AIの決算書を監査する時代へ──プロンプト監査役という新しい“ホワイトカラー職”

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

あなたはもう「AIの沼」に片足突っ込んでいるとしたら、どう向き合いますか?

AIって、ちょっと前までは「画像で遊ぶ」「要約してもらう」みたいな便利な趣味アプリの延長線上にありましたよね。ところが2025年の今、空気はガラッと変わっています。
EUでは「EU AI法」が動き出し、社会信用スコアや人をあおるような“容認できないAI”はすでに禁止対象になりました。
日本でも「AI活用推進法(AI推進法)」が成立し、AIを悪用するビジネスに対して政府が調査したり、悪質なら企業名を公表できる仕組みが整いました。
ドイツでは、生成AIの学習に著作権付きの歌詞を勝手に使うのは違法だ、という判決も出ています。

そしてその一方で、OpenAIはGPT-5.1というさらに高性能なモデルをリリース。会話はより自然になり、ビジネス利用もしやすく進化しました。
「AIはどんどん賢く・身近になるけど、その裏では法令と監査の沼が一気に深くなっている」──それが2025年11月の現実です。

この記事では、この“沼”の正体を

  • AIの決算書を監査する世界
  • 『プロンプト監査役』という新しい職業像
    というちょっと妄想まじりの切り口で、カジュアルに解きほぐしていきます。

これからAIサービスを提供する企業には、ざっくり言うとこんな宿題が増えていきます。

  • データ出所を説明する義務
    「このAIはどんなデータを食べて育ったの?」に答えないといけない。
  • モデル挙動を説明する義務
    「なんでこの回答・スコアになったの?」を、少なくともリスクが高いところは説明しないといけない。
  • 著作権リスクを管理する義務
    「その文章・画像、本当に出していいやつ?」をチェックしないと訴訟リスクになる。

これ、経理・財務の人にはおなじみの内部統制報告書(J-SOX)とかなり感覚が似ています。
昔は「決算書なんて会計ソフトでポチポチ作ればOKでしょ」と思われがちだったのが、いまや

  • なぜその数字なのか
  • そのプロセスに問題はないか
  • 不正リスクをどう抑えているか
    を、書類と証拠でちゃんと説明する時代になりました。

AIも、まさに同じ道を歩き始めています。
そこで登場するのが、この記事で妄想する新職業 「プロンプト監査役」 です。

プロンプト監査役は、エンジニアでも法務でもないけれど、

  • ビジネスの現場でAIをどう使っているかを把握し
  • プロンプト(指示の出し方)やワークフローのリスクを洗い出し
  • 「これはOK」「これはグレー」「これはアウト」を整理しながら
  • 経営陣・現場・法律・システム担当の橋渡しをする人

そんな、AI時代の“ハイブリッド社内監査ポジション”としてイメージしてもらえると近いです。

「いやいや、自分はAIサービスなんて作ってないし、関係ないでしょ」と思うかもしれません。
でも、

  • 子どもの自由研究にChatGPTを使わせる親
  • 企画書のたたきをAIに書かせる若手社員
  • 営業トークの台本をAIに考えさせるフリーランス
    …こういう人たちも、もうAIリスクの沼に片足つっこんでいる側です。

この記事を読み終わるころには、

  • 自分の仕事や副業でどこにAIリスクがひそんでいるか
  • これから伸びそうな職種としての「プロンプト監査役」ってどんなキャリアになりそうか
  • 投資目線で見たときに、「AIコンプラが強い企業」にどんなプレミアムが乗りそうか

が、イメージできるようになるはずです。

むずかしい専門用語や法律の条文はできるだけ避けて、
「AI、もう逃げられないなら、せめて賢くつき合おう」
というスタンスで、一緒にこの沼の浅瀬から覗いていきましょう。

AIサービスにも「決算書」をつける時代が来た

AIって、これまでは「便利な黒魔術」みたいな扱いでした。
とりあえず使ってみて、「お〜すごい」「ちょっと変なこと言うな」くらいで済ませていた人がほとんどだと思います。

