Z世代のバズは“商品”じゃなく“儀式”——ヒットを生む3つの仕掛け

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。 

そのヒット、品質の勝利じゃなく「見せたくなる儀式」の勝利じゃない?

ある日突然、身の回りで誰もが熱狂し始める商品があります。例えば、真っ赤なスープに好きな具材を入れる「麻辣湯(マーラータン)」や、ミスタードーナツの新食感ドーナツ「もっちゅりん」、そして中国発キャラクターの「ラブブ」のぬいぐるみ…。どれも2025年にZ世代を中心に話題沸騰したトレンドです。「気づいたら友達がみんなハマっていた」「人気の理由が説明しにくい」そんな現象を、不思議に感じた方も多いのではないでしょうか。

実は、これら“沼バズ商品”(ハマると抜け出せない沼のように夢中になってしまうバズり商品)のヒットの裏側には、単に「商品そのものの品質が高いから売れる」という従来の常識では語れない共通の仕掛けがあります。それはずばり、「商品」ではなく「儀式」を売っているということ。商品そのものの味やデザインが優れているだけではなく、思わず人に見せたくなる体験や参加型の構造が組み込まれているのです。本記事では、Z世代トレンドを研究する機関への取材や最新データをもとに、この「儀式」の正体を解き明かします。

この記事を読むメリット:
Z世代の消費トレンドの裏側にある3つの仕掛けを深掘りし、なぜ彼らが特定の商品に熱狂するのかを理解できます。ただ流行を追うだけでなく、「ヒットを生む構造」を知ることで、マーケティングや商品企画のヒントが得られるでしょう。さらに、投資やビジネスの視点からも、広告費をかけずユーザー発信で伸びる商品の強さを知ることで、次に注目すべき企業やビジネスモデルを見極める材料になります。それでは、Z世代のバズが生まれる3つの仕掛けを、一緒に見ていきましょう。

ユーザー参加型の楽しみ:自分流アレンジが生む熱狂

まず一つ目の仕掛けは、ユーザーが主役になれる商品設計です。Z世代にヒットするものには、「自分流にアレンジできる余白」が用意されています。言い換えれば、企業が完成品を押し付けるのではなく、ユーザー自身が手を加えて“自分だけの体験”を作り出せるようになっているのです。この参加型の楽しみこそが、深い熱狂(=沼化)を生む原動力になっています。

「選べる」楽しさがバズを呼ぶ:麻辣湯ブーム

2024年頃から急速に人気が高まった中国発祥のスープ料理「麻辣湯(マーラータン)」は、具材や辛さを自分好みにカスタマイズできるセルフ形式が特徴です。お店では好きな野菜や麺、肉類を選んで器に盛り、スパイシーな麻辣スープで煮込んでもらいます。まるで自分専用の鍋を作るような感覚が「選ぶワクワク」を生み出しました。実際、TikTokやInstagramでは「#麻辣湯カスタム」の動画投稿が急増し、多くの“いいね”やコメントを集めています。友達と「今日は何入れた?」と見せ合ったり、SNSにオリジナルの一杯をアップしたりと、商品そのものより“カスタムする儀式”が若者たちを夢中にさせているのです。

麻辣湯人気に火がついた要因については諸説あります。現役高校生たちが出演する恋愛リアリティ番組から流行語が生まれ、皆が真似する…なんて現象も。有名TikTokerが麻辣湯を食べる動画がバズって一気に広まった、韓国アイドルがSNSにアップして火がついた、などいくつかの説が語られました。どちらにせよ、「自分好みの一杯を作る」という行為自体がコンテンツ化し、ユーザー発信でどんどん拡散していった点が重要です。ただ辛いだけでなくヘルシーな点も相まって、「選べる・映える・健康的」の三拍子そろった次世代グルメとして定着しつつあります。麻辣湯は単なる料理ではなく、「今日はどの具材を入れよう?」という小さなイベントを提供することで、一過性のブームで終わらない持続的な人気を獲得し始めています。

“幻のドーナツ”を追いかけろ:もっちゅりん狂騒曲

ユーザー参加型の熱狂という点では、「商品を手に入れるまでが儀式」という現象も見逃せません。2025年に発売されたミスタードーナツの新商品「もっちゅりん」は、発売直後からSNSを中心に話題沸騰し、どの店舗でも即完売の連日売り切れという伝説的ヒットになりました。もっちゅりんは国産もち粉を使ったもちもち×しっとりの新食感が特長でしたが、それ以上に人々を熱狂させたのは「入手困難」という状況自体だったのです。

