JGB利回り17年ぶり高水準——“住宅ローンの金利感応度”を家計に実装せよ

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

金利1%上昇で、あなたの家計は何万円揺れますか?

「住宅ローンの金利が上がるとヤバいって聞くけど、正直ピンとこない」
「ニュースで“10年国債利回りが17年ぶりの水準”と言われても、自分の生活にどう関係あるのかわからない」

そんなモヤモヤをスッキリさせるのが、この記事のゴールです。

2025年秋、日本の10年国債利回りはおよそ1.7%前後と、約17年ぶりの高い水準で推移しています。
この数字だけ見ると「ふーん」で終わりがちですが、じつは多くの人が組んでいる「変動金利の住宅ローン」とつながっています。ざっくり言うと、国債利回りがじわじわ上がる流れが続くと、時間差で住宅ローン金利にも“波”が押し寄せてくる可能性が高い、という状況です。

ここで会計っぽく整理すると話がシンプルになります。
会社の決算では、借入の利息は「利息費用」という“固定費”として扱われます。景気が良かろうが悪かろうが、売上が多少ブレようが、利息の支払いは待ってくれません。家計も同じで、「住宅ローンの利息=毎月ほぼ必ず出ていく固定費」と考えると、急にリアルになります。

金利が1%ポイント上がる、たったそれだけで、35年ローンの総返済額はガッと増えます。
でも「ガッと」と言われてもわからないので、本来やるべきなのは「金利が+1%/+2%になったとき、毎月の返済額はいくらになるのか?」を自分の数字で表にしてみることです。その表は、未来の自分にとっての「将来の特損(=いきなり来るダメージ)」を見える化してくれるツールになります。

この記事では、専門用語や難しい数式は使いません。
・そもそも「10年国債利回り」と「住宅ローン金利」がどうつながっているのか
・会計の考え方を使って、「利息=固定費」として家計に組み込むとはどういうことか
・金利が1%/2%上がったときの“月々の返済額の増え方”を、カンタンな例でイメージする方法
・その試算結果を「家計ノート」や家計アプリに“常設”して、金利が動いても慌てない仕組みにするコツ

こういったポイントを、社会人1〜2年目でも読めるレベルの言葉で解説していきます。

キモは、「金利ニュースを見てから慌てる」のではなく、「金利が動いたときに、自分の家計がどれくらい揺れるかをあらかじめ数字で持っておく」こと。トレーダーがボラティリティ(価格のブレやすさ)を前提にポジション管理をするように、僕たちも“家計版リスク管理”をインストールしておこう、という提案です。

読み終わるころには、
・なぜ今「国債利回り」がニュースになるのか
・自分の住宅ローンが金利1%上昇でどう変わりうるか
・明日から家計ノートにどんな表を追加すればいいのか

が、スッと腹落ちしているはずです。未来の自分の財布を守るための“金利感応度”を、一緒に家計に実装していきましょう。

JGB利回り17年ぶり高水準って、結局なにが起きてるの?

まずはニュースの「今なにが起きてるのか」を、家計目線でざっくり整理します。

日本の10年国債利回りは、最近だいたい1.7%前後で動いていて、「約17年ぶりの高い水準」と言われています。
さらに、2025年にかけて長期金利が急に動いたタイミングでは、債券市場で価格の上下(ボラティリティ)がかなり大きくなる場面もありました。

ニュースでは専門用語が並びますが、ここではできるだけシンプルに、「10年国債ってそもそも何?」「利回りが上がるって、どういう状態?」「それが住宅ローンとどうつながるの?」を順番にほどいていきます。

10年国債って、かんたんに言うと「国の10年ローン」

「JGB(Japanese Government Bond)」=日本国債のことです。
その中でもニュースに出てくる「10年国債」は、ざっくり言うと国が“10年で返す借金”だと思ってください。

  • 国:お金を借りたい(財政のため)
  • 投資家:お金を貸して、その代わりに利息をもらいたい
  • その“貸し借り”を証券化したもの:国債

10年国債利回りは、この10年ローンの「実質的な金利」に近い数字です。

イメージでいうと:

  • あなた:銀行から35年の住宅ローンを組む
  • 国:市場から10年の国債という形でお金を借りる

どちらも「お金を借りて、利息を払いながら返していく」という意味では似ています。
違うのは、借りる期間(10年 vs 35年)と、相手(国 vs 個人)くらいです。

