対策…枝は伸ばせます。
ただ、伸ばしすぎると“便利な何でも屋”になって運用が破綻しやすい。
だから最初の実験が、品目を絞って、決済も絞って、冷蔵まで置いて「ここまでなら回る?」を確かめにいってるのがリアルです。
次に郵便局へ行ったとき、ロビーの棚を見てみてください。
そこに並んでるのは、お菓子じゃなくて「次の収益モデルの試作品」かもしれません。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『これからの物流を読み解く!』湯浅和夫・内田明美子・芝田稔子
「2024年問題」以降、物流がどんな順番で変わっていくのかを、現場の打ち手(共同配送・拠点の再設計・省人化・DX/GXなど)まで含めて一気に整理できる1冊。郵便局の“拠点ビジネス化”を、業界全体の流れに接続して読むのにちょうどいい。
『トラック輸送イノベーションが解決する物流危機』兵藤哲朗
ラストワンマイル以前に「そもそも運べる量が足りない」という詰まりがある。そこを、制度・構造・技術の観点からどうほどくかに寄せた本。郵便局の施策を“点”じゃなく“輸送供給の危機”の延長線で理解したい人向け。
『顧客をつかむ戦略物流』角井亮一
物流を「コスト」じゃなく「顧客をつかむ武器」として使う企業の考え方が見える本。郵便局の“売る+運ぶ”も、結局は体験設計の話なので刺さる。読み終わる頃には「ラストワンマイル=マーケの一部」みたいに見え方が変わるはず。
『財務3表一体理解法 「管理会計」編』國貞克則
「固定費をどう回収するか」「粗利でどこまで吸えるか」みたいな話を、PLだけでなくCF・BSまでつなげて考えるための土台になる。郵便局のモデル転換を“会計で言語化”したい読者に強い。
『図解&ストーリー「資本コスト」入門〈第3版〉』岡俊子
事業ポートフォリオの組み替えを語るなら、最後は「その事業、資本コストを超えてる?」が避けられない。PBRやROICがニュースで飛び交う今の空気にも合うし、郵便局の“拠点網をどう評価し直すか”を投資目線に接続しやすい。
それでは、またっ!!
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