みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。
あなたの部屋の散らかり、企業価値にも影響してるって知ってましたか?
クローゼットの奥に使っていないバッグ、キッチンの棚に眠ったままの食器。そんな「不要なもの」を処分することで、私たちの生活は不思議と整い、頭の中までスッキリしますよね。
実は、同じことが企業経営にも言えるとしたらどうでしょう? “断捨離”は私たちの生活だけでなく、企業の株価にも影響を与えるかもしれない──そんな仮説を探るのが今回のテーマです。
ポイントは、「不要な資産を持つ企業=PBR(株価純資産倍率)が低くなりがち」という現象。そして、これを逆手に取った“断捨離経営”がいま注目されている理由を、会計の視点とライフスタイルの共通点から紐解いていきます。
この記事を読むことで、「なぜ資産を持ちすぎない方が企業価値が上がるのか?」という一見逆説的な経営戦略の真意を、生活に置き換えて理解できます。ビジネス書では語られない視点で、あなたの“整理整頓”が企業価値に与えるインスピレーションに変わるはずです。
PBRが教えてくれる「企業のムダ」とは?

PBR(株価純資産倍率)は、企業の株価と純資産とのバランスを測る重要な指標です。けれども、「PBRが1倍を下回る=割安株」というシンプルな見方だけでは、今の時代は読み解けません。なぜなら、そこには“企業の中に眠るムダ”が映し出されているからです。
PBR1倍割れは「割安」ではなく「資産の使い方が悪い」?
PBRが1倍を切ると、一般的には「この企業の株は割安だ」とされがちです。しかし投資家が真に注目しているのは、その資産を活かせているかどうか。たとえ帳簿上に多くの資産があっても、それが不動産や遊休設備、使われていない子会社など、「死んだ資産」として企業の成長に貢献していなければ評価は低くなります。
たとえば、オフィスビルをたくさん保有している老舗企業が、それらを有効活用できていなければ、資産は「重荷」に変わります。つまり、資産=価値とは限らないのです。
バランスシートの“詰め込み”が評価を下げるワケ
断捨離がもたらす快感と同じく、バランスシート(貸借対照表)も“スッキリしている”方が、投資家からは好まれる傾向があります。なぜなら、資産が多いほど「固定費」や「保守管理コスト」も増えるから。特に近年のように変化が激しい経済環境下では、俊敏な意思決定と柔軟な経営が求められます。
資産が多すぎると、それ自体が“しがらみ”になります。だからこそ、無駄な資産を抱えていない企業=“ミニマルな経営”を実践している企業ほど、スピード感と変化への対応力を持ち、株式市場でも高く評価されるのです。
「ムダに気づく力」が企業の競争力になる
最近は投資家や経営者の間でも「選択と集中」というキーワードが再評価されています。特定の分野に経営資源を集中させ、他の事業や資産は切り離す。この判断には勇気がいりますが、その背景には「ムダを見極め、手放す力」があります。
これこそが、生活の断捨離と同じで、いかに“執着”を手放せるかが試されているのです。だから、PBRの低い企業ほど、その数字の裏に「ムダへの無自覚」があることも少なくありません。
“断捨離経営”がもたらす3つの好循環

PBRの低さに潜む“ムダ”の正体が見えてきたところで、次に注目すべきは、それを排除した企業にどんなメリットがあるのか──つまり「断捨離経営」の実践がもたらす好影響です。これは単なる資産整理ではなく、企業価値そのものを押し上げる戦略ともいえるのです。
好循環①:財務効率が劇的に改善する
まず最もわかりやすいのが、財務効率の向上です。不要な資産を売却・整理することで、ROA(総資産利益率)やROE(自己資本利益率)などの経営指標が改善されます。たとえば遊休不動産を処分すれば、その資金を本業に再投資できるため、利益率が向上し、株主からの評価も上がりやすくなります。
また、保有資産が減ると減価償却費や維持管理コストも削減されるため、固定費体質から脱却しやすくなるのも大きなポイントです。こうした動きは、中長期的に「稼ぐ力」の強化にもつながります。
好循環②:企業イメージとブランド価値が向上
実は、「ムダを持たない企業」は、投資家だけでなく消費者からの印象も良くなる傾向があります。近年はSDGsやESG(環境・社会・ガバナンス)に敏感な世代が増え、「不要なものを大量に保有しない」「効率的な経営をしている」という姿勢が企業ブランドに直結する時代です。
たとえば、オフィスを縮小してリモートワークを取り入れたり、子会社の統廃合を行ったりする企業が「柔軟で時代に合った会社」として再評価されるのもその一例です。モノや資産にしがみつかないスタイルが、今の時代の“カッコよさ”として支持されているのです。
好循環③:変化に強い組織体制が築ける
ミニマル経営のもうひとつの大きなメリットは、変化に対する適応力です。環境変化が早い現代では、意思決定のスピードが命です。持たない経営は、社内の複雑な構造や無駄な承認プロセスを省き、シンプルな組織構造を実現できます。
その結果、組織はフットワーク軽く動き、チャンスを逃しません。加えて、変化に柔軟なカルチャーが根付き、社員の意識も「守るより攻める」姿勢へと変わっていきます。これはまさに“断捨離”がもたらす心理的変化とよく似ています。
“シンプル思考”が経営トレンドになった背景

