あいつは使えない、は「投資失敗」の言い訳に過ぎない。人口減少をレバレッジに変えるB/S経営

みなさん、おはようございます!こんにちは!こんばんは。
Jindyです。

人口が減っている。人手が足りない。だからうちの業界は厳しいんだ

最近、どこに行ってもこの言葉を耳にします。まるで、逃れられない天災に直面しているような、そんな諦めムードを感じることもあります。

でも、ちょっと待ってください。
もし、私たちが「人口減少」という現象を、単なる「負のコスト」としてではなく、「組織のB/S(貸借対照表)を再構築するための究極のレバレッジ」として捉え直せるとしたらどうでしょうか?

「人口は減る。増えることはない。だから“全員を生かす”以外の選択肢が消える」
これは、私が最近ある対談(人口が減る世界の“総力戦マネジメント”)から得た、非常に強力な衝撃でした。

この記事では、人口減少という「逃れられない重力」を前提にしながら、それでも高いリターンを叩き出し続けるための「B/S型マネジメント」の極意を、会計とファイナンスの視点から徹底的に解剖していきます。

本記事で得られるものは、以下の3点です。

  1. 「人=コスト」という古いP/L脳から、「人=アセット」というB/S脳への転換方法
  2. 「叱る・詰める」が引き起こす、目に見えない「人材資本の減損」の防ぎ方
  3. 足りないリソースを「物語」で補完し、外部を巻き込む「関係人口」の資本化戦略

この記事は、単なる精神論ではありません。「投資×会計×実務」のロジックで、明日からのチーム運営、あるいは自分自身のキャリアの「資産価値」を高めるための実装図です。

ここから本題に入っていきましょう。

【構造理解】「人口減少」を前提条件に組み込む――P/L脳からB/S脳への転換

まず、私たちが直面している現実を「会計的」に整理してみましょう。

多くの経営者やマネージャーが陥りがちな罠が、「P/L(損益計算書)脳」での思考です。
「利益を出すために、人件費を抑えよう」「残業代を削ろう」「効率よく人を使い倒そう」
これは、人を「変動費(コスト)」として見ている証拠です。

しかし、人口が減り、採用市場が完全に「売り手市場」となった現代において、この思考は致命的です。なぜなら、コストだと思って削った「人」は、二度と補充できない「希少資源」に変わってしまったからです。

ここで必要なのが、「B/S(貸借対照表)脳」への転換です。
人を「給与という流出(コスト)」で見るのではなく、「将来にわたってキャッシュを生み出し続ける固定資産(アセット)」として見るのです。

会計の世界では、機械や建物といった固定資産は「減価償却」を通じて価値を消費していきますが、人的資本は「投資(教育・環境整備)」によって、その価値(時価)を無限に高めることができる特殊なアセットです。

人口減少時代のマネジメントとは、例えるなら「低RoA(資産利益率)の会社が、限られた総資産でいかに純利益を最大化するか」という、極限の資産運用ゲームです。

「代わりの人間がいる」という前提で、人を使い捨てにするモデルは、いわば「資産の切り売り」で利益を出しているようなものです。いつか、売る資産がなくなれば破綻します。
逆に、「全員を生かすしかない」という極限状態は、一人ひとりのアセットの稼働率を最大化し、かつそのアセットが持つ「潜在的な含み益」を掘り起こす、最高にクリエイティブな「資産運用」の場になるのです。

ここでのキーワードは「再編集」です。
元々そこにある「当たり前の資源(例えば地味な技術や、融通の利かないベテラン)」を、そのまま「古い設備」として放置するのか、それとも「ヴィンテージな付加価値」として物語を付与し、外部市場へ「再販」するのか。
この「見立て」の能力こそが、これからのB/S経営の核心になります。

【会計×CF】叱る上司はキャッシュフローを悪化させる――人材アセットの「減損」を防ぐ

さて、具体的に「人材アセット」を運用する上で、最も警戒すべきリスクは何でしょうか?
それは、「目に見えない減損処理」です。

会計用語の「減損」とは、資産の収益性が低下し、帳簿上の価値をドカンと切り下げる処理のことです。これが発生すると、純利益は一気に吹き飛び、B/Sの健全性は損なわれます。

これ、実は現代のマネジメント現場で毎日起きています。
「なんでできないんだ!」「気合が足りない!」「代わりなんていくらでもいる!」
こうした、いわゆる「叱って伸ばす(実は矯正しているだけ)」のマネジメントは、人材というアセットに対して、物理的な「ハンマー」で叩いているようなものです。