TwitterやInstagramには中には「もっちゅりん探しの旅に出たけどどこにもなかった」なんて投稿も登場し、「休みのたびに並んでいつも売り切れで泣いた」「3軒回ってやっと買えた!」といった苦労や成功体験が数多く共有されました。お店に開店1時間前から並ぶ、予約システムを駆使する、焼き上がり時間をチェックする…ファンたちは様々な作戦で“幻のドーナツ”を追い求め、そのプロセスをSNSで共有しました。これは、手に入れるまでの過程がRPGのクエストのように楽しみに昇華された例と言えます。


このようにZ世代のヒット商品には、消費者が自ら能動的に関与できる仕掛けが組み込まれています。自分で選んで工夫し、挑戦することで愛着が生まれ、その熱量がSNSで共有されてさらにブームが加速する——まさにユーザー参加型の好循環です。企業の公式発信より友人や一般ユーザーの投稿を信頼するZ世代にとって、こうした体験を生む商品が強いのは当然とも言えるでしょう。

“推し活”の延長:身につけて自慢したくなる仕掛け

二つ目の仕掛けは、持っているだけで人に見せたくなる付加価値です。Z世代のバズ商品には、おしゃれなデザインやかわいいキャラクターなど、「思わず写真を撮りたくなる」「友達に自慢したくなる」ような要素が散りばめられています。商品自体が自己表現のツールになっており、推し(お気に入り)を日常に取り入れて共有したいという欲求を刺激するのです。

キャラクターIPの魔力:ラブブが日常に入り込む

2025年のトレンドランキングで突如上位に躍り出たのが、中国発のアートトイブランド「POP MART」のキャラクター「LABUBU(ラブブ)」でした。大きな耳とギザギザの歯が特徴的なユニークでちょっと不気味可愛いキャラですが、BLACKPINKのリサさんがバッグにラブブのぬいぐるみを付けていたことから世界的な人気に火がつき、日本のZ世代にも一気に広まりました。Instagramには「#LABUBU」のタグが拡散され、若者たちがこぞってバッグやスマホにラブブのチャームを付けて写真を投稿するブームに。

ラブブ人気が示すのは、キャラクターIPが持つ拡散力です。従来、キャラクターグッズと言えばコレクションしたり飾ったりするものでした。しかしZ世代にとってキャラは「持つ」というより「つける」感覚が強いようです。お気に入りのぬいぐるみをカバンに付けて一緒に出掛ける——いわゆる「ぬい活」と呼ばれる文化も広がっています。お気に入りのキャラと常に一緒にいて写真を撮ってSNSに上げること自体が、彼らの日常の一部なのです。キャラクターと共に過ごすことで生まれる自己表現欲と連帯感が、日常を楽しくするスパイスになっています。


Z世代のバズ商品には、持つだけで会話が生まれる付加価値があります。キャラクターグッズ然り、「パケ買い」したくなるおしゃれなパッケージ然り、周りに「それいいね!」と言われること自体が購買動機の一部になっているのです。裏を返せば、品質が良いだけでは不十分で話題性やシンボル性を備えているかが重要です。商品を通じて自己表現ができ、持っていることが小さな誇りになる——そんな商品だけが一過性のブームを越えて長く愛されるヒットになるのでしょう。

クチコミがすべて:共感が生む拡散力

みんなで作るブーム

Z世代のトレンドは、一人の発信がきっかけでみんなが一斉に盛り上がるのが特徴です。TikTokやX(旧Twitter)で流行る音楽やネタに皆が乗っかり、同じハッシュタグで投稿があふれる様子は、まるでオンライン上の文化祭。一体感のある「みんなで参加する儀式」が次々と生まれています。現役高校生たちが出演する恋愛リアリティ番組から流行語が生まれ、皆が真似する…なんて現象も。

広告よりリアルな声

また、Z世代は企業の宣伝よりリアルなクチコミを信頼します。「これ、大人が考えた若者向けでしょ…」と感じ、ブランドに興味を失ったり距離を置いた経験がある人は61%にのぼります。一方で友人や一般ユーザーの投稿はフィルターのかかっていない「本音」が感じられるため、企業公式の広告を信頼する層を大きく上回りました。小さな口コミでも共感が共感を呼んで一気に火がつくのは、こうした背景があるのです。

