みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
その「◯◯円台」、あなたの信頼を何円で買ってる?
2980円は2000円台か?——SNSでここが燃えたのは、2026年1月14日ごろ。数字の見え方ひとつで「それ、ちょっとズルくない?」と感じる人が出て、逆に「いや2000円台で合ってるでしょ」と返す人もいる。
で、これを単なる言葉遊びで終わらせると、もったいない。論点の芯は「値付けって、結局どこまでが“説明”で、どこからが“誘導”なんだ?」にある。
そもそも「2000円台」という言葉は、数学というより“生活感覚”のラベルだ。多くの人は「2,000円台=2,000円前半〜中盤」くらいの温度で受け取っていて、2,980円のように天井ギリギリだと、急に“3000円感”が立ち上がる。ここに期待値のズレが生まれる。
2980円は、心理学的には“3000円”という大台を意識させないための定番の端数価格。安く感じさせる設計が、昔から研究されてきた。 企業の側では「端数は効く」という経験則も強いし、ECだと「送料無料ラインの少し下」に寄せる…みたいな設計もよくある。
ただ、今の消費者は賢い。端数が効く場面もある一方で、文脈次第で「ごまかされた」という感情が一瞬で広がる。ここ、落とし穴だ。値付けそのものより、「伝え方」が刺さる。
法律の話に寄せすぎるつもりはないけど、表示が消費者の誤認を招くと問題になり得る、という大枠は行政も繰り返し示している。 だから企業は“ギリギリの表現”を作るより、“納得できる表現”を作ったほうが長い目で得をする。
企業側から見ると、値付けは売上を作るレバーであると同時に、信頼を積む(または削る)レバーでもある。信頼は貸借対照表にドンと載らないけど、失うと回復コストがえげつない。広告で埋めても戻らないことすらある。投資家の目線でも、値付けが雑な会社は「他も雑かも」と疑われやすい。
この記事では、2980円論争を入り口にして、
- 端数価格が“効く理由”と“効かなくなる瞬間”
- 価格表現が炎上するメカニズム(法律の話ではなく、期待値の話)
- 値付けが「売上」だけじゃなく「企業価値(無形資産)」に刺さるポイント
を、投資と会計の視点でほどいていく。
たぶん読んだあと、次に「◯◯円台!」を見たときの目の動きが変わる。買う側としても、売る側としても。
目次
その「2000円台」は誰の言葉?——“価格ラベル”がズレる瞬間

「2980円は2000円台」って、文字だけ見れば正しい。
でも燃えるのは、正しさの問題じゃない。受け取られ方の問題だ。
価格って、数字でありつつ、同時に“ラベル”でもある。
「2000円台」「3000円切り」「実質◯◯円」みたいな言い方は、値札そのものより先に、脳内の棚を決める。
で、2980円はその棚の決め方が割れる。ここが火種になる。
端数は“値引き”じゃなく“見え方の設計”だ
2980円って、やってることはシンプル。
「3000円」と認識される瞬間を、2桁で止めたい。いわゆる端数価格(9で終わる価格)は昔から有名で、人は左端の数字に引っ張られると言われてきた。
たとえば
- 3000円 → “3千円の買い物”
- 2980円 → “2千円台の買い物”っぽい
この差は、20円の差じゃない。気持ちの棚が1段違う。
企業から見ると、これは「ズル」ではなく「設計」だ。
むしろ、設計しない方が珍しいくらい。価格は広告と同じで、見せ方が前提になっている。
ただし——この“前提”が、今のSNS空間だと通用しない場面が増えてる。
「言葉の定義」じゃなく「期待値の裏切り」で燃える
炎上の定番パターンはこれ。
- 企業(または投稿者)が「2000円台」と言う
- 受け手が「いや、ほぼ3000円じゃん」と感じる
- “言ってることは正しい”側が反論する
- でも火は消えない
なぜか。
この手の摩擦は、数学の争いじゃなくて、期待値のズレだから。
「2000円台」という言い方に、受け手が勝手に含めている意味がある。