今、世界中の経営者や投資家たちが「複雑さを嫌い、シンプルさを求める」傾向を強めています。それは単なるブームではなく、確かな経済的・社会的背景があるからです。このセクションでは、なぜ今“断捨離的経営”が注目されているのかを掘り下げてみましょう。
ポストコロナ時代の「可視化」と「選別」
コロナ禍を経て、多くの企業が自社の構造的な弱点やムダに気づかされました。リモートワーク導入で「オフィスって本当に必要?」という問いが浮上し、売上が落ち込んだことで「稼げない事業」の存在が浮き彫りになったのです。つまり、外圧によって“棚卸し”せざるを得なかったのです。
これにより、企業は本業への回帰、不要事業の整理、DX(デジタルトランスフォーメーション)による効率化といった施策を一気に進めることになりました。逆に、それができなかった企業は“遅れた組織”として市場から置いて行かれています。
投資家の視線が「資産」から「思考」に変化している
従来、投資家は企業が保有する資産や事業規模に注目していましたが、近年は「経営の柔軟性」や「思考の明快さ」に関心を持つ傾向が強まっています。つまり、「この会社は変化にどう対応するか?」「シンプルに考えているか?」という問いに対してポジティブな答えを持つ企業が評価されているのです。
この背景には、グローバル経済の不確実性があります。何が起こるか分からない時代において、膨らんだ資産や複雑な構造はリスクにしかならない。だからこそ、スリムでシンプルな経営が、企業の生存戦略として正当化されているのです。
「生活者感覚」が経営判断に求められる時代
興味深いのは、こうした“シンプル志向”が経営層だけでなく、生活者や従業員の感覚と一致していることです。私たちはもう、「豪華な社屋」や「多角化された企業」に安心感を抱かなくなりました。それよりも、目的が明快で、ムダを削ぎ落とした企業に信頼を置きます。
この感覚はまさに、自宅の断捨離と同じ。空間に余白があることで心も軽くなるように、企業経営にも「見える化」と「整理整頓」が求められるようになってきたのです。これは単なる経済合理性を超えた、共感の経営へのシフトでもあります。


結論:削る勇気が、未来を変える
モノを手放すことには、時に勇気がいります。それが高価だったものであればあるほど、「もったいない」「いつか使うかも」と、手元に残したくなるのが人情です。でも、私たちはもう知っていますよね──本当に大事なものは、たいてい“最小限の中”にあるということを。
企業経営もまったく同じです。規模を追い求めるあまり本質を見失い、「持つこと」「増やすこと」が目的化してしまうと、かえって企業価値は損なわれていく。そんな時代において、「削ること」「選び抜くこと」にこそ、未来を変える力があるのです。
PBRという数値には、単なる財務的評価を超えて、“その企業が何に執着しているか”という無意識の選択が映し出されます。不要な資産を抱えたまま動けなくなっている企業は、まるで散らかった部屋で身動きの取れない私たち自身のようです。
しかし、そのムダを見極め、手放し、本当に必要なことに集中する──そんな「断捨離的思考」を持てたとき、企業は軽やかに、強く、美しく変化していけます。そしてそれは、私たち一人ひとりの生活にも共通する力です。
「持たないこと」は、弱さではありません。むしろ、「選べること」「動けること」という、今の時代に必要な強さそのものです。
あなたの部屋がスッキリしているとき、ふと心が整っているように。企業もまた、スッキリとした財務と戦略を持ってこそ、真の価値を発揮できるのです。
深掘り:本紹介
もう少しこの内容を深掘りしたい方向けの本を紹介します。
超ミニマル主義
ミニマリスト系のライフスタイル提唱者による考察本。ビジネスや生活における「持たない選択」の本質を説き、価値のあるものに集中する思考法は、断捨離経営に通じています。
図解入門ビジネス 最新中期経営計画の基本がよ~くわかる本[第3版]
企業が中期計画を策定・実行するうえでのポイントを図解で解説。事業の選択と集中、資産の再配置といった断捨離経営の具体的手法にも役立つ実用書です。
最強のシンプル思考 – 最高の結果を出すためのたった一つのルール –
アップル「Think Different」キャンペーンを支えた著者が、「シンプルさが最も強力な武器になる」と説きます。思考のミニマル化が成果へつながる本質を学べます。
仕事で必ず結果が出るハイパフォーマー思考
3S思考(Star・Side・Sequence)で多くのビジネスパーソンの結果を高めた著者による実践本。効率的思考と戦略の構造化は、企業経営にも応用可能です。
売上を追わずに結果を出すリーダーが見つけた20の法則
「売上ではなく本質を追求する経営」をテーマに、限られたリソースで最大効果を出す方法を20の原則で解説。断捨離経営と響き合う実例が満載です。
それでは、またっ!!

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