やる気の会計処理、間違ってませんか?──熱意を減価償却してる人たちへ

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

あなたの“やる気”、毎日損金処理されていませんか?

「やる気」が続かないのは、あなたのせいじゃない。帳簿のせいだ。

朝起きるたびに「やる気が出ない……」。
昼すぎには「あれ?なんでこんなに疲れてるんだっけ?」。
そんな日が続いているあなたへ、朗報です。

実はその“モヤモヤ”の正体、感情の会計処理ミスかもしれません。
私たちは毎日、自分の“やる気”を知らぬ間に「費用」として即時に消耗し、
“熱意”という無形資産を、減価償却してしまっているのです。

でも──
もし、「やる気」を“資産”として計上できたら?
もし、あなたの感情に“キャッシュフロー”が見えるようになったら?

🔍このブログで得られるもの(3つのポイント)

  1. “やる気”を会計でとらえ直す視点が手に入る
     → あなたの感情は「利益」か「費用」か、がクリアになります。
  2. 経営者・上司が陥りがちな“モチベーション管理の失敗”を防げる
     → 部下のやる気を“損失”にしないための新しいヒントが得られます。
  3. “自分の感情PL”を作り、エネルギーの使い方を見直せる
     → 自分の中の「投資と回収」の感覚が鍛えられます。

📊感情×会計=バズの方程式!

“数字”と“心”は本来つながっているのに、分けて考えてしまうのが現代の盲点。
だからこそ、「感情×会計」という異色の組み合わせはバズりやすい黄金パターンです。

会計なんて知らなくてOK。数字が苦手でも大丈夫。
読後には「自分のやる気は、今日いくら分だった?」と考えたくなる、
そんな不思議な読後感を保証します。

さあ、今日から“熱意”の扱い方、間違ってませんか?の問いを一緒に深掘りしていきましょう。

「やる気」は資産になるのか?

「モチベーション」は帳簿に載らないけど、価値はある

「やる気」って、形も数値もないけれど、確実に会社の空気や成果に影響を与えていますよね。たとえば、やる気のある人がいるだけでチームの生産性が上がったり、逆に「燃え尽きた」と言って退職されると、部署全体がぐらついたりする。これはもう、れっきとした経済的インパクトです。

でも、会計上の「資産」としては扱われません。なぜなら会計基準(たとえば国際会計基準のIAS 38)では、資産とは「識別可能で、将来経済的便益があって、企業が支配しているもの」と定義されています。やる気は本人の内面にあるし、他人にはコントロールできない。つまり「支配性」がないから、資産としては認められないわけです。

けれど、ここで大事なのは「帳簿に載らない=価値がない」ではない、ということ。モチベーションのような“帳簿外資産(オフバランス資産)”を軽視すると、後で大きな損失となって跳ね返ってきます。

心のなかにも「キャッシュフロー」がある

「モチベーション」を数字で測る動きは、実は始まっています。たとえば、組織心理学の分野では「心理的資本(PsyCap)」という考え方があります。希望・楽観性・レジリエンス(回復力)・自己効力感の4つを測定し、スコア化することで、チームの“やる気”を定量的に把握しようとする試みです。

驚くべきことに、この心理的資本が高いチームは、利益率も離職率も大きく改善するというデータがいくつも出ています。つまり、「やる気」はれっきとした将来のキャッシュフローを生む要因だということ。ならば、内部的な管理会計では“無形資産的”に扱っていいはずです。

あなたの今日の「元気さ」は、昨日のどんな投資から生まれたものですか?
気づかないうちに、ちゃんと「感情のフロー」が存在しているのです。

投資家はすでに「やる気」に値札をつけている

少し視点を変えて、投資の世界を見てみましょう。大手運用会社ブラックロックは最近、「人的資本の情報開示を強化すべきだ」と、企業に要望を出し始めています。その背景には、エンゲージメント(会社への貢献意欲)が高い企業ほど、株価が長期的に安定して上昇するという調査結果があります。なんと、S&P500の平均を3〜4%上回るとも。

つまり、市場はもうすでに「モチベーション」や「企業文化」のような見えないものを価値として評価し始めているのです。もし会計が追いついていないなら、私たち自身の感覚や管理のしかたで、それを“資産として見る”目を養う必要があります。


「やる気は測れないから価値がない」ではなく、「測れないけど影響が大きいから、ちゃんと扱う」。それがこれからの時代に求められる「感情の会計」的発想です。帳簿に載らなくても、自分の中に価値があると認識する。それだけで、自分への接し方が少し変わるはずです。

あなたの“やる気”、知らないうちに減損してませんか?