でも、EU AI法や日本のAI活用推進法、ドイツの著作権判決が動き始めたことで、
「そのAI、ちゃんと説明できますか?」 が、いよいよ本気で問われるようになりました。

ここでイメージしてほしいのが、AIサービスの「決算書」です。
会社が「うちはこのくらい稼いでいて、コストはこれくらいで、リスクはこれくらいあります」と決算書で説明するように、
AIサービスもそのうち、こんな感じで説明を求められる世界になっていきます。

  • どんなデータを食べて学習したのか(データ出所)
  • どんなクセを持ったモデルなのか(モデル挙動)
  • 他人の著作物を勝手に使っていないか(著作権リスク)

これらを、「なんとなく大丈夫です」ではなく、書類と証拠で説明する方向に、世界全体がじわじわ動いているわけです。

データ出所=材料の「仕入れ先」を見せる話

まずは データ出所
一言でいうと、「このAIは何をどれくらい食べて育ったの?」という話です。

EU AI法では、リスクが高いAIシステムには、

  • どんな用途で使うか
  • どんなデータを使っているか
  • どんなリスクがあるか
    をきちんと説明しなさい、という方向でルールが作られています。

たとえば料理に例えると、

  • 出てきた料理(AIの回答)だけを見るのではなく
  • 材料はどこから仕入れていて
  • アレルギーの原因になるものは入っていないか
  • 保存状態は大丈夫か
    を、お客さんや保健所に説明できるようにしておく、みたいなイメージです。

AIの世界でも同じで、これからは

  • 「公開されているウェブ記事」
  • 「企業が自分で持っているデータ」
  • 「有料で買ってきたデータセット」
    などをちゃんと区別して管理し、説明できることが求められます。

「とりあえずネットから大量にスクレイピングしました」は、
今後どんどんアウト寄りになっていく、というのが大きな流れです。

モデル挙動=AIの「クセ」を説明する

次に、モデル挙動
これは、AIの「考え方のクセ」を説明する部分です。

AIは、人間みたいに「こういう理由でこう考えました」と、
きれいにロジックを話してくれるわけではありません。
でも、特に人の評価やスコアリングに関わるAIでは、

  • どういう入力に対して
  • どういうロジック(ルールや重みづけ)で
  • どんな結果を返しているのか
    をある程度説明できないと、法律的にも社会的にもNGになりつつあります。

ここで、会計の世界を思い出してみてください。
決算書も、ただ数字が並んでいるだけではなく、

  • どの会計基準を使っているか
  • 減価償却は何年で落としているか
  • 売上はどのタイミングで計上しているか
    といった「前提ルール」が注記で説明されていますよね。

AI版でも、

  • このモデルは保守的に答えやすい
  • ある業界のデータに偏っている
  • 古い年代の情報の比率が高い
    といったクセや限界をちゃんと開示することが求められていきます。

ざっくり言うと、

「AIに丸投げしているけど、よく分からんです」
は、だんだん通用しなくなる、ということです。

著作権リスク=「勝手にパクってません」証明書

そして今、一気に注目度が上がっているのが 著作権リスク です。

ドイツでは2025年11月、音楽著作権団体GEMAが、
「ChatGPTは歌詞を無断で学習・再利用している」と訴えた裁判で勝ちました。
ミュンヘンの裁判所は、

  • 著作権で守られた歌詞を許可なく学習に使い
  • ほぼそのままの形で出力できてしまう状態は違法
    だと判断し、OpenAIに損害賠償を命じています。

この判決はヨーロッパ全体のAI規制の議論にも影響しそうで、
インターネットはセルフサービスの無料素材置き場じゃない」というメッセージが
かなり強めに打ち出された形です。

ここから何が見えてくるかというと、

  • AIを作る側は「どんな著作物をどの条件で学習させたか」
  • AIを使う側も「出てきた文章・画像を、そのまま商用利用してOKか」
    を、今までより真面目にチェックする必要があるということです。