「利回りが上がる」=「国の10年ローンの金利が上がる」

じゃあ「10年国債利回りが上がる」とは、どういう状態か。

ここも難しく考えずに、「国の10年ローンの金利が上がっている」と捉えてOKです。

かんたんにいうと:

  • 10年国債の利回りが1.0% → 1.7%に上がる
    → 国から見れば「前より高い金利でしかお金を借りられなくなった」
  • 投資家から見れば
    → 「今から国にお金を貸したら、前より利息がたくさんもらえる」

つまり、世の中の“長めの金利水準”がじわじわ上方向にシフトしているというサインです。

ここで重要なのは、日本の多くの金利(住宅ローン・社債・企業向け融資など)は、国債の金利をベースに“上乗せ”して決まることが多いという点です。
10年国債の利回りが長期的に上がっていくと、時間差で「家計側の金利」もじりじり影響を受けやすくなります。

「17年ぶり水準」と「ボラティリティ上昇」は、なぜ家計の話になるのか

ニュースでは、

  • 「10年国債利回りが17年ぶりの高水準」
  • 「債券市場のボラティリティが上昇」

などと出てきます。
ここだけ聞くと、プロ投資家向けの話に見えますが、実は家計の“金利ストーリー”の前フリになっています。

まず、「17年ぶり水準」ということは:

  • リーマンショック前やデフレ色の強い時代と比べても
    かなり“金利が高いモード”に入りつつある
  • しかも、ここ数年は超低金利&マイナス金利が長く続いていた
    → その世界からの“出口”に足を突っ込み始めている

ということを意味します。

次に「ボラティリティ上昇」。
これは債券価格や利回りの動きが荒くなっている状態です。日によって金利がポンポン動くと、

  • 銀行や保険会社:資産の価格が揺れる
  • 機関投資家:リスク管理がむずかしくなる
  • 金融機関全体:住宅ローン金利の設定にも慎重になる

といった連鎖が起きやすくなります。

ここで家計にとって大事なのは、「将来、住宅ローン金利がどう動くかは“誰にも読めない”けれど、上下に振れやすい地合いになっている」という事実です。
プロの世界では、

  • ボラティリティが上がる
    → 「ポジションサイズを小さくする」
    → 「リスク量を抑える」

という発想になります。
同じように、家計でも

金利が急に1%、2%上がったら、うちの毎月の返済は何万円増えるのか?

という「感応度」をあらかじめ持っておくことが、リスク管理になります。


ニュースは“家計にとっての予告編”

ここでのポイントを、超ざっくり言い直すと、

  • 10年国債=国の10年ローン
  • 10年国債利回りが17年ぶり水準まで上がっている
    長期金利が“上方向モード”に入っているサイン
  • 債券市場のボラティリティが上昇
    → 金利が上下に揺れやすい地合い
    → 将来の住宅ローン金利もブレやすい可能性
  • 家計としては「ニュース=プロだけの話」ではなく
    自分の住宅ローンに波が来るかもしれない“予告編”として受け取るべき

という感じです。

次では、ここから一歩踏み込んで、
「利息費用=固定費」という会計の考え方を、どう家計にインストールするか
を、具体的に見ていきます。「金利1%ポイント上昇で、どれくらい家計がしんどくなるのか?」を数字でイメージしていきましょう。

利息=「家計の固定費」という視点をインストールする

ここからは、会計っぽい考え方をあえて家計に持ち込んで、「金利が上がる=うちの固定費がどれくらい増えるのか?」を見える化していきます。
むずかしい式はいりません。キーワードはたったひとつです。

住宅ローンの利息=家計の固定費

会社の決算では、借金の利息は「利息費用」という科目で毎年きっちり計上されます。売上がどうであろうと、「これは絶対に払わなきゃいけないコスト」として扱われるわけですね。
同じように、家計でも「住宅ローンの利息」を“なんとなくの気分”ではなく、「毎月必ず出ていく固定費」として扱うと、意思決定が一気にラクになります。

ここでは、

  1. 「固定費」と「変動費」を家計で分けて考える意味
  2. 住宅ローンの利息を固定費として見たときの“怖さ”と“安心材料”
  3. 「1%ポイント上昇の感応表」がなぜ“将来の特損予告表”になるのか