勝手に宣伝してくれる強み

ユーザーが自ら広めてくれる商品は、企業にとって夢のような存在です。多額の広告費を投じなくても、SNSでオーガニックに拡散して売上が伸びていくからです。実際、バズマーケティングは従来の大量広告より費用対効果(ROI)が高いと言われます。裏を返せば、ユーザーの共感を得られない商品はどれだけ宣伝しても響かないということ。Z世代の心を掴む企業だけが、広告費ゼロでも成長できる時代になってきています。


UGC(ユーザー生成コンテンツ)全盛のいま、共感してもらえることが何よりのマーケティングです。企業は商品のストーリーを用意し、あとは消費者同士の熱量に委ねる——そんな図式で新たなブームが次々生まれています。

終わりに:“儀式”が未来のヒットを作る

Z世代のバズ商品を紐解くと、単なるモノ消費ではなく人が主役の物語が見えてきました。商品をカスタムする楽しみ、持ち歩いて自慢する喜び、みんなで同じネタで盛り上がる一体感——そのどれもが、人とのつながりや創造性を大切にするZ世代ならではの「儀式」です。

私たち大人から見ると奇抜に映るブームも、彼らにとっては日常を彩る大切なイベントなのかもしれません。だからこそヒットを生み出したいなら、品質や機能だけでなくユーザーが熱狂できる仕掛けを提供することが鍵になります。商品を通じて誰かと笑い合えたり、夢中になれる瞬間を共有できたりする——そんな体験を作れた時、初めて“ただの商品”が“心に残るヒット”へと昇華するのでしょう。

流行は移り変わりますが、人が心から楽しむ気持ちは普遍です。Z世代が教えてくれた「儀式」の力をヒントに、これからの時代も人をワクワクさせるヒットが次々と生まれることを期待したいですね。そして、その中心には、きっとまた新しい“儀式”が生まれていることでしょう。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

『コミュニティマーケティングは「巨人の肩」に乗れ——UGCと指名検索が増え続けるSNS活用の新常識』

「UGCが勝手に増える」って、運ゲーじゃない。設計で増やす
この本はそこを真正面から殴ってくるタイプです。
ブログで言っている“拡散設計”を、コミュニティ/指名検索/SNS導線に分解して腹落ちさせたい人におすすめ。

  • 読みどころ:UGC → 指名検索 → 売上、の流れを“仕組み”として捉え直せる
  • ブログとの接続:「見せたくなる構造」を“場”の設計まで落とせる

『オウンドコミュニティ——ファンと協働する新・マーケティング戦略のすべて』

“儀式”が回り始めると、企業の広告よりもファンが勝手に動くようになる。
その状態を「偶然の熱狂」で終わらせず、自社の資産にしていく話がまとまっています。

  • 読みどころ:コミュニティを「作って終わり」にしない運用の型
  • 投資・会計っぽい視点:広告費に頼らない成長=獲得コストが崩れにくい構造を理解できる

『「顧客が増え続ける」科学——デジタル時代のマーケティング新定跡』

「一回バズった」じゃなく、増え続ける。ここが肝。
SNSの波に乗れた企業が、その後にやりがちな失速(ここ、落とし穴です)を避けるための“設計図”が手に入ります。

  • 読みどころ:口コミ(UGC)を集めた上で広告で加速させる、という順序感
  • ブログとの接続:“広告よりUGC”を感覚論で終わらせず、再現可能な形に落とし込める

『新・Instagramマーケティング解体新書——なぜあの企業は成功したのか』

Z世代の“見せたくなる”は、Instagramの文脈だと設計ミスが一発でバレる
成功事例の解剖は、「何を投稿すべきか」以上に、「なぜそれが回るのか」を教えてくれます。

  • 読みどころ:成功パターンの分解(表面のオシャレじゃなく構造)
  • ブログとの接続:ネタ化/投稿されやすさの作り方を、具体的に考えやすくなる

『Z家族——データが示す「若者と親」の近すぎる関係』

最後に、ちょっと角度を変えて“消費者理解”の土台。
Z世代の購買って、本人の好みだけじゃなく、家庭・距離感・同調圧みたいな環境要因も混ざる。
バズの背景を「若者の気分」で片づけたくない人に効きます。

  • 読みどころ:データで“若者像”を補正できる(思い込みで外すのを防げる)
  • ブログとの接続:「儀式」がどこで生まれ、なぜ共有されるのかを考える視野が広がる

それでは、またっ!!

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