とくにビジネス利用では、

  • 企画書のドラフト
  • 広告コピー
  • LP用の画像
    などをAIに作らせる場面が増えていますが、
    「AIが作ったから大丈夫でしょ」は、もはや通用しません。

これからは、

「このAIのアウトプットは、他人の権利を侵害していないと説明できますか?」
という質問に、少なくとも社内では答えられるようにしておかないと、
企業としてのリスク管理が甘いと見なされる可能性が高まっていきます。


AIサービスに「データ出所」「モデル挙動」「著作権リスク」という3つの観点でラベルを貼っていく世界は、
会計でいうところの 「J-SOX(内部統制報告書)」のAI版 と考えるとイメージしやすいと思います。

つまり、

「AIがあるから便利」から
「AIがあるからこそ、説明責任と監査が必須」へ

世界の前提が、静かにだけど確実にシフトし始めている、ということです。

プロンプト監査役という“AI版・内部統制担当”

セクション1では、

  • データ出所
  • モデル挙動
  • 著作権リスク

という3つのポイントから、「AIにも決算書レベルの説明責任が乗ってくる」という話をしました。

ここからは、その流れの中で生まれてきそうな新しい仕事、
「プロンプト監査役」というポジションを、もう少し具体的に妄想していきます。

イメージとしては、

エンジニアでも、法務でも、経理でもない。
でも、全部の“言語”がそこそこ分かる人。

そんな、「AI時代のマルチリンガル社内監査担当」です。

プロンプト監査役って一言でいうと何者?

一言でいうと、プロンプト監査役は

「AIに何をさせていて、そのやり方は安全か?」をチェックする人

です。

もう少し分解すると、こんな仕事をします。

  • どこでAIが使われているか棚卸しする
    「営業は提案書の下書きに使ってるよ」
    「人事は面接の質問案を作るのに使ってる」
    「開発チームはコードレビューに使ってる」
    …みたいに、社内のAI利用をとにかく洗い出す。
  • そのプロンプト(指示文)と使い方をチェックする
    「この指示の出し方だと、個人情報が丸ごとAIに送られてない?」
    「この使い方だと、出てきた文章をほぼコピペで外部に出しちゃってない?」
    といったリスクのある使い方を見つける。
  • ルールとガイドラインを整える
    「この種類のデータはAIに入れてはいけません」
    「AIが出したものは、必ず人がチェックしましょう」
    といった社内ルールを作る&定期的に見直す

会計でいうと、

「この売上の計上タイミング、ルールに合ってる?」
をチェックする 内部統制担当 にかなり近いイメージです。

違いは対象が「数字」ではなく プロンプトとAIの使い方 だ、という点だけです。

プロンプト監査役の1日──ざっくり業務イメージ

「実際、毎日なにやってるの?」というところを、
とある平日の1日として、ざっくり妄想してみます。

① 朝:AIログのざっくりチェック
前日分のAI利用ログを見て、

  • 明らかにおかしなキーワード(マイナンバー・住所・給与など)が含まれていないか
  • 同じ部署から異常に大量のリクエストが飛んでいないか
    をざっくり確認します。

ここで怪しそうなものがあれば、
「ちょっとこのプロンプトの使い方、ヒアリングさせてください」
と、関係部署に声をかけます。

② 昼:現場ヒアリング&ミニ勉強会
たとえば営業チームに行って、

  • 実際にどんなプロンプトを使っているか画面を見せてもらい
  • 「この部分の情報はAIに渡さないようにしませんか?」
  • 「このステップだけ、人の目でダブルチェック入れましょう」
    といった現場レベルの改善提案をしていきます。

ついでに15分くらいで、
「AI利用のやっていいこと・ダメなこと」
「最近のAI法令の簡単なアップデート」
をスライド1〜2枚で共有する、ミニ勉強会もこなします。

