みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
節約したはずのDIY、もし“見えない請求書”が後から届いたらどうする?
このブログを読むことで、“節約”と“リスク”のバランス感覚が身につきます。手軽にできるDIY整備で浮いた費用は魅力ですが、思わぬ事故や保険料増加、時間のロスといった隠れたコストが家計を圧迫することがあります。特にタイヤ交換など基本的な作業ほど、慣れや道具不足でミスを犯しやすく、結果的に大きな損失を招くケースも少なくありません。本稿では「DIY=必ず節約になる」という感覚と現実の乖離を、会計的視点(原価計算・リスク評価・内部統制)も交えて考察します。
目次
「DIY=コスト削減」は本当か?(感覚と現実の乖離)

DIY整備の最大の魅力はやはり作業工賃をゼロにできる節約効果です。たとえば海外の調査では、DIY愛好者は年間数千ドル(約4,000米ドル)もの節約が可能と報告されています 。タイヤ交換でも業者に依頼すれば数千~数万円の工賃がかかりますが、自分でやればそれを丸ごとカットできます 。特に頻繁にタイヤ交換が必要な人にとっては、長期的な節約効果は大きくなるでしょう 。
しかし、その感覚と現実には大きなギャップがあります。まず、DIYでは工具の購入費用や作業の手間がかかります。タイヤ交換ならジャッキやトルクレンチなど専門工具が必要で、その初期投資も見落とせません。また、慣れない作業では手際が悪く、1本あたり30分、4本で約2時間もかかるとされています。その時間を働けば給与が入ることを考えれば、機会損失の面からは節約効果を大きく上回るコストになる場合もあります。
さらに、失敗時のコストは想像以上です。小さな作業ミスでも高額修理につながることがあります。例えばジャッキアップ中に車体が落下すると下回りが激しく損傷し、10万円以上の修理費がかかるケースもあります 。またDIYのタイヤ脱着では、ホイールナットの締め付け不足で脱輪する事故が後を絶ちません。専門家サイトでも「正しい知識なく作業すると、ホイールナットを緩めた途端にタイヤが外れ、運転不能になる危険がある」と警告されています 。これらを考慮すると、DIY整備の実質的な原価には「作業時間」や「事故リスク分のコスト」を含めて計算すべきだと言えます。しばしば“節約”と思っていた金額が、ミス1回で軽く吹き飛んでしまうのです。
以上から、DIY整備で得られる節約効果と、実際に発生しうる損失額を比べると、感覚と現実には大きな乖離があります。
- 節約面:作業工賃や部品費用が抑えられ、上手くいけば数千~数万円の節約になる 。
- リスク面:誤った手順や経験不足が原因で事故や故障が起きると、修理費・賠償金が数十万~百万円単位に膨らむ可能性がある 。
- 機会費用:未経験者のDIYは想像以上に時間がかかり、その時間を働いて得られる報酬や、家族との時間を犠牲にするコストも考慮すべきです 。
このように、「DIYで安上がりになる」という感覚と、実際に発生するコストには大きなズレがあります。次節では、このズレを生む“隠れたコスト”を保険や事故、時間の側面からさらに掘り下げます。
知られざる“隠れコスト”の正体(保険、事故、時間の損失)

DIY整備で事故や故障が起きた場合、直接の修理費用以外にも多くのコストが発生します。ここでは代表的な3つの側面――保険・賠償、事故発生時の費用、そして時間と機会コスト――を見ていきます。
保険料・賠償責任の重荷
もし自分で整備した結果、不具合が原因で事故を起こせば、他人に怪我や車両損害を与えた場合は賠償責任が生じます。対人・対物賠償では、事故時に車両保険を使えば事故対応のコストは保険会社が支払いますが、保険料への影響が避けられません。日本では、保険を使用するとノンフリート等級制度により翌年の等級が下がり、保険料が高騰します。DIYで整備ミスをして事故を起こせば、自己負担額だけでなく、その後数年間にわたり保険料が数万円単位で上がり続ける点を忘れてはなりません。
