中期経営計画の重要性:ROEとROICが示す未来の投資先

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。Jindyです。

企業はどうやってお金を使ってもっとお金を増やしているの?

日本企業が近年注目する中期経営計画(MTP: Mid-Term Plan)は、企業価値を高め、株主を含むすべてのステークホルダーと長期的な信頼を構築するための戦略的指針です。
その中でも、ROE(自己資本利益率)ROIC(投下資本利益率)の活用は企業価値の最大化において欠かせない指標として認識されています。
企業がこれらの指標を通じてどのように経営の質を向上させ、投資家はどのように判断を下せば良いか、深掘りしていきます。

ROEの重要性と企業価値の向上

ROE(自己資本利益率)は、企業が株主からの資本を使ってどれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す指標です。
企業の収益性や成長性を測るため、株主にとっては最も重要な指標のひとつとされています​。

  • ROEの構成要素
    ROEは、デュポンシステムによって以下の3つに分解されます。
    1. 売上利益率(営業利益/売上高)
    2. 資産回転率(売上高/総資産)
    3. 財務レバレッジ(総資産/自己資本)

このように、ROEを高めるためには、利益の最大化だけでなく、企業全体の効率的な運営や財務構造の最適化が求められます。
多くの企業はROE向上のために、余剰資産の売却や自己株式の取得といった戦略を用いています​。

  • 投資家から見たROEの活用
    ROEの高さは、企業の競争力や成長性の指標となり、投資家はROEが一定以上の水準にある企業を高く評価します。
    実際、近年の日本市場ではROEが8%以上の企業に投資資金が集中する傾向が見られます​。
    ROEが高い企業は、株主への還元が積極的であり、配当金や株価の成長によって長期的なリターンが期待されます。

ROICの意義と実務への応用

一方、ROIC(投下資本利益率)は、企業が投下した資本に対してどれだけ効率的に利益を上げているかを示します。
ROEと異なり、ROICは負債を含まないため、事業の真の収益性を評価するのに適しています。

  • ROICの計算式と分析
    ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本
    投下資本には、運転資本や固定資産などの主要資産が含まれますが、非コア資産(不動産など)は除外されるため、企業の中核事業の収益力を正確に測ることが可能です。
  • ROICと資本コストの関係
    投資家は、ROICが企業の資本コスト(WACC)を上回るかどうかを重視します。
    これを上回る場合、企業は投資に対して付加価値を生んでいると判断され、投資家からの評価が高まります。
    ROICの改善のためには、事業ごとの戦略的資本配分が不可欠であり、経営者には精緻な資本計画が求められます。
  • 企業のROIC活用事例
    多くの企業がROIC経営を導入し、事業ポートフォリオの整理や非効率資産の売却を進めています。
    例えば、固定資産の売却によりバランスシートを軽量化し、コア事業への投資を促進することで、ROICの向上を目指すケースが増えています。

ROEとROICの相互作用と投資家への影響

ROEとROICは単独で評価されるだけでなく、相互に影響を与え合います
ROICが高い企業は、効率的な資本運用を行うことでROEの向上にもつながります。
反対に、ROEが高くても、ROICが低ければ資本コストを上回る利益を生み出せていないため、持続可能な成長とは言えません​。

  • 投資判断への影響
    投資家は、企業の中期経営計画においてROEとROICの両方がバランス良く改善されているかを注視します。
    特に、日本市場ではROEとROICの水準が1%の違いで企業の評価に大きく影響することが多く、両方の指標を理解した上での投資判断が求められます。
  • 中期経営計画の重要性
    中期経営計画において、ROEやROICを具体的な目標として掲げる企業は、投資家との信頼関係を構築しやすく、株価の安定や上昇が期待されます。
    また、これらの指標を改善するための施策が経営計画に組み込まれることで、企業価値の向上が促進されます。

結論

ROEとROICは、企業の収益性と資本効率を測るための重要な指標です。
ROEが企業の株主還元の姿勢を示す一方で、ROICは事業の本質的な収益力を表します。
これらの指標を通じて、企業は中期的な経営戦略を策定し、株主や投資家との対話を深めることが求められます。

また、ROEとROICを両立させる経営は、企業の持続的な成長と市場での評価を高める鍵となります。
投資家は、これらの指標を重視した中期経営計画を評価することで、より良い投資先を見つけることができるでしょう。
今後も日本企業の経営が、ROEとROICを軸とした戦略にシフトする中で、投資家の視点からの理解が一層重要になると予想されます​。

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それでは、またっ!!

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