③ 夕方:ルール更新&経営報告の下書き
現場から上がってきた声を踏まえて、

  • 社内AIガイドライン
  • プロンプトテンプレ集
  • リスクチェックリスト

を少しずつ改訂していきます。

そして月に1回くらいのペースで、

  • AI利用の件数
  • 重大インシデント(もしあれば)
  • 対応策&ルール変更の内容

をまとめた「AI利用の社内レポート」を作り、
経営陣や取締役会向けの資料の下地を作る……という感じです。

ここまで読んで、

「なんか地味だけど、めちゃくちゃ大事な仕事だな」
と感じた人は、感性がかなり“AI時代の内部統制寄り”です。

どんなスキルがあればなれるの?【文系でもいける】

「いや、AIの監査とか言われると、理系のエンジニアか弁護士レベルじゃないと無理でしょ」と思うかもしれませんが、
プロンプト監査役はむしろ“文系ハイブリッド職”としての色が強いです。

ざっくり必要そうなスキルを分けると、こんな感じです。

① 最低限のAIリテラシー(専門家レベルは不要)

  • LLM(大規模言語モデル)がどういう仕組みか
  • どこまで得意で、どこから苦手か
  • 「ハルシネーション(もっともらしい嘘)」って何か

このあたりを例え話で説明できるレベルがあればOK。
数式や論文を読み込む必要まではありません。

② 法令・コンプラへの“勘のよさ”

  • 個人情報保護
  • 著作権・利用規約
  • 業界ごとのルール(金融、医療などは特に)

こうした話を、法律のプロほどでなくてもいいので、
「これはグレー」「これはアウト寄り」という感覚で
早めにアラートを出せることが大事です。

③ 現場と上層部の“通訳”スキル

  • 現場の人が話す「実務の言葉」
  • 経営陣が気にする「リスクと数字の言葉」
  • エンジニアが話す「システムとデータの言葉」

この3つを、かみ砕いて訳してあげる力が、プロンプト監査役の価値になります。
「ちょっと何言ってるか分からない」を減らす翻訳者、というイメージです。

ここまで見てきたように、

  • 会計・監査の考え方
  • 法務・コンプラの感度
  • 現場の業務フローへの理解

がかけ合わさった場所に、プロンプト監査役というポジションが生まれてきます。


AIが「趣味アプリ」だったころは、

使う人:おもしろいから使ってみる
企業:流行に乗るために入れてみる

くらいのノリでよかったかもしれません。

でもこれからは、

「AIをどう使うか」そのものを、監査・説明・改善していく

という、かなり地に足のついた“裏方職”の価値が
じわじわ上がっていくはずです。

気づいたらみんな当事者――日常生活と投資で「AIの沼」を見る

ここまで読んでみて、
「でも自分はAIサービスなんて作ってないし、会社でもちょっと使うくらいだし…」
と思ったかもしれません。

ただ、

  • 子どもの自由研究にAIを使わせる親
  • 仕事の企画書をAIに手伝ってもらう会社員
  • フリーランスで、提案文や営業メールをAIに書かせている人
  • 投資や転職で「この会社伸びそうかな」と企業を眺めている人

このあたりはもう、全員がAIリスクの沼に片足つっこんでいる側です。
ここでは、

  • 家庭
  • 自分の仕事
  • お金(投資・転職)

の3つの場面で、「どこに気をつければいいか」を、できるだけシンプルに整理してみます。

子どもの自由研究にAIを使わせる親も、もう“プレ監査役”

最近、「夏休みの自由研究をAIに手伝ってもらった」という話、よく聞きます。
これ自体は悪いことではなくて、

  • テーマを一緒に考える
  • 実験のアイデアを出す
  • 文章の構成を整える
    みたいな使い方なら、むしろいい相棒になりえます。

ただし、ここにもちゃんと沼ポイントがあります。

1つ目は、丸投げ問題
自由研究のレポートを、
「全部AIに書かせて、そのまま印刷して提出」
みたいにしてしまうと、

  • 子どもが「考える」経験を失う
  • 内容がどこかのサイトの文章にそっくりになる可能性がある
    という、教育面と著作権面のダブルリスクになります。

2つ目は、情報の正しさ問題
AIはもっともらしく話すのが得意ですが、

  • 古い情報をそのまま出してくる
  • 実在しないデータや研究を“それっぽく”作ってしまう
    ことも普通にあります。
    そのまま信じて提出すると、先生にツッコまれるのは子どもです。