また、保険会社の対応という観点もあります。米国の保険専門サイトによれば、保険会社は被保険者が自己修理した場合、万が一修理後に別の不具合が発生しても、「修理保証」が効かないため追加補償が難しくなると警告しています 。つまりDIY整備で作業した場合、何かトラブルがあっても保険会社からの支払いに制約が生まれる可能性が高いのです。さらに極端なケースでは、DIYによる故障が保険の保証対象外と判断されることも考えられ、損害賠償を個人負担しなければならないリスクがあります。
事故発生時の直接コスト
DIYミスが原因で事故や怪我を起こした場合、直接コストも莫大になる可能性があります。例えば、DIYのブレーキ修理ミスで事故を起こせば、被害者への賠償金、修理費、その他各種費用が合わさって数百万円に上ることもあり得ます 。実際、法律事務所の記事では「DIYの不具合で手を挟んで病院搬送されたり、高速走行中にブレーキ不良で追突事故を起こせば、命に関わる上に医療費・修理費で数百万円の損失になる」と警告されています 。さらに、車両同士の衝突事故となれば被害者も追加され、賠償総額は膨れ上がります。近畿地区の共済組合でも、車輪脱落事故で同乗車両や対向車3台に損害が出た事例で、修理費と賠償金総額の70%を整備業者(故意にホイールボルトを締めすぎた影響)に支払う結果となりました 。これは整備ミスの代償額がいかに大きくなるかを物語る事例です。
要するに、事故時の賠償額や修理費はDIYで浮いた金額をはるかに超える場合があります。DIYで節約できる数千~数万円とは比較にならない大損失のリスクが隠れているのです。
時間と機会の損失
もう一つ見落とされがちなコストが時間です。未経験で自力のタイヤ交換に取り組むと、1本あたり約30分、4本で約120分ほどかかるとされています 。この2時間を趣味に使うのか、他の仕事(時給制なら数千円分の労働)や家族と過ごす時間に充てるのかを考えると、「節約できた」と見なしてよいのか微妙です。また、工具の扱いに慣れていないと余計に手間取る上、作業中は注意も集中させねばなりません。その間に仕事の締め切りが迫ったり、子どもの世話が必要になったりすれば、結果的に機会損失と精神的ストレスを被ることになります。
さらに、DIY作業では安全確認や最終チェックにも時間を割く必要があります。DIYで一通り終えても、本当に正しく取り付けられたかを確認するための手間や、次回の点検時期を管理する煩雑さなど、実はやるべきことが多いのです。このように時間コストを勘案すると、DIY整備の「自力節約」は思いのほか非効率と言えます。
以上のように、DIY整備には表面的に見えないコストが多々存在します。保険料や賠償金、修理費だけでなく、時間や精神的な負担も含めて総合的に判断しなければ、家計は「節約したつもりが大損失」という状況に陥りかねません。
家計にも“内部統制”を(再発防止策と視点転換)

ここまでで、DIY整備には莫大なリスクコストが潜んでいることが明らかになりました。では、家庭でも企業でいうところの内部統制を導入し、リスクを軽減するにはどうしたらよいでしょうか。最後に、会計的な視点とリスク評価を交えた考え方をご紹介します。
会計的な原価計算で判断する
まずは原価計算の視点です。DIYによる節約額だけを「得した費用」と考えるのではなく、実際にかかるすべてのコストを洗い出しましょう。具体的には、タイヤや工具の購入費用、作業に要した時間の機会費用(例えば時給換算した労働報酬)、万一の故障時の修理費や賠償見積もりなどを合算します。例えば4本のタイヤ交換で浮く作業工賃が1万円だとしても、工具購入や諸経費を差し引き、さらに「失敗した場合の最悪ケースコスト」を加味すれば、その原価は一気に跳ね上がります。会計的に見れば、DIY整備の真の原価は単なる材料費+労務費ではなく、将来発生しうるリスク負担も含めた見積もりであるべきです。このように包括的に原価を計算すれば、「節約できた!」という過信を抑え、より現実的な判断が可能になります。
リスク評価・投資判断の視点
次に、リスクとリターンの評価です。DIY整備は「自己投資」に近い行動とも言えますが、その投資に見合うリターンが本当にあるかを考えましょう。オーストラリアの調査でも、DIY整備は過去20年以上で120人もの死者を出すなど、低確率でも致命的な結果を招くことが報告されています 。つまり、確率が低くても一度起きれば甚大な損害となるリスクは、「無視できない負債(偶発債務)」として認識すべきです。リスクの期待値(起こりうるコスト×発生確率)を考えれば、DIY整備で得る数千円・数万円の節約よりも、数百万円の事故費用が頭をよぎった方が合理的です。自己判断で整備する前に、「今やっているDIY整備は高リターンか高リスクか」を冷静に天秤にかける習慣を持ちましょう。