一見、叱ることで現場が引き締まり、短期的なP/L(生産性)が向上するように見えるかもしれません。しかし、ファイナンスの視点で見れば、以下の悲劇が進行しています。

  1. 自己資本(自信・自発性)の毀損: 叱られ続けた社員は、リスクを取ることをやめます。これは「無形資産」の価値がゼロになることを意味します。
  2. 人材の流出(重要アセットの除却): 優秀な人から先に「損切り」して去っていきます。採用コストが高騰している今、これは莫大な「特別損失」です。
  3. 将来キャッシュフロー予測の低下: 不安が蔓延した組織では、イノベーション(将来のCF)が生まれません。

つまり、怒鳴る上司や不機嫌な職場は、「資産の価値を毀損させ、キャッシュフローの蛇口を自ら締めている」、財務的に極めて無能な行為をしていると言えます。

ここで、簡単な計算をしてみましょう。
一人の優秀な人材を採用・育成するのにかかるコスト(Capex:設備投資)が500万円だとします。その人が「不機嫌なマネジメント」が原因で1年で辞めた場合、投資回収(ROI)はマイナスです。
逆に、その人が10年活躍し、さらに「この会社は最高だ」とSNSで発信して新たな人材を呼んでくれたら(リファラル)、そのアセットの価値は10倍、20倍へと膨らみます。

人口が減り、余剰がゼロになった世界では、「左遷する場所」も「飛ばす部署」もありません。
「目の前にいる、欠点だらけの人間を、いかに活用してリターンを出すか」
この「強みと強みを噛み合わせる設計」こそが、これからのマネージャーに求められる「ポートフォリオ最適化」のスキルなのです。

「仕事で失敗した=人格否定ではない」
こうしたメンタルケアも、甘やかしではなく、「重要アセットの稼働停止を防ぐためのメンテナンス」だと考えれば、投資として非常に合理的な判断に見えてきませんか?

【実務の打ち手】“困りごと”を資源に変える――「関係人口」を戦力化する再編集の技術

「でも、うちは本当に人が足りないんだ。アセットを運用したくても、アセットそのものが足りないんだよ」
そんな悲鳴も聞こえてきそうです。
そこで最後にお伝えしたいのが、「関係人口のレバレッジ」という打ち手です。

これはファイナンスで言うところの「オフバランス(簿外資産)の活用」に似ています。
自社の社員(オンバランスのアセット)だけでなく、外部のファン、ユーザー、地域住民といった「外部リソース」を、自社の価値創造プロセスに組み込む戦略です。

具体的にどうすればいいのか。今日からできる5つのステップを提案します。

  1. 困りごとを「プロジェクト」として公開する:
    「人手が足りなくて困っています(雑用を手伝ってください)」ではなく、「私たちは今、〇〇という課題を解決して、世界を面白くしようとしています。この挑戦に参加しませんか?」と発信を変えます。
    「困りごと」は、見せ方を変えれば立派な「エンタメ」や「貢献の機会(価値)」になります。
  2. 「金銭的報酬」以外のインセンティブを設計する:
    外部の人は、お金のためだけに動くわけではありません。「役に立てる実感」「ここでしか得られない体験」「同じ志を持つ仲間との接続」といった「心理的インセンティブ」を報酬として定義します。
  3. 「1%の猛者」ではなく「10%の行動人口」を狙う:
    いきなりプロを雇おうとせず、まずは「ちょっと興味がある」という層(関係人口)を増やし、その中の10%が「実際に動いてくれる」ような仕組みを作ります。
  4. 理念は配らず、「対話」で染み込ませる:
    会社の理念を紙で配っても誰も読みません。実務の意思決定の場で「なぜ今、この判断をしたのか」を経営トップが語り続ける。この「投資判断のロジック共有」が、最強の組織文化(OS)を作ります。
  5. 「誰がハッピーになるか」をスクリーニング基準にする:
    リソースが足りない時こそ、「この施策で誰が幸せになるのか?」を厳しく問い、誰もハッピーにならない「従来の慣習」をバッサリ切り捨てます(不採算事業の撤退)。

これらはすべて、「エネルギー管理」の話です。
お金という資本がないのなら、「面白そう」「やってみたい」という「感情のエネルギー」を資本として調達し、それを事業というエンジンに注ぎ込む。
これこそが、人口減少という「冬の時代」を生き抜くための、真に現代的な「プロジェクト・ファイナンス」の形なのです。

結論:30年後の処方箋は「面白がり」の設計にある

長々と書いてきましたが、結論は極めてシンプルです。

「人口は減る。だから、今いる全員を120%活かすしか道はない」

かつてのように、人間を「安く買い叩ける消耗品」として扱っていた時代は、もう終わりました。
これからは、一人ひとりの強みを分析し、弱みを仕組みでカバーし、欠点を「愛嬌というブランド」に変換できるリーダーだけが、生き残る時代です。