この3つに分けて整理します。

固定費と変動費を分けるだけで、家計はかなりクリアになる

まずは超基本の整理から。

家計の支出は、ざっくり分けると2種類あります。

  • 固定費:毎月ほぼ同じ金額が出ていくもの
    例:家賃・住宅ローン、通信費、サブスク、保険料、保育料 など
  • 変動費:月によって増えたり減ったりするもの
    例:食費、交際費、レジャー、日用品、美容・ファッション など

固定費は、一度決めると自分の意思だけではすぐには変えづらいのが特徴です。
家賃や住宅ローンなんて、その代表ですよね。「ちょっと今月ピンチだから、半分にしとこ!」みたいな調整はできません。

ここでのポイントはひとつ。

住宅ローンは、「家賃+利息」が合体した最強クラスの固定費

だということです。

本来、ローンには「元本(借りたお金)」と「利息(金利)」がありますが、毎月の返済額としてはくっついて出ていきます。
そのなかでも、金利が動くと増減するのは「利息」の部分。金利が上がる=固定費の“うち利息部分”がじわじわ肥大化するということです。

「利息=固定費」で見ると、金利上昇の怖さと安心材料が両方見える

ここで、ちょっとイメージしてみましょう。

例として:

  • 借入額:3,000万円
  • 期間:35年
  • 変動金利:0.5%スタート

というローンがあるとします(数字はあくまでイメージ用)。

このとき、毎月返しているお金の中身は、

  • 元本の返済
  • 利息の支払い

に分かれています。
金利が0.5%のときの利息部分と、1.5%になったときの利息部分を比べると、利息の重さがかなり違ってきます。

ここでの怖さはシンプルです。

金利が上がるほど、「元本を減らすお金」よりも「利息を払うお金」の割合が増えていく

つまり、「同じ35年」という時間を使っているのに、金利が高いだけで、

  • 返済総額は増える
  • 途中の家計の余裕も削られる

という“ダブルパンチ”になりやすい。

とはいえ、「利息=固定費」として整理すると、安心材料も見えてきます。

  • 固定費は、一度“上限”を把握してさえいれば、対策を立てやすい
    → 「金利が○%まで上がったら、うちの家計はこう動く」という地図を持てる
  • 変動費(外食・レジャーなど)は、いざとなれば調整が効く
    → 固定費側の増加を見越して、事前に“可動部分”を用意しておける

大事なのは、「怖いから考えたくない」と目をそらすのではなく、「固定費としての上限シナリオを先に数字にしておく」ことです。

「1%ポイント上昇の感応表」=“将来特損”の予告表

ここで出てくるのが、あなたが書いてくれたキーワード、

「1%pt上昇の返済額感応表を作ると“将来特損”が見える」

という発想です。

会社の会計で「特別損失(特損)」というと、

  • 火災で工場が燃えた
  • 一気に減損処理をした
    みたいな、「ある年にドカッと効くダメージ」を指します。

家計に置き換えると、「金利が急に上がって、毎月の支払いが突然大きくなる」のは、かなり特損っぽい出来事です。

そこで、「将来特損を前もって見える化するツール」として、

  • 金利が+1%ポイント上がった場合の月返済額
  • +2%ポイント上がった場合の月返済額

を表にした「感応表」を作ります。

ざっくりイメージだと、たとえば:

  • いま:金利0.5% → 毎月返済 8万円台
  • +1%:金利1.5% → 毎月返済 9万円台後半〜10万円くらい
  • +2%:金利2.5% → 毎月返済 11万円台〜 もっと

みたいに、“1%ポイント上昇ごとに1〜2万円単位で増える”ケースも普通にありえます(実際の数字は借入額・期間・銀行によって変わります)。

ここで感応表のすごいところは、

  • 「今すぐ起きるかどうか」じゃなくて
    → 「起きたときに、どのくらい痛いのか」が、ひと目でわかる
  • 将来の“金利ショック”を、「なんとなく不安」から「数字で把握できるリスク」に変えてくれる

という点です。

プロの投資の世界では、値段が1%動いたときにどれだけ損益が動くかを「感応度」として管理します。
家計でも同じで、「金利が1%上がったとき、うちの月々のキャッシュフローは何万円動くのか?」という“家計版感応度”を持つことが、金利時代の防御力になります。


ここまでの流れ:利息を“数字の固定費”としてテーブルに乗せる

ここでの話をまとめると、

  • 住宅ローンは、家計最強クラスの「固定費」
  • なかでも「利息」は、金利が上がるほどあなたのキャッシュフローを圧迫する
  • 怖がるのではなく、「固定費の上限シナリオ」を感応表で見える化する
  • 金利+1%/+2%の月返済額を出しておくと、将来の“金利ショック特損”が前もってわかる
  • そのうえで、変動費側(外食・レジャーなど)の調整余地を確保しておけば、家計としての回避力が高まる