家庭にも内部統制を
最後に、家庭レベルでの「内部統制」です。企業ではリスクを減らすために手順や権限を厳格に分けますが、個人家計にも同様の発想を適用できます。具体的には、チェックリストや点検体制の導入がおすすめです。例えば、DIY前に整備手順書を確認し、経験者やプロに相談する、作業後は必ず第三者(家族や友人)に確認してもらう、念のため整備後にプロに最終点検を依頼するなどです。また「年間どれだけDIYで浮かせたか」ではなく「事故でどれだけ支払ったか」を家計簿の別項目に記録し、数字でリスクを可視化するのも有効です。こうした仕組み化(内部統制)により、同じ失敗を繰り返さない体制を整えましょう。
感情に寄り添う視点転換
最後に、読者のみなさん自身や家族の気持ちに立ち返ってみましょう。DIYで数万円の節約ができたとしても、それ以上の損失を被るのは誰でも嫌なものです。実際、DIY整備による不慮の事故で「たった一度のミスが家族を悲しませた」という悲劇的な話は後を絶ちません。家族や大切な人を守るために、お金で買えない「安全」と「安心」を大切にすることも忘れないでください。節約は素晴らしいですが、その先には必ず「未来への投資」という別の選択肢があります。安全な移動手段を確保することは、家族の笑顔や自分の健康を守る投資とも言えます。
結論
DIY整備は「安く済む」というより、失敗した瞬間に“偶発債務”が立ち上がる行為です。
節約額が数千〜数万円でも、事故は一発でその何十倍、何百倍の支払いを連れてくる。修理費だけじゃない。保険料の上昇、賠償、時間の消失、予定の崩壊、心の消耗まで全部が“原価”に乗る。ここ、見落としポイントです。
だから判断基準を変える。
「自分でできるか?」じゃなくて、「失敗したときに払えるか?」で決める。
払えないなら、最初からプロに任せる。それは贅沢じゃない。リスクを買わないための投資です。
そして家計にも内部統制を入れる。
・危険度の高い作業はやらない(タイヤ・ブレーキ系は特に)
・やるなら工具・手順・締付トルク・最終チェックをルール化
・“浮いた工賃”は貯金じゃなく、保険・点検・予備費へ回す
節約って、本来は「人生の余白」を増やすためのものです。
事故でその余白を燃やしたら、勝ち負けが逆転します。
安さを追いかけるより、無事に帰れる確率を上げよう。
その選択が、あなたの時間も、家族の安心も、未来の資産も守るものとなります。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『内部統制「見直し」の実務――不備を生じさせないための「リスクトーク」という手法』
「事故が起きてから反省会」じゃ遅い。じゃあ、何をどう話して、どこで止める?を“会話の設計”として落とし込む本。家計にもそのまま移植できる発想が多い。
『保険と金融から学ぶリスクマネジメント』
リスクを「怖いもの」じゃなく、分解して扱える“管理対象”に変える入門書。保険(移転)と金融(ヘッジ)の両輪で整理されるので、「偶発債務」を腹落ちさせたい人に刺さる。
『図解!製造業の「経営改善」に正しく使える「管理会計」――付加価値を稼ぐための75のタスク』
「節約=コストダウン」思考が一回リセットされる本。原価を“見える化”して、固定費・変動費・付加価値の発想で現実を切る。家計でも“真の原価”を計算したくなる。
『図解入門ビジネス 最新 生命保険の基本と仕組みがよ〜くわかる本[第4版]』
事故の後に効くのは「気合い」じゃなく「契約」。生命保険の仕組みをちゃんと理解すると、“備えるべき穴”が具体的に見えてくる。保険を「なんとなく」で選びたくない人向け。
『行動経済学が最強の学問である』
DIYでやらかす最大の敵は、工具じゃなくて脳内の「いけるっしょ」。過信・正常性バイアス・損失回避…そういう“判断のクセ”を言語化できると、節約の意思決定が急に強くなる。
それでは、またっ!!
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