- なんとなく“お得寄り”のニュアンス
- 体感としては2,000円前半〜中盤
- 天井ギリギリは「こっちの感覚では3000円」
ここを踏むと、「誤解した私が悪い」じゃなくて、
「誤解させに来たよね?」という感情に変わる。
この変換が起きた瞬間、議論が倫理モードに入る。
値付けは「売上」だけじゃない。信頼は“無形資産”で、削れる
ここが今回の尖ったポイント。
値付けって、短期では売上を作る。
でも長期では、**信頼(=無形資産)**を増やすか減らすかの行為でもある。
そしてこの信頼、会計のB/Sに大きく載りにくい。
載らないから軽視されがち。でも市場は見てる。
- 価格表現がギリギリ
- 説明が小さく、気持ちよくない
- 指摘されても「正しいです」で押し切る
こういう積み重ねは、購買の瞬間に効くというより、
「次から避ける」に効く。しかも静かに。
さらに厄介なのは、誤認を招く表示は行政上も問題になり得る、という“現実”があること。
企業が「正しい表現です」と言い切っても、消費者が「誤解した」と感じれば、それ自体がリスクになる。
つまり、値付けが“戦略”になった瞬間、同時にレピュテーション(評判)も運用対象になった。
運用をミスれば、端数で稼いだ分以上のコストが後から来る。
2980円が悪いわけじゃない。
刺さってるのは、「その言い方で得を取りに来た感」が透けたときの、受け手の冷め方だ。
次のセクションでは、じゃあ企業はどうするのが“得”なのか。
「炎上しない表現」と「ちゃんと売れる表現」を両立する値付けを、もう少し具体に落とす。
炎上しないのに売れる——“価格の伝え方”を設計し直す

2980円という数字そのものより、燃えやすいのは「言い方」。
同じ値段でも、伝え方で「納得」になるか「誘導」に見えるかが決まる。
企業側の本音はシンプルで、売上は落としたくない。
でも信頼も削りたくない。ここ、両立できる。
「◯◯円台」より「3000円未満」を使うと角が立ちにくい
2000円台って、生活者の感覚だと“安めゾーン”の匂いが混ざる。
2980円でそこを押すと、「得した気にさせたい」が透ける瞬間がある。
一方で「3000円未満」「3000円切り」は、受け手が勝手に期待値を盛りにくい。
上限が見えてるから、ズレが起きにくいんだよね。
- 2000円台:“安い棚”に入れたい意図が見える
- 3000円未満:事実の枠組みに聞こえる
端数価格が効くこと自体は昔から知られてるけど(左端の数字に引っ張られるやつ)、その効果を“言葉で上塗り”した瞬間に反発が出やすい。
ここは運用の話。値付けの技術というより、コピーのセンスに近い。
価格は“単発の売上”じゃなく“LTVの入口”——信頼コストを見積もる
この論争で見落とされがちなのが、会計っぽい視点。
売上って、今日の購入で立つ。
でも利益は「次も買う」「友達に勧める」「解約しない」みたいな未来の行動で変わる。
端数でコンバージョンがちょっと上がっても、
- クチコミが悪化する
- サポート問い合わせが増える
- “なんか嫌”で次回スルーされる
これが起きたら、実は損してる可能性がある。数字にすると地味に痛い。
特にサブスクやリピート商材は、初回の印象がそのままLTVに刺さる。
値付け表現が「小さな不信」を生むと、解約率や継続率で返ってくる。
ここ、広告費を積んでも埋まらないタイプの穴になりがち。
で、厄介なのが、信頼の毀損ってB/Sに「信頼マイナス」として載らないこと。
載らないから軽く扱われる。でも市場は軽く扱わない。
「この会社、表現がギリギリだな」と思われた瞬間、商品以外の部分まで疑われる。
さらに表示が誤認を招くと問題になり得る、という枠組みも現実としてある。
“正しいからOK”じゃなく、誤解を生まない設計がリスク管理になる。
端数をやるなら“納得の理由”をセットにする(値付けをストーリー化する)
端数価格が悪じゃないのは大前提。
むしろ、2980円みたいな価格って「買いやすさ」を作る王道でもある。