という感じです。

次では、いよいよ実務編として、

「変動ローンは金利+1%/+2%の月返済試算を家計ノートに常設」

この「今日の一手」を、

  • 具体的にどうやって試算して
  • どうノートやアプリに落とし込み
  • どう日常の意思決定に使うか

を、初心者向けにステップで整理していきます。金利ニュースを「ただの不安ネタ」で終わらせず、「行動に変えるツール」にしていきましょう。

”金利+1%/+2%シミュレーション”を家計ノートに常設する

ここまでで、

  • 「金利が上がると家計の固定費が増える」
  • 「1%ポイントの上昇を数字で見える化すると、“将来の特損”が前もって見える」

というところまで来ました。
ここからはいよいよ実務編。今日からできるレベルにまで、やることを細かく分解していきます。

キーワードはこれです。

変動ローンは「金利+1%/+2%」の月返済額を、家計ノートに“常設”する

「常設」というのがポイントで、
一度作って終わりではなく、いつでも見返せる“金利ダッシュボード”として置いておくイメージです。

まずは「自分のローンのプロフィール」を1枚にまとめる

いきなりシミュレーションに行く前に、やるべきことがひとつあります。
それは、自分の住宅ローンのプロフィールを1枚にまとめることです。

最低限、次の5つを書き出しておきましょう。

  • 借入先(〇〇銀行など)
  • 借入額(例:3,000万円)
  • 残り期間(例:あと33年)
  • 今の金利タイプ(変動・固定・ミックスなど)
  • 今の金利(例:0.475%)

これを、

  • 紙の家計ノート
  • Notion、メモアプリ、スプレッドシート
  • 家計簿アプリのメモ欄

どれでもいいので、「住宅ローン」ページの一番上にドンと書きます。

ここが曖昧なままだと、シミュレーションをしてもすぐ忘れます。
逆に、ここさえ固まっていれば、

「うちは残り〇年、〇%の変動金利で3,000万円借りている」

という自分の“ローン自己紹介”ができるようになり、数字に対する解像度が一気に上がります。

金利+1%/+2%の月返済額を「とりあえず数字」にする

次にいよいよ、「金利が上がったらどうなるか」を数字に落としていきます。

とはいえ、ここで電卓片手に難しい計算をする必要はありません。
やることはシンプルで、

  • 金融機関の公式サイトの「ローン返済シミュレーション」
  • 住宅ローン比較サイトなどの「返済額シミュレーター」

といったツールに、

  • 借入額
  • 残り期間
  • 金利

を入れて、金利の部分だけを変えながら、毎月返済額をメモしていくだけです。

流れのイメージはこんな感じです。

  1. まず「現在の金利」で入力して、今の返済額を確認
    → すでに知っている金額と大きくズレていないかチェック
  2. 次に、金利を+1%ポイントにして再計算
    例:0.475% → 1.475%
    → 出てきた「毎月の返済額」をメモ
  3. さらに、金利を+2%ポイントにして再計算
    例:0.475% → 2.475%
    → また「毎月の返済額」をメモ

この3パターンを、ノートにこんな感じで書き出してみます。

  • 今の金利:0.475% → 月々〇〇円
  • 金利+1%:1.475% → 月々〇〇円(+△△円)
  • 金利+2%:2.475% → 月々〇〇円(+□□円)

ポイントは、「正確に1円単位まで合っているか」を気にしすぎないことです。
大事なのは、

金利が1%上がると、うちの家計では月△△円増える
2%上がると、月□□円増える

という“オーダー感”をつかむこと。
たとえば「+1%で月1.5万円増える」「+2%で月3万円増える」みたいな感覚がつかめれば、もう勝ちです。

家計ノートに「常設」して、日々の判断に使う

試算ができたら、そこからが本番です。
ここまでの作業を「やりっぱなし」にせず、家計の“司令塔エリア”に常設するのがすごく重要です。

こんな使い方ができます。

1)家計ノート/アプリのトップに貼る

家計ノートなら、最初のページか「固定費のページ」に、さきほどの感応表を大きく書きます。
アプリ派なら、スクショを撮っておいて、メモ欄やピン留めできる場所に保存します。

  • 「いまの金利」と
  • 「+1%/+2%の月返済額」

が、いつでもチラ見できる状態にしておくのがコツです。

2)ライフイベントのたびに“チラ見”する

たとえばこんなタイミングで、感応表を見にいきます。

  • 子どもが生まれた/保育園に入った
  • 車を買い替える/新しいローンを検討している
  • 転職・独立を考えている
  • 教育費・親の介護など、大きな出費の兆しがある

これらはすべて、「固定費の耐性」を見直すタイミングです。
そのときに、

金利が+1%になったときのうちの家計、まだ耐えられるかな?