だから親にできる“ミニ監査”としては、

  • レポートの要点だけAIに手伝ってもらう
    (例:章立てや言い回しの整理など)
  • 事実や数字は必ず親子で確認する
  • AIが出した文章は、子どもの言葉に言い換え直させる

この3つを意識するだけでも、
かなり「健全なAI活用」に近づきます。

「子どもの自由研究にAIを使わせる親」は、
ある意味で “家庭内プロンプト監査役”の最初の一歩 でもあるわけです。

仕事でAIを触るあなたも、“利用者側の内部統制担当”

次は仕事の話です。
社内にAIの専門部署がなくても、現場レベルではすでに、

  • 提案書のたたき台をAIに作らせる
  • メールの文面を整えてもらう
  • 企画のアイデア出しをAIに投げる

みたいな使い方をしている人は多いはずです。

こういうとき、最低限意識しておきたいのが、

  1. 「入れていい情報」と「入れちゃダメな情報」の線引き
    • 顧客名・住所・電話番号
    • 社内の機密情報(未発表の新製品、価格表など)
      こういった情報は、原則としてそのままAIに投げないほうが安全です。
      どうしても必要なときは、社内ルールに従うか、
      個人名を伏せるなどの工夫を加えましょう。
  2. AIのアウトプットは「たたき台」にとどめる
    • 文章・計画・提案内容を、丸ごとコピペで提出しない
    • 必ず自分の言葉や考えを混ぜて編集する
    • 「本当にそうかな?」という視点で読み直す
    これだけでも、AI由来のトラブルをかなり減らせます
  3. 自分の会社がAIについてどんなスタンスか知っておく
    • 社内のAIガイドラインがあるか
    • 情報システム部門や法務部門が、相談窓口になっているか
    • 「AIを使うときは、ここに聞いてね」という連絡先があるか
    こうした情報を知っている人は、
    チームの中で “AIの使い方に詳しい頼れる人” になれます。

プロンプト監査役という肩書きが社内にできる前から、
一人ひとりが「自分のAI利用を自分で軽く監査する」クセをつけるだけで、
企業全体としてのリスクもだいぶ下がっていきます。

投資・転職目線で見る「AIコンプラ強い会社」

最後は、ちょっとお金の話です。

これからの数年、

「AI使いが上手い会社」
だけではなく、
「AIのリスク管理がきちんとしている会社」

に、プレミアム(評価の上乗せ)がつく可能性はかなり高いです。

じゃあ、投資や転職の候補として企業を見るとき、
どこをチェックすれば「AIコンプラ強そう」と判断しやすいか。
初心者でも見やすいポイントを挙げてみます。

  1. AIポリシーやガイドラインを公開しているか
    会社のサイトに、
    • AIの活用方針
    • お客さんのデータをどう扱うか
      を説明したページがある企業は、
      少なくとも「見せようとする意思」があります。
      これはリスク管理への意識の高さのサインです。
  2. AI関連の責任者や専門部署が見えるか
    • 「AI責任者」「チーフAIオフィサー」的な役割の人がいる
    • 情報セキュリティ・個人情報・コンプラの担当と連携している
      こういう情報がIR資料や採用ページでチラッと出てくる会社は、
      ちゃんと組織としてAIを管理しようとしている可能性が高いです。
  3. トラブル時の対応が透明かどうか
    過去に何か情報漏えいなどを起こしていたら、
    • どう公表したか
    • どんな再発防止策を打ったか
      を見てみてください。
      「なかったことにしよう」とする会社よりも、
      きちんと開示して対策まで説明している会社のほうが、
      長期で見れば信頼されやすいのは、AI時代も変わりません。