「やる気」は時間とともに“目減り”する資産

どんなに燃えていた新人時代の熱意も、3年、5年と経てばどこかで薄れていく。
それは人間が悪いのではなく、「やる気」そのものが時間とともに“減価償却”していく資産だからです。しかも、そのスピードは業務環境や上司、組織文化によって大きく変動します。社内会議が多すぎる、目的のわからない業務が続く、感謝されない——こうした“摩耗要因”が積もると、やる気は一気に“減損”を起こします。

Gallup社の調査によれば、全世界のエンゲージメント率はわずか23%。つまり7割以上の人が「やる気がない」状態で働いている。そして、このモチベーション欠如が企業に与える損失は、年間で8.8兆ドル。日本円にするとなんと1300兆円。もはや「心の減損」は、企業経営にとって見過ごせない“損益リスク”です。

一見「普通に働いている」ように見える人の中に、静かに燃え尽きかけている人がいる。感情のBSには、それが表れません。でも、決算発表での突然の退職や、離職率の上昇というかたちで、最後には必ず帳簿に跳ね返ってくるのです。

見えないコストが、利益を食いつぶしている

バーンアウト(燃え尽き症候群)という言葉があるように、人の感情にも“限界ライン”があります。近年では、精神的な不調による医療コストや生産性低下の損失が世界で年間3,000億ドル以上と推定されています。特に20〜30代の若手社員は、仕事に真面目に向き合いすぎるがゆえに、自分の限界に気づく前に燃え尽きてしまうリスクが高い。

この「やる気の減損」は、財務的にはどう現れるか。実は、採用コスト、教育投資の無駄、人材流出によるノウハウの喪失といった“見えない損失”となって現れます。しかも、これらはPL上では「広告宣伝費」や「採用費」などに紛れてしまい、“感情起因のコスト”としては認識されにくいのです。

さらに深刻なのは、こうしたコストがジワジワと効いてくるため、経営陣も気づきにくい点。気づいたときにはすでに「士気の総崩れ」が起きていて、どれだけ給与を上げても人が戻ってこない、という状態になります。

“モチベーション損益計算書”をつくろう

では、どうすれば自分や組織の「やる気減損」に早めに気づけるのでしょうか?
ヒントは、企業の減損会計と同じです。企業が保有する資産の価値が急落したとき、会計上は「減損テスト」を行って、それを早めに損失として計上します。同じように、自分の「感情資産」にも“予兆”を見つける習慣が必要です。

たとえば、最近こんなサインは出ていませんか?

  • 成果が出ていても心から喜べない
  • 朝の出勤が“義務”でしかない
  • 「この仕事、あと5年続けられる?」と自問して不安になる

こうした小さな違和感が、モチベーションの“簿価”が減ってきているサインかもしれません。

企業であれば、感情の減損リスクを察知するために「エンゲージメントサーベイ」や「1on1の定期化」などを導入して、心理的キャッシュフローを見える化していくことが効果的です。
個人でも、「最近一番うれしかったことは?」「最後にワクワクした瞬間は?」など、自分に質問して“やる気の源泉”を定期的に棚卸しすることで、感情のBSを健全に保てます。


人のやる気は、じわじわと摩耗していく資産です。そしてそれは、意外にも組織の数字や成果に大きな影響を与えています。経営者は「人の気持ちは経費である」と割り切るのではなく、「やる気は回復できる資産である」と捉える視点を持つこと。
そして私たち一人ひとりも、毎月の「感情PL」をつけてみることから始めてみましょう。自分の心のなかの“エネルギーの出入り”を記録するだけで、やる気の減損を防ぐヒントが見つかるはずです。

“やる気”が消える職場と、投資が回る職場の違い

間違った感情処理が、組織を蝕む

多くの職場では、「やる気」という感情は目に見えないからといって、正面から扱われることが少ない。でも実際には、経営者や上司の“感情の会計処理ミス”が、組織の士気を地味に下げていることがよくあります。

よくある失敗のひとつは、“やる気”を「使い切りの消耗品」として扱ってしまうことです。たとえば、「あいつはモチベーション高いから、今のうちにガンガン仕事を任せよう」と負荷をかけ続ける。これ、まさに感情を「即時費用」として扱っている状態です。本来なら、スキルや経験と同じように、やる気は育てて“複利で増やす資産”として見なすべきもの。なのに、「出せば出すほど減るもの」として無計画に使い切る。それが“燃え尽き”の温床になります。

さらに悪いのは、やる気が下がってきたときに「もっと頑張れよ」と精神論で対処しようとするケース。それは“感情の減損”を見落としている状態です。企業の財務では、資産が急落したときには「減損会計」が義務付けられています。なのに、感情面ではそのテストをしない。これは危険な内部統制ミスです。

「やる気」は福利厚生じゃない、経営戦略である

経営者やマネージャーが陥りがちなのが、「モチベーション向上は人事や総務の仕事」という誤解です。でも本来、“やる気”は組織の成長エンジンです。だからこそ、CFO(財務責任者)と同じように、“感情CFO”というポジションが社内に必要なんです。