とセットで考えるクセをつけると、将来の自分をかなり守れます。

3)ボーナス・余剰資金の使い道を決めるときの“物差し”にする

ボーナスの配分を決めるとき、

  • 旅行や趣味に使う
  • 投資に回す
  • 繰上返済をする

など選択肢がありますが、その前に感応表を見て、

「+1%で月1.5万円増えるなら、今のうちに元本を少し減らしておくのもアリだな」

と考える材料にできます。

「感覚」で決めるのではなく、「金利が上がったときの未来の自分の固定費」を見たうえで配分を決める。
これが、家計に会計的な視点を入れる、ということです。


金利ニュースに“ビビらない体質”を作る

感応表を常設しておくメリットは、もうひとつあります。

それは、「金利のニュースを見たときに、ビビるだけで終わらなくなる」ということです。

ニュースで、

  • 「10年国債利回りがさらに上昇」
  • 「住宅ローン金利の引き上げ検討」

といった見出しを見た瞬間に、

うちの場合、+1%なら月△△円増える。
今の家計なら、ここを削れば飲み込めるな。

と、すぐに自分ごとの数字に翻訳できるようになります。
これは、かなり大きなメンタルの安心材料です。

プロの投資家は、ボラティリティが上がっても、「自分のポジションの感応度」を知っているからこそ、落ち着いて動けます。
同じように、僕たちも「金利が1〜2%動いたらどうなるか」を知っていれば、ニュースに振り回されにくくなります。

結論:金利は読めない。でも「揺れ方」は自分で決められる

ここまで読んでくれたあなたは、もう「金利ニュース=自分には関係なさそうな専門ワード」ではなくなっているはずです。

  • 10年国債利回りが17年ぶり高水準
  • 債券市場のボラティリティが上昇
  • 変動金利の住宅ローンが多い日本の家計

こうしたキーワードは、どれもバラバラの話ではなく、「これからの数十年をどう生きるか」という、あなた自身のライフプランとじわじわつながっています。

ただ、ひとつだけハッキリしていることがあります。

「金利が今後どう動くか」は、プロでも完璧には読めない。
でも、「金利が動いたときに自分の家計がどう揺れるか」は、自分で見える化できる。

この記事でやってきたことは、まさにその「揺れ方」を数字でつかまえる作業でした。

  • 住宅ローンの利息=家計の固定費、として認識する
  • 金利が+1%/+2%になったときの月返済額をシミュレーションする
  • その結果を、家計ノートやアプリに“常設”しておく

これだけで、金利ショックは「いきなり横から飛んでくるパンチ」から、「想定の範囲内のリスク」に変わります。

将来、もし金利が本当に上がったとしても、

「ああ、このくらいの増加なら、外食を月〇回減らせば飲み込めるな」
「さすがに+2%ゾーンはキツいから、今のうちに繰上返済や貯金を厚くしておこう」

と、感情ではなく数字ベースで判断できる。
これは、精神的にもめちゃくちゃラクです。

そしてもうひとつ、この記事でこっそり伝えたかったメッセージがあります。

それは、

家計も、立派な「ひとつの事業体」だということ。

会社は、将来のリスクに備えて、いろんな感応度(売上が1%減ったら? 原価が上がったら? 金利が動いたら?)を見ながら意思決定をしています。
同じように、僕たち個人も、

  • 収入という「売上」があり
  • 生活費という「コスト」があり
  • ローンや貯金という「資本構成」がある

という意味で、ミニ企業みたいな存在です。

その企業のCFO(財務責任者)は誰か?
もちろん、ほかならぬ「あなた自身」です。

だからこそ、

  • 金利ニュースをただ不安がる人
    ではなく、
  • 「うちは金利+1%で月△△円、+2%で月□□円増える」と把握している人

に、そっとキャラチェンジしてしまいましょう。

やることは、そんなに難しくありません。

  1. 自分のローンの「プロフィール」を1枚にまとめる
  2. 金利+1%/+2%の月返済額をシミュレーターで計算する
  3. 家計ノート・アプリに“金利ダッシュボード”として常設する