こうしたポイントは、

  • 株式投資をするとき
  • 転職先を探すとき
  • 取引先を選ぶとき

の「チェックリスト」としても使えます。

AI時代の企業価値は、

「どれだけAIを入れているか」
だけでなく、
「どれだけAIをコントロールできているか」

でも決まっていきます。
その意味で、AIコンプラに強い会社は、
これからの「優良銘柄候補」であり、「転職先としての安心材料」にもなっていくでしょう。


AIはもう、「遊びで触るアプリ」だけではなくなりました。
家庭・仕事・お金、どの入り口から見ても、
私たちはすでにAIのルールと監査の世界に足を踏み入れています。

でも、それは決して

「難しい法律を全部覚えないといけない」
という話ではありません。

  • 子どもにAIをどう使わせるか、親として一言添えてあげる
  • 仕事でAIに投げる情報を、自分なりに一度フィルターにかける
  • 投資や転職のときに、「AIの使い方が透明か?」という観点を1個足してみる

こうした小さな“監査マインド”を持つだけで、
AIとの付き合い方は、ずいぶん健全な方向へ寄せていけます。

そして、そうした視点を持つ人が増えれば増えるほど、
企業は「プロンプト監査役」のようなポジションを
本格的に置かざるをえなくなっていきます。

結論:AIと生きるなら、「使い方」より先に「向き合い方」を決めよう

ここまで読んで、どう感じましたか?
「なんか怖いな」と思ったかもしれないし、「めんどくさそう」と感じた人もいると思います。

でも、一つだけはっきりしているのは、

AIを「使わないで生きる」選択肢は、もうかなりレアになってきている

ということです。

スマホがそうだったように、
AIもいつの間にか、

  • 仕事の資料づくり
  • 子どもの勉強
  • 買い物や投資の判断
  • 趣味や創作

いろんな場所に、当たり前の道具として入りこんできています。

だから大事なのは、

「使う or 使わない」を悩むことではなく、
「どういう向き合い方で使うか」を決めること。

そのカギになるのが、この記事で何度も出てきた、

  • データ出所(何を食べて育ったAIか)
  • モデル挙動(どんなクセのAIか)
  • 著作権リスク(誰かを傷つけていないか)

という、「AI版・決算書目線」です。

そして、その目線を仕事として引き受けるのが、
プロンプト監査役のような新しい職業です。

プロンプト監査役は、

  • AIの専門家だけの仕事でもなく
  • 法律家だけの仕事でもなく
  • 経理・監査だけの仕事でもありません。

それらのあいだに立って、

「このAIの使い方、大丈夫?」
を、現場と経営のあいだで翻訳していく、橋渡しの役割です。

少し視点を変えると、
私たち一人ひとりも、すでに小さな「プロンプト監査役」です。

  • 子どもにAIをどう使わせるか考える親
  • 社内でAIの使い方を同僚に説明する人
  • 投資や転職のときに、AIリスクを気にし始めた人

こうした行動は全部、

「AIのある世界で、自分なりの安全ラインを引こうとしている」

という点で、立派な“監査マインド”です。

投資の観点から見ても、
「AIコンプラに強い会社」には、必ずプレミアムが乗る時代が来ます。
AIをたくさん入れた会社よりも、
AIときちんと付き合えている会社が、
長期的には生き残りやすく、評価もされやすくなるでしょう。