じゃあ何が違いを作るかというと、理由が見えるか。
たとえば同じ2980円でも、
- 「送料込みで3000円未満に収めた」
- 「原価高騰で値上げしたが、3000円未満は死守した」
- 「試しやすい価格にした(初回向け)」
こういう“値付けの背景”が1行でも添えられると、受け手は誘導じゃなく工夫として受け取れる。
逆に「2000円台です!」みたいに、気持ちだけを押すと疑われやすい。
ポイントは、正直に全部さらけ出すことじゃない。
「この価格には意図がある」と伝わるだけで、信頼の減り方が変わる。
値付けが“倫理”か“戦略”か、って言い方をすると、たぶん答えは両方。
戦略としてやるなら、信頼の残高も同時に運用しないといけない。端数って、その境界線を踏みやすい。
次のセクションでは、もう一段踏み込んで、
「信頼を削る値付け」と「信頼を積む値付け」の具体例を、消費者の心理と企業価値のつながりでまとめるよ。
信頼を削る値付け/信頼を積む値付け——差が出るのは“境界線”の扱い方

2980円が悪者になる日もあれば、むしろ「買いやすい良い設計だね」で終わる日もある。
分かれ目はシンプルで、消費者が“自分で選んだ”と思えるか。ここが崩れると、価格は一気に疑われる。
値付けは数字。だけど同時に、企業の人格が滲む場所でもあるんだよね。
信頼を削るのは「ギリギリ表現」より「ギリギリ運用」
燃えやすいのは、こういう組み合わせ。
- 「2000円台!」と大きく言う
- でも実態は2,980円(ほぼ上限)
- 小さい注釈か、注釈なし
言葉としては間違ってなくても、受け手は「上限ギリギリを“安い棚”に押し込んだ」と感じる。
この瞬間、値付けが“戦略”じゃなく“印象操作”に見え始める。
しかも今はSNSで切り抜かれやすい。スクショ一枚で文脈が落ちる。
「正しいです」で押し切るほど火が強くなるのも、この構造のせい。
さらに現実的な話として、誤認を招く表示が問題になり得る枠組みもあるから、ギリギリ運用はそもそもコスパが悪い。
端数で取れる利益って、長期の信頼コストに比べると脆い。
信頼を積むのは「透明性」より「納得の余白」
“透明性が大事”って言うと、急に説教っぽくなるけど、要はこれ。
受け手がツッコミを入れる前に、納得できる逃げ道を用意してあるか。
たとえば同じ2980円でも、
- 「3000円未満に抑えました」
- 「送料込みでこの価格です」
- 「試しやすい価格帯にしました」
こういう一言があるだけで、受け取りは変わる。
「誘導された」→「工夫してくれた」へ寄るんだよね。
端数価格の効果(左端の数字に引っ張られる、みたいなやつ)は昔から知られてる。
だからこそ、端数を“隠す道具”にしないほうが強い。
堂々と「ここを狙ってます」と言える企業は、値付けがブランドの一部になる。
投資・会計の目線だと「価格の品格」は“将来キャッシュ”に直結する
ちょっと投資家っぽい話をすると、企業価値って結局、将来のキャッシュフローの期待で決まる。
で、その期待を支えるのが「また買われるか」「紹介されるか」「解約されないか」。
ここに価格表現のクセが刺さる。
- 価格が気持ちよくない → 継続率が落ちる
- クレーム/問い合わせが増える → コストが増える
- 広告で新規を取っても定着しない → CACが重くなる
信頼はB/Sに分厚く載りにくい。載りにくいから軽視されがち。
でも毀損すると、P/L(販管費)側にじわじわ出てくる。これが一番イヤな出方。
つまり、値付けは「売る技術」でもあるけど、同時に会社の将来キャッシュの守りでもある。
2980円論争は、その“守りの雑さ”が可視化された例として見た方が面白い。
2980円が2000円台かどうか。答えは「数字としてはそう」。
でも企業価値の話にすると、「その言い方で、信頼残高を減らしてない?」が本題になる。
次はいよいよラスト。
この論争を踏まえて、値付けを“信頼の資産運用”として扱う結論で締めます。
結論
2980円は2000円台か?