そのためには、まず自分自身が、目の前の課題を「面白がる」必要があります。
「人が足りない。最悪だ」と思うのか。
「人が足りないからこそ、AIを使い倒し、外部のファンを巻き込み、全く新しい組織の形を実験できる。最高だ!」と思うのか。

この「再符号化(リフレーミング)」の能力こそが、あなたの「B/S」における最大の無形資産になります。

30年後の日本を悲観する必要はありません。
重力があるからこそ、私たちは空を飛ぶための知恵(物理学)を発明しました。
人口減少という重力があるからこそ、私たちは「人間を本当に大切にするための、真のマネジメント」を発明できるはずです。

さあ、明日からのあなたの「資産運用」は、どこから始めますか?
まずは、隣にいるメンバーの「まだ帳簿に載っていない強み」を、一つ見つけることから始めてみてください。

Jindyも、あなたの挑戦を全力で応援しています!

明日からの「B/S経営」を即インストールするための5冊

最後まで読んでいただき、ありがとうございます! 今回の記事で解説した「B/S型のマネジメント」や「関係人口の資本化」、頭では理解できても、いざ明日から現場でどう動けばいいのか、迷う部分もあるかと思います。

そこで、この記事のロジックを**「あなた自身の血肉(アセット)」**へと昇華させるために、楽天ブックスで手に入る最新の良書を5冊ピックアップしました。 どれも、これからの人口減少時代を生き抜く「圧倒的な武器」になる本ばかりです。気になったものから、ぜひあなたの本棚(B/S)に組み込んでみてください。

『実践! 人的資本経営』みずほフィナンシャルグループ 編著

「人=コスト」という古いOSを、完全にアンインストールするための一冊。 セクション1で触れた「P/L脳からB/S脳への転換」を、日本を代表する金融機関が体系化した最新の解説書です。「人を大切にする」というフワッとした精神論ではなく、いかにして「人材投資」が企業価値(株価や業績)に直結するのかを、徹底的なファイナンス視点で解き明かしてくれます。経営層だけでなく、自分のチームの「資産価値」を証明したいマネージャー陣に強くおすすめします。


『B/S、P/Lを知らない社長と幹部が会社を潰す!? 中小企業の財務の強化書』古田土 満 著

マネジメント層が知っておくべき「数字のリアル」を突きつける劇薬。 「B/S経営だ!」と叫んでも、そもそも財務三表の構造を理解していなければ絵に描いた餅です。40年以上、数千社の中小企業を見てきた著者が、「売り上げが出ているのにお金が増えない理由」や「数字を経営判断にどう落とし込むか」を一問一答形式で解説。人材投資の原資をどこから捻出するのか、その構造を知るための必読書です。


『60分でわかる!心理的安全性 超入門』伊達洋駆 著

有能なアセットの「減損処理」を今すぐ食い止めるためのメンテナンス・マニュアル。 セクション2で「叱責は資産の毀損である」とお伝えしましたが、では具体的にどうすれば「人が辞めず、自発的に動くチーム」を作れるのか? 本書は、学術的な裏付けのある「心理的安全性」の実践方法を、図解入りで極めてわかりやすく解説しています。不機嫌なマネジメントから脱却し、メンバーの潜在的な含み益を最大化したいリーダーに最適です。

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『ごちゃまぜで社会は変えられる 地域づくりとビジネスの話』濱野将行 著

「足りない」を言い訳にしない。外部リソースを巻き込む「関係人口」のリアルケース。 セクション3でお伝えした「関係人口の戦力化」を見事に体現している一冊です。過疎化が進む地域で、空き家を活用し、全世代(お年寄りから若者まで)を巻き込みながら、ただのボランティアではなく「ビジネス」として成立させた生々しい軌跡が描かれています。「人を巻き込む余白の作り方」や「困りごとのエンタメ化」のヒントがこれでもかと詰まっています。


『人口減少逆張りビジネス』古田隆彦 著

「人口が減る=オワコン」という常識を根底から覆す、希望の書。 この記事のテーマである「人口減少をレバレッジに変える」思考をさらに深掘りしたいなら、この本以外にありません。人口減少というメガトレンドを「逆手」に取り、そこに生じるズレからいかに新しいビジネスチャンスを発掘するか。12の具体的な手法とともに解説されています。「人が減るから無理だ」と嘆く競合を横目に、高笑いしながら新しい市場を開拓するための戦略書です。

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本という「数千円のCapex(設備投資)」は、あなた自身の人的資本価値を何十倍にも跳ね上げる最高のアセットです。気になる一冊を手に取り、明日からのチーム運営を「極限の資産運用ゲーム」として面白がっていきましょう!

    それでは、またっ!!

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