そして同じことが、個人のキャリアにも言えます。

AIの操作がうまい人より、

「AIのリスクと価値をセットで語れる人」
「現場とルールをつなげられる人」

のほうが、じわじわと市場価値が上がっていきます。
それはまさに、プロンプト監査役的なスキルセットです。

AIは、もはや「趣味アプリ」ではありません。
かといって、「近づいてはいけない危険物」でもありません。

その中間にあるのが、

“法令と監査の沼”を、浅瀬からちゃんと覗き込める人になる

というスタンスです。

「AIをどう使おう?」と考える前に、
今日から少しだけ、

  • 自分のAI利用をふり返ってみる
  • 家族やチームと「AIの線引き」を話してみる
  • 応援したい会社のAIポリシーを一度読んでみる

そんな一歩を踏み出してみてください。

その小さな一歩が、
「AIを投げっぱなしにする側」から
「AIと一緒に責任を負える側」へのシフト
になっていきます。

そして、気がついたときには、
あなた自身が「プロンプト監査役」的な視点を持った、
AI時代に強いビジネスパーソンになっているはずです。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『生成AIの法的リスクと対策』福岡真之介・松下 外
「著作権だけじゃなく、生成AIの法的リスクって結局どこがヤバいの?」を、一通り押さえたい人向けの1冊です。
EUや日本で議論されているポイント、日本企業が引っかかりがちなパターンなどを整理してくれているので、この本を一読しておくと、ニュースを見たときの理解度が一気に上がります。
社内で「AIのリスクって大丈夫なんですか?」と聞かれたときに、とりあえずの土台になる“標準教養本”として手元に置いておく価値が高いです。


『生成AI開発のための法務の教科書 そのAI、訴えられませんか?』前田拓郎
タイトルどおり、「このサービス設計で本当に大丈夫? 訴えられない?」を体系的にチェックしたい人のための本です。
LLMの設計・学習データ・API・OSS・利用規約など、開発〜運用までの各フェーズごとに、どんな法的論点が出てくるかを整理してくれます。
エンジニアやPdMはもちろん、「法務じゃないけどAIプロジェクトを任されているビジネスサイド」にもかなり刺さる内容で、プロジェクトの前にこれを1冊読んでおくかどうかで、後からの“事故りやすさ”が本当に変わります。


『AIリスク教本 攻めのディフェンスで危機回避&ビジネス加速』日本IBM AI倫理チーム
この本は「法令+ビジネスリスク」をセットで眺めたい人向けの“ストーリー仕立ての教本”です。
AIが原因で起こりうるトラブルをいくつかのシナリオで示しながら、

  • どこにリスクが潜んでいたのか
  • 企業としてどんな備えが必要なのか

を解きほぐしてくれます。
「攻めのディフェンス」というタイトル通り、“怖いからAIをやめる”ではなく、“ちゃんと守りを固めてAIを加速させる”視点が貫かれているので、経営層や新規事業担当にもおすすめです。
社内のAIポリシーづくり・プロンプト監査役っぽい役割を任されている人は、ここから始めると全体像がつかみやすいはずです。


『責任あるAIとルール』古川直裕・吉永京子
総務省・経産省の「AI事業者ガイドライン」策定に関わった著者が書いている本で、まさに「責任あるAIとは何か?」を真正面から扱っています。

  • 企業はどこまで説明責任を負うべきか
  • 国や規制当局はどんなルールを作ろうとしているのか
  • 個人として、AIとどう折り合いをつければいいのか

といったテーマが、ビジネス寄りの視点で語られます。
EU AI法や日本のガイドラインの“背景にある考え方”まで押さえておきたい人にはかなり刺さる内容で、「AIコンプラ強い会社とは何か?」を考えるときのベースキャンプになる1冊です。

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『AIガバナンス入門 リスクマネジメントから社会設計まで』羽深宏樹
こちらは「法令・実務のさらに一段上の視点」からAIを眺めたい人にぴったりの新書です。
AIのリスクや各国のルール作りの流れを整理しながら、

なぜAIガバナンスは他人事ではなく、“自分事”なのか?
という問いに、社会設計レベルで答えようとしています。
専門書ほど重くはないけれど、単なる入門書で終わらないバランス感で、今回のブログの「AIはもう趣味アプリじゃない」という感覚を、より深いところから支えてくれる本です。
投資・政策・ビジネスの3つの視点を頭の中でつなげたい人は、この1冊で地図がかなりクリアになります。


それでは、またっ!!

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