数字だけなら「そう」。でも、この話がここまで燃えるのは、みんなが本当は**“価格の裏側”**を見てるからだと思う。
値付けって、昔は「原価+利益」で決まる、ちょっと無機質な作業っぽかった。
今はもう違う。値付けはコミュニケーションになった。
だから同じ2980円でも、「買いやすい配慮」にも見えるし、「安く見せたい小細工」にも見える。
しかも厄介なのは、後者に見えた瞬間、損するのは“その商品”だけじゃないこと。
「この会社、言い方がギリギリだな」って一回でも思われると、次からは値札を見る前に警戒される。
信頼って、ほんと静かに減る。ここ、地味に怖い。
企業側が得する道は、端数をやめることじゃない。
端数は武器でいい。ただ、武器を隠して刺すのか、堂々と構えて使うのかで、残る印象が変わる。
- 「2000円台!」みたいに“気持ち”を押すより、「3000円未満」「送料込み」みたいに事実の枠で語る
- “安さ”の演出を重ねるより、この価格の理由を一言だけ添える
- 指摘されたら「正しいです」で勝ちに行くより、「そう見えたなら表現変えます」で信頼を守る
これ、倫理の話に見えて、実は投資の話でもある。
信頼は貸借対照表にドンと載らない。けど、将来の売上や継続率、クチコミの空気として確実に効いてくる。
端数で拾った20円より、信頼で拾える“次の購入”の方が大きいこと、普通にある。
買う側も、今回の件でひとつ強くなる。
「◯◯円台」と書かれていたら、数字を疑うんじゃなくて、言い方の意図を読む。
それができると、煽りに振り回されなくなるし、逆にちゃんと誠実な値付けも見分けやすくなる。
2980円論争って、結局こういう話だ。
値付けが“倫理”じゃなく“戦略”になった。
そして戦略である以上、信頼(無形資産)も運用対象になった。
上手い会社は、値札で売上を作りつつ、値札で好かれていく。ここが企業価値の差になる。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
『価格のマネジメント――戦略・分析・意思決定・実践』
「値付け=売上」から一歩進んで、値付けを“経営そのもの”として扱う本。
端数価格・値上げ・値引き・競合比較…みたいな現場の悩みを、“なんとなく”で終わらせずに整理できます。今回の記事の「値付けは信頼(無形資産)にも効く」を、ちゃんと筋の通った話にしてくれるやつ。
『マンガでカンタン!行動経済学は7日間でわかります。』
「2980円が2000円台に見える/見えない」みたいな炎上は、結局人の脳のクセが原因だったりする。
この本はマンガで軽く入れるので、行動経済学が苦手な人でも読み切りやすいのが強み。価格の“見え方”を説明する説得力が上がります。
『いますぐできる実践行動経済学――ナッジを使ってよりよい意思決定を実現』
「人を動かす」って聞くと胡散臭くなりがちだけど、これは“やりすぎない設計”の感覚が手に入る本。
値付け表現も同じで、効かせたい気持ちが強すぎると反発される。炎上を避けつつ売る、のバランス感覚を作るのに向いてます。
『値決めの教科書――勘と経験に頼らないプライシングの新常識』
「結局、値段ってどう決めるの?」を、手順として持てるのが強い。
感覚で“2000円台アピール”をやると信頼を削ることがあるけど、そもそも価格設計が整理されていれば、表現もブレにくい。値付けをロジックで語りたい人に刺さります。
『ブランド・パワー――ブランド力を数値化する「マーケティングの新指標」』
今回の記事のキモ「値付け=信頼(無形資産)」を、もうちょい踏み込んで“じゃあ信頼ってどう測るの?”に寄せたいならこれ。
ブランドを“ふわっと良い感じ”で終わらせず、指標の話に落としていけるので、記事の説得力が一段上がります。
それでは、またっ!!
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