今日の夜、5〜10分だけ時間を取って、この3ステップをやってみてください。
明日から金利ニュースを見たときの、心のざわつき方がきっと変わります。

未来は誰にも読めない。
それでも、「未来がこう動いたときに、自分の家計はこう揺れる」という地図を持っているかどうかは、いまの一手で決まります。

金利の世界が動き始めている今こそ、あなたの家計に“金利感応度”という小さなレーダーをインストールしておきましょう。
それはきっと、10年後・20年後のあなたが「やっておいてよかった」と振り返る、静かなナイスプレーになるはずです。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

金利を考える(ちくま新書 1819)
金融政策の第一人者が、「金利が動くと私たちの生活に何が起きるのか」を、生活者目線で解きほぐしてくれる1冊。
住宅ローン・物価・賃金・円安…一見バラバラなニュースが、「全部、金利という一本線でつながっていたのか」と腑に落ちます。

  • 「金利ある世界」に戻りつつある今、日本で何が起きているのかを中長期目線で整理したい人にぴったり
  • 数式よりもストーリーで語ってくれるので、新書サイズでもサクサク読み進められる
  • ブログでは触れきれなかった“マクロの金利ストーリー”を補完してくれる一冊

金利ニュースを“点”ではなく“線”で理解したいなら、まずこれを押さえておくと安心です。

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サクッとわかる ビジネス教養 金利とお金
フルカラー×図解たっぷりの「サクッとわかる ビジネス教養」シリーズの金利版。
金利の基本から、日本の低金利・マイナス金利、これからの「金利ある世界」までを、イラスト中心でざっくりつかめます。

  • 「そもそも金利って何?」レベルからやさしくスタート
  • 住宅ローン・預金・債券など、日常で出てくる金融商品の“つながり”がイメージしやすい構成
  • カラー図版が多いので、金利が苦手な人でも挫折しにくい

活字びっしりの本はちょっと…という人でも、「漫画感覚」で金利の全体像をつかみたいならこれ。


これならわかる! 知っておきたい金利の知識
「四半世紀ぶりにやってきた“金利ある世界”を、イラスト・図解で理解しよう」というコンセプトの1冊。
銀行・保険・投資信託など、金融機関の中の人向けの出版社が出しているだけあって、内容はなかなか実務寄りです。

  • ニュースでよく聞く金利用語(長期金利、イールドカーブ、利ざやなど)をスッキリ整理
  • 金利が変わると、個人・企業・金融機関にどんな影響が出るのかを具体例で解説
  • 住宅ローンだけじゃなく、「金利と経済」を広く理解したい人に向いている

「このブログおもしろかったけど、もう一歩だけ深掘りしたい」という方向け。


金利が上がっても、住宅ローンは「変動」で借りなさい - 1時間でわかる「新時代のお金の常識」
タイトルからしてブログテーマとドン被りの1冊。
「金利が上がる=固定に逃げろ」ではなく、「それでも変動をどう使いこなすか」を、最新の金利環境を前提に解説してくれます。

  • 変動 vs 固定のメリット・デメリットを、数字とシミュレーションで比較
  • 返済期間・繰上返済・頭金など、「どんな条件なら変動で攻めていいのか」が具体的
  • 1時間で読めるボリューム感なので、住宅ローン検討中の人にとっては“最高の予習本”

この記事で話した「金利感応度」を、実際の商品選びにどう活かすかを学ぶのにドンピシャな一冊です。


住宅ローンを賢く借りて無理なく返す32の方法 2024-25
住宅ローンの「借り方」「返し方」「家計との付き合い方」を、32のチェックポイントで体系的に解説した定番ガイド。
2022-23版なので、住宅ローン控除の改正や最近の金利環境も踏まえた内容になっています。

  • どの銀行・どの金利タイプを選ぶかだけでなく、「家計をどう整えて返していくか」までカバー
  • ローン破綻を避けるための「返済比率」「固定費の目安」など、実務的な指標がたくさん
  • これ一冊で、住宅購入前〜返済中までずっと横に置いておける“実用マニュアル”

この記事で学んだ「金利=固定費」という感覚を、より実務寄りに落とし込みたい人には鉄板の1冊です。


それでは、またっ!!

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