たとえば、Googleでは社員の「心理的安全性(Psychological Safety)」を数値化し、チーム単位で可視化しています。社内SNSの発言回数や会議での発言率、1on1での感情ワードなど、ソフトデータをAIで処理してモチベーションの推移を可視化する試みも進んでいます。

これ、単なる福利厚生の強化ではありません。「社員のやる気」という無形資産を、数値として経営に組み込む試みです。やる気を数値で可視化し、投資と回収の循環を設計する──それが今の“人的資本経営”の本質です。

そして、若手がもっともやる気を感じる瞬間は、「自分の仕事が組織や社会にどう影響しているか」が腑に落ちたとき。給与を上げるよりも、仕事の意味を伝える。これは、実は最も投資対効果の高い“感情資本回収”の方法です。

個人にもできる「感情会計リテラシー」

企業だけでなく、私たち一人ひとりも「感情のPL(損益計算書)」を意識してみると、意外な発見があります。

たとえば、1日の終わりに「今日、自分のやる気が上がった瞬間」と「下がった瞬間」を5分だけ書き出してみる。これを毎日続けるだけで、「感情の利益」と「感情の費用」が可視化されていきます。
忙しさそのものが悪なのではなく、“意味のない仕事”や“承認されない努力”こそが、感情の赤字を生んでいたりします。

さらに応用編として、こんな仕訳も試せます:

  • 誰かに感謝された → 感情売上(営業収益)
  • 理不尽な説教を受けた → 感情損失(特別損失)
  • 新しいことに挑戦した → 自己投資(CAPEX)
  • 週末にリフレッシュできた → メンテナンス費(修繕費)

こうやって、自分の「やる気フロー」を仕訳していくと、「本当はどんな時間が自分にとって価値ある資産だったのか」がはっきりしてきます。
感情は曖昧なものだけど、日々“仕訳”していけば、そこにロジックと再現性が生まれる。これが、現代版のセルフマネジメントなのです。


やる気を減らさない組織には、共通して「感情の見える化」と「投資的な仕組み」が存在しています。それは華やかな制度や高額な報酬ではなく、日々の声かけや業務設計の中にあるもの。
そして、経営者だけでなく私たち自身が“感情の経理担当”になることで、日常はもっと穏やかに、もっと意図的に運営されていきます。
感情は、管理できる。その気づきが、明日のやる気を救います。

結論:“やる気”を損金処理する人生に、さようなら

私たちはこれまで、やる気を「あるかないか」の問題として語ってきました。でも本当は、“やる気”にはコストとリターンがあり、育て方によって未来のキャッシュフローが大きく変わる、れっきとした「資産」なのです。

たとえば、あなたが今日、誰かのために頑張ったこと。
うまくいかなかったけど、必死で食らいついたプロジェクト。
夜な夜な一人で考え続けたアイデア。

それらはすべて、数字には現れないけれど、確実にあなた自身の“内部留保”として積み上がっています。
その努力を、毎日「費用」として処理してしまうのか。
それとも「資産」として資本計上し、未来に利息をつけて回収するのか。

選ぶのは、あなただけです。

やる気は、一度しぼんでも、再投資すればまた戻ってきます。
時間をかけて、自分の感情と丁寧に向き合い、疲れたときには休み、学びたいときには投資する。それが“感情資本の複利”です。

あなたの中には、まだ帳簿に載っていない価値がたくさん眠っている。
それを誰よりも先に信じてあげられるのは、あなた自身しかいません。

もう、熱意を減価償却しないでください。
あなたの「やる気」は、人生最大の無形資産です。
どうか、今日からそれを、誇りをもって“資産計上”してください。

深掘り:本紹介

もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。

モチベーションの心理学: 「やる気」と「意欲」のメカニズム
モチベーション研究の第一人者が、やる気を引き出す心理的メカニズムを解説。感情の構造から内発的動機づけを整える方法まで、実践的な視点を交えて紹介。


「感情」の解剖図鑑: 仕事もプライベートも充実させる、心の操り方
日常で湧くさまざまな感情を分類して仕組み化。「感情PL視点」ややる気の減価償却に直結する気づきが得られ、整理しながら強い心を育むヒントが豊富。


自分や他人に振り回されないための感情リテラシー事典
EQ(感情知能)を高める実用書。感情と言語のつながりを整理しながら、自己管理と他者との健全な関係づくりに役立つスキルを学べる。


無形資産が経済を支配する: 資本のない資本主義の正体
資本主義が「物」から「無形」へシフトする中、感情や人的資本の価値と未知の可能性を分析。感情資本の経済的インパクトを理論的に考察できる良書。


これからの時代を生き抜くための資本主義入門
デジタル資本主義、無形資産社会への転換期における“資本”の概念の変化をわかりやすく提示。労働・創造性・人的資本といった無形要素が経済を支える流れを、日本社会の文脈で丁寧に整理。感情やモチベーションを「社会的・心理的資本」として捉える視野を広げてくれます。


それでは、